ウレタン防水工事のトップコートとは?大切な役割や種類などを解説

ウレタン防水 トップコート

さまざまな種類のある防水工事の中でも、ポピュラーなのがウレタン防水です。ウレタン防水ではトップコートが重要な役割を果たしています。しかし、専門的な分野のため、どういった役割なのか知らない方も大勢います。

今回の記事ではそうした防水工事のトップコートについて解説します。防水工事の施工を検討している方は、参考にしてみてください。

ウレタン防水工事のトップコートとは

ウレタン防水工事におけるトップコートは、防水層を保護する役割を果たす重要な塗料です。屋根やベランダに施されることが多く、紫外線や雨水から防水層を守ります。
トップコートがなければ、ウレタン樹脂による塗膜防水層は短期間で劣化し、漏水のリスクが高まります。そのため、ウレタン防水工事ではトップコートの重要性は非常に高く、その正しい施工が求められます。

ウレタン防水工事に必要なトップコートの役割

ウレタン防水工事でのトップコートには、主に次の4つの役割があります。

  • 紫外線から保護する
  • 太陽光を遮熱する
  • 掃除をしやすくする
  • 滑り止めになる

それぞれの役割について解説しますので、ウレタン防水やトップコートについて知識を深めたい方は参考にしてみてください。

紫外線から保護する

トップコートはウレタン防水において、防水層を紫外線から保護する役割があります。防水層は紫外線を浴び続けると硬化や亀裂といった劣化症状を起こします。そのため、トップコートを塗布することで、防水層の劣化予防が可能です。

太陽光を遮熱する

トップコートには太陽光の熱を反射し、遮熱効果を発揮する性質があります。そのため、暑い夏は室温の上昇を抑え、冷房効率を高めて省エネに寄与します。また、トップコートは、防水層の表面温度上昇を抑え、建物の躯体への負担を軽減が可能です。
太陽光を遮熱するトップコートは、建物の保護とエネルギー効率の向上の両方に貢献します。

掃除をしやすくする

トップコートは清潔性の維持のためにも大切です。ウレタン防水の表面は粘着性があり、ゴミが付着しやすい性質があります。そこでトップコートを塗布することで、粘着性の抑制が可能です。清掃が簡単なため、常に清潔を保つことにも繋がり、美観の維持にも効果的です。

滑り止めになる

トップコートは滑り止めとしても機能します。ベランダや屋上は、滑りやすさが事故のリスクを高めます。こうしたリスクを軽減するため、トップコートに滑り防止のチップを含むことで表面の凹凸を生み出し、滑りの防止が可能です。子どもがいる場合、安全を考慮し、このような種類のトップコートの使用が推奨されます。

ウレタン防水工事で使うトップコート2種類とメーカー

次はトップコートの種類とメーカーを見ていきましょう。トップコートの種類は大きく分けて次の2つです。

  • アクリルウレタン系
  • フッ素系

それぞれの違いとメーカーについて具体的に紹介していきます。

アクリルウレタン系

アクリルウレタン系トップコートは、ウレタン防水工事で採用されるケースが多い標準的な塗料です。アクリルウレタン系トップコートは、アクリルウレタン樹脂を主成分とし、伸縮性に優れています。
アクリルウレタン系は、塗り替えやメンテナンスが容易で、特にバルコニーなどの屋外スペースに適しています。耐用年数は約5年で、コストを抑えた施工を求める場合にも最適です。

フッ素系

フッ素系トップコートは、アクリルウレタン系より汚れや紫外線に対する高い耐性があります。遮熱効果も高く、太陽光による熱からの保護が可能です。アクリルウレタンに比べて価格は高めですが、耐久年数は約10年と長くなっています。
初期投資は高くなるものの、塗り替え頻度を減らしたい場合は効果的です。

トップコートの主要メーカー

次にトップコートのトップメーカーについて解説します。アクリルウレタン系とフッ素系を両方揃えているのは次の2社です。

  • 日本特殊塗料株式会社
  • 株式会社ダイフレックス

そして、次の3社はアクリルウレタン系のトップコートを製造しています。

  • 東日本塗料株式会社
  • 竹林科学工業株式会社
  • 大同塗料株式会社

メーカーごとにトップコートの特徴は異なりますので、建物に適したトップコートを選びましょう。

ウレタン防水工事のトップコートの耐用年数や単価

ここからは、ウレタン防水工事におけるトップコートの耐用年数と単価を解説します。まず、ウレタン防水のトップコートの耐用年数は、次の表の通りです。

アクリルウレタン系 約3~5年
フッ素系 約10年

耐用年数は環境によってバラつきがあるため、目安として捉えてください。次にウレタン防水のトップコートの単価は以下の表の通りです。

アクリルウレタン系 1,000~1,300円/㎡
フッ素系 2,000円/㎡

単価も施工業者によって異なるため、具体的な金額を知りたい場合は、見積もりを依頼しましょう。

ウレタン防水のトップコートが劣化したサイン

ここからは、ウレタン防水のトップコートが劣化した際のサインを紹介します。次の3つのような症状が現れたら、劣化が進んでいる兆しです。塗り替えや防水層の更新工事を検討しましょう。

