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近年、AIの存在は身近なものになってきていますが、建設業界でもAIが導入される事例が増えています。とはいえ、
- 建設業でのAIの導入は具体的にどんなことに役に立つのだろう
- AIを導入する場合、どんなことに注意すれば良いのだろう
などと疑問を抱えている方も多いでしょう。そこで今回の記事では、AIを導入するメリットや活用事例、注意点などについて解説します。
ツクノビAI研修は、AIの活用で業務を効率化する建設業特化の生成AI研修サービスです。御社の状況に合わせて最適なAI活用を支援いたします。
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建設業の課題
最近では働き方改革によって多くの業界で働き方が改善されていますが、大きな課題も残っています。もちろん、建設業も例外ではありません。現在建設業が抱えている課題には、「長時間労働」「安全性の向上」「人材不足」などがあります。
このような課題を解決するために、AIなどを積極的に活用していくための取り組みが注目されています。
建設業でのAIの活用状況
建設業において、AIを活用することを検討している企業の割合は50.8%です。しかし、実際にAIを活用している企業はわずか3.1%程度となっています。
AIの活用を検討している企業が半数ある一方で、AIの活用を検討していない企業は29.7%ほどあります。AIの活用を検討していない企業は、AIを活用することに対して何かしらの不安を抱えていることが考えられるでしょう。
建設業でのAI活用事例
建設業でのAIの活用事例は多数あります。ここでは、主な建設業でのAI活用事例を5つ紹介します。
3Dモデルの作成
3Dモデルの作成は、建設業でのAI活用事例の1つです。建設業にAIを導入すれば、手書きのスケッチや建物をイメージした文章をもとにして、様々な建物の正面デザインをすぐに作成できます。
このデザインをもとに3Dモデルを作成できるので、発注者の希望に合ったアイデアをより分かりやすく提案できるようになります。
建設機械の自律制御
AIの導入は、建設機械の自立制御にも活用されています。建設業では、現在AIを搭載した自動走行ロボットや自動操縦ロボットなどが導入され始めているところです。
例えば、AIを搭載した重機やブルドーザーなどは既に多くの建設現場で役に立っています。
建設現場で使用する場合、室内環境での作業に比べて環境条件の変化や予期せぬ事態が起きる可能性が高いので、より柔軟な自律性が求められるでしょう。
測量や現場管理
AIの新たな活用事例として、ドローンを使用した測量や現場管理が注目されています。ドローンを飛ばして上空から現場を監視することで、現場監督が直接現場に行かなくても現地を管理できるでしょう。
また、ドローンは夜間の警備にも活用できるので、警備コストの削減も可能です。
近年では、ドローンを測量のために活用するケースも増加しており、プロジェクトが大規模であればあるほどAIとドローンの組み合わせが業務の効率化を促進してくれるでしょう。
建造物の設計や維持管理
建造物の設計や維持管理においても、AIは大いに役に立ちます。建造物の設計データをAIに入力することで、耐用年数を正確に認識でき、データをもとにした点検スケジュールの作成や修繕費用の見積もりが可能となるので、より効率的な維持管理に役立ちます。
また、建造物完成後のビル風が周辺に与える影響の調査や、モジュール計画を高精度で行えるので、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
問い合わせ対応
AIは、問い合わせ対応にも活用されています。AIはネット上の様々な文書を学習していますが、これまでは専門的な分野で正確に答えることが難しく、そのまま建設業務に活用するのは困難でした。
しかし、建築基準法や関連法規、国の標準仕様書、取引先企業の社内資料などを学習させることで、専門性の高い質問にも正確に答えられるソフトウェアが開発されています。
建設業にAIを導入するメリット
建設業にAIを導入することで、様々なメリットを得られます。ここでは建設業にAIを導入するメリットを解説します。
業務を効率化できる
