空調業界で取っておきたい資格は?各資格の概要や難易度を解説

「空調業界で必要な資格は?」
「転職に有利な資格は何だろう…」
などと考えていませんか。
空調業界にかかわる資格は多く、どの資格を取得すればよいのかよくわかりませんよね。

そこでこの記事では、空調業界で取っておきたい資格の概要や難易度を解説します。
空調業界で有利な資格を取得すれば、仕事の幅が広がり、キャリアアップや給料アップが期待できます。ぜひ最後までご覧ください。

空調設備関連の資格は大きく2つに分けられる

空調設備には、エアコンのほかにボイラーや冷凍機など、さまざまな種類があります。
そのぶん資格の数も多いため、やりたい仕事や会社の事業にあわせて資格を取得するとよいでしょう。
以下、空調設備関連の資格を大きく管理・保守系と現場技術系の2つに分けて解説します。

空調設備に関する管理・保守系の資格

まず、空調設備に関する管理・保守系の資格を解説します。
解説する資格は、以下のとおりです。

  • 管工事施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 冷凍機械責任者
  • エネルギー管理士
  • 建築物環境衛生管理技術者
  • 電気主任技術者

一つずつ順番に見ていきましょう。

管工事施工管理技士

種類 1級・2級
受験資格 学歴、資格、管工事施工に関する実務経験年数など
試験内容 第一次検定:マークシート方式
第二次検定:記述式
合格率(2022年度) 1級(第一次検定:42.9% 第二次検定:57.0%)
2級(第一次検定:56.6% 第二次検定:59.7%)

管工事施工管理技士は、配管工事の施工はもちろん、施工や工程、安全を管理する現場監督ができる資格です。
級位によって、専任技術者や主任技術者など、工事現場における重要な役割につくこともできます。

管工事施工管理技士は、会社側の需要が高く、昇給や昇進、転職に有利な資格といえるでしょう。

電気工事施工管理技士

種類 1級・2級
受験資格 学歴、資格、電気工事に関する実務経験年数など
試験内容 第一次検定:マークシート方式
第二次検定:マークシート方式・記述式
合格率(2022年度) 1級(第一次検定:38.3% 第二次検定:59.0%)
2級(第一次検定:55.6% 第二次検定:46.7%)

電気工事施工管理技士は、電気工事の施工計画や工程、安全の管理ができる資格です。
管工事施工管理技士と同様、級位によって、専任技術者や主任技術者など、工事現場における重要な役割につくこともできます。
電気工事施工管理技士は、昇給や昇進につながる有利な資格で、転職や独立などのキャリアアップができるでしょう。

冷凍機械責任者

種類 第一種・第二種・第三種
受験資格 特になし
試験内容 択一式(第一種は記述式もあり)
※高圧ガス保安協会の講習修了者は「法令」科目のみ
合格率(2022年度) 第一種(全科目受験:36.6% 法令のみ受験:93.7%)
第二種(全科目受験:32.6% 法令のみ受験:83.5%)
第三種(全科目受験:22.8% 法令のみ受験:88.3%)

冷凍機械責任者は、冷凍設備の高圧ガスを製造する施設の保安業務ができる資格です。
第三種は1日の冷凍能力が100t未満の製造施設、第二種は1日の冷凍能力が300t未満の製造施設、第一種はそれ以上と、資格の種類で従事できる製造施設が異なります。

冷凍機械責任者は、高圧ガス保安協会が行う講習と検定を修了すれば、国家試験科目の一部免除が可能です。国家試験の合格率は、一部免除を受けたほうが高い傾向にあります。
ただし講習は、講習受験料や講習を受けるまとまった時間が、国会試験と別に必要です。
講習を受けて国家試験科目を一部免除してもらうのか、独学で勉強し、国家試験の全科目を受験するのか、都合にあわせて決めるとよいでしょう。

エネルギー管理士

受験資格 国家試験:特になし
認定研修:エネルギー使用の合理化に関する3年以上の実務経験
試験内容 国家試験:マークシート方式
認定研修:記述式
合格率(2022年度) 国家試験 33.9%、認定研修 61.3%

