建設業向け注文書の作成や書くときのポイントを徹底解説!無料テンプレート付き

建築業において工事を発注したいときに作成する工事注文書や工事請書。一から作成するとなると何を載せたらよいのか分からず、手間もかかりそうで抵抗があるという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、注文書を作成する方法や掲載すべき内容、作成する上でのポイントなどについて解説します。また無料のテンプレートもついているため、注文書や請書を作るのが初めての方やPCでの文書作成にお困りの方はぜひ参考にしていただき、業務にお役立てください。

注文書の概要・目的

建築業における注文書は、建築業法に基づいて契約された工事に際し、工事内容を注文するのに作成される文書を指します。実際に工事を始める前に交わすことで、事前に基本契約によって取り決められた工事内容を明確にでき、工事を受注する側と発注する側双方の合意が得られます。事前に交わす基本契約の内容によって、発注する側が注文書を提出した時点で工事契約が成立する場合と、注文書を受けた側が注文書に対しての請書を作成することが決まっている場合とがあります。

注文書の作り方3つ

では、実際に注文書を作成するとき、どのような方法をとればよいのでしょうか。注文書を手書きで作成し郵送することも可能ですが、複数の受注先に送付する時や今後何回も送付することを考えると、PCで作成しておきメールで送付するほうが便利で現実的です。MicrosoftのWordやExcelで作成する場合と、テンプレート作成ツールで作成する場合に分けて、それぞれどのように作成していけばよいか見ていきましょう。

1.Word

Microsoftの文書作成ツールであるWordを活用する方法です。A4サイズなど1枚の用紙に収まるように作成することができます。最近は無料で配信されている注文書や請書のテンプレートもあるため、所定の箇所を書き換えれば作成も比較的簡単です。難点としては、表に記載する数量や金額が自動で計算されないため、あらかじめ工事にかかる金額等を手計算してから入力しなければならないところが挙げられます。文書作成としては手軽なWordですが、数値が入る部分に関しては不便な面もあります。

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2.Excel

Microsoftの表計算ツールであるExcelを活用する方法です。Wordとは違い、数量の合計値や合計金額を出したい部分に数式を入れることで自動で計算する機能がついているため、事前に計算する手間が省け、注文書の正確性も保たれます。Wordと同様に無料配信されているテンプレートもあるため、自分で難しい計算式を入力しなくても簡単に作成できる便利な方法です。ただし、複数の注文書や請書を作成する場合、一度作った書式をコピーすることになるため、入力漏れや間違いが起きると他社への情報漏洩となる可能性があります。

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3.テンプレート作成ツール

専用のツールを使って、注文書のテンプレートを独自に作成する方法です。上記2つの方法と異なるのは、文書に直接書き込むのではなく、ツールにある別のフォームに企業情報や工事内容、数量、金額等を入力すると、ツールによって作成されている文書に情報が反映される点です。注文の数量や金額が自動で計算されるのはもちろん、作成した複数の注文書・請書の金額管理を行ってくれる機能により、工事にかかる費用の一元管理が可能です。注意点として、一般的に配信されているツールでは建築業界での内容に向かないものがあるため、建築業に特化したツールを選ぶのがおすすめです。

注文書や請書はテンプレートが最も簡単!

上記3つの作成方法でも示したとおり、注文書や請書を作成する際にはテンプレートを活用するのが最も簡単で効率的です。1件テンプレートがあれば工事のたびに書き換えるだけでよいため作業が短い時間で済みます。加えてペーパーレス化にもなるため、紙面の時に行っていたような面倒なファイリング作業も必要なくなり便利です。テンプレートを使って注文書や請書を作成することは、人件費と紙代両方のコストカットが叶う最良の方法といえるでしょう。

注文書・注文請書を書くときのコツや内容5つ

建築業界における注文書や請書には、工事の内容や工期、数量、金額などが記載されます。工事の詳細や取引に際しての取り決めに関しては、事前に交わされる基本契約書に書かれることになるため不要ですが、建築業法によって定められた必須項目を網羅していなくてはなりません。注文書や請書にどのような内容が記載されていればよいのか、また各項目を載せる場所など文書の書き方について、5つのポイントに沿って見ていきましょう。

1.必須項目

建築業法によって定められた必須項目は発注元の氏名または社名、取引年月日、取引内容、税込の取引金額、注文書を受ける側の氏名または社名の5つです。この5つが記載されていないと、国税庁が定める「工事注文書」に該当しなくなってしまい、効力を失う可能性があります。また必須ではありませんが、発注元や受注先の氏名または社名と併せて事業所の所在地や連絡先が書かれていたり、工事にかかる期間や施工現場の所在地などが記載されたりする場合もあります。

2.消費税率

工事注文書の必須項目として税込の取引金額が記載されることになっていますが、併せて消費税率を載せておく必要があります。また工事内容と金額が書かれた表の右下に税抜き金額の小計、その下に税額、さらにその下に税込の合計金額が載るようになっていると、工事にかかる費用がより明確です。テンプレートが作られた時期によっては消費税率が変動している可能性もあるため、作成する際には数式を確認し、消費税率が間違っていないか注意しましょう。

3.テンプレートを使って書く

あらかじめ作られているテンプレートを使用する際は、法定の必須項目が網羅されているかや、文書に書かれている項目が発注したい内容に合っているか確認しましょう。テンプレートによっては単純な物品発注を想定した内容でしか書かれていないものもあります。建築業の工事注文においては、工期、施工の場所、工事内容などを入力できる欄があるものが望ましいです。必要箇所を入力後は、データの改ざんを防ぐため上書きできない状態に保護してメールに添付するか、ソフトウェアにCVする形で相手に送付しましょう。

4.書く内容は必要最低限に

注文書の内容は、注文する項目と金額の記載がメインです。文書は用紙1枚分で収まるよう最低限の内容にとどめましょう。発注元と受注先での細かな規約や、発注する上での注意点などについては基本契約書に記載されているため省略できます。代わりに注文書の上部へ「契約書第〇条の規定に基づき、下記の通り注文いたします」などといった文言を残すと、注文の根拠が示されるため双方にとって親切です。後から見返しても内容が分かりやすいようシンプルな注文書を作成することをおすすめします。

5.注文請書と工事注文書の違いを理解する

注文請書は工事の受注側が注文を引き受けるという内容の文書で、工事注文書によって発注者が注文した内容の契約が成立したという証明です。建築業法では、注文請書が無くてはならないとは定められておらず、工事注文書に「注文をお引き受けの場合には、請書を提出願います。」といった内容の記載がある場合に必要とされています。本来注文請書は受注側が作成し発注元に提出するものですが、文書作成にかかる作業簡略化のため、両方とも発注元が作成し、内容が合っていれば受注元が承諾するという場合もあります。注文請書が必要な場合は、工事注文書とセットで作成できるテンプレートを活用するとよいでしょう。

注文書や請書を書いたことがなくても、テンプレートで簡単に作成が可能!

以上、建築業で工事を発注する際の注文書・請書について、作り方や記載する内容、注意するポイントなどについてご紹介しました。これまで工事にかかる注文書や請書を書いたことがない方や、PCでの注文書・請書作成が苦手と感じている方も、テンプレートを活用すれば簡単に文書を作れます。特にテンプレート作成ツールでは、注文の記録を文書に残すだけでなく、複数の注文にかかるコストの計算もできるため、他社との比較や対予算の見直しなどが可能です。ご自身に合った入力のしやすいツールを選び、文書作成作業の効率化を図りましょう。