見やすい工程表が重視される3つの理由や作成するツールなどを解説

工程表 見やすい

建設工事はスムーズに進むことが1番ですが、思わぬ事態により、工期が遅れてしまったりトラブルが発生してしまうこともあります。そのようなときに、「見やすい工程表」を準備しておくと安心です。工程表を見れば、すぐに適切な対応ができ、トラブルを回避できるためです。今回は、なぜ「見やすい工程表」が重視されるのか、また作成するためには、どんなツールを使えば良いのか具体的に解説していきます。お悩みの人は、ぜひ参考にしてみてください。

建設現場で工期が遅れる理由

建設現場で工期が遅れてしまう理由は以下の通りです。

  • 着工が遅れる
  • 設計が決まらない
  • 人員が不足している
  • 計画変更が起こる
  • 悪天候により作業がストップする
  • 資材が不足している

これから、1つずつ解説していきます。

着工が遅れる

1つ目は、「着工が遅れる」です。
着工日は予め決められています。しかし、何らかの理由で予定している着工日に始められないケースもあります。そのような場合、スタート自体が遅れているため、工期にも遅れが出てしまうことになります。

設計が決まらない

2つ目は、「設計が決まらない」ことです。施主と業者側で意見がかみ合わず、なかなか工事がスタートできないというケースもあります。

施主は、自身が希望する理想通りの家を建てたいと考えており、業者側も施主の考えに応えようとしていますが、設計が決まらなければ何も作業が進みません。その結果、工期に遅れが出てしまうことがあります。予定通りに進めたいのであれば、施主と業者間でのスムーズな打ち合わせが必要です。

人員が不足している

3つ目は、「人員が不足している」です。施主と業者側でスムーズな打ち合わせをし、予定通りに工事がスタートしたとしても、現場で作業をする人員が少なければ、当然工期に遅れが出てきてしまいます。ここ最近は、建設ラッシュにより職人を確保することも難しくなっています。工期に遅れを出さないためにも、必要な人員を集めることが大切です。

計画変更が起こる

4つ目は、「計画変更が起こる」ことです。施主と業者側の意見がまとまらなくなるのは、設計の段階だけではありません。工事の途中で食い違いが発生することもあります。特に、内装工事が始まると、「イメージと違う」というやりとりが起こりやすくなります。意見がまとまらない場合は、計画が変更となる可能性も否めません。変更となれば、その分余計に時間がかかり、工期に遅れが出てくることもあります。

悪天候により作業がストップする

5つ目は、「悪天候により作業がストップする」です。屋外で作業を行う場合、悪天候により作業がストップしてしまうこともよくあります。梅雨の時期や、台風、更に大雪などの場合は、予定通りの作業ができず、その分、工期が遅れてしまいます。しかし、天候ばかりはどうすることもできないため、予め日程にゆとりを持たせておき、もしものときは柔軟に対応ができるよう、準備をしておくと安心です。

資材が不足している

6つ目は、「資材が不足している」です。大雨や地震など、何か大きな天災が起きたときに、資材が予定通り届かないことがあります。また、近年の建設ラッシュにより、必要としている資材がなかなか届かないこともあるでしょう。基本的に必要な資材は手元に届いているものですが、このような場合、資材の不足により、工期が遅れてしまうことがあります。

工期の遅れ予防にも工程表は必要

現場で工期が遅れてしまう理由について解説してきました。工期遅れは、工事に関係する人たちにとって出来るだけ避けたいものです。しかし、先ほど紹介したような不測の事態により、工期に遅れが出てしまうことがあります。

そのようなときに活躍するのが「工程表」です。見やすい工程表が手元にあれば、工期が遅れた場合もすぐに適切な対応ができ、トラブル回避にも繋がります。工程表は、ただ準備すれば良いわけではありません。誰でも見やすく、分かりやすい工程表を作成することが重要です。

見やすい工程表が重視される3つの理由

見やすい工程表が重視される理由は、以下の通りです。

  • 着工に遅れを出さないため
  • 急な計画変更に対応するため
  • 顧客と建築計画を共有するため

これから具体的に解説していきます。

着工に遅れを出さないため

1つ目は、「着工に遅れを出さないため」です。着工日というのは、事前に決められているものですが、何らかの理由により予定している日に着工できないこともあります。そのような場合でも、見やすい工程表が準備できれば、すぐに日程を調整でき、スムーズに現場を動かせます。着工遅れは、工期遅れにも繋がり、施主にも迷惑をかけてしまいます。見やすい工程表があれば、調整しながら納期に合わせることもできるでしょう。

