設計会社の大手5社とは?特徴や施工会社との違い・将来性を解説

設計会社への転職を検討している方の中には、設計業界で働くにあたって大手企業の特徴や将来性、そしてどんな人が向いているのかについて知りたいと思う方が多いのではないでしょうか。中には、具体的な仕事内容や施工会社との違いが分からないという方もいるかもしれません。
本記事では、設計会社の業務内容や施工会社との違いを明確にし、大手5社の企業情報や設計の仕事が向いている人の特徴について解説します。未経験者の採用状況や設計業界の将来性についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。

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設計会社とは

設計会社では、単に設計図を作成するだけでなく専門家として様々な業務を行います。設計会社の種類や仕事内容、施工会社との違いについて、詳しく見ていきましょう。

設計会社の種類

設計会社にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴や専門性を持っています。
主な分類は、以下のとおりです。
■ 設計会社の種類

種類主な業務内容
意匠設計会社建物の外観や内装のデザイン
構造設計会社耐震性や耐荷重性の構造設計
設備設計会社電気・給排水・衛生設備などのインフラ設計
ゼネコンの設計部門大規模建築物の設計
総合設計会社意匠・構造・設備の一括設計

意匠設計会社には、さらにアトリエ系・組織系・コンサル系があります。
意匠設計はデザイン性、構造設計は安全性、設備設計は機能的な空間づくりを専門としています。その他にも、大規模建築物の設計を手がけるゼネコンの設計部門と、意匠・構造・設備のすべてを一括対応する総合設計会社があります。

仕事内容

設計会社は、主に3つのフェーズで業務を進めていきます。
各フェーズでの具体的な仕事内容について紹介します。

調査フェーズ

調査フェーズでは、クライアントからのヒアリングに基づき、プロジェクトの要望や予算、スケジュールを把握します。その上でインフラ状況などの敷地調査や建築に関わる法令・規制の調査を実施します。さらに、必要に応じて行政機関や関係事業者との事前協議も行います。
調査フェーズは、後続の設計フェーズで設計図を作成するための重要な基礎業務であり、この段階で策定される基礎計画によって設計の大枠が決定されます。調査結果をクライアントと共有し、プロジェクトの目標や方向性について共通認識を持つことで、後段階での手戻りを防ぎます。

設計フェーズ

調査フェーズで得られた情報をもとに、具体的な設計作業へと移行します。基本設計では、建物の配置計画、平面計画、立面計画、断面計画などを検討し、全体の構成を決定します。この段階では、デザイン性だけでなく機能性や安全性、経済性も考慮します。
基本設計で固めた内容をさらに詳細化し、施工会社が実際に建物を建てられるレベルまで図面や仕様書を作成します。構造設計、電気・設備設計、防災計画など、専門分野の協力も必要です。
建築確認申請や各種許認可手続きも行い、関係官庁からの承認を得ます。

設計監理フェーズ

施工現場において、工事が設計図面や仕様書に適合しているかを定期的にチェックします。工期の進捗や仕上がりの品質、安全対策に問題がある場合には、是正指示を出すこともあります。
図面だけでは伝わりにくい部分は、施工業者と密にコミュニケーションをとったり、現場で発生する可能性が高い問題点への解決策を協議したりします。 工事中に設計変更が必要になった場合は、クライアントと協議の上、適切な対応をします。

施工会社との違い

設計会社と施工会社の業務範囲と責任は大きく異なります。
設計会社は、クライアントの要望に基づいて法的規制を遵守しながら設計図や仕様書を作成します。
一方、施工会社は設計図に基づいて実際に建物を建設します。現場での作業を監督し、資材の調達、建設作業員の管理、品質管理、スケジュール管理など、建設プロジェクト全体を統括します。
設計会社は「何を建てるか」をデザインし、施工会社は「どう建てるか」を具現化するといえるでしょう。