建設業にAIを導入するメリットの1つ目は、業務を効率化できることです。例えば、設計モデルのデザインの提案や工程スケジュールの作成など、AIを活用することで短い作業時間で対応できるようになり、業務効率化につなげられます。
また、社内外のヘルプデスクやホームページのFAQなどにAIを利用することで、事務所や担当者への問い合わせを削減でき、業務効率化が図れます。
以前はAIに任せられる業務はほんの一部でしたが、近年ではAIの性能が向上し、より多くの業務をAIに任せられるようになっています。
品質を改善できる
建設業にAIを取り入れることには、品質を改善できるというメリットもあります。人間が作業する場合、その日の体調などによってパフォーマンスが左右されることもあるでしょう。
AIでは必ずしもエラーが起きないわけではないですが、期待通りの活躍が保証され、品質の改善に役立つはずです。また、稼働データを基にして進捗や効率性の分析を行うことで計画を見直せるため、工事現場でのミスやスケジュール遅延の減少が期待できるでしょう。
人材不足の解消につながる
AIの導入は人材不足の解消にもつながります。人材不足問題は非常に深刻で、技術者の減少によって工事の受注すらできなくなる企業や、仕事があったとしても事業を縮小せざるを得ない企業も増加しています。
例えば、AIを活用してデータ入力や書類作成などの単純作業を自動化することで人材不足の解消につなげられます。本来必要であった人間の作業時間を別の業務に当てることが可能になり、より効率的に業務を進められます。
ベテランの技術を学びやすくなる
建設業にAIを導入することで、ベテラン職人の技術を若手技術者が学びやすくなります。AIがベテラン職人の動きを映像解析して、その結果をデータとして蓄積・活用することで熟練の技術を容易に共有しやすくなるためです。
建設業界で深刻化している人手不足は、技術者の不足に直結しています。さらにベテラン職人が引退すれば、技術の継承はますます難しくなるでしょう。
しかし、AIが映像解析から得たデータを教材として活用すれば、ベテラン職人が引退したあとでも、若手技術者が熟練の技術を継承しやすくなります。
安全性を向上できる
建設業へのAIの導入は、安全性の向上につながります。
建設業はほかの職業に比べて危険な場所や厳しい天候のなかで作業することが多いでしょう。そのため、労働災害が多い傾向にあります。
しかし、AIが過去の事故データや現場の状況を分析することで、リスクが高い場面を特定できます。
また、ロボットやドローンを使用して、危険度の判定・危険な場所の見落としを防止できます。建設現場へAIを導入することで事故を未然に防止でき、現場の安全性を高められるでしょう。
建設業でAIを活用する際の注意点
建設業でのAIの活用は様々な面で非常に役立ちますが、注意しなければならないこともあります。注意点を事前に把握しておくことで、効果的にAIを活用できるでしょう。ここでは、建設業でAIを活用する際の注意点を解説します。
コストがかかる
建設業にAIを導入する際は、コストがかかることを理解しておくことが大切です。具体的には、初期開発費用やソフトウェアライセンス、周辺ハードウェアの整備など、多くの初期費用が発生します。
さらに、従業員がスムーズに操作できるようにするための育成・研修にもコストがかかります。
また、AIは導入したあとも定期的にメンテナンスやアップデートが必要です。運営管理体制を整えるため、専門人材の確保にもコストがかかるでしょう。
建設業でAIを活用する際は、様々なコストがかかることを十分に理解して導入計画を立てることが大切です。
AIの回答が不十分な場合がある
AIによる回答は高精度ですが、完璧ではない点に注意が必要です。AIは学習したデータをもとに回答を生成します。そのため、入力されたデータが古かったり誤っていたりすると、誤った情報が提供される可能性があります。
特に、専門的な知見が求められる設計や法令対応、安全性の判断などはAIの回答結果に対する過信を避けましょう。AIを建設業に導入する場合であっても、人の手による確認作業を行うことが大切です。
現地の状況確認が必要な場合がある
土地の大きさや形状、自分が住んでいる地域の法令や条例などをAIに学ばせたとしても、地域によって異なるケースがよく見られます。
