一人親方の休業補償は労災保険で受けられる?補償内容を詳細まで徹底解説

気をつけてはいても、仕事中や通勤時に病気になったり、怪我をしてしまうことがあります。またそれが理由で一定期間休まなくてはいけないケースも出てくるでしょう。一人親方だとそういう時、治療費や休んでいる間の給料について不安ではないでしょうか。

そこで加入しておくと安心なのが労災保険です。本来労災保険の対象は労働者で、個人事業主には適用されませんでした。しかし中小企業主や一人親方などは特定作業従事者として労災保険の特別加入が認められています。

この記事では、労災保険に加入しているとどのような補償がされるのか、また申請手続きについても詳しくお伝えします。

ツクノビフリーランスは、建設業特化のフリーランス・副業案件マッチングサービスです。現場/CAD/BIM/積算/建設事務など、幅広い領域で希望に沿った案件をご紹介します。現場案件からリモート案件までさまざまな案件をご紹介可能です。案件を探している方はぜひお気軽にご登録ください。

\6項目だけで無料登録/
まずは登録してみる

一人親方が受けられる労災保険の補償内容

一人親方は一人親方労災保険に特別加入※ができます。一人親方労災保険の特別加入とは一人親方等の団体(特別加入団体)を事業主、一人親方等を労働者とみなして労災の適用を行うことを言います。
新たに特別加入団体を作る場合、都道府県労働局長に申請をし、承認を受けなくてはならず非常に大変です。殆どの人は既に承認を受けている特別加入団体に申し込むことになるでしょう。
一人親方労災保険の補償内容は様々で、その内容によって支給の条件、金額が変わってきます。今回は

  • 休業補償
  • 療養補償
  • 介護補償

について解説します。
※厚生労働省「労災保険 特別加入制度のしおり<一人親方その他の自営業者用>

休業補償

休業補償と同様に、休業した時お金が支払われるもので休業手当があります。
以下で休業補償と休業手当の違いを説明します。

休業手当との違い

2つの違いを大まかに言うと、

  • 休業補償:業務災害を起因とした休業。労災保険から支払われる
  • 休業手当:会社の責めに帰すべき事由による休業。会社が支払う
    です。

休業補償が業務中の怪我や病気などで一時的に休まなくてはいけなくなった場合に支払われるのに対し、休業手当は労働基準法第26条「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければいけない」※に基づいて支払われます。例としては会社が業績悪化で休業しなければいけなくなった場合などです。

労働基準法第26条

療養補償

療養補償とは労災で療養が必要になった時に受けられる補償です。内容は「療養の給付」と「療養の費用等の給付」です。

「療養の給付」とは、労災指定病院及び指定薬局において無料で治療や薬剤の提供を受けられることを言います。「療養の費用等の給付」は、指定の病院や薬局以外で治療を受けた場合、その費用を現金で支給することを言います。

対象となる範囲や期間はどちらも変わりありません。入院費や移送費も含まれ、怪我や病気が治るまで給付は継続します。

介護補償

介護補償とは、傷病年金または障害年金受給者のうち、等級が1級または2級の人が受けられる補償です。つまり一定の障害状態の人が対象です。障害の状態に応じ常時介護、随時介護に区分され、支給額も異なります。

また病院や診療所に入院していたり、介護老人保健施設、介護医療院、障害者支援施設(生活介護を受けているに限る)、特別養護老人ホーム、原子爆弾特別養護ホームに入所している場合は支給対象になりません。なぜなら、施設で十分な介護サービスを提供されているものとみなされるからです。※

※厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「労災保険 介護(補償)等給付の請求手続き

休業補償の保障内容の詳細

これまで述べてきた補償のうち、一人親方が労災で休業を余儀なくされた場合に受けられるのが休業補償です。しかし支給条件が細かく定められているので注意が必要です。

支給条件について

休業補償の給付は、

  • 業務中もしくは通勤途中の怪我や病気である
  • 労働ができない日が4日以上
  • 賃金が支払われていない
  • 療養中のため業務ができない

ことが条件です。業務中や通勤途中通勤途中の怪我や病気であることはもちろん、業務災害もしくは通勤災害発生から3日は待機期間となるので、それを待たずに業務に復帰した場合は支給対象外となります。

