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左官工事の見積もりや予算管理にかかわる人にとって、単価表の作成と活用は重要な課題です。「単価表に含めるべき項目が分からない」「正確な単価の算出方法が不明確」といった悩みを抱える人も多いのが現状です。
この記事では、左官工事の単価表とは何か、作成方法などについて詳しく解説します。作成方法から含まれない項目まで紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
左官工事とは
左官工事とは、漆喰や珪藻土などの素材を使用して建築物の内外装を仕上げる専門的な作業です。左官仕上げやタイル下地など、幅広い種類の工事があり、職人の高度な技術により美観と機能性を兼ね備えた仕上がりを実現します。
左官工事の内容
左官工事とは、壁や床などに土やモルタル、漆喰などの材料を塗り仕上げる工事のことです。左官工事による仕上げは、湿度や温度の調整に役立ち、住んでいる人々の健康を保ちます。
また、火災時には防火効果があり、人命と財産を守ります。近年、安価で簡単な施工方法としてプラスター塗りが増えてきました。しかし伝統的な漆喰塗りの壁には独特の味わいがあり、再評価される傾向が見られます。
左官工事の職人は「左官」と呼ばれます。壁だけでなく、家の床や駐車場、玄関アプローチの下地作りを担当することも多い仕事です。
左官工事は、主に次の2種類に分類されます。
- 左官仕上げ:主に仕上げ塗装を行う。
- タイル下地:壁材を塗り付けた上からタイルなどを貼り付けて完成させる。
いずれの工事も、左官の腕前が仕上がりに大きく影響します。左官職人の技能は資格制度によって評価され、特級から3級まで分かれています。特級から2級までの資格は実務経験に基づいており、施工業者を選ぶ際の指標となります。
左官工事は単なる壁塗りにとどまらず、建物の美観や耐久性、住環境の質を向上させる重要な作業です。左官職人の技術と経験は、家造りの質を大きく左右する要素となります。
左官工事の種類
左官工事には多様な種類があり、それぞれの工事に異なる特徴と技術があります。最も一般的なものとして認知されているのは壁塗りで、一般左官と呼ばれる壁を美しく仕上げる作業です。
具体的には、漆喰を用いた壁装は、左官の技術者が手塗りで仕上げることで格調高い印象を与えられます。
さらに、鋼材の耐火被覆として岩綿鏝塗りを施す作業や、内幕や天井の結露対策として発泡ウレタンを使用することも左官工事に含まれます。
また、天然素材である珪藻土を用いた湿度調整と美観を保つ施工も左官工事の一種です。
施工の仕上げ工程では、職人の腕前が大いに発揮され、仕上がりに大きな違いが出ます。仕上げの手法には、「押さえ」という基本技術や卓越した技術力が求められる「磨き」、硬化する寸前にモルタルに混ぜた種石を露出させる「洗い流し」などがあります。
さらに、「鏝押さえ」「撫で切り」「櫛引き」「リシン掻き落とし」「刷毛引き」など、多様な技法が存在し、それぞれが独特の風合いを生み出すのです。
左官工事は多岐にわたり、その多様な種類と技術が建物の美観と機能性を高める重要な役割を果たしています。
素材の種類
左官工事で使用される素材は、大きく分けて自然素材と人工素材に分類できます。それぞれの特徴と代表的な種類をご紹介します。
自然素材は、古くから左官工事で使用されてきました。環境に優しく、調湿性や抗菌性に優れたものが多い点が特徴です。代表的な種類をご紹介します。
- 土壁:使用する土の種類によって仕上がりの印象が大きく変わる。
- 珪藻土壁:調湿性や防臭性、耐火性に優れている。
- 砂壁:滑らかで上品な仕上がりになる。
- 漆喰壁:防火性や防音性が高く、殺菌性に優れている。
人工素材は、近年開発された素材であり、強度や耐久性に優れています。代表的な種類は以下の通りです。
- プラスター壁:硬度が高く、ひび割れが起きにくい。
- モルタル壁:デザインのバリエーションが豊富で、耐火性にも優れている
- ジョリパット壁:外壁仕上げの主流で耐久性に優れている。
左官工事には多様な素材が用いられ、それぞれに特性と利点があります。建物の用途やデザインに応じて、適切な素材を選ぶことが重要です。
左官工事の単価表とは
左官工事の単価表は、工事の品質とコスト管理において重要な指標です。構成や重要性、作成方法をご紹介します。
単価表の構成
左官工事の単価表は、施工内容、使用資材、施工面積などを基に算出された費用から構成されています。
単価表には、床や壁のモルタル塗り、階段や幅木の仕上げ、柱型やはり型の処理など、建築物の様々な部位に関する項目が含まれます。単価表には通常の施工費用だけでなく、下地処理や足場設置、養生・高圧洗浄などの付随する作業の費用が含まれる場合が一般的です。
ただし、構成は業者や施工条件によって変動するため、その都度確認する必要があります。
単価設定の重要性
左官工事の単価設定は、顧客の満足度と収益性において非常に重要です。それぞれを詳しく紹介します。
顧客の満足度
適切な単価設定は、顧客満足度に大きな影響を与えます。高すぎる単価は顧客を遠ざけ、受注機会を損失する可能性があります。
一方、低すぎる単価は品質に対する不安を引き起こし、長期的な信頼を損ねる恐れが出てくるでしょう。適正な価格設定を行うことで、顧客はコストパフォーマンスに満足し、リピート購入や口コミによる新規顧客の獲得に繋がります。
収益性