ネット上の情報が更新されていなくても、自治体の法令が改正されている場合もあるでしょう。
そのため、生成AIの情報が全く役に立たないこともあり得ます。現場でしか得られない情報もあるので、AIの情報を参考にしながら、実際に現地に赴いて状況確認を行う必要がある場合があるでしょう。
建設業で活用されるAIツール
建設業で活用されるAIツールは、主に以下のとおりです。
- ロボット:パワーアシストスーツや搬送ロボット、溶接ロボットなど、ロボットが職人の様々な作業をサポートしたり代わりに行ったりする
- ドローン:高い場所や危険な場所の測量を、時間と費用を削減して行える
- BIM/CIM:3次元モデルを用いて、調査や施工、維持・管理といった情報を共有できるシステムであり、BIMは建設物、CIMは土木分野に特化している
- IoT:インターネットに接続し、リアルタイムでの進捗管理や作業員の状況、資材の管理を見える化することで、トラブルへの迅速な対応、コスト削減を実現できる
建設業でAIを活用する今後の可能性
建築業でのAI導入には、どのような将来性があるのでしょうか。ここでは、建築業でAIを活用する今後の可能性について解説します。
建設デザインの生成
建設業界でAIの活用が特に進んでいる分野の1つが建設デザインです。建築物の設計、建築計画の立案は、建設プロジェクトの土台を形作る重要な工程ですが、これらの分野でAIが導入され始めています。
具体的には、過去の建築事例をデータ化し、それをもとに条件に合致するデザインを作成するという方法です。建設業界では、画像やデザインを自動で作成するソフトウェアの利用が今後さらに広がると考えられます。
工程管理の作成
建設業では、工程管理の作成にもAIを活用できます。工事計画や設計図、天候データなどをもとに、工事の工程表やスケジュールを作成し、最適化が可能です。
また、工事の進捗や品質をリアルタイムで監視し、問題や遅延が起きた際には、その原因と対策法を分析し、工程やスケジュールを自動的に調整できます。さらに、工事の進行状況や報告書を自動生成し、関係者に配信することで、効率化や品質向上にも貢献できるでしょう。
検査システムの開発
建設工事では様々な検査が行われますが、この検査にはAIが活用されていて、将来的には生成AIが具体化する可能性も高まっています。
具体的には、ドローンを使って撮影した赤外線画像を用いてAIが建物外壁タイルの浮きを自動で判定する構造や、建設現場で撮影した鉄筋継手の画像を分析して外観検査を行う画像認識AIシステムなどが開発されています。今後、これらの技術にさらに生成AIが活用されると考えられるでしょう。
建設業はAIに仕事を奪われる可能性は低い
これまで紹介してきたように、AIの導入には多くのメリットがありますが、「人間の仕事までAIに奪われてしまうかもしれない」と不安に思う方もいるでしょう。
しかし、結論から言うと建設業ではAIに仕事を奪われる可能性は低いです。AIは膨大なデータの分析や予測が得意ですが、創造力を求められる作業は苦手とされています。
現時点では意思を持つAIは存在せず、今後そのようなAIが開発される可能性も低いので、創造力を必要とする建設業でAIに仕事を奪われるリスクは小さいと言えるのです。
建設業の業務効率化ならアウトソーシングサービスがおすすめ
建設業で業務効率化を進めるには、アウトソーシングサービスの利用もおすすめです。従業員のリソースがひっ迫している場合や、業務に対応できる人材が不足している場合などは、アウトソーシングサービスを活用すると、少ない工数で業務を実行できます。
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【まとめ】建設業へのAI導入は課題の解決につながる!上手に活用しよう
この記事では、建設業界にAIを導入するメリットや活用事例、注意点などについて解説してきました。建設業へのAI導入には多くのメリットや将来性がある一方で、注意しなければならないことも存在します。
建設業へのAI導入は業務効率化や人手不足の解消など、多くの企業が抱えている問題の解決につながるため、注意点を留意しながらうまく活用しましょう。
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