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建設キャリアアップシステム(CCUS)は建設業界で働く人のキャリアを正しく評価し、より良い待遇につなげるための大切な仕組みです。会社にとっても現場の管理を効率化する上で重要な役割を担っています。
転職や退職を考えている方や会社で従業員の退職に対応する担当者の方にとって、「CCUSカードは新しく作り直す必要があるの?」「どんな手続きをすればいいの?」といった疑問は自然なものです。
CCUSの情報を常に最新の状態にしておくことは職務経歴を正確に記録し、将来のキャリアアップに活かすために非常に重要です。会社にとっても働く人の情報をきちんと管理し、法令を守る上で欠かせません。
この記事では、転職した際にCCUSで必要となる手続きについて、ご自身で行うべきことと、会社が行うべきことに分けて具体的に分かりやすく解説していきます。
転職した場合に建設キャリアアップシステムで新規登録は必要?
建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録済みなら、転職後も新しいIDを取得する必要はありません。重要なのは以前の会社から新しい会社へ移る際に、登録情報を正確に変更することです。
転職先のCCUS登録状況や、ご自身の状況によって手続きが多少異なる場合があります。特に社会保険の情報は新しい勤務先に合わせて更新が必要となるため注意が必要です。
以前の会社で使用していたメールアドレスやCCUSカードの送付先も、ご自身の最新情報へ変更しておきましょう。退職時には手続きをスムーズに進めるためにも、会社から建設キャリアアップカードとログインID・パスワードを必ず受け取ってください。
転職した場合に技能者自身が建設キャリアアップシステムですべき対応
建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録済みの技能者が転職する場合、転職先によりすべき対応が異なります。転職先がCCUSに登録している場合、していない場合、異業種への転職の場合、独立の場合の対応を紹介します。
転職先が建設キャリアアップシステムに登録している場合
転職先がCCUSに登録済みなら新しい技能者登録は不要です。今のIDとパスワードでログインして情報変更だけ忘れずに行ってください。
ご自身のIDと新しい会社の事業者IDをしっかり紐付けることが重要な項目です。変更手続きができていない場合、カードリーダーエラーや履歴が正しく記録されないこともあります。
ログイン後「変更申請」で新しい会社を所属事業者に設定し直し、前の会社は「過去の所属事業者」へ移動させましょう。社会保険情報も新しい会社の健康保険証などで忘れずに更新してください。
転職先が建設キャリアアップシステムに登録していない場合
転職先がCCUSに未登録でも、お持ちのIDはそのまま使えます。
まず、CCUSにログインして以前の会社の情報を変更します。カードの送付先や緊急連絡先も必ず確認して、ご自身の情報に忘れずに変更してください。
次に新しい会社を所属事業者として登録します。CCUSに未登録の会社はシステムで検索できませんが、会社名などを手入力すれば登録可能です。社会保険の情報も新しい会社に合わせて更新が必要です。
最後に、以前の会社に退職日を登録して「過去の所属事業者」として情報を整理しましょう。
転職先が異業種の場合
建設業界から別の業界へ転職する場合でも、お持ちのCCUSのIDを使えるので新規登録は不要です。
ご自身のIDとパスワードでCCUSにログインし、「変更申請」画面に進んでください。ここでカードの送付先や緊急連絡先などが以前の会社の情報のままになっていないかを確認し、必要であれば修正しましょう。
次に「所属事業者」の情報を変更します。新しい職場が建設業界以外の場合は、CCUSに事業者登録がないため事業者IDと紐づけはできません。新しい所属先の会社名などを形式的に手入力で登録するか、あるいは所属先を「なし」として登録します。
所属事業者を変更する場合、社会保険情報を忘れずに更新することも不可欠です。
最後に、以前勤めていた建設業の会社については退職日を入力して「過去の所属事業者」として記録を残しておくことをお勧めします。建設業界に戻る場合も、これまでの経験を活かせます。
独立する場合
建設業界で独立開業される場合、現在のCCUSの技能者IDは引き続き利用できるので、新規ID取得は不要です。ただし独立後はご自身をCCUSに「事業者」として登録する必要があります。法人、個人事業主、一人親方といった形態にかかわらず、CCUSのシステム上で技能者は必ずいずれかの事業者に所属する必要があるためです。
事業者としての登録が完了したら、次にその新しい事業者IDと技能者IDを関連付ける作業を行います。処理完了後、運営する事業者の所属技能者としてCCUSに登録されることになります。
同時に技能者情報に登録されている「所属事業者」を以前の会社から新しい事業者に変更し、社会保険の情報なども忘れずに更新してください。
技能者が転職した場合に事業者が建設キャリアアップシステムですべき対応
会社を辞める時、会社側にも建設キャリアアップシステム(CCUS)で対応してもらうべき大切な手続きがあります。
- 会社と技能者のCCUS情報の関連付けを解除
- 技能者のログイン情報(IDとパスワード)を伝える
- CCUSカード本体を渡す
技能者の今後のキャリア情報を守り活用するために不可欠ですので、忘れずに対応する必要があります。それぞれの詳細を説明します。
事業者と技能者の関連付けを解除する
技能者が会社を辞める際、会社に建設キャリアアップシステム(CCUS)で必ず対応すべき重要な手続きの一つが、技能者と会社との関連付けを解除することです。処理が漏れてしまうと退職後も会社の作業員名簿に名前が残ってしまいトラブルの原因になりかねません。
