左官職人の仕事がないは誤解?仕事の内容や将来性などを解説

左官 仕事がない

近年、人工知能(AI)の発達によってなくなる職種があるといった懸念の声が高まっています。左官職人は大丈夫なのか、と心配する方もいるかもしれません。

しかし、建築業界の施工に関しては、機械に代替することのできない技術であるため、人工知能による影響を受けることは考えにくいと言えます。建築業界の中でも、特に左官職は将来性が高く、長期間にわたってやりがいを持って働ける職種の一つです。

この記事では、左官職人の仕事内容や将来性について詳しく解説します。

左官とは

左官とは、建物の壁や床に土やコンクリートなどの素材を塗り、砂壁や漆喰で仕上げる技術職です。コテを使って壁や床を塗り上げ、外装の最終仕上げを行うほか、レンガやブロックの積み上げ、モルタルの調整、塗りの技術なども手がけます。左官の仕事は、建物の耐久性向上や美観の確保に対して非常に重要な役割を担います。

左官職人の仕事内容

左官の主な業務は4つあります。

  • 下地塗り
  • タイル貼り
  • 仕上げ塗り
  • 工事管理

順に解説します。

下地塗り

左官業における代表的な作業の一つが床や壁の下地塗りです。この作業は、目に見えない部分ではありますが、建物全体の仕上がりや強度に大きな影響を与えます。

下地の仕上がり具合が良好であるかどうかは、建物全体の品質に直結します。具体的には、コンクリートを丁寧に磨き、吸水調整剤を塗布することで、下地を整えます。
この工程には熟練の技術が求められます。壁の下地造りだけでなく、サッシ周りの埋め作業や階段の補修なども含まれます。

タイル貼り

壁や床に様々な種類のタイルを貼る作業であり、陶器タイルや石タイルなどが使用されます。意外に思われるかもしれませんが、明治時代には日本で最初にタイル貼りの工事を手掛けたのは左官であったとされています。左官業は専門分野を持ちますが、タイル貼りもその一環として行われています。

仕上げ塗り

仕上げ塗りは、漆喰や珪藻土、モルタルなどを用いて壁や床などの表面を仕上げる作業です。見た目だけでなく耐久性にも影響を与えるため、職人の技術やセンスが問われます。

漆喰や珪藻土、火山灰などを主原料とする材料が使用され、左官職人はこれらの材料をコテを使って壁などに塗っていきます。

工事管理

左官職人が経験やスキルを積むと、工事管理として複数の職人をまとめる役割を担うことがあります。この役割は通常「番頭さん」と呼ばれ、お客様との打ち合わせや資材の手配などを行います。

工事管理者は顧客のニーズを理解し、職人に適切な指示を出すコミュニケーション能力や提案力、クリエイティブなセンスが求められます。左官職人とは異なるスキルが必要であり、例えば特別な要望に対応するために新たな壁材料を開発したり、提案を行ったりすることもあります。

左官職人の仕事がないは誤解

左官職人の仕事は、将来性があると言われています。建設業界における人口減少や少子高齢化の影響で不安を感じる人もいるかもしれませんが、左官工事は建築に欠かせない重要な役割を果たしており、その需要は今後も高まると予想されているからです。
左官の技術はAIによる置き換えが難しく、職人の手による繊細な仕事が求められています。

左官職人は未経験からでもなれる

左官職人は未経験からでもスタート可能です。未経験者はまず「見習工」として就業します。見習工は、親方やベテランの先輩職人に師事しながら技術を磨いていきます。

仕事内容を覚えるだけでなく、準備やサポートを通じて現場作業を補助する役割も担います。左官の仕事はマニュアル化されておらず、先輩職人の作業を見て手順や技術を学ぶことが主です。

見習工から左官職人としての修行をスタートし、一通りの仕事ができるようになるには、個人の適性や習得度合いによりますが、通常は4〜10年の修行期間が必要です。

左官技能士を取得すると役立つ

左官職人としてのスキルや技術力を客観的に証明するために、左官技能士の資格取得が重要です。この資格を持つことで、顧客に安心感を与えることができます。また、将来的に独立する際や就業先での待遇向上にも役立ちます。

左官技能士の1級と2級の違い

左官技能士の1級と2級の主な違いは、受験資格と実技試験の内容にあります。2級の受験資格は2年以上の実務経験が必要ですが、1級ではその期間が7年以上となります。

また、実技試験において2級は壁の下地の塗り上げや吹き付け下地の仕上げを行いますが、1級ではこれに加えて天井やそで壁の塗り上げ、曲線形状の仕上げも求められます。特に天井の下地塗り上げは高い技術力を必要とし、1級取得には高度な技術が不可欠です。

左官職人が活躍する場所

左官職人が活躍する場所は大きく分けて2つあります。

  • 野丁場
  • 町場

1つずつ解説します。

野丁場

マンションやショッピングモールといった大型建設工事現場で左官が活躍しています。左官は外壁や内壁などの下地づくりに欠かせない職種です。

町場での作業と比較して、工期に関わるスケジュール管理が大きく異なります。大型建設工事では、細かくスケジュールが定められており、左官工事の質だけでなくスピードも要求されます。

町場

一般住宅や店舗の内装、寺社などの木造建築物が主な作業現場となります。土を使った土壁や漆喰、珪藻土を混ぜて壁を塗る作業が主な業務です。配合や塗り方によって仕上がりに差が出るため、左官の技術やセンスが重要視される現場でもあります。

左官職人の将来性

冒頭でもお伝えしましたが、左官職は将来性が高いとされています。
その需要の背景には、以下のような要因が挙げられます。

  • 自然素材の価値が見直されている
  • 質の高さに一定の需要がある

順に解説します。

自然素材の価値が見直されている

健康志向やアレルゲンを避ける意識の高まりから、自然素材を使用した建材が求められています。今後も自然素材特有の風合いや温かみを求める声はますます増えることが予想されるため、左官職人の需要はさらに増加していくでしょう。

質の高さに一定の需要がある

手作業による高品質な仕上がりやデザイン性の重視が求められる傾向が強く、その需要は高まっています。特に、機械工事では実現困難な品質やデザインを望む顧客にとって、左官職人の技術は不可欠です。

左官工事業とは?左官工事業の建設業許可取得方法や資格などをご紹介!

防水工事業防水工事業とは?6つの種類や専任技術者になる要件などを解説

【まとめ】左官職人は将来性がある!資格を取得すればキャリアアップも目指せる

左官職は将来性が高いとされています。現代では、リフォームやイノベーションといった中古住宅を再利用する動きが活発化しており、左官職人の技術は「天然素材を使った快適な居住空間を求める人々」から注目を集めているのです。

需要があるにも関わらず、業界内では少子高齢化によって慢性的な人手不足に悩まされているため、活躍の場は多いと言えます。未経験でも見習いから左官職人を始めることができますが、自身のスキルや技術力を客観的に証明するためには、左官技能士の資格取得を目指すこともおすすめです。

将来的な独立や就業先での待遇向上にも役立つため、資格取得を検討し、キャリアアップを目指しましょう。

職人の仕事がないときの対処方法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

建設業って暇で仕事ない?仕事がなくて暇なときの対策方法をご紹介!

※弊社の営業代行サービスであるツクノビセールスでは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!

詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!