建材が高騰している7つの理由や今後の動向・対応策などを解説

建材 高騰

建設業界において、建材価格の高騰が大きな話題となっています。住宅を新築やリフォームをお考えの方には、建材高騰が大きな悩みの種になっていることでしょう。

この記事では、建材が高騰している7つの主な理由や今後の動向、そして建材高騰に対する対応策などについて詳しく解説します。建材価格高騰の背景と見通しを理解して適切な対策を立てることで、無駄な出費を抑えつつ快適な住空間を手に入れることができるでしょう。

建材が高騰している7つの理由

建材価格の高騰には、さまざまな要因が関係しています。主な理由は以下の7つです。

  • 人件費の上昇
  • ウッドショック
  • アイアンショック
  • ガソリン代や電気代の高騰
  • ウクライナ情勢
  • コンテナ料金の上昇
  • 円安

これらの要因が重なり合うことで建材全般の価格高騰が続いています。

人件費の上昇

建築業界では、高齢化による職人の退職と若手人材の不足から職人不足が深刻な課題となっています。この状況により、職人の引き抜きが行われるものの、高額な給与や採用コストの増加につながり、人件費の高騰を招いています。

職人不足は世界情勢に依存しない問題であるため、コロナウイルスの影響が収束しても解決が難しい状況です。このため、人件費の情報は解決が困難な状況が続いています。

ウッドショック

コロナウイルスの流行に伴うリモートワークの増加が、世界的な住宅需要を押し上げました。これによって世界的に住宅建築需要が急増して木材価格が高騰、「ウッドショック」が発生したのです。さらに生活必需品である木製家具の価格にも影響を与えています。

アイアンショック

鉄の輸入価格の急激な上昇を、アイアンショックと呼びます。鉄筋や鉄骨などの建築資材や住宅設備に使用される鉄の需要増加が主な要因で、特にアメリカや中国での住宅需要の増加が影響しています。

この需要増加に伴い、鉄鉱石の供給不足が発生して鉄の価格が高騰しています。日本は鉄鉱石を100%輸入に頼っており、世界的な供給不足による価格上昇から逃れる手段が限られているため、建築資材の高騰は避けられません。

ガソリン代や電気代の高騰

ガソリンや電気は建材製造工場などで機械を動かすエネルギー源として利用されています。そのため、それらの価格上昇は住宅や建材の製造コスト増加につながります。特に日本では多くの原子力発電所が停止しており、電力供給量の減少が電気料金の上昇要因となっています。

火力発電所では輸入資源を使用しているため、世界情勢の変化に伴う資源価格の上昇によって電力供給コストや運送コストの増加も発生しています。ガソリン代や電気料金の値上がりは、住宅価格の上昇にも直結します。

ウクライナ情勢

ロシア・ウクライナ間の戦争に伴う経済制裁が、建築資材の価格高騰の主な要因となっています。日本を含む多くの国がロシアからの建築資材の輸入を制限され、特に木材チップや丸太、単板などの住宅資材が影響を受けています。

日本はロシアからの単板輸入に依存しており、その量が全体の80%以上を占めています。この制限によって木材の需要と供給のバランスが崩れ、価格に影響が生じています。

コンテナ料金の上昇

コロナウイルスの蔓延によるコンテナ不足は、物流の活性化と住宅需要の高まりに直結しています。ステイホームやリモートワークの増加により、人の移動が制限された一方で、物流需要が急増しました。

この状況下でコンテナ不足が生じ、住宅関連の資材や設備の輸送に支障が生じました。物流コストの上昇は資材価格の値上げにつながり、最終的には住宅価格の上昇に影響を与えることになります。

円安

2022年には円安が進行し、一時的に1ドル=150円台まで円安・ドル高の状態が進みました。円安は輸入費用の増加を招き、建築資材の仕入れ価格の上昇につながります。

この円安の要因の一つは、日本の低金利政策です。世界の主要国がインフレ対策として金利を上げる中、日本は低金利を維持しており、これにより円の価値が相対的に下落します。金利差の拡大により、投資家の円売りドル買いの動きが活発化し、円安が進行しています。