エネルギー管理士は、2006年に省エネ法により定められた国家資格です。
工場内のエネルギー使用量の管理や、使用方法の改善を行えます。

現在、日本全体で省エネが推進されており、エネルギー管理士の需要は高まる一方です。
エネルギー管理士は、大量のエネルギーを扱う大型の商業施設やオフィスビルなど、工場以外でも多くの場所で活躍できます。

建築物環境衛生管理技術者

受験資格 環境衛生上の維持管理に関する2年以上の実務経験(映画館や学校などの特定建築物に限る)
試験内容 マークシート方式
合格率(2022年度) 17.9%

建築物環境衛生管理技術者は、特定建築物の維持・衛生管理を監督できる資格です。
維持・衛生管理に関する業務には、空気調和設備管理や給水・給湯設備管理、ボイラ設備管理などがあります。

(建築物環境衛生管理技術者の選任)
第六条 特定建築物所有者等は、当該特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行なわれるように監督をさせるため、厚生労働省令の定めるところにより、建築物環境衛生管理技術者免状を有する者のうちから建築物環境衛生管理技術者を選任しなければならない。

引用元:建築物における衛生的環境の確保に関する法律 | e-Gov法令検索

上記のとおり、特定建築物には建築物環境衛生管理技術者を専任しなければなりません。
特定建築物で働く人は、資格取得でさらに仕事の幅を広げられるでしょう。

電気主任技術者

種類 第一種・第二種・第三種
受験資格 特になし
※経済産業省の認定で資格を取得する場合は、学歴、資格、実務経験が必要
試験内容 一次試験:マークシート方式
二次試験:記述式
合格率(2022年度) 第一種(一次検定:30.8% 二次検定:20.9%)
第二種(一次検定:35.2% 二次検定:24.0%)
第三種(一次検定:8.3%)

 

電気主任技術者は、発電所や工場などの業務用受電設備の工事や保安監督、維持管理の業務ができる資格です。
資格の種類で取り扱える電圧が異なり、第三種は電圧が5万ボルト未満、第二種は電圧が17万ボルト未満、第一種はすべての事業用電気工作物となっています。

電気設備の保守・監督業務は、電気主任技術者のみに許された独占業務です。
専門性が高いため、多くの会社で求められる能力の一つといえます。

空調設備に関する現場技術系の資格

次に、空調設備に関する現場技術系の資格を解説します。
解説する資格は、以下のとおりです。

  • ボイラー技士
  • 電気工事士
  • 冷媒フロン類取扱技術者
  • 認定電気工事従事者

こちらも、一つずつ順番に見ていきましょう。

ボイラー技士

種類 特級・一級・二級
受験資格 特級・一級:学歴、資格、実地修習など
二級:特になし
試験内容 特級:マークシート方式・記述式
一級・二級:マークシート方式
合格率(2021年度) 特級 21.0%、一級 48.5%、二級 53.4%

ボイラー技士は、ボイラーの管理や点検、修繕ができる資格です。二級から特級になるほど、大規模なボイラーを扱えます。
労働安全衛生法で、ボイラーは、ボイラー技師でないと取り扱えないとされており、空調業界で需要が高い資格の一つといえます。

電気工事士

種類 第一種・第二種
受験資格 特になし
試験内容 学科試験:四肢択一方式
技能試験あり
合格率(2022年度) 第一種(学科試験:58.2% 技能試験:62.7%)
第二種(学科試験:56.0% 技能試験:72.6%)

電気工事士は、エアコンの取付工事や配線作業など、電気設備の工事や取り扱いに必要な資格です。
第二種は、一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事、第一種は、第二種の範囲に加えて最大電力500キロワット未満の工場、ビルなどの工事に従事できます。

空調設備は、電気系統の知識が必要なことが多いため、電気工事士を取得しておくと、仕事の幅が広がりスキルアップにつながります。

冷媒フロン類取扱技術者

種類 第一種・第二種
受験資格 資格、業務用冷凍空調機器の保守サービスに関する実務経験
試験内容 四肢択一式
※1日間の講習受講後に試験を実施

冷媒フロン類取扱技術者は、フロンガスが入った業務用冷蔵空調機器の点検や、フロンの回収・充塡ができる資格です。
第一種はすべての機器で点検・回収・充塡が行えます。しかし、第二種は点検と充塡において、空調機器の場合は25kw以下、冷凍冷蔵機器は15kw以下までと定められています。
さらに、冷媒フロン類取扱技術者は、第一種と第二種どちらも有効期間があり、5年ごとに更新が必要です。