単価設定は収益性にも大きく影響します。低すぎる単価は利益率を低下させ、企業の存続を脅かしかねません。
逆に高すぎる単価は売上を減少させ、結果的に収益を悪化させる懸念があります。収益性を確保するためには、コストを考慮しつつ市場競争力を保つ適切な単価設定が求められます。
収益性が低くなっているときは、経営コンサルタントをはじめとする専門家に相談しながら単価設定を行うことも大切です。
単価表を作成する方法
左官工事の単価表を作成する方法は、以下の手順に従います。
- 作業範囲と数量の把握:壁や床の面積、使用する材料の種類や数量などを確認する。
- 作業手間と材料費の算出:作業時間は職人の経験や熟練度などを参考に算出する。材料費は、使用する材料の種類や数量、仕入れ先によって変動するため、見積もりを取る。
- 単価の算出:算出した作業手間と材料費を合計し、施工面積で割る。
単価表は定期的に見直し、材料費の変動や作業時間を反映させることが重要です。
左官工事の単価を算出する方法
左官工事の単価を算出する方法は、材料費、人件費、経費、利益の4つの要素を考慮します。
- 材料費:左官工事に使用する材料は多岐にわたり、各材料の価格は大きく異なる。品質やグレードも価格に影響される。
- 人件費:職人の技術や経験によって変動。経験豊富な職人ほど高額になる。施工時間や必要な職人の人数に基づいて計算する。
- 経費:足場設置費や運搬費など工事に関わる費用。工事の内容や規模によって異なる。
- 利益:材料費、人件費、経費を差し引いた金額から利益を算出する。適切な利益を見込むことが大事である。
そのほか、競合他社の価格や顧客の予算などの要素を総合的に判断し、最終的な単価を決定します。
左官工事の単価表に含まれない項目
左官工事の単価表には、以下の項目が一般的には含まれていません。含まれない項目について事前に確認し、別途見積もりを依頼しましょう。
下地処理
壁や床の表面を平滑にし、塗りやすくするための準備作業で、別途費用が発生します。下地処理が適切に行われないと、仕上がりに影響を及ぼすため、必ず確認しましょう。
具体的には、ひび割れや欠損をモルタルで補修する、既存の塗装を剥がして平滑な表面を作るなどの作業です。下地処理の作業内容によっても、費用は変わります。
養生
養生とは、工事中に周囲の設備や家具などを保護するための作業を指します。床や壁が汚れたり傷ついたりしないようにシートを敷いたりカバーをかけたりするための費用が別途必要です。
養生にかかる費用は、養生する範囲や使用する材料によって変動します。床全体を養生する場合、家具や家電を丁寧に養生する場合など現場によって作業内容が異なるため、よく打ち合わせしましょう。
足場設置
左官工事では、足場設置費用も単価表に含まれていません。特に高所での作業が必要な場合、安全に作業を行うための足場を設置する費用が追加でかかります。
この費用は、建物の高さや工事範囲によって変動します。狭い場所での作業や重量のある材料を使用する作業などは、対応できる職人が限られている場合もあって高額になるケースもあるでしょう。
搬入・搬出
材料や道具の搬入・搬出も、単価表には含まれない項目です。特に大規模な工事の場合、多くの材料や重機を現場に運び込む必要があり、その費用が別途発生します。
遠隔地での作業や大量の材料を使用する、重機が必要な材料を使用する可能性がある場合は、早い段階から顧客の予算を確認して細かく打ち合わせをすることが望ましいです。
清掃
左官工事の後には粉塵や材料の残りが発生するため、現場を清掃する必要があります。この清掃作業の費用も別途計上されることが多いです。
汚染物質が発生する作業や特殊な清掃機が必要な作業は、作業員の確保や機材の用意などで高額な費用が必要になるでしょう。過去の事例を参考にしながら、清掃費用を算出することが大切です。
その他
特別な材料を使用したり、手の込んだ作業が必要になったりすると、別料金が請求される場合があります。
例を挙げると海外から取り寄せた壁紙を使用した施工、複雑な模様の漆喰仕上げ、高級材料を使用した装飾などは、通常よりも高額な費用がかかることが多いケースです。
事前に関係者同士で詳細な打ち合わせを行い、見積もりを確認することが重要です。
左官工事の地域ごとの単価例
左官工事の単価は地域によって大きく異なり、都市部と地方部で顕著な差が見られます。たとえば大都市圏の東京都の単価例は30,800円、神奈川県は29,900円と高額です。
一方地方では長野県が25,500円、鳥取県が22,400円と、都市部に比べて安く設定されています。このように地域によって価格差があるため、左官工事の単価を出す際は地元の相場を確認することが重要です。
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左官工事業とは?左官工事業の建設業許可取得方法や資格などをご紹介!【まとめ】左官工事の単価表の重要性を理解して顧客に掲示できる単価設定を行おう!
左官工事の単価表は、工事費用の透明性を保つために重要です材料の使用量と人件費を明確に示すことで、顧客の理解と納得を得やすくなります。
また、地域ごとの相場を反映した単価表を作成することで、適正価格で提供できます。適切な単価の設定は顧客の信頼を得られ、満足度も向上します。
この記事を参考に、単価表の重要性を今一度再確認してみてください。
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