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建設現場において主任技術者として従事する場合には、2級建築施工管理技士の資格が必要です。この資格を取得すれば、建設業許可に必要な専任技術者として配置されることも可能です。
今回は、2級建築施工管理技士を取得するための国家試験の難易度や取得するメリットを紹介します。勉強法にも触れていますので参考にしてください。
2級建築施工管理技士の難易度
2級建築施工管理技士の資格を取得するには、第一次検定、第二次検定の両方に合格する必要があります。この項目では、それぞれの難易度について次の3つの視点から考察しました。
- 第一次検定の難易度と合格率
- 第二次検定の難易度と合格率
- 試験内容から見た難易度
以下詳細に説明します。
第一次検定の難易度・合格率
第一次検定のここ数年(令和元年から令和4年)の合格率は、30%から50%と国家試験としては高い水準です。
ただし、年によって乖離が大きいので一概に難易度が低いとはいえません。令和3年から制度が変更になりましたが合格率は40%から50%と高く、難易度に大きな差はないようです。計画的にしっかり勉強すれば検定試験にも十分に対応できるでしょう。
参照元:総合資格学院
第二次検定の難易度・合格率
第二次検定のここ数年(令和元年から令和4年)の状況をみてみると、合格率は30%前後でした。第一次検定より合格率は低めですが、それでも国家試験としては高い水準といえます。令和3年の制度改正で出題される問題の傾向が変わりましたが、合格率に大きな変化はありません。難易度は第一次検定に比べて多少高いようですが、事前にきちんと学習していれば十分対応できます。
試験内容から見た難易度
第一次検定試験はマークシートによる選択問題です。設問に対する最適解や関連項目を選択してマークします。記述式ではないので難易度は多少低めです。ただし、理解度が甘いと勘違いやケアレスミスなどで失点するので気をつけましょう。
第二次検定はほとんどが記述式問題で、第一次検定に比べると難易度は高めです。
なお、令和6年に制度改正が予定されており、各専門分野の基礎知識にさらに重点が置かれる可能性があります。
2級建築施工管理技士の試験概要
ここからは、2級建築施工管理技士試験の概要をみていきましょう。試験概要は一次検定と二次検定で異なります。令和6年に予定されている制度改正も踏まえて、受験資格と試験内容について解説しましょう。
受験資格
2級建築施工管理技士の一次検定試験は、試験年度で17歳以上であれば誰でも受験できます。二次検定は一次検定合格者で一定の実務経験が必要です。
従来は最終学歴ごとに実務経験年数が決められていましたが、令和6年の制度改正では最終学歴に関わらず3年以上の実務経験があるものに改正されます。なお、令和10年までは改正前の学歴に沿った実務経験でも受験可能です。
試験内容
2級建築施工管理技士検定の試験内容について、一次検定、二次検定それぞれの内容について解説します。着目したのはそれぞれの試験形式や合格基準、出題内容などです。なお、令和3年度に制度改正され試験内容の一部が変更されました。
2級建築施工管理技士資格の取得するために一次検定、二次検定両方の内容を関連付けて理解しておきましょう。
一次検定
一次検定試験は4つの中から1つを選ぶ四肢択一のマークシート方式で行われ、設問は40問あります。合格するためには60%(24問)以上の正解が必要です。
詳しい内容については以下を参照してください。試験時間は2時間30分です。
- 建築学・・・全14問のうち9問を選択して回答
- 共通問題・・・全3問回答必須
- 施工・・・全11問のうち8問を選択して回答
- 施工管理法・・・全10問必須
- 施工管理法(能力問題)・・・全4問必須(令和3年改正)
- 法規・・・全8問のうち6問を選択して回答
なお、令和3年の改正により一部に二次検定のカテゴリーが組み込まれています。
二次検定
二次検定試験は記述問題とマークシートによる選択方式が混在しています。
設問全5問で回答は全問必須です。
詳しい内容については下記を参照してください。なお、配点は公開されていません。
- 施工管理法能力問題・・・全3問必須回答、記述問題
- 施工管理法・・・全2問必須回答、四肢択一マークシート方式(令和3年改正)
令和3年の改正により、一次検定の知識問題が二次検定に組み込まれています。
2級建築施工管理技士の資格を取得するメリット
2級建築施工管理技士資格を取得すると、個人にとっても会社にとっても数々のメリットが受けられます。以下に代表的なメリットを記載します。
- 高い技術力が認められ主任技術者になれる
建築現場の現場監督など責任のある仕事に就くことができます。給与や処遇のベースアップも可能です。 - 長期的に仕事が続けられ転職にも有利に働く
建設業界でも需要の高い資格なので、活動の場が広がり長期的に仕事が続けられます。転職するときにもかなり有利です - 専任技術者になれる
所属する企業が建設許可を得るときの条件である専任技術者にもなれます。会社の営業活動に貢献でき、処遇の改善が可能です。