急な計画変更に対応するため

2つ目は、「急な計画変更にも対応するため」です。施主との意見の食い違いで、計画が変更になることや、地震や大雪などの天災により資材が届かず、予定通りに進まないこともあります。そのようなときに見やすい工程表があると全体を確認し、適切な指示を出せます。もしもの事態に備え、見やすい工程表を準備しておくと安心です。

顧客と建築計画を共有するため

3つ目は、「顧客と建築計画を共有するため」です。工程表は、施主と共有することもあります。理由は、施主からの信頼を得られるからです。工程や工事のスケジュールを施主にチェックしてもらうことで、施主も安心して作業員に工事を任せられます。また、作業工程によっては、塗装の臭いや騒音などの問題が起こることもあります。そのような場合も、工程表にしっかりと注意書をしていれば、施主からの不信感もなくせます。工事に関わる全ての人たちに向けて、見やすい工程表は必須です。

工程表の種類

工程表には、様々な種類があります。

  • ガントチャート工程表
  • グラフ式工程表
  • バーチャート工程表
  • ネットワーク工程表
  • 曲線式工程表

それぞれの特徴について、詳しく解説していきます。

ガントチャート工程表

1つ目は、「ガントチャート工程表」です。縦に業務名、横に各作業の進捗率が記入されます。進捗率が記入されることで、作業がどのくらい進んでいるのか、ひと目で把握できます。遅延もすぐに分かるため、問題点も対処しやすいことが特徴です。

グラフ式工程表

2つ目は、「グラフ式工程表」です。縦に各作業の進捗率、横に作業日時が記入されます。
進捗率と作業日時をすばやくチェックしたいときに役立ちます。曲線で表示されており、ひと目で把握しやすい点がメリットです。予定通りに着々と作業をこなしたいときに、おすすめの工程表です。

バーチャート工程表

3つ目は、「バーチャート工程表」です。縦に作業項目、横に作業の日付が記入されます。
一番定番で、多くの作業現場で使われているのが、この「バーチャート工程表」です。比較的記入が簡単なので、工程表を使い慣れていない初心者の人におすすめです。

ネットワーク工程表

4つ目は、「ネットワーク工程表」です。円と矢印により記入される「ネットワーク工程表」は、各作業の関連性や工数を表わすときに便利です。大きな工事の工程管理をしたいときには大活躍で、一つずつ着実にプロジェクトを終わらせたいときにも最適です。
しかし、進捗状況は把握しづらく、作成も難しいため、工程表に使い慣れている人におすすめです。

曲線式工程表

5つ目は、「曲線式工程表」です。縦に出来高率、横に日付が記入されます。表の曲線をチェックすれば、工程の遅れがひと目で分かるので便利です。しかし、工事の順序や必要日数などは把握できないので、注意が必要です。

見やすい工程表を作成するツール

見やすい工程表を作成するツールを紹介していきます。

  • 手書き
  • ワード
  • エクセル
  • スプレッドシート
  • システムやアプリ

各ツールについて、1つずつ解説していきます。

手書き

1つ目は、「手書き」です。紙やホワイトボードに手書きで工程表を書く方法です。デザインも自由で、パソコンを開く手間も省けるのがポイントです。コストもかからず、迅速に作成できるのもメリットで、規模の小さい工事では、この手書きの工程表がおすすめです。しかし、紙媒体だと紛失してしまう可能性や、情報が更新しにくいというデメリットもあります。紙で作成した工程表は、PDFなどでバックアップを取っておくと安心です。

ワード

2つ目は、「ワード」です。パソコンの「ワード」を使って工程表を作れば、導入コストを抑えられます。ワードは多くの企業で使われるツールで、操作方法を一から勉強する必要もありません。手書きで作成するより、情報の更新や保存がしやすい点がメリットです。しかし、ワードは基本的に文章を作成するためのツールです。そのため、表やグラフを取り入れた工程表を作るのには不向きです。

エクセル

3つ目は、「エクセル」です。「ワード」と同様、誰でも使い慣れてるツールなので、操作方法を修得する必要がありません。また、エクセルは関数や図形などを使用できるため、工程表の作成時間を短縮できます。シンプルなものであれば、テンプレートやフォーマットも活用できるので、よりスムーズな作成が可能です。しかし、共同編集しにくい点がデメリットとして挙げられます。