設計会社の大手5社

設計業界を牽引する大手5社の特徴や実績を紹介します。

株式会社NTTファシリティーズ

NTTグループの一員であるNTTファシリティーズは、建築設計会社としても高い専門性と実績を持つ企業です。特に、通信インフラを支える施設の設計において、高度なセキュリティと耐震性、災害対策が求められる建築物の設計を数多く手がけており、社会インフラを支える建築に強みを持っています。
資格取得支援制度が充実しており、構造設計一級建築士や設備設計一級建築士を含む一級建築士などの有資格者が多数在籍しています。
日本国内に留まらず、欧州事務所とインドネシア事務所を設置しており、グローバルな視点での事業展開も積極的に進めています。

創立1992年12月1日
資本金124億円
従業員数約 7,000名(グループ全体)
代表実績東京オペラシティ、豊洲センタービル、NTTドコモ代々木ビル、横浜メディアタワー

出典:スペシャルコンテンツ | 数字で見るNTTファシリティーズ | NTTファシリティーズ
出典:会社概要 | 企業情報 | NTTファシリティーズ

株式会社日建設計

​株式会社日建設計は、1900年に住友本店臨時建築部として創業された、日本を代表する組織設計事務所です。 ​建築の設計監理、都市デザイン、建築と都市のライフサイクル全般にわたる調査・企画・コンサルティング業務を行っています。
国内18拠点、海外9カ国15拠点を展開し、プロフェッショナル有資格者数が世界5位を誇ります。
ランドマークとなる大規模プロジェクトをはじめ、オフィスビル、商業施設、教育施設、医療・福祉施設、交通施設など、幅広い分野の設計を手がけています。

創立1900年6月1日
資本金4億6,000万円
従業員数3,329名(グループ全体)
代表実績東京スカイツリータウン®、東京ドーム、さいたまスーパーアリーナ、関西国際空港旅客ターミナルビル

出典: 株式会社日建設計
出典:早わかりNIKKEN | 日建設計について | 採用情報 | NIKKEN SEKKEI LTD

株式会社三菱地所設計

三菱地所設計は、建築設計、都市開発、環境デザインなどを手がける総合設計事務所です。三菱地所グループの一員として、丸の内エリアをはじめとする都市開発を担ってきた実績があります。オフィスビル、商業施設、ホテル、住宅など、多様な用途の建築物や都市の景観を形成するプロジェクトを手がけています。
東京本社をはじめ、大阪、名古屋、福岡など主要都市にオフィスを構えており、中国やシンガポールなど、アジアを中心に海外展開をしています。
職能教育研修プログラム、海外設計事務所トレーニー派遣制度、公的資格取得支援制度などの教育研修制度が充実しています。

創立2001年3月
資本金3億円
従業員数868名
代表実績丸の内ビルディング、大手町パークビル、グランフロント大阪

出典:会社概要 | 株式会社三菱地所設計
出典:新卒採用情報 | 採用情報|株式会社三菱地所設計

株式会社日本設計

株式会社日本設計は、建築設計を中心とした総合設計事務所です。建築から都市デザイン、環境計画まで幅広く手がけています。設計分野は、​建築や造園、土木と関連設備、構造、インテリアなど多岐にわたり、企画・設計・工事監理・調査鑑定を行っています。
日本国内の主要都市に拠点を持ち、海外にも上海とベトナムに事務所を展開するなど、グローバルなプロジェクトに対応しています。
人材育成プログラムが設けられ、社員の自律的なキャリア形成を支援しています。

創立1967年9月1日
資本金1億円
従業員数1,016名
代表実績国立新美術館、東京国際フォーラム、ハウステンボス、虎ノ門ヒルズ森タワー、上海国際博覧会 日本館

出典:会社概要 | 企業情報 | 株式会社 日本設計
出典:人材育成プログラム | 採用記事 | 株式会社 日本設計

株式会社久米設計

久米設計は、1932年創業という長い歴史を持つ設計事務所です。オフィスビル、商業施設、ホテル、病院、学校など、多様な建築物の設計を手がけ、社会のニーズに応える空間づくりに取り組んでいます。
国内主要都市に本・支社と事務所を構え、海外では中国、ベトナム、台湾に現地法人・事務所があります。
有資格者は全社員の半数以上を占め、自由参加型のスキルアップ研修を年間80件以上開催し、プロフェッショナル育成に力を入れています。

