空調工事で建設業許可をとるメリット・デメリットは?要件や申請方法も紹介!

「空調工事でも建設業許可を取得する必要はある?」
「建設業許可を取るための方法や要件とは?」
空調工事業に携わる方のなかには、このような疑問をお持ちのかたもいるのはないでしょうか。
空調工事業で建設業許可を取得するとさまざまなメリットがあります。しかし、建設業許可を申請する際に手数料が発生してしまうデメリットも存在します。
そこで今回は建設業許可を取得する際のメリットやデメリットを紹介します。申請する方法もまとめているので、参考にしてください。

空調工事の業種区分は?

国土交通省に決められている建設業は塗装工事、電気工事、ガラス工事などがあり、全部で29の業種に分けられています。29種類の業種の中で空調工事は、管工事の業種に含まれています。管工事とはオフィスやデパートなどに衛生、空気の調和、給排水設備を設置する仕事です。

また、金属の筒状くだを使ってガス、水、油、水蒸気などを循環させるための設備を設置します。管工事は冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、調理室設備工事、衛生設備工事、空調設備調和工事、浄化槽工事、給排水・給湯設備工事、水洗便所設備工事、管内更生工事、ガス管配管工事、ダクト工事の11業種があります。

そのうち、「冷暖房設備工事」、「ダクト工事」、「空調設備調和工事」の3つの業務が空調工事です。

空調工事は建設業許可をとろう

エアコンの取り付け作業などの空調工事は建設業の仕事の1つです。エアコンの取り付けや空調に関わる業務は専門的な知識が必要です。新しい建物の建設や建て替えなどには、ほとんどの場所でエアコンの取り付けが発生します。

そのため、エアコン取り付け業務は建設業の業種の1つとされています。建設業の業務は基本的に建設業許可票が必要です。エアコンの取り付け作業をする場合は、管工事業の建設業許可が必要になります。

管工事業の建設業許可を取っていると、エアコン業務が個人でも行えるようになります。ただし、建設業許可は必ずしも必要なものではありません。軽微な建設工事やふたい工事は建設業許可がなくても作業が可能です。

管工事業の建設業許可をとるメリット

業務内容によっては、建設業許可はいりません。しかし、管工事業で建設業許可を取得するとさまざまなメリットがあります。
建設業許可を取得した場合のメリットを4つにまとめました。

500万円以上の大規模工事の請負ができる

一般建設業の許可を入手すると、建築一式工事(企画、調整、指導など)の下請け工事分が6,000万円未満の工事が可能です。そのほかにも、建築一式工事以外の下請け工事分が4,000万円未満の仕事ができるようになります。

②信頼を得られる

管工事業の建設業許可を手に入れると、専任技術者、管理責任者がいることの証明になります。該当する工事に誠実性があるので、技術面や経営面などの信頼が得られるでしょう。

③国や地方自治体工事の入札に参加できる

国や地方自治体工事の入札に参加するためには、建設業許可を手に入れなければなりません。公共工事が受けられると一定期間仕事があるので、実績が手に入ります。

④銀行から融資が受けやすくなる

管工事業の建設業許可を手に入れると、経営の管理責任者が在籍している証にもなります。そのため、経営面から信頼性があるので、銀行も安心して融資ができるでしょう。

管工事業の建設許可をとるデメリット

建設業許可を取得するとメリットが多いですが、それにともないデメリットも存在します。建設業許可を申請するためには手数料として9万円かかります。

また、建設業許可を取得すると、1年度ごとに決算報告を行わなければなりません。さらに、5年ごとに更新の手続きを行い、その際5万円の更新手数料が発生します。役員の変更などがあった場合、その都度変更内容を報告する義務があります。

管工事業の建設許可の要件

建設業許可には、さまざまな種類があります。管工事業の建設業許可と一般建設業許可、特定建設業許可についてまとめているので、参考にしてください。

この記事では、建設業許可の詳細や取得に必要な要件についてより詳しく解説しています。

建設業許可建設業許可とは?取得するための要件や申請手順などを詳しく解説

建設業許可要件

管工事業の建設業許可の要件は5つあります。

①経営業務の管理責任者

管工事業の経営経験が5年以上、建設業の経営経験7年以上ある方が管理責任者になれます。会社で許可申請をした場合は従業員の役員、個人で申請したときは本人が、条件を満たしている必要があります。

②誠実性

宅地建物取引業法や建築士法で不正行為、不誠実行為を行っており、免許の処分日から5年未満の場合は誠実性の要件を満たしていません。また、暴力団に何かしら関わっている場合は条件を満たせません。

③欠格要件

破産者で複権を得ていない人、不正行為により建設業許可が取り消されてから5年未満の人、また法律違反をし執行を受けなくなってから5年未満の人は要件を満たせません。

④、⑤財産要件・専任技術者

一般建設業と特定建設業のどちらかによって必要な要件が違うので、該当する方をしっかり確認しましょう。

一般建設業許可の要件

一般建設業許可は許可申請する会社の従業員や役員の中に、専任技術者の要件を満たす必要があります。技術士の資格や検定試験など十分な知識や技術が必要です。また、専攻の大学や高校を卒業しても5年程度の実務経験が必要になります。

特定建設業許可の要件

特定建設業許可は、申請する会社の従業員や役員の中に専任技術者の要件を満たす必要があります。技術士法(技術士試験)の資格取得が大前提です。また、特別建設業許可の財産要件を全てクリアする必要があります。

①欠損金が資本金の20%以内になること②流動比率が70%以上であること③資本金が2,000万円以上④自己資本金が4,000万以上が条件です。

管工事業の建設業許可をとる方法

管工事業の建設業許可を取得する方法を紹介します。建設業許可を取得するには、都道府県に申請しないといけません。また、建設業許可を申請する際は手数料もかかります。

都道府県に申請が必要

管工事業の建設業許可を取得するには、都道府県の許可申請が必要です。都道府県の県庁に申請窓口があるので、必要な書類と一緒に提出しましょう。

また、申請の書類作成や準備が難しい方は、行政書士に委託して手続きをしてもらうことも可能です。

費用は5~15万円程度

建設業許可の申請には、必ず手数料が発生します。新しく許可を取得したい場合は9万円の手数料(国土交通省の許可を得る場合は15万円)がかかります。

また、すでにほかの業種の許可を持っていて、建設業許可を追加で取りたい場合は5万円発生します。

建設業許可建設業許可とは?取得するための要件や申請手順などを詳しく解説

【まとめ】空調工事で建設業許可をとるメリット・デメリットを理解しよう!

空調工事を行う場合には、管工事業の建設業許可が必要です。しかし、軽微な工事であれば建設業許可は要りません。

管工事業の建設業許可を取得すると、500万円以上の大規模工事の請負が可能になる、信頼性が高まる、国や自治体の工事の入札に参加できるといった様々なメリットがあります。

しかし、建設業許可は申請手数料や更新手数料など費用も発生します。メリット・デメリットを把握し、必要に応じて建設業許可の取得を目指しましょう。

建設業許可取得の方法や申請期間についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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