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建物の設計には矩計図が必須です。矩計図には高さや基礎の深さなど、ほかの図面ではわからない情報が細かく記載されているため、最終的なイメージを共有するうえでも活用されています。この記事では、矩計図の基本的な意味や読み方、断面図との違いを解説します。
矩計図とは
矩計図(かなばかりず)とは建物全体の一部分を垂直に切断し、屋根から基礎までの寸法などが記載された図面です。ここでは、矩計図について詳しく解説します。
家のあらゆる高さがわかる
建物を垂直に分断した矩計図によって、家のあらゆる高さがわかります。具体的な高さは、建物の高さと各階の床の高さの2つです。一般的な矩計図は20分の1〜50分の1のサイズで描かれる傾向にあり、別名で詳細断面図とも呼ばれています。
建物の施工時に重要となる要素は以下の7つです。
- 基礎の深さ
- 地面からの立ち上がりの位置
- 土台の上端
- 1階の床の高さ
- 2階の床の高さ
- 屋根の軒桁の高さ
- 建物の最高の高さ
矩計図は建物の様々な高さを判断できるため、現場監督や工事職人から重宝されています。
住宅性能がわかる
矩計図を見ることで高さだけでなく、住宅性能もわかります。「床・壁・天井・屋根」の部分には、厚みや材料・仕上げ方法などが描かれているためです。
注文住宅を建てる際に必要となるのが「立面図・平面図・断面図」の3つです。3つの図面によって間取りや空間サイズなどはわかりますが、建物の性能まで理解することはできません。
専門知識のある工事職人や建築士であれば、矩計図を見るだけで断熱材や仕上げ材料の種類などの詳細まで判断可能です。
矩計図は現場で作業するプロにとっても必須の資料として活用されています。
トラブルを未然に防止する
注文住宅を工事する現場では、高さに関するトラブルが最も多く起きます。
矩計図があれば建物内の各床材の厚みや掃き出し窓の高さなどが細かく判断できるので、トラブルを未然に防止できます。
例えば、「1階の廊下とリビング床材との厚みが異なり、建物のバリアフリー化が不可能だった」、「掃き出し窓の上にエアコンを設置したいけれど、窓に被ってしまい設置できなかった」などの高さトラブルが代表的です。
高さのトラブルは1ミリ単位で発生します。そのため、材料の膨張や縮小などの特徴を考慮し、誤差が3ミリ以内に収まるように矩計図は設計されています。
矩計図と断面図の違い
矩計図と断面図の違いは、得られる情報量です。断面図の縮図が100分の1〜200分の1に対して、矩計図は20分の1〜50分の1と、より細かな情報から判断が可能です。
いずれも建物を垂直方向に切断している図面であることに変わりはありませんが、細かく記載されている内容が異なります。
- 矩計図:建物の高さ・床の高さ・天井裏の寸法・床下の寸法・壁の中の寸法・部材の種類・仕上げ方法など
- 断面図:建物の高さ・床の高さ
このように断面図は建物や床の高さを判断することは可能ですが、床下や壁の中などの「寸法」は黒塗りされてしまうためわかりません。
一方で、矩計図には寸法が細かく記載されています。他にも基礎の深さや壁の厚み、素材の種類なども判断できるのが特徴です。
より細かい情報をわかりやすく把握できるという点で、工事現場では矩計図が重宝されています。
矩計図以外の図面
住宅の建築では、矩計図以外にも複数の図面が使用されています。ここでは、それぞれの図面の特徴を解説します。
平面図
平面図(へいめんず)とは、建物を床下1メートルほどの高さで水平方向に切断したものを上から見た図面です。部屋・風呂・廊下・階段などの建物内部を確認でき、間取り図とも呼ばれています。
立面図
立面図(りつめんず)とは「姿図」とも呼ばれており、建物を真横から見たときの図面です。建物を東西南北の方向から見た姿が表され、屋根や窓の形状、ドアの位置などの建物の外観を把握できます。
断面図
断面図(だんめんず)とは、建物を垂直方向に切断した図を横から見たものです。主に建物の高さや天井の高さ、屋根の勾配(こうばい)などがわかります。
配置図
配置図(はいちず)とは、建物の配置や敷地との位置関係を表した基本的な図面の1つです。基本的に100分の1ほどで描かれ、車庫や玄関の位置関係から道路境界や敷地内の高低差までわかります。配置図は平面図や立面図などとあわせて、建築では欠かせない設計図面です。
仕上表
仕上表(しあげひょう)とは、建物各所の仕上げをひとつの表に記載したものです。仕上表には、各床・室内の壁・天井などを示す内部仕上表と、屋根・外壁などを示す外部仕上表の2つがあります。
展開図
展開図(てんかいず)とは、建物の室内から東西南北の方法を見た投影図面です。一般的に50分の1の大きさで描かれることが多く、各部屋の天井高・窓の位置や高さ・出入り口と家具の関係・手すり・ドアなどが示されています。
建設事務所などの設計図書には展開図が描かれていますが、地方工務店などの場合は省かれていることが多い傾向です。
建具表
建具表(たてぐひょう)とは、建物の開口部に取り付ける建具(戸や障子など)の「寸法・形状・材質・仕様」などについてまとめた図面です。
伏図
伏図(ふせず)とは、建物を上から透かして見た平面図のことです。伏図には様々な種類があり、代表的な例は下記の通りです。
- 基礎伏図
- 床伏図
- 屋根伏図
- 天井伏図
- 小屋伏図
「基礎伏図・小屋伏図・床伏図」は構造部材などの配置や寸法を表し、「天井伏図」 は仕上げや割付などを表しています。
詳細図
詳細図(しょうさいず)とは、重要な部分や理解されにくい部分について詳細に描き示した図面です。主に寸法や仕上げなどの詳細情報が盛り込まれています。一般的に平面図よりも縮図が大きい傾向にあり、建物工事をするうえで重要な図面の1つです。
案内図
案内図(あんないず)とは、建物の位置を示す図面です。経路などを示すため、設計図書の一部として作成されています。一般的な案内図は500分の1〜10,000分の1の縮尺で作られますが、細かい規定はありません。
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【まとめ】矩計図は建物の様々な高さを読み取れる図面!断面図との違いを理解しよう
矩計図(かなばかりず)とは建物全体の一部分を垂直に切断し、屋根から基礎までの寸法などが記載された図面です。家のあらゆる高さや住宅性能がわかり、未然にトラブルを防ぐことにもつながります。
矩計図と断面図の違いは、得られる情報量です。断面図の縮図が100分の1〜200分の1に対して、矩計図は20分の1〜50分の1と、より細かな情報に基づく判断が可能です。
矩計図には、寸法が細かく記載されています。建物の概観はもちろんのこと、基礎の深さや壁の厚み、素材の種類なども判断できるのが特徴です。
矩計図は建築物の設計をイメージするうえで必須の資料として活用されています。
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