測量士の資格試験に必要な勉強時間は?合格率や難易度なども解説

測量士 勉強時間

工事現場や公共事業に欠かせない業種のひとつに、測量士があります。測量士は雇用や待遇が案指定した仕事のひとつであり、取得を検討している方もいるかもしれません。
しかし、測量士になるにはいくつかの条件を満たすか、非常に難易度の高い試験に合格する必要があります。本記事は、測量士を目指す方に役立つ内容をまとめました。

測量士とは

測量士とは国家資格の一種です。国土地理院が管轄している業務独占資格でもあります。
建築現場やインフラ整備の際に必要な測量を行う業種であり、資格を取得すると以下2つの測量を行えるようになります。

  • 基本測量:国土地理院が行う測量
  • 公共測量:基本測量以外の測量を指す。必要な費用を国や公共団体が負担・補助する測量

また、測量士の仕事は外での測量業務(外業)だけではありません。予算管理や機器調達などのデスクワーク(内業)も仕事の一部です。それぞれの内容をまとめると、以下のようになります。

仕事内容 特徴
外業 建設・土木工事現場での測量業務
内業
  • 予算管理
  • 機器調達
  • 測量計画
  • 製図
  • 測量データの分析

測量士と聞くと、道路などで機器を使って調べているイメージを思い浮かべがちですが、実際の仕事は多岐にわたります。

測量士になる方法

測量士になるには、以下3つの方法を達成しなくてはなりません。

  • 文部科学省または国土交通省が認めた学校で測量に関する専門科目を履修し、1~3年の実務経験を積む
  • 測量士補の資格を取得したうえで文部科学省または国土交通省が認めた学校で測量に関する専門科目履修
  • 国家資格の測量士試験に合格する

測量に関する科目の習得や実務経験がない場合は、国家資格に挑戦するルートから測量士を目指しましょう。

測量士の資格試験に必要な勉強時間は300~500時間

資格試験は合格に向けた勉強時間がそれぞれ異なります。測量士試験も同様です。測量士試験の場合、約300時間は必要だといわれています。資格試験に必要な勉強時間の中では少ない方ですが、測量に関する全知識がない場合や数学が苦手な場合、300時間前後では足りないでしょう。一から学ぶ場合、500時間近くは必要です。
測量士試験は三角関数などの高校数学の知識が必要なため、人により数学の復習も必要になるでしょう。学力に自信がない方や、習慣的に勉強していた機関からブランクが開いている場合、余裕をもって勉強時間を確保した方がいいかもしれません。

測量士補試験の勉強をしている場合は時間短縮できる

測量士試験は測量や数学に関する知識があれば、勉強時間を短縮できます。特に、測量士補の資格がある方なら、300時間以下でも合格できる可能性があります。
これは、測量士補試験と測量士試験の範囲が同じためです。測量士補は測量業務に従事する資格である一方、測量士は測量計画を立案するため、内容は大きく変わりますが、範囲は変わりません。

測量士補試験を通して全体の範囲を把握しておけば、専門的な内容でもスムーズに学習できるでしょう。とはいえ、取得すれば試験対策が不要なわけではありません。測量士補資格を持っていても、持っていなくても、入念な試験対策は怠らないようにしましょう。

測量士試験に必要な勉強時間の具体的な時間配分

資格試験対策は、勉強時間を計画的に配分できるかで結果が大きく異なります。測量士試験も例外ではありません。試験に挑戦する際は、以下の時間配分を意識して試験対策の計画を立てましょう。

25時間はインプットに使う

最初の25時間分はインプット、つまりテキストを使って体系的な知識を吸収する時間につかいます。この後の過去問を解くための土台作りです。
この期間中は、深追いせず知識を吸収することに集中しましょう。

150時間は過去問を解く

知識をインプットしたら過去問を解いて問題に慣れます。ここで必要なのは、150時間分、過去問は5年分です。1週あたり30時間のスパンで考えて取り組みます。
最初はうまく解けずに苦労しますが、問題ありません。根気強く問題を解いていくことで、過去問が繰り返し出題されやすい測量士試験の特徴が分かるようになります。
解けない問題や解説を理解できない問題が出てきたら、テキストに戻って周辺知識も学習しながら復習しましょう。苦しい時期ではありますが、この時間をクリアできなければ、次の段階で躓いてしまいます。しっかり学習しましょう。