2級建築施工管理技士の資格取得に必要な勉強時間
2級建築施工管理技士の資格を取るためには、100時間から300時間の学習時間が必要です。計算上では1日2時間勉強すれば、最短2カ月から3カ月で検定試験に合格できます。ただし、仕事もあるので余暇の時間をつぶすことになります。疲労も重なりモチベーションを持続させるのもひと苦労です。そのため、効率の良い学習方法や時間の使い方を工夫する必要があります。
2級建築施工管理技士試験の勉強方法
前述したように、働きながらの試験勉強は学習方法や効率の良い時間の使い方が必要です。この項目では2級建築施工管理技士試験のための勉強方法について、5つのポイントを紹介します。
- 勉強のスケジュールを立てる
- 1冊の参考書に絞ってやり込む
- 過去の問題を見て出題傾向を掴む
- 講習や通信講座を利用する
- スキマ時間を活用する
以下に詳しく説明します。
勉強のスケジュールを立てる
最初に、勉強のスケジュールを立てましょう。スケジューリングのコツは無理をしないことです。仕事から帰宅する時間から1日の勉強時間を決めると、予想もしなかった残業やトラブルで予定が狂うこともあります。勉強時間は最大よりも最小で考えて「少なくとも1時間はできる」などと想定しましょう。最初から無理をしてしまうと長続きしません。
1つの参考書をやり込む
2級建築施工管理技士の試験勉強をするときの参考書は1冊に絞りましょう。何冊も購入して目をとおすよりも、1冊の参考書を何度も読み返す方が効果的です。何度も読み返すうちに内容がすり込まれ、知識として自分のものになります。また、問題の回答だけ暗記するのではなく解説もしっかり読むことが大切です。そうすることで問題の本質がしっかり理解でき、試験本番で設問に迷うことがありません。
過去問を解き出題傾向を掴む
過去に出題された問題は最高の参考書です。過去問を繰り返して読み込むと、受験者にどんな知識を求めるのか、どんな分野が大切なのか、出題者の意図を掴むことができます。2年から3年前の過去問題に注力して自己採点しながら読み込むと良いでしょう。なお、令和6年に制度変更がありますが、変わるのはルールだけで出題傾向には影響しません。
講習や通信講座を利用する
ただ参考書や過去問を読むだけでなく、講習や通信教育に参加して話を聴いたり動画を観たりするのも効果的です。目だけではなく耳から入る情報で、さらに知識を深めましょう。講習を受けると、プロの解説が聴けたり記述問題の添削やアドバイスを受けることができます。予算やスケジュールを考えて自分にあった講習を受けましょう。
スキマ時間を活用する
仕事の休憩時間や、自宅でひと息ついたときなどのスキマ時間をうまく利用するのも効果的です。スマートフォンやタブレットを使えば重い参考書を持ち歩くことなく手軽に勉強できます。過去問題集などを取り扱ったアプリなどを試してみましょう。スキマ時間を有効に使って勉強することを日々の習慣にすれば、学習効果もかなり上がります。
2級建築施工管理技士の試験勉強するときに注意するポイント
この項目では、2級建築施工管理技士の試験勉強をする場合に注意しなければならないポイントについて次の2点の解説をします。
- 一次検定と二次検定の試験についてバランスよく勉強する
- 経験記述の対策を行う
どちらも2級建築施工管理技士の資格を取得するための試験勉強として欠かせないものです。
一次と二次をバランス良く勉強する
2級建築施工管理技士の検定試験は一次と二次があり、両方合格して初めて資格が取得できます。受験者の傾向として、二次検定が記述式で難しいと考えて一次検定に重きを置いて勉強する方が多いようです。それでも余裕がある限り両方をバランスよく勉強しましょう。
一次検定に合格しても、二次検定で落ちてしまうと時間の無駄になります。両方合格していち早く1級建築施工管理技士をめざした方が得策です。
経験記述の対策を行う
二次検定は記述項目の多い内容です。特に施工経験記述は答えがどこにも載っていません。自らの経験から設問に沿って記述する必要があります。普段から文章を書きなれていないと、自分の意見を簡潔にまとめるのは難しいものです。そこで、経験記述については勉強する際に自分で判断しないで、第三者に添削をしてもらうなどの工夫で十分に対策しましょう。
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【まとめ】2級建築施工管理技士の難易度は高いが独学でも取得できる!
2級建築施工管理技士の検定試験は一次と二次があり、平均合格率から難易度をはかると
国家試験としてはそこまで高いとはいえません。ただし、実施年度によって合格率が上下しているので注意が必要です。試験内容を考えると二次検定の難易度の方が高めに推移しています。2級建築施工管理技士資格を取得すると主任技術者として活躍でき、給与などの処遇の改善が見込めるのがメリットです。独学で取得できるので、効率的な勉強方法を工夫して資格取得にチャレンジしましょう。
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