電気工事の見積りに使えるソフトおすすめ5選!導入メリット・選び方も解説

電気工事の見積りに使えるソフトおすすめ 導入メリット・選び方も解説

電気工事を進めるうえで、正確な見積りを作成することは非常に重要です。しかし、材料や工程などの費用を一つひとつ算出していく作業は、複雑な計算と専門知識を必要とするうえ、多くの時間を要するため、大きな負担となることが多いのではないでしょうか。エクセルなどの表計算ソフト等で見積作成することもできますが、見積ソフトを使うことで、それらの負担を大きく軽減できるかもしれません。
この記事では、電気工事の見積もり負担を軽減する見積ソフトについて解説します。

電気工事の「見積ソフト」とは?

電気工事の見積ソフトとは、使用する材料や工程などの費用を算出し、正確な見積りを作成するためのソフトウェアです。ソフトごとに機能や特徴は異なり、見積作成に特化したシンプルなものから、他のシステムと連携して業務管理まで行えるようなものまで、幅広い種類があります。

電気工事の見積ソフト導入のメリット

ここでは見積ソフトを導入するメリットについて説明します。

メリット1:入力ミスのリスク軽減

見積ソフトは、使用する材料を選択し、数量を入力することで、自動で見積りが作成されます。エクセルなどの表計算ソフトを使用する場合と比較して、金額の入力ミスや計算ミスなどを大幅に低減することができます。見積りのミスは、赤字工事を生む可能性に加え、発注先との信頼関係を損なうことにも繋がりかねません。見積ソフトを使ってシステム化する部分を増やすことで、ヒューマンエラーを防ぎ、業務効率化を図ることは重要です。

メリット2:歩掛や複合単価などの確認による精度アップ

電気工事では、歩掛や複合単価といった独自の係数を使用します。また、使用する材料も膨大で、それぞれの単価を拾うだけでも大変です。1つの単価を誤って入力しただけで、全体の見積りに大きな影響を与えてしまうこともあるため、手作業で単価を確認し、入力していくのはとても神経を使う作業となるでしょう。見積ソフトであれば、材料単価や歩掛、複合単価などが搭載されているため、手作業で単価を拾うより、精度の高い見積りを作成できます。

メリット3:書式の統一化

電気工事は電力会社申請書や分電盤、系統図など、様々な書類が必要となります。電気工事見積ソフトには、電気工事特有の書類についても、ひな形が入っているため、各書類の様式が統一されるうえ、いちから書類を作る必要がなく、業務効率化を図ることができます。

メリット4:データ紛失のリスク軽減(クラウド型の場合)

クラウド型の見積ソフトであれば、パソコンが故障してもインターネット上にデータが残るため、別の端末からアクセスが可能です。また、複数人でデータ共有することもできるため、スムーズな情報共有が行えるでしょう。

電気工事の見積ソフト導入のデメリット

見積ソフト導入のデメリットは、表計算ソフト等の使用と比較して費用負担が大きい点です。表計算ソフトや汎用的な見積ソフトであれば、費用負担は無料から1万円程度が一般的です。一方で電気工事の見積ソフトは、数万円から数十万円に至るまで、価格帯は幅広いといえるでしょう。初期費用が高いため、導入するハードルが高く感じられるかもしれませんが、これらの見積ソフトは一度導入すると、数年にわたり長期間の使用が可能です。見積ソフトを導入することで、見積書作成にかかる時間や労力はどれくらい削減されるのか、ということを考慮に入れて、最適な手段を検討することが大切です。

電気工事の見積ソフトを選ぶポイント

いざ電気工事の見積ソフトを導入しようとしても、価格帯や機能が幅広く、どのように選んでいいかが分からない、という方も多いのではないでしょうか。ここでは、電気工事の見積ソフトを選ぶ際のポイントについて解説します。

ポイント1:導入目的を明確にする

見積ソフトを選定する際に最も重要なことは、導入目的を明確にすることです。見積ソフトを使うことで効率化したい業務や、解決したい課題はなんなのかを洗い出すことができれば、それらを解決できる見積ソフトを選択しやすくなります。導入目的が不明確な場合、高いコストを払ったにもかかわらず、ほとんど使用しない機能ばかりの見積ソフトだった、ということも起こりうるでしょう。そうならないためにも、導入目的を明確にし、自社で必要な機能がなにかということを把握することが、最も大切です。