25時間を知識の整理に使う

ここまで時間をかけると、過去問がある程度解けるようになります。再度インプットの時間を取って、知識を定着させましょう。これにより、ただ過去問が解けるだけでなく、本試験で使える知識に変わります。
過去問を解けるようになるとついインプットを怠りがちになりますが、ここでしっかり知識を付けることで、内容を関連付けて覚えられるようになります。欠かさず取り組みましょう。

1.5倍のバッファをとっておく

残りの時間が100時間ほどありますが、これはバッファとしてとっておきます。まとまった時間を取る場合も、細切れで勉強する場合も、100時間分余裕を持って勉強すれば、十分合格できるほどの勉強量となるでしょう。これで合計300時間です。

測量士の資格試験は独学でも合格できる

測量士試験の合格率は、約10〜12%と非常に低いです。とはいえ、独学では合格できないわけではありません。測量に関する知識を習得し、高校理系レベルの数学がクリアできれば可能性はあります。
ただし、まったく知識がない状態で挑戦するとなると、より入念な試験対策が必要であるといえるでしょう。

測量士の資格試験の合格を独学で目指すメリット

独学での測量士試験への挑戦は、非常に困難です。しかし、独学ならではのメリットもあります。

お金を節約できる

大学や専門学校で測量士の資格を取得する場合、年間100万円以上の費用がかかります。通信講座や予備校なら数万〜数十万円で済みますが、まとまった金額が必要な点は変わりません。
その点、独学ならテキストや過去問を用意するだけで勉強できます。費用を最小限に抑えたいなら、独学はおすすめの方法です。

自分のペースで勉強できる

学校や通信講座は、ある程度学習スケジュールが固定されています。学習についていけない場合でも、ある期間内に課題をクリアしなくてはなりません。
一方、独学は自分のペースで勉強できます。躓いても勉強時間や計画を立て直すことで取返しも可能です。自分の学習速度や進捗に合わせて調節できるのも、独学のメリットといえます。

時間を節約できる

大学で建築に関する知識を学んで測量士を目指す場合、卒業後数年の実務経験が必要です。専門学校の場合も同様で、取得に数年単位の時間をかけなくてはなりません。
一方、独学の場合は試験に合格すればすぐに測量士の資格が得られます。社会人から最短で測量士を目指す場合にも、独学は有効であるといえるでしょう。

測量士の資格試験の合格を独学で目指すデメリット

独学で測量士試験合格を目指す場合、メリットばかりに目を向けるのではなく、デメリットについても知っておく必要があります。
以下のデメリットを考慮し、独学での合格が難しいと判断できる場合は、ほかの方法を検討した方がいいかもしれません。

モチベーションの維持が難しい

独学の場合、講師やメンターの力は借りられません。勉強で躓いたり、やる気が切れてしまったりした場合でも、自分自身でモチベーションを維持する必要があります。
だれにも相談できない状態で勉強する状態に不安感を抱き、頓挫してしまう方も珍しくはありません。

自分で学習管理する必要がある

また、独学の場合学習管理も自分で行う必要があります。
試験に合格するには、ポイントをおさえた学習計画を立て、継続することが重要です。予備校や通信講座はこれらの内容がカリキュラムでまとまっているため、自分で管理する必要がありません。一方独学の場合は、学習管理してくれる人もシステムもないため、すべて自分でやることになります。
勉強だけに集中できない状態に負担を感じる方もいるでしょう。これもデメリットといえます。

不明点も質問できない

独学で分からないことがあった場合、自分で調べて解決しなくてはなりません。これも独学のデメリットです。
測量士試験では高校数学の知識や、地図編集・写真測量などの測量計算などの知識が必要です。これらの知識を覚えるだけでなく使いこなせるようになるには、独学だけでは難しいでしょう。
計算や測量の知識があれば問題ありませんが、一から勉強を始める場合、大きなデメリットとなる恐れがあります。

測量士の資格試験の勉強方法

独学で測量士試験に合格するには、効率的な勉強方法を身につけておくことも大切です。試験対策の基本的な方法を解説します。

過去問を繰り返し解く

測量士試験は過去問が試験で繰り返し出題されることがあります。過去問を何度も解くことで、頻出問題を押さえつつ、自分の苦手分野を効率的に学習することが可能です。
測量士試験の過去問は、以下のページから閲覧できます。試験対策に活用しましょう。