スプレッドシート

4つ目は、「スプレッドシート」です。スプレッドシートを使うメリットは、共同編集しやすい点です。データの保存もクラウド上なので、どこからでもアクセスでき、便利です。しかし、利用するためには、Googleアカウントが必要となります。アカウントを持っていない場合は用意しなければなりません。また、スマートフォンでは、編集や閲覧しづらいことがデメリットです。

システムやアプリ

5つ目は、「システムやアプリ」です。工程管理や工程表の作成に特化したシステムを使う方法もあります。工程表を作るためのシステムなので、使いやすく、細かな部分も簡単に調整することができます。業務の効率化にも繋がり、ミスも減らせるのがメリットです。しかし、システムを導入することになると気になるのがコスト面です。また、使い方を教えるための教育費用などもかかるため、費用対効果を考慮し、慎重に検討する必要があります。

見やすい工程表を作成するコツ

スムーズな工事を進めていくためには、見やすい工程表が必要だと分かりました。
では、「見やすい工程表」を作成するコツをお伝えしていきます。

  • 専門用語や表現を使わない
  • デザインもわかりやすくする
  • 工事現場または作業内容で分ける
  • 時間単位を切り替えて表示できるようにする
  • 休日の表示・非表示を切り替えられるようにする
  • 印刷したときの状態も意識する

専門用語や表現を使わない

1つ目は、「専門用語や表現を使わない」です。見やすい工程表を作る上で最も大切なことは、専門用語を使わず、誰もが分かる表現・用語を使うことです。実際の作業現場では、専門用語を使うことも多いでしょう。しかし、工程表を見るのは、現場の作業員だけではありません。施主が見ることもあるため、あまりに専門用語が多いと、不明点ばかりになってしまいます。施主が見ることも考慮して、誰でも分かる表現で作成することが大切です。

デザインもわかりやすくする

2つ目は、「デザインもわかりやすくする」です。工程表は、パッと見て理解できるデザインにすることが重要です。特に、作業が忙しいときは、ゆっくり工程表を確認している時間もありません。そのため、あまり情報を詰込み過ぎず、ひと目で把握できるデザインにすると良いでしょう。

工事現場または作業内容で分ける

3つ目は、「工事現場または作業内容で分ける」です。工程表を作成するとき、工事現場・作業内容ごとに分けて作りましょう。現場や作業内容が混ざっていると、分かりにくい工程表となってしまいます。しっかり分けて作ることにより、情報が整理され、誰が見ても分かりやすい工程表となります。

時間単位を切り替えて表示できるようにする

4つ目は、「時間単位を切り替えて表示できるようにする」ことです。工程表は、作業内容等が日単位で細かく記載されていることがほとんどです。このような工程表は、現場で作業する人たちにとっては活躍しますが、管理職のように現場で作業しない人たちは、そこまで細かく把握する必要がありません。そのため、日単位の工程表とは別に、週単位や月単位の工程表を準備しておくと安心です。用途に応じて使い分けられるようにしましょう。

休日の表示・非表示を切り替えられるようにする

5つ目は、「休日の表示・非表示を切り替えられるようにする」です。工程表には、土日祝日も記載されていることがほとんどです。しかし、土日祝日が入ることにより、工程表が見づらくなる可能性があります。見やすい工程表を作成するためにも、休日の表示・非表示を切り替えられるようにすると良いでしょう。

印刷したときの状態も意識する

6つ目は、「印刷したときの状態も意識する」です。工程表は、印刷したときのことも考慮しながら作成します。せっかく見やすい工程表を作成しても、印刷したときのページの区切りやデザインによっては、見づらく感じてしまう恐れがあります。印刷したときに1枚に収まるように調整することや、ページの区切りにも注意しながら作ると、見やすい工程表になります。

【まとめ】見やすい工程表を作成し作業現場をしっかり支えよう!

見やすい工程表が重視される理由や、作成するためのツールやコツについて紹介してきました。工事がスムーズに進むことが1番ですが、もしもの事態に備え、見やすい工程表を準備しておくことが大切です。作業現場をしっかり支えるためにも、「見やすい工程表」の作成を心がけていきましょう。
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