建材の高騰で値上げした品目

建材の高騰に伴い、さまざまな建材製品が値上げされています。特に影響の大きい主な品目は以下の通りです。

  • キッチン・バスルーム
  • ガラス・窓
  • 床材・壁材

キッチン・バスルーム

キッチンの食器棚やシンク、バスルームの洗面台やタイル等、水回り設備の価格が大幅に上がっています。木材やステンレス、陶器などの原材料高騰の影響を受けています。

ガラス・窓

ガラスや窓枠の価格上昇も著しいです。ガラス製造に必要な原料の高騰や運送コストの増加が要因となっています。

床材・壁材

フローリングやタイル、クロスなどの床材や壁材の価格も大幅に上がっています。木材やプラスチック、セメントなどの原材料高に加え、運送費の高騰も響いています。

建材の高騰について今後の動向

建材価格の高騰については、コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ戦争の収束後も、すぐに市場への効果が現れるわけではありません。国際情勢の動向によっては、建材価格の高止まりが長期化する可能性があります。特に、資源大国であるロシアとの関係が今後どのように変化するかが重要なポイントとなります。

例えば、ロシアとウクライナの戦争が長引き、経済制裁も長期化する場合、建築資材の安定供給が脅かされることになります。一方で、何らかのかたちで戦争が終結し、元のような国交回復が見込まれる場合は、建材価格の下落も期待できるかもしれません。

このようにウクライナ情勢の行方次第で、建材価格の動向は大きく変わってくるのです。日本単独では解決に向かうことは非常に難しいため、国際情勢の変化にゆだねられている部分があると言えます。

建材の高騰の対応策

建材価格の高騰に対して、私たちはどのように対応したらよいのでしょうか。主な対策として、以下の3つが挙げられます。

  • 早期に仕様決定し発注する
  • スライド条項を適用する
  • 業務効率化システムを導入する

これらの対策を組み合わせて実践することで、建材の価格高騰に対して上手く対処できるでしょう。

早期に仕様決定し発注する

建材の需給ひっ迫が続く現状では、早めに建材の仕様を決定して発注を済ませることが重要です。仕様変更が頻繁に発生すると、納期遅延や追加コストがかかる可能性があるため、計画段階での十分な検討が欠かせません。

スライド条項を適用する

建材価格高騰に備えて、工事契約にスライド条項を設けることをおすすめします。スライド条項を設けることで、建材価格の変動リスクを一定程度回避できます。建築主と施工会社が建材価格高騰に伴うコスト増を適正に分担できるよう、契約時に十分な検討が必要です。

業務効率化システムを導入する

建材の発注管理や在庫管理を自動化するシステムの導入は、建材高騰への対応策として有効です。無駄な在庫や発注ミスを防ぐことで、コスト増を抑えられる可能性があります。デジタル化の推進により建築現場の生産性向上にもつながります。

住宅購入を検討している顧客への説明

建材価格の高騰は住宅の新築やリフォームを検討している方々にとって大きな懸念材料ですが、丁寧な説明を行うことで顧客からの理解を得やすくなるでしょう。

住宅購入を検討している場合は早めに決断する

建材価格高騰の影響で、新築住宅の建築費用が年々上昇しています。住宅購入を検討している方には、早めに購入を決断して工事着手に取り掛かるべきであることを丁寧に説明してあげるのも良いでしょう。価格上昇に備えて、余裕を持った資金計画を立てることも重要です。

リフォームやリノベーションという選択肢もある

新築ではなく、リフォームやリノベーションを検討するのも良い選択肢かもしれません。既存の住宅を手に入れ、必要最小限の改修を行えば、新築と比べてコストを抑えられる可能性があります。

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【まとめ】建材の高騰は今後も続く見通し!上手に対策しよう

建材価格高騰の背景にある要因は、短期的にはなかなか改善されそうにありません。むしろ、中長期的な上昇傾向が続くことが予想されます。建築関係者には、この状況を十分に理解した上で、適切な対策を講じることが求められます。

発注やスライド条項の活用、業務効率化システムの導入といった建材高騰への対策を組み合わせて実践することが重要です。また、新築よりもリフォームやリノベーションを選択するなど、状況に応じて柔軟に対応することも検討してください。

建材価格の高騰は、住宅の新築・リフォームをお考えの方々にとって大きな課題です。住宅購入を検討している方に向け、現時点での建材価格の方が将来の価格よりも安く済む可能性が高いことを丁寧に伝え、早期の購入決断を促すと良いでしょう。

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