ポイント2:提供形態

見積ソフトは、提供形態で分類すると、インストール型とクラウド型の2種類に大別できます。インストール型とは、使用するパソコンにソフトをインストールして使用するものであり、クラウド型とは、インターネットクラウド上にあるソフトにアクセスすることで、ソフトを使用するものです。
インストール型とクラウド型のメリットとデメリットについて解説します。まず、インストール型のメリットは、パソコンがあればインターネット環境がなくても使用できる点や、初期費用を支払えば運用コストが抑えられるという点です。一方でデメリットは、ソフトをパソコンにインストールしているため、複数人で同時に作業することができないという点です。クラウド型のメリットは、複数の端末からデータにアクセスすることができるため、外出先での作業や複数人での作業が可能な点です。デメリットは、毎月使用料が発生するため、運用コストがかかるという点です。
インストール型とクラウド型、それぞれのメリットとデメリットを検討し、自社に合った提供形態を選びましょう。

ポイント3:既存システムとの連携

見積ソフト単独で使用する場合もありますが、すでに自社で使用している会計ソフトや、原価管理システム等がある場合、それらと連携させることでさらに業務効率化を図ることが可能です。見積業務だけでなく、管理業務全体で業務効率化を検討する場合は、既存システムと見積ソフトが連携できるかどうか、事前に確認しておきましょう。

ポイント4:サポート体制

見積ソフトを使用するうえで、使い方や操作方法などについて疑問がある場合、メールや電話で疑問をスムーズに解決してくれるサポート体制が整っていると安心です。ソフトによっては、操作方法が分からない場合に遠隔操作で対応してくれるものもあるので、自身のスキルに見合ったサポート体制をもつソフトを選ぶと良いでしょう。

電気工事の見積ソフトおすすめ5選

電気工事の見積ソフトは数多くありますが、ここでは電気工事の見積ソフト5つをご紹介します。

1:でんきやさんV5

「でんきやさんV5」は、電気設備工事に特化して積算・見積作業を簡単に行うための見積ソフトです。
以下のような特徴があります。
・約11,000件の電気工事用材料マスタを標準搭載
・「国土交通省標準歩掛」と「民間用歩掛」を搭載
・材工分離見積金額と複合見積金額を同時に算出可能
・大きなサイズの図面を分割して取り込み、ソフト上で結合して拾い出しが可能
・各県別の事業者負担率を搭載し、労務費の総額から各種保険料の算出が可能

2:みつもりランド

「みつもりランド」は設備工事全般に対応した見積積算システムです。
以下のような特徴があります。
・材工分離方式と複合単価方式、及びそれら2つの混合方式にて積算が可能
・共通費の自動算出機能を搭載
・法定福利費の算出と計上、見積書への出力に対応
・最低制限価格を参考に、見積金額を手入力で修正可能
・3種類の歩掛を、用途に応じて活用可能

3:積算らいでん

「積算らいでん」は電気工事業版の積算システムです。以下のような特徴があります。
・充実した単価マスタと、単価の更改機能を標準提供
・材工別単価、複合単価、及び労材別単価といった豊富な管理資料を提供
・盤、プルボックス、照明器具、配線器具といった多様な歩掛を自動算出
・前原価と見積額のきめ細かいシミュレーション機能を搭載
・EXCEL連携サブシステム、実行予算書作成サブシステムといったオプション機能が充実

4:plusCAD電気α

「plusCAD電気α」は電気設備用CADソフトです。以下のような特徴があります。
・CAD画面の表記は分かりやすい日本語で記載
・主要メーカーの電材を約100,000点登録
・金額調整機能により、設定したい金額を入力すると、設定した材料内で金額の割り振りが可能
・図面で描いた材料の数量を拾い出し、自動で集計
・図面からワンクリックで見積書を作成し、原価計算・材料集計・請求書・納品書と連動

5:アイピア

「アイピア」は建築・リフォーム業に特化した一元管理システムです。以下のような特徴があります。
・エクセルに近い操作感で、パソコンが苦手な方でも直感的な操作が可能
・作成した見積明細を一括で編集できる
・原価情報の流用が可能で、同じ情報を複数回入力する手間を省ける
・5階層まで見積対応しており、小規模工事から大規模工事まで見積作成が可能
・過去の見積情報や見積テンプレートを取り込み、見積作成時間を大幅に短縮可能
・上長と部下間で申告・承認機能を活用することで、入力漏れ等のヒューマンエラーを防止

【まとめ】電気工事の見積もりソフトを導入して業務効率化を目指しましょう!

いかがだったでしょうか。ここまでご紹介したとおり、見積ソフトといってもそれぞれの機能や特徴は大きく異なります。見積作成に特化したシンプルなものでいいのか、業務管理全体を効率化できるものがいいのか、見積ソフトを使って解決したい課題を明確にしたうえで、費用とメリットのバランスが最適な見積ソフトを選びましょう。