解体業は儲かる?目標とする利益率・具体的な方法について解説

解体工事業界は、建設業の中でも比較的高い利益率を見込むことが可能な工事業種です。しかし、実際には利益を残せず苦労している経営者も少なくありません。このような状況を踏まえ、適切な目安となる利益率と、それを達成、または向上させるための具体的な方法についてご紹介します。

解体業とは

解体業は、建築された構造物を安全かつ効率的に取り壊し、敷地を次なる建設のために準備する専門分野です。この業界は、単に古い建物を解体するだけでなく、様々なジャンルの構造物に対応する技術や対応力を必要とされています。例えば、住宅や商業施設の解体が一般的なイメージかもしれませんが、それだけに留まりません。工場や病院、学校といった公共施設、さらには歴史的価値のある建造物の解体・再生も解体業の業務範囲に含まれます。また、橋梁やダムといったインフラ施設の解体も、この業界の専門技術を要する工事になります。

解体業は、単に「壊す」こと以上の価値を社会に提供します。環境保護の観点からも、解体された材料の再利用やリサイクルは今日の建設業界において重要なテーマとなっています。解体工事は、次世代に向けた土地の有効活用だけでなく、資源の持続可能な利用にも貢献しているのです。このように、解体業は多岐にわたる建物や施設に対応することで、社会の発展と環境の保護の両方を支える重要な役割を担っています。

解体業に将来性はある?解体業の今後の課題や求められるポイント

解体業が儲けているかどうかを判断する『利益率』とは

実際に大きな案件を沢山取ったとしても経営が危うい会社があります。逆に、小さな案件でもしっかり会社を経営でき儲けている会社もあります。

その違いとは何なのでしょうか?この違いをわかりやすく明解な数値の指標にしたものを利益率と言います。その数値が高いほど大きな利益があります。数値を見れば高い数値であるほど良いと思っていませんか?

しかし、そのような場合、見積金額が他社と比較して割高となり、受注が取れないという欠点があります。程よい利益率の維持が、多くの受注をつなげ、手元に資本が残り儲かることができるのです。

利益率とは

利益率の出し方は依頼金額を、実際に仕事で使用した金額で差し引きます。

仕事を引き付けた案件の受注金額から、人件費や実際に使用した重機やガソリン代、トラックのレンタル代などの経費を差し引き、見積もり金額で割った数値に100をかけた%の数値とし算出されます。

実際に数値を用いた計算を行うと以下のような数式で表すことができます。

例 解体を受注した金額 500万円
解体に使用した経費 300万円

(500ー300)÷500×100=20%

解体で受注した金額が大きくても、使用した経費が大きな場合利益率は小さくなります。利益率を上げるには、案件を受注したよりも経費を減らすことができれば、利益率を上げることが可能です。

解体業の利益率は10~30%程度

解体業の利益率はいくらになるのか?業種別の公式の数値はありません。しかし、アンケートによると10%〜30%とされています。

この数値は、業種の中でも高い数値です。他に高い利益率を持っている業種は飲食や宿泊業となります。利益率が高すぎても、利益率が低すぎても安定した経営はできません。

解体業は、見積もりから実際に解体する諸費用を工夫することで、大きな利益率を上げることが可能です。利益率を低くすれば、見積もりが安くなるため、多くの案件を得やすくなります。

しかし、自分の会社の経営の資本を考えると、利益率20%を目安に経営をすると、安定した商売をすることができます。

解体工事に必要な費用

建築物の解体の費用の金額はどのように算出されるのでしょうか?一番大きな要素は、壊す建物の大きさによる、解体費用の見積もりが一般的です。

解体する建物の大きさが増えればその大きさに比例して、解体する案件の金額が高くなります。

その理由は、建築に使用された資材の素材や建物の構造、安全に解体するために必要な養生や資材、人件費を含めた金額が必要だからです。他にもガソリン代や使用する道具の数も増えるため高くなりやすいのです。