創立1932年
資本金9,000万円
従業員数約650名(一級建築士 350名)
代表実績霞が関コモンゲート、恵比寿ガーデンプレイス、日本科学未来館、東京大学医学部附属病院、日光金谷ホテル

出典:ABOUT 企業情報|株式会社 久米設計
出典:人材育成プログラム – 働く環境 – 採用サイト | 株式会社 久米設計

設計会社に向いている人の特徴

設計は、クライアントの要望を的確にくみ取り、仲間と協力しながら形にしていくという多面的な仕事です。建築分野でスキルや価値観を活かしたいと考える人には、やりがいのあるフィールドといえるでしょう。
ここでは、そんな設計会社の仕事に向いている人の特徴を3つ紹介します。

建築士の資格を活用したい人

設計の仕事は、顧客からの要望に応じたデザイン案を作成しつつ、耐震性や環境配慮といった技術的な側面も考慮しなければなりません。構造設計や設備設計の分野では、法規や安全性、快適性を考慮した専門性の高い設計が求められます。
建築士は意匠設計や構造設計など、多岐にわたる分野で専門性を発揮できるため、設計会社ではその資格を最大限に活用できます。資格の価値を実感できる場面が多くあり、設計業務で強力な武器となるでしょう。

様々な人と関わりたい人

設計会社では、顧客との打ち合わせから始まり、施工業者や行政機関との調整まで、コミュニケーションが必要です。同時に、顧客の希望や意向を読み解く力が不可欠であり、それを反映した設計提案も行います。また、現場スタッフとの連携では、図面通りに施工が進むよう細かい指示を出す能力も求められます。
多方面との関わりを楽しみながら仕事を進められる人は、設計会社に向いているといえるでしょう。

グローバルに活躍したい人

海外プロジェクトでは異なる文化や規制への対応力、多国籍チームとの協働や英語での交渉力が必要です。また、海外の建築様式やトレンドを取り入れたデザイン提案も重要です。
このような環境で働くことで自分のスキルや視野を広げられることから、グローバル志向の強い人や新しい挑戦が好きで柔軟性のある人に適した職場といえます。

設計会社は未経験でも積極的に採用している

設計の仕事をする上で専門知識と技術は必須であり、即戦力が求められる現場も少なくありません。資格の有無や実務経験の長さが採用基準に影響することもあります。
しかし、近年設計業界では未経験者の採用が増加しています。その背景には、慢性的な人材不足や設計技術者の高齢化に伴う技術継承の課題があり、企業側も“育成前提”での採用にシフトしつつあります。
多くの設計会社では、未経験者向けに研修制度やOJTを導入し、設計ソフトの操作、建築法規の理解、設計の基本知識などを段階的に習得できる環境を整えています。そのため、異業種からの転職者や新卒でも、専門性を身につけながら実務経験を積むことが可能です。

設計会社の将来性

大都市圏を中心に、老朽化したインフラや建築物の再開発が進んでおり、再設計・再構築のニーズが増えています。加えて、BIMの導入やZEB(ゼロ・エネルギービル)など環境配慮型建築への関心が高まる中、設計会社には高度な専門技術が求められるようになりました。
さらに、空き家や中古住宅、商業施設のリノベーション分野でも、柔軟な設計対応力を持つ企業の活躍が拡大しています。とりわけ大手5社は海外にも進出し、日本の高品質・高精度な設計技術が国際的にも高く評価されています。
経済情勢や建設市場の波を受けやすい側面があるものの、持続可能な都市開発や老朽インフラの再整備、環境対応建築への需要が今後も続くことが予測されます。そのことから、柔軟な対応力と技術力を持つ設計会社は、安定した将来性が期待されます。

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【まとめ】設計会社の大手5社の特徴をよく理解しよう!

建築業界の需要が拡大する中で、設計会社の役割は今後さらに重要になっていくと予測されています。
今回紹介した大手5社は、国内外で数多くのプロジェクトを手がけ、技術革新にも積極的に取り組んでいます。加えて、未経験者の採用を進め、若手人材の育成にも力を入れています。
建築士の資格やグローバルな活躍を目指す方にとって、これらの企業でキャリアを築くことは、非常に有望な選択肢となるでしょう。将来性のある分野として、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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