特定建設業者とは?一般建設業の違いや必要な要件などを解説

建設業許可には「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の2つの区分があります。建設業者は特定建設業許可を取得することで受注できる工事の幅が広がるため、許可取得を検討されている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は特定建設業者の概要や一般建設業の違い、許可の取得に必要な要件などを詳しく解説します。

ツクノビ事務は、建設業の事務業務を低コストで代行する建設業特化のアウトソーシングサービスです。建設業の複雑な事務作業や書類作成、写真データ整理などまで、幅広い業務に対応しています。詳細はぜひこちらからご確認ください。
\ 30秒で資料請求完了 /まずは資料を見てみる

特定建設業者とは

特定建設業者とは特定建設業許可を取得した建設業者を指します。建設業許可には一般建設業許可と特定建設業許可の2つがありますが、特定建設業許可の取得要件は一般建設業許可と比べてより厳格です。

事業者は特定建設業者になることで、より大規模な工事を取り扱えます。一般建設業許可との具体的な違いは後述します。

特定建設業と一般建設業の違い

続いて特定建設業と一般建設業の違いを解説します。下記の2つのポイントをチェックしてみましょう。

請け負う工事の違い

特定建設業者と一般建設業者では請け負える工事が違います。特定建設業許可は元請けの立場として受注した工事1件について、4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の金額で下請けに出せます。

特定建設業許可が必要な工事は上記の工事のみであり、それ以外の工事は一般建設業許可を取得していれば請け負い可能です。

元請けの立場として工事を受注した際に、その金額の多寡に関わらず下請けに出さずに自社のみですべての施工を行う場合は、特定建設業許可は必要ありません。特定建設業許可が必要になるかどうかの基準は、あくまで受注した工事を下請に出す金額の大きさです。

許可を取得する要件や義務の違い

特定建設業許可と一般建設業許可では取得要件や義務が違います。建設業許可そのものの取得要件は下記の6つですが、そのなかで「専任技術者の配置」及び「財産的基礎」に違いがあります。

  • 経営業務に関する管理責任者がいること
  • 専任技術者の配置
  • 請負契約に関する誠実性を有していること
  • 社会保険に加入していること
  • 一定以上の財産的基礎を有すること
  • 欠格要件に該当していないこと

特定建設業者として活動するために必要な要件

続いて特定建設業者として活動するために必要な要件を解説します。下記の6つの要件を確認してみましょう。

経営業務管理責任者を設置している

特定建設業許可を取得するためには経営業務管理責任者の設置が義務付けられています。この経営業務管理責任者は各支店に必須ではなく、本店や本社への設置が必要です。

経営業務管理責任者は法人の場合は役員、個人事業主であれば経営者本人または支配人が該当します。経営業務管理責任者には一定期間以上の実務経験も求められています。必要な実務経験は下記のとおりです。

  • 建設業において、5年以上の経営業務の管理責任者として経験がある
  • 建設業において、5年以上の経営業務の管理責任者に準ずる地位にあり、経営業務を管理した経験がある
  • 建設業において、6年以上経営業務管理責任者に準ずる地位にあり、経営業務の管理責任者を補佐した経験がある

営業所ごとに専任技術者を設置している

特定建設業許可の取得には専任技術者の配置が必要です。この専任技術者は経営業務管理責任者とは異なり、各営業所に配置が義務付けられています。

専任技術者とは請負契約を締結し、施工が契約のとおり行われるかどうかを監督する役目を担います。専任技術者は事業者が締結する請け負い契約の内容が適切かどうかをチェックするほか、見積もり書の作成や施主とのやり取りも業務の1つです。常に現場に同行する現場監督とは異なり、営業所に在中してオフィスワークをこなします。

特定建設業許可の専任技術者になるためには下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 必要な国家資格の所持
  • 一般建設業の要件を満たした上で、指導監督的立場で2年以上の経験がある

必要な国家資格とは、事業者が請け負う工事ごとに異なります。土木工事であれば、1級建設機械施工管理技士や1級土木施工管理技士の資格が、建築一式工事であれば1級建築施工管理技士や1級建築士の国家資格が必要です。

また、指導監督的立場での実務経験とは工事現場主任者や工事現場監督者といった立場での施工経験を指します。

これらの国家資格を所持していない場合は、一般建設業の要件+実務経験の2つを合わせて専任技術者の要件を満たせます。一般建設業許可における専任技術者になるためには下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 必要な国家資格の所持
  • 指定学科を卒業及び一定の実務経験
  • 10年以上の実務経験がある

請負契約において誠実性を有している

請負契約は、施主と受注者が双方の合意に基いて結ぶ契約です。施工の過程で法令違反や横領などの犯罪行為があった場合は建設業許可を取得できません。

また、契約のとおりに施工を行う、工期を守るといった誠実性も建設業許可の取得に欠かせません。

適切な社会保険に加入している

特定建設業許可の取得には従業員が適切な社会保険に加入していることが欠かせません。2020年に改正建設業法が施行されるまでは、社会保険への加入は義務ではありませんでしたが2025年現在は義務化されています。

どのような社会保険への加入が必要かは事業規模や雇用形態によって異なります。例えば、従業員が4人以下の個人事業主であれば、雇用保険への加入は不可欠ですが国民健康保険への加入で十分です。