認定電気工事従事者

認定電気工事従事者は、欠陥工事による災害の防止を目的に定められた資格です。
最大電力500kw未満の需要設備のうち、電圧600v以下で使用する自家用電気工作物の工事ができます。
認定電気工事従事者は、国家試験による取得制度はありません。
電気工事技術講習センターが実施する「認定電気工事従事者認定講習」を受講し、管轄の産業保安監督部に認定申請と交付申請をすれば、認定証が交付されます。

ただし、「認定電気工事従事者認定講習」には受講資格があり、第二種電気工事士免状または電気主任技術者免状の交付を受けている人に限ります。
電気工事に関する資格を持つ人が、仕事の幅を広げるために受講することが多いようです。

空調設備関連の資格の勉強方法

ここでは、空調設備関連の資格の勉強方法を紹介します。
紹介する勉強方法は、以下のとおりです。

  • 資格スクールで学ぶ
  • 独学で学ぶ
  • 通信講座で学ぶ

仕事をしながら効率的に勉強したい、なるべくお金をかけずに勉強したいなど、自分にあった勉強方法で、空調設備関連の資格取得を目指しましょう。

資格スクールで学ぶ

資格取得の可能性が高く効率的なのが、資格スクールで学ぶことです。資格スクールでは、出題傾向にあわせたテキストやテストが用意されています。さらに、資格取得に詳しい先生に教えてもらえるため、短期間の集中学習が可能です。そのぶん、資格スクールに通う費用がかかるのがデメリットといえます。
資格スクールは、独学が苦手な人や、効率的に勉強したい人におすすめです。

独学で学ぶ

最も自分のペースで勉強できるのが独学です。市販のテキストや過去問題集を活用すれば、十分一人でも勉強できます。しかし、自分のペースで学べる一方、勉強時間を確保できずに途中で諦めてしまう人も多いです。勉強を続けるために、資格取得までのスケジュールをきちんと立てるべきでしょう。
独学は、自分のペースで勉強したい人や、費用をあまりかけたくない人に向いています。

通信講座で学ぶ

最後に紹介する勉強方法は、通信講座で学ぶことです。
最近は、スマートフォンやタブレットで講義を視聴できる講座があり、自宅のほか外出先や通勤中でも手軽に勉強できます。資格スクールと同じく費用はかかりますが、通信講座が用意するテキストやテストで、効率的に勉強できるでしょう。
通信講座は、資格スクールに通う時間がない人や、近くに資格スクールがない人に向いています。

空調設備関連の資格を取るメリットは?

空調設備関連の資格を取るメリットとして、キャリアアップの選択肢が増えることや給料がアップすることが挙げられます。
詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

キャリアアップの選択肢が増える

空調設備関連の資格を取ると、キャリアアップの選択肢を増やすことが可能です。
管理・保守系の資格を取得すれば、現場を管理・監督する立場になり、会社のなかで役職につく可能性が高まります。
また、空調設備関連の資格は、業界全体の需要が高いため、転職でも有利になるでしょう。
上位資格を持つ人のなかには、独立して個人事業主になったり会社を立ち上げたりする人もいるようです。

給料アップ

空調設備の仕事は、資格の有無が給料に大きく影響します。なかでも、とくに需要が高い管工事施工管理技士や電気工事施工管理技士は、給料がアップする可能性が高いです。

空調設備関連の資格を取得し、仕事の幅を広げれば、昇進とともに給料がアップするでしょう。また、資格手当制度を設けている会社の場合、役職に関わらず給料がアップすることもあります。

【まとめ】空調業界に関する資格の種類は多い!自分の仕事に合わせて資格を取得しよう

空調業界に関する資格は、管工事施工管理技士や電気工事施工管理技士など、さまざまな種類があります。仕事の幅を広げるために、自分のやりたい仕事や会社の事業にあった資格を取得するとよいでしょう。

資格を取得すれば、自身のキャリアアップや給料アップが期待できます。ぜひ、資格スクールや独学など、自分にあった勉強方法で、空調設備関連の資格取得を目指してみてください。

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