また療養中のため労働できないことを全部労働不能と言い、医師からこの診断を受ける必要があります。補償の対象となる業務は一人親方の業務ごとに違うので確認が必要です。

支給金額について

休業補償では休業補償給付と休業特別支給金の2種類が支給されます。1日あたりに支払われる金額は給付基礎日額の8割で、いずれも休業4日目からの支給です。

給付基礎日額とは保険給付額や保険料の基礎となるもので、3500円から25000円まで16段階あり、加入時に自分で選択できます。だいたい前年の収入÷360で算出した金額に近いものを選ぶのが一般的です。

休業補償給付

休業補償給付は給付基礎日額の6割が支給されます。例えば給付基礎日額10000円を選択した場合、1日あたりの休業補償給付は6000円です。

休業特別支給金

休業特別支給金は給付基礎日額の2割が支給されます。給付基礎日額10000円を選択した場合、1日あたりの休業特別支給金は2000円です。

この休業特別支給金と休業補償給付を併せて給付基礎日額の8割が支給されます。

支給期間について

休業補償を受けられる期間に上限はありません。怪我、病気が治癒せず仕事ができなければ、休業補償を受けることができます。

ただし日数が経過して怪我や病気の状態に変化があったら、打ち切り、もしくは別の補償に切り替わる可能性があります。

休業補償と労働基準法との関係性は?

会社に雇用されている従業員であれば、業務災害において休業開始から3日間は事業主が休業補償するように労働基準法で定められています。つまり最初の3日間を事業主、4日目以降を労働保険が休業補償するというわけです。

しかし一人親方はこの条件に当てはまりません。一人親方は特別に労働災害保険に加入が可能になっていますが、労働基準法に関しては対象外です。休業補償は4日目からなので、業務災害、通勤災害どちらも最初の3日間は補償の対象外です。

休業補償の手続き方法

休業補償の手続きは以下の流れで行えます。

  1. 自身が加入している労災保険加入団体へ「労災事故報告書」を提出
  2. 労災保険加入団体より「休業補償給付支給請求書」が送られてくる
  3. 送られてきた書類を医療機関に提出
  4. 担当医師に書類を記入してもらい、再度労災保険加入団体に返送

4.の担当医師の証明は、いつからいつまで労務不能なのかを明らかにするものです。休業が長引く場合は1ヶ月ごとの申請が一般的で、その都度医師の証明を受けなくてはいけません。

また一般従業員はタイムカードや賃金台帳を提出することがありますが、一人親方にそのようなものはないので、別途その代わりになるような書類を提出するよう求められることがあります。

休業補償が認められるのってどういう状況?

休業補償の範囲の基本は支給条件の項目でお伝えしましたが、交通事故に遭った場合や新型コロナウイルスに感染した場合は休業補償の対象になるのでしょうか。

交通事故には認められるケースと認められないケース、新型コロナウイルスには認められるために条件をクリアする必要があります。以下でお伝えします。

交通事故に遭った場合

認められるケースは以下の通りです。

  • 自宅から現場への通勤途中、または現場から自宅への帰宅途中の事故
  • 交通状況、自然災害により違うルートで出勤した際の事故
  • 通勤途中自動販売機やトイレに立ち寄るため一度車を降りた時の事