  • チョーキング現象
  • 剥がれや浮き
  • 雑草や苔の繁殖

それぞれのサインについて詳しく解説します。

チョーキング現象

チョーキング現象は、トップコートが劣化して粉状になった状態です。チョーキングは、防水層に触れた際、指に白い粉が付着かどうかで確認できます。特に紫外線によるダメージを多く受けるベランダや屋上でよく見られます。
チョーキング現象を放置すると防水機能が低下し、建物への影響が拡大する可能性があるため、早めの塗り替えが必要です。

剥がれや浮き

顕著に見られますトップコートは経年により、防水層との接着力が低下し、剥がれや浮きが生じることがあります。原因は時間の経過と共に、紫外線の影響でトップコートが硬化し、防水層の膨張や収縮に追随できなくなるからです。
ひび割れや剥がれは防水機能の低下につながります。この場合、早めの塗り替えや補修が必要です。

雑草や苔の繁殖

トップコートが劣化すると雑草や苔が繁殖することがあります。雑草や苔の繁殖は、日光が少ない北側や、水が溜まりやすい箇所で発生しやすいです。雑草や苔は防水層を貫いて根を張ることがあり、浸水のリスクを高めます。
雑草や苔が目立つ場合は専門の業者に相談しましょう。適切な対策とメンテナンスをすることで、雑草や苔の繁殖を防ぎ建物の安全性を維持できます。

ウレタン防水工事のトップコートを塗り替える手順

ここでは、ウレタン防水でトップコートを塗り替える手順を解説します。トップコートの塗り替え手順は、基本的に次の通りです。

  1. 高圧洗浄
  2. 下地処理
  3. プライマー塗布
  4. トップコート塗布(1回目)
  5. トップコート塗布(2回目)

高圧洗浄は汚れを落とし、残った汚れやゴミをケレンなどの下地処理で落とします。そしてトップコートと塗装面の密着力を高めるプライマーを塗り、トップコートを2回に分けて塗布します。

ウレタン防水工事のトップコートを長持ちさせる方法

次に、ウレタン防水のトップコートを長持ちさせる方法を解説します。トップコートの効果を少しでも長く保つためには、次に紹介する2つの方法を試してみましょう。

  • 排水溝を掃除する
  • ひび割れなどの確認をする

それぞれの方法について、具体的な内容を解説します。建物を維持する参考になるので、ぜひご覧ください。

排水溝を掃除する

排水溝の掃除は、トップコートの維持に欠かせない作業です。特にベランダや屋上に設置されたドレン排水口は、雨水の流れを確保する重要な役割を担っています。葉っぱや砂が排水口に詰まると、水が溜まりトップコートへのダメージを招きます。日常的に排水溝の掃除を行い、排水がスムーズに行われるようにすることで、トップコートの機能の維持ができます。

ひび割れなどの確認をする

トップコートの状態を保つためには、ひび割れや剥がれの定期的な目視点検が重要です。小さな変化に早めに気づけば、簡単な修繕で済むことも多くあります。ひび割れや剥がれは、初期段階では自身で確認が可能です。これらの症状を見逃すと、修繕が大規模で多額のコストがかかる恐れがあります。早期発見と対応が、トップコートの機能を長く保つ鍵です。

ウレタン防水工事業者の選び方

ウレタン防水工事の業者選びでは、防水工事の実績が豊富で、資格を持つ専門家が在籍しているかを確認しましょう。また、技術力に長けた業者を選ぶことも重要です。

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【まとめ】ウレタン防水工事のトップコートは定期的なメンテナンスで長持ちさせよう

ウレタン防水のトップコートは建物を維持するために、重要な役割を果たしています。そのため、劣化を防ぎ適切なタイミングで塗り替えを行うことが重要です。トップコートが劣化するといくつかのサインが見られるため、定期的に点検し、兆候を見逃さないようにしましょう。建物の防水効果を維持し構造を傷めないためにも、トップコートは適切な状態を管理しましょう。

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