測量士&測量士補試験対策WEB

問題集や参考書を活用する

問題集を何度も解き、分からない部分を参考書で学ぶことも、効率的な勉強方法です。問題集で間違えがちな部分を参考書で重点的に勉強することで、失点しやすい部分を中心に勉強できます。
ただし、問題を解くのではなく、間違えたところや頻繁に読む内容に印や付箋をつけたり、ノートに内容をまとめたりなどの工夫も取り入れながら行いましょう。

独学が難しいと感じた場合は通信講座などを活用する

どうしても独学でうまくいかない場合は、通信講座を活用するのもよい方法です。通信講座はプロの講師が重要な知識を伝えてくれるため、自分で情報を取捨選択する必要がありません。動画受講できるタイプなら、目や耳で学習しながら知識を身につけられます。
どうしても試験対策がうまくいかない場合は、通信講座の活用も検討しましょう。

測量士の資格試験の概要

測量士試験対策の準備に移る前に、資格試験の基本情報をおさえておきましょう。測量士資格試験の概要をお伝えします。

受験資格・費用

測量士資格試験には、学歴や年齢などの制限は特にありません。実務経験や専門的な知識を持っていることを証明できない方でも受験できます。試験は年1回のみなので、受験の際は試験対策をしっかり行ってから挑みましょう。
受験費用は4,250円で、願書に収入印紙を貼り付ける形で支払います。
願書には顔写真なども必要なため、不備のないよう用意しましょう。

試験内容

測量士試験は以下10科目を午前と午後に分けて受験します。

  • 多角測量
  • 汎地球測位システム測量
  • 水準測量
  • 地形測量
  • 写真測量
  • 地図編集
  • 応用測量
  • 地理情報システム
  • 測量業務に従事するうえで必要な一般知識

午前は2時間半の択一式(5択)・全28問出題されます。合格点は700点中400点・16問以上正解です。午前中の特典が50%を下回ってしまうと、午後試験の採点が行われないためご注意ください。
1時間の休憩を挟んだあと、午後の試験が開始されます。午後も2時間半の必須1第と選択4題(うち2題は選択)で出題されます。合格点は午前と合算されます。合計910点以上取らないと、不合格です。
測量士試験では国土地理院が用意した電卓以外は使用できません。持ち込みできない点にも注意しましょう。

試験の開催時期・会場

申込期間・試験日・合格発表日は、国土地理院が毎年発表しています。受験を検討している方は、定期的にチェックしておきましょう。
試験会場は以下の会場にて行われます。

  • 北海道
  • 宮城県
  • 秋田県
  • 東京都
  • 新潟県
  • 富山県
  • 愛知県
  • 大阪府
  • 島根県
  • 広島県
  • 香川県
  • 福岡県
  • 鹿児島県
  • 沖縄県

自分の住んでいる土地に会場がない場合、最寄りの地域にある受験会場に申込します。なお、受験会場は会場の都合により変更・追加されるため、試験申し込みスケジュールとともに確認しておきましょう。

測量士の資格試験の合格率・難易度

測量士試験の合格率は、低いときだと7%台・高くても18%と、非常に低いです。年度によりばらつきがあるのは、一定の基準に従って評価する絶対評価で採点していることが関係しています。一人ひとりが合格点数をクリアできるかで率が変わることを覚えておきましょう。

測量士の資格を取得するメリット

測量士試験は資格保有者の独占業務のため、仕事がすぐになくなる心配がありません。また、測量士資格は転職や就職の面接時に評価してもらいやすい資格でもあります。安定した仕事につきたい方や、待遇のよい企業で働きたい方と、相性のいい資格といえるでしょう。

【まとめ】測量士の資格試験に必要な勉強時間を確保して合格を目指そう!

測量士資格は非常に合格率が低い資格ですが、独学でも効率的に勉強できれば取得できます。学歴や実務経験がなくても、試験に合格すればすぐに測量士として働くことも可能です。雇用が安定している仕事や待遇のいい会社に就職したい方は、測量士試験を目指してみるのもいいかもしれません。

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