この条件に当てはまれば休業補償の対象になります。

次は認められないケースです。

  • 通勤途中だがプライベートの目的でショッピングした
  • 飲酒運転などの深刻な交通違反
  • 理由なく通勤ルートを大きく逸脱した

日用品購入や選挙など必要性が高い行動の場合は、通勤経路に戻り次第労災として認められます。

新型コロナウイルスに罹った場合

新型コロナウイルスに感染した場合、休業補償の対象として認められるためには、満たすべき条件が2点あります。

  • 同僚、請負元など業務上接触する範囲内に感染者がいる
  • 業務上不特定多数の人と接触する

これは明らかに業務上感染した、もしくはその可能性が高いとみなされる必要があるからです。

【ケース別】休業補償を受けたあとの扱い

休業補償は、日数が経過して怪我や病気の状態に変化があると打ち切りになったり、補償内容が変わります。その後の扱いとしては以下で詳しく説明します。

休業補償が続く場合

療養を開始してから1年6ヶ月が過ぎても治らず、障害等級第1級〜第3級に該当しない場合は休業補償が継続します。

つまり怪我や病気が治らずに1年半が過ぎ、障害等第1級〜第3級に該当しなければ休業補償、該当すれば傷病年金を受け取れるというわけです。

休業補償が終わる場合

怪我や病気が治った等休業の必要がなくなった場合、たとえ復職できていなくても休業補償は打ち切りになります。

また後遺症が残っていても、厚生労働省が定めている障害等級が第1級〜第7級に該当しなければ同様です。

障害補償に切り替わる場合

障害等級第1級〜第7級に該当すると休業補償から障害補償に切り替わります。障害補償に切り替わると、支給金額は障害等級によって変わります。

例を挙げると、障害等級第1級の場合は給付基礎日額の313日分、第2級は277日分、第3級は245日分です。障害等級の基準は厚生労働省の障害等級表※で確認ができます。

※厚生労働省「障害等級表

後遺症が残る場合

一人親方が労災事故で後遺症を負った場合、障害(補償)給付が支給されます。業務上の傷病が治癒した後、障害が残った時に支給され、治療費や休業補償の受給期間中には支払われません。

障害(補償)年金は、重度の障害(第1級から第7級)に対して支給され、障害(補償)一時金は比較的軽い障害(第8級から第14級)に対して支給されます。

年金は障害が継続する期間中支給される一方、一時金は一度のみ支給される特性があります。

傷病年金に切り替わる場合

療養を開始してから1年6ヶ月が過ぎても治らず、怪我や病気が障害等級第1級〜第3級に該当した場合、傷病年金に切り替わります。切り替わるかどうか判断するのは労働基準監督署長とされています。

傷病年金の支給金額も障害等級によって変わります。障害等級表で確認してみて下さい。

一方、療養を開始してから1年6ヶ月が過ぎても治らず、障害等級第1級〜第3級に該当しない場合は休業補償が継続します。

つまり、怪我や病気が治らず1年6ヶ月が経過した場合、障害等級第1級〜第3級に該当する場合は傷病年金を、該当しない場合は休業補償を受け取ることになります。

おすすめの労災保険は「一人親方労災保険組合」

一人親方向け労災保険で一番おすすめなのは、業界No.1の加入者で実績豊富な一人親方労災保険組合の労災保険です。主な特徴は、以下の通りです。

  • 全国の加入組合数は90,000人と業界トップクラス
  • 月額組合費が500円と業界最安値
  • 組合員様限定の優待サービスが多数
入会費1,000円(初回のみ)
組合費500円/月

一人親方労災保険組合ではレストランやカラオケ、映画館など全国で20万ヵ所以上の施設のクーポンや割引などが適用される組合員様限定の優待サービスや友達紹介割引もあります。

\ 1分でお問い合わせ完了 /
まずは無料相談してみる

一人親方は休業補償がもらえる労災保険に加入しよう

一人親方は一般的な会社員とは違い一人で業務を行います。怪我や病気で仕事を休まざるを得なくなってしまうと収入がストップし、死活問題です。

生活費を初め、治療費、入院費、薬代などの不安を解消するためにも一人親方労災保険への加入をおすすめします。

なお給付基礎日額は自分の希望で金額設定できますが、高い金額にすればその分掛け金も高くなります。自分の経済状況に合った掛金に設定しましょう。

労災様式5号の記入例についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

労災様式5号の記入例を解説!提出方法や種類も紹介

一人親方労災保険は経費としての計上は可能なのか、勘定科目の分類についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

一人親方労災保険は経費としての計上は可能なの?勘定科目の分類は?

※ちなみに弊社では、建築建設業界特化の
無料ホームページ制作代行を新たにスタートさせました! 建築建設業特化のホームページ制作・サイト制作サービス‗ツクノビウェブ 詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!