坪単価による概算

解体する建物の、費用の算出で使用されるのが「坪単価」になります。家を売買する時の土地価格の単位で算出されるのが一般的です。

一般的に、解体する建物の面積が狭ければ料金が安く、広ければ高くなる傾向があります。同様に、平屋など低ければその分安くなり、高い建物であれば高くなります。

しかし、これはあくまで一般論であり、自分の建物がどの状態に当てはまるとは限りません。そのため、必ず解体に着手する場合は、見積もりを取り、双方納得した金額の状態での契約締結後着手になります。

解体工事の費用に影響する要素

坪単価で算出された見積もりは、予想よりも高い金額になることがあります。

実際には工事内容によって大きく変わります。例えば、使用されている建物の素材が硬い鉄筋コンクリートを使用している、ガスや水道のライフラインの除去と言った項目が増えれば増えるほど価格が高くなります。

安全に解体をするために、足場を組む必要があることや、解体にかかる日数が必要、解体に要する人数が多くなる場合も費用が一般的な金額よりも加算されます。

詳細な費用内訳

坪単価以外に具体的に高くなる経費の要因を紹介します。まずは、解体にかかる日数や解体に着手する人数によって人件費は変わってきます。

日当で計算されることが多く、一人15000円ほどが目安です。そして解体には保険に加入する必要があるため、保険料が10000円ほどかかります。

次に設備にかかる費用は、重機やトラックのレンタル代、ガソリン代です。解体に使用する重機をレンタルする場合、その使用料がかかります。

大体、一台につき1万円が目安ですが、クレーンや免許がないと使用できない機器の場合、利用料が加算されることになります。建物の大きさによっては複数の作業で数台使用する場合もあります。

そして、解体した資材を運ぶトラック代金がかかります。4トントラックが使用されることが殆どですが、大体6000円程の使用量が一般的です。

同時に、解体した資材を運ぶ、ガソリン代も加算されます。最後に、解体した資材をその地区町村のルールに合わせて廃棄する産業廃棄物処分料金がかかります。

儲からない解体業者の特徴

儲かるとされている解体業、しかし、実際には赤字続きで経営が危ぶむ状態の企業もあります。

儲かる企業は下に紹介する問題点を解決して安定的な利益率を出しています。受注が多くても赤字だったり、逆に仕事が少ないとお悩みの場合は、何故そうなってしまったのか?という視点で見直してみることが重要です。

現状を見直すためには、何が必要か?その中で特にありがちな、儲からない原因と何故儲からないのか?という理由を解説します。

特徴1:利益率を正確に把握できていない

自分が受け持つ解体に必要な見積もりに対して、施工する費用の計算ができていない場合は、儲からない要因となります。

儲けを出すには、受注した仕事の金額と実際に行った仕事の諸費用のバランスが何よりも重要です。そのために重要なのは、見積もりを出す際に、低く見積もりすぎたために、費用が不足するケースを避ける必要があります。

ガソリン代や日数の延期に伴うレンタル代や人件費など、作業を行っている間に所定よりも費用が発生してしまう例です。こうした案件の頻度が多くなれば利益率は低くなります。また解体の案件受注の計画が不十分であると、想定外の費用が発生することもあります。

利益率を目安にし、細やかな想定を元に見積金額を出し受注を行うことで、解体経費が見積より超えてしまうことを防ぐことができます。

特徴2:スタッフの意識が低い

仕事を実際に行うスタッフの意識も大きく利益率に関係してきます。一見、経営に関わる金額とは無関係に思えるかもしれませんが、作業を行う人々の人件費も大きな利益率の要素です。

受注の仕事の低すぎる金額は、必然的に人件費を減らすこととなり、仕事の質にも大きく影響します。ルーチンワークでただ仕事をこなすという単純作業と化してしまうのです。

また、仕事のモチベーションの低下は、より良い仕事をやろうといった心の余裕を奪い、仕事環境の悪化や作業員の安全にも大きな影響を与えます。利益率をあげるには、人件費といった働く人々の環境を悪くするのではなく、プロ意識を持つことでモチベーションが上がるような環境を作り上げることが肝心です。

働くスタッフが活き活きとし丁寧な仕事をすれば、それだけ口コミでの評判から新規の仕事に繋がる可能性も増えていきます。

特徴3:会社名が認知されていない

どのような商売でも、自分の会社が世間から認知されなければ受注の数は増えません。受注を増やすのに、会社名が知られていることは大きなアドバンテージなのです。

受注者は、多くの会社から見積もりの依頼を受けます。多くの見積もりがある中で、初めて見る企業と名前を知っている企業が同じ金額の場合、どちらを選ぶでしょうか?