欠格要件に当たらない

特定建設業許可を取得するためには、欠格要件に当たらないことが重要です。欠格要件には書類上の欠格要件と人格上の欠格要件の2種類があります。

書類上の欠格要件とは、申請書類や添付書類における誤記載や虚偽情報の記載です。また人格上の欠格要件とは下記のとおりです。

  • 成年被後見人、被保佐人または破産者で復権していない者
  • 不正手段で許可を受けた、営業停止処分を受けたことによって、建設業許可を取り消されてから5年経過していない者
  • 建設業許可取り消しを防ぐために廃業届を提出してから5年を経過しない者
  • 営業の停止命令を命ぜられ、その停止期間が終了していない者
  • 禁固以上の刑を科せられ、その刑の執行が終了した日から5年が経過しない者
  • 建設業法に違反し、罰金刑に処せられ、その刑の執行が終了してから5年が経過しない者
  • 暴力団構成員でなくなってから5年が経過していない者
  • 暴力団員によってその事業活動を支配されている者

財産的基礎の要件を満たしている

特定建設業許可を受けるためには一定以上の財産的基礎を有している必要があります。一般建設業許可の場合は500万円以上の自己資本が必要ですが、特定建設業許可は下記の要件を満たす必要があります。

  • 欠損額が資本金の20%を超過しないこと
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金が2,000万円以上、かつ自己資本が4,000万円以上

特定建設業者として活動するメリット

続いて特定建設業者として活動するメリットを解説します。特定建設業許可を取得するメリットは様々ですが、もっとも大きなメリットは受注できる工事の幅が広がることです。

特定建設業者は受注した工事を4,000万円以上(建築一式工事の場合は6,000万円以上)の金額で下請けに出せます。元請業者として活動する場合、請け負える工事の規模が大きくなるため大きなメリットがあります。

また、特定建設業許可を取得することで、事業者としての社会的信用が高まるため融資などを受けやすくなる点もメリットです。

特定建設業者の義務

続いて特定建設業者が果たすべき義務を解説します。下記の4つの義務をチェックしてみましょう。

施工体制台帳を作る

特定建設業者には施工体制台帳の作成義務があります。施工体制台帳は受注した工事を下請けに出す際に作成が義務付けられており、各工事現場に置かれなくてはいけません。

施工体制台帳の記載内容は下記のとおりです。

工事を請け負う元請け、下請け全ての業者名
施工範囲
工期
主任技術者名・監理技術者名

下請け業者への指導を実施する

特定建設業者が元請け業者として下請け業者と協力する際には、下請け業者への指導義務があります。これは工事現場において建設業法が遵守されるように、下請け業者を管理監督する義務があるためです。下請け業者がさらに業務を下請けに出す、いわゆる孫請けがある場合は、特定建設業者は孫請けを含むすべての協力会社に対する指導義務があります。

このような指導に際して、法令違反が改善されない場合は行政窓口へ通報する義務もあります。

監理技術者を設置する

特定建設業者には監理技術者の設置義務があります。監理技術者とは、工事現場において技術面での管理監督を行う職務です。

事業者が元請負人として受注した工事を合計5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上で下請けに出した場合には、各工事現場に監理技術者を配置しなければいけません。

協力会社への支払い期日に特例がある

特定建設業者には協力会社への下請け代金の支払期日に関する特例があります。特定建設業者は下請け代金の請求があった日から50日以内に代金を支払わなければなりません。

建設業の業務効率化ならアウトソーシングサービスがおすすめ

建設業で業務効率化を進めるには、アウトソーシングサービスの利用もおすすめです。従業員のリソースがひっ迫している場合や、業務に対応できる人材が不足している場合などは、アウトソーシングサービスを活用すると、少ない工数で業務を実行できます。

BPOサービスでは、専門的な知識を持っているスタッフが対応するため、さまざまな業務をスムーズに進められます。

弊社では、建設業の業務に対応している建設業特化のBPOサービス「ツクノビBPO」を提供しています。書類作成や図面の作成、積算業務など、幅広い業務を代行できます。ツクノビ事務では、倍率200倍の選りすぐりの専任スタッフが対応いたします。

業務を行うなかで作業効率が高い方法のご提案や業務マニュアル作成を行うため、業務効率の向上も図れます。

建設業業務の業務効率化でリソース不足を解消したい方は、ぜひこちらからお問い合わせください。

\ 30秒で資料請求完了 /まずは資料を見てみる

【まとめ】特定建設業者は大規模工事を受注できる!必要な要件を満たし許可を取得しよう

今回は特定建設業者の概要や一般建設業の違い、許可の取得に必要な要件などを詳しく解説しました。特定建設業者になることで、事業者は大規模工事を受注できるほか、融資を受けやすくなるなど様々な恩恵を受けられます。

特定建設業者に必要な要件なども詳しく解説しているため、ぜひ記事を参考に特定建設業許可を取得してみてください。

特定建設業と一般建設業の違い工事代金未払いは契約書なしでも回収できるかなどについてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

特定建設業 一般建設業特定建設業と一般建設業の違いは?許可要件や課せられる義務も解説工事代金未払い 契約書なし工事代金未払いは契約書なしでも回収できる?対処法や注意点を解説