解除作業は事業者IDでCCUSにログインして行います。具体的には「所属技能者確認」メニューから退職者の情報を選び、関連付けを取り消す操作を行います。
処理と同時に退職者のCCUSカード本体と、システムのログインID・パスワードを必ず渡してください。たとえカードの費用を会社が支払っていたとしても、カードは技能者のものなので忘れずに返却しましょう。
あわせて、技能者のCCUS登録メールアドレスが会社のメールアドレスになっている場合は、個人のメールアドレスに変更するように伝えるか、会社側で変更作業を行う必要があります。
技能者にログイン情報を共有する
事業者は退職する技能者へCCUSのログインIDとパスワードを共有することが必要です。技能者が転職や独立後もシステムを利用して登録情報を更新する際には不可欠であるためです。
もし事業者からログインID・パスワードが共有されない場合は技能者はCCUS事務局への問い合わせと身元照会が必要となり、システムの利用再開までに時間と手間がかかることがあります。建設キャリアアップカードとログイン情報は事業者が費用を負担した場合でも技能者個人の財産であるため、退職時に必ず共有をしてください。
ログインできない場合
退職した技能者が以前の事業者からログイン情報を受け取れずCCUSにログインできない場合は、CCUS事務局へ問い合わせる必要があります。その際、本人確認のための身元照会が行われます。
照会を経てIDや登録メールアドレスが確認できればパスワードの再設定手続きに進むことが可能です。問い合わせ手続きは時間を要する場合があるため、退職時に事業者から確実に情報を引き継ぐことが重要です。
技能者に建設キャリアアップカードを渡す
建設キャリアアップカードは技能者個人のスキルや経歴を証明する重要なものであり、事業者は技能者の退職時に必ず本人へ渡すことが必要です。たとえ事業者が登録費用を負担した場合でも、カードの所有権は技能者にあります。
技能者が建設業界でキャリアを積む上で自身の財産となるため、システムへのログイン情報と併せて確実に引き渡すことが求められます。
建設キャリアアップカードを紛失した場合
退職した技能者がカードを紛失した場合は再発行の手続きが必要です。再発行にはCCUSへのログインが必要となることがあるため、IDやパスワードが不明な場合は事務局へ問い合わせて身元照会等を行う必要があります。
再発行されたカードは登録された住所へ簡易書留で郵送されるため、手続き前に必ず送付先住所を確認・変更し、確実に受け取れる場所を指定することが重要です。
事業者が建設キャリアアップシステムの手続きを代行する場合
雇用する技能者のCCUS登録情報に変更が生じた場合、技能者本人の同意を得ることで事業者が変更手続きを代行可能です。事業者がシステムを通じて技能者へ「代行申請同意依頼」を送信します。
技能者は自身のIDでログインし、「同意」することで事業者は手続きが可能となります。
事業者は再度システムにログインし「技能者の変更代行」といった所定のメニューから、技能者の住所や所属事業者情報、社会保険情報などを修正します。氏名や保有資格、電話番号・メールアドレス、職種や退職金制度に関する情報なども変更可能です。
全ての変更内容を確認し申請するとシステムでの審査後、技能者へ「技能者情報変更申請の完了のお知らせ」というメールが届き、手続きは完了となります。
技能者が転職した場合の登録情報の注意点
転職後もCCUSをスムーズに使い続けるために、いくつか大切な注意点があります。
まず退職する際には、以前の会社からご自身のログインID・パスワードと建設キャリアアップカードを必ず受け取ってください。ご自身の職歴を証明する大切なものです。
ログインID・パスワードが分からなくなってしまうとCCUSの事務局に問い合わせて本人確認などが必要になり、再び利用できるようになるまで時間がかかることがあります。
転職後は所属する会社を変えるだけでなく、カードの送付先住所や電話番号、メールアドレスも最新の情報に更新することが非常に重要です。登録されているメールアドレスが以前の会社のもののままになっていると、万が一パスワードを忘れた場合に再発行手続きができなくなる恐れがあるので注意しましょう。
所属する会社を変更すると社会保険の情報が一度リセットされるため、新しい会社の情報で改めて登録し直す必要があります。以前勤めていた会社については退職日を登録しておくことで、より正確な職歴が記録されます。
カードを紛失などで再発行する際には新しいカードがきちんと届くように、送付先の住所が現在の正しい住所になっているか必ず確認してください。
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【まとめ】転職した場合の建設キャリアアップシステムでの対応をよく理解しスムーズに手続きしよう
建設キャリアアップシステム(CCUS)は技能者のキャリアを記録し、事業者の業務を効率化する重要な仕組みです。転職時にはCCUSの登録情報を正確に更新することが不可欠です。
技能者は新しいIDを取得する必要はなく、既存のIDで所属事業者や社会保険の情報を変更します。以前の会社からは必ずCCUSカードとログイン情報を受け取りましょう。
一方、事業者は退職する技能者とのシステム上の関連付けを解除し、カードとログイン情報を本人に渡す必要があります。
手続きをスムーズに進めるためには転職先のCCUS登録状況を確認し、社会保険の手続きが完了してからCCUSの変更を行うとよいでしょう。CCUSは技能者と事業者の双方にとって有益な制度であり、転職時にも適切に対応することでメリットを最大限に活かすことができます。不明な点があれば、公式サイトや専門家への相談も有効です。
建設業のキャリアアップシステムに登録する際の必要書類や技能者が退職した場合に建設キャリアアップシステムですべき対応についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。