多くの人は名前を知っている企業の方に依頼をします。これは、会社名が知られているということから、世間から信頼されている、実績があると判断し、確実に安心して依頼を受けてくれる企業を選ぶためです。

自分の会社の名前が知られるということは、それだけ大きなメリットがあります。

解体業で儲けるための方法

解体業で儲かるには、大きく受注を増やして、経費を減らすのが基本です。それに加えて、時代に合わせたニーズや今まで着手したことがない仕事のチャンスを得ることも大事です。

見えていない原因を見える化して、今よりも儲かるように受注率を増やすコツとは何なのでしょうか?また、儲けがない根本的な原因を改善するために取るべき行動とはどのようなことなのか?

実際に儲けている解体業者がやっている、儲けるために確認したい要点を紹介します。

方法1:新規顧客の受注獲得

まずは、案件を獲得する数を増やすことが、利益が増えやすい方法です。特に新規の顧客を増やすことは、一つの依頼先に依存すること無く安定的な儲けを産むきっかけになります。

リスクを減らす上でもまずは、新規顧客、案件を増やすことが大切です。新規の顧客の受注を獲得するには、自分たちの会社名や仕事に関してより深く理解してもらうことが重要です。

広告を打つという典型的な方法もありますが、ブログや動画で仕事を知ってもらう、地域の祭りなどに参加することで、名前を知ってもらうチャンスを増やすことができます。

一番新規の顧客を獲得しやすいのは、丁寧な仕事による、顧客からの口コミや評判です。仕事をするスタッフの意識を良い方向に変え、不安をなくすことも新規顧客獲得に繋がります。

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方法2:コストの見直し

コストの見直しは、同じ金額でも使用する機器や資材を見直すことで、削減することが可能です。

材料や資材など、想定以上の費用がかかっていませんか?利益率が上がらない一番の要因として、実際に仕事をするのに明解な見通しが取れていないということが大きな原因になります。

長期間利用できるのに捨ててしまっているものや、資材などある場合は見直すことが重要です。工事のたびに毎回使用できるものを再利用する、使用する器具を安く借りる工夫をすることで見直すことが可能です。

方法3:大規模工事の受注獲得

解体の案件の金額が大きな仕事を引き受けることができれば、大きな利益になります。

しかし、大きな工事を獲得するには、競合ライバルも多く難しいと思っていませんか?諦めてはいけません。依頼者のニーズにあっているか、費用が十分見合っているか説得する力をつけることで、獲得するチャンスを増やせます。

実際に、受注をし経験を増やすことで、類似する工事を引き受けやすくなるきっかけにも繋がります。利益だけではなく、経験を積むことで従業員のモチベーションも大いに上がります。

最初から挑戦しないで諦めては何も先には繋がりません。まずは、挑戦する経験を増やすことを大切にしましょう。

 

方法4:リフォーム工事の受注獲得

解体工事は建物を壊すことすべてを解体することをイメージしていませんか?実は、一部分の解体をするリフォームの案件も大きな案件です。

近年では、古い家屋の良いところを残したリノベーションなどのニーズが増えています。小さな案件かもしれませんが、受注数が増えれば大きな利益率改善の見通しがつきます。

水回りやガス周辺の部位は解体業の案件が得やすい仕事です。加えて、丁寧な仕事をすることで口コミによる受注増加を見込むことができます。

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方法5:営業代行サービスに相談して営業戦略の提案を受ける

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【まとめ】解体業の利益率は高い!ただし、儲かるためには営業や経営の見直しが必要!

解体業は健全な利益率を意識して経営をしていくことができれば、儲かることができる業種です。しかし、利益が伴っていない場合は、根本的な原因を調べ上げることが肝心です。

儲からない原因が今回紹介した内容の中で複数に及んでいるケースもあります。仕事の受注からの一連の流れから、何を改善すべきか、見直すことが長期的な健全経営に繋がるのです。

儲かる解体業とは、受注が多く、解体の経費をうまく減らして、安定的な利益率を出している会社です。

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