外観パースとは?書き方や作るメリット・手順をわかりやすく解説

「建物の完成後、どのような外観になるのか分かりにくい」「設計図や言葉だけでは、デザインのイメージが伝わりにくい」そんな悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

これらの悩みを一気に解決するツールが外観パースです。

外観パースは、建物の完成イメージを立体的に視覚化する技法で、デザインの魅力をよりリアルに伝え、関係者間のコミュニケーションを円滑にします。

今回の記事では、外観パースの概要やその作成方法、メリット、おすすめのツール5選について詳しく解説していきます。

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外観パースとは

外観パースとは、建築物の完成イメージを立体的に表現する技法です。建設前に建物がどのように見えるかを可視化し、設計の意図や周囲との調和を伝える役割を果たします。

以下、その概要や書き方についてわかりやすく解説します。

外観パースの概要

建物の完成イメージを視覚化する外観パースを作ることは、建築家やデザイナー、不動産開発者がクライアントと共通認識を持ちやすくなり、プロジェクトのスムーズな進行に役立ちます。

単なる建物の描写ではなく、周囲の街並みや景観と一体化した姿を表現することで、環境への影響も評価可能です。特に都市部では、街の雰囲気に馴染むかどうかが重要視されるため、外観パースを用いることで建築の魅力をよりリアルに伝えられます。

そもそも、「パース」とは「透視図(Perspective Drawing)」のことで、建築では「建築パース」とも呼ばれます。建物の線が消失点に向かって収束し、アイレベル(視点の高さ)を基準に描かれるのが特徴です。

外観パースはその中でも、建物の外観をメインに描く手法で、完成予想図としてよく使用されます。プレゼン資料やコンペでのキービジュアルとしても活用され、視覚的にわかりやすい説明ツールとして欠かせません。関係者間のスムーズなコミュニケーションを助ける重要なツールとして重宝されています。

外観パースの書き方

外観パースの制作方法には、手書きとCG(コンピュータグラフィックス)の2種類があります。

近年はCGパースが主流ですが、手書きパースも独自の魅力があり、プロジェクトの目的に応じて使い分けられています。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、目的に合った手法を選びましょう。

以下、2つの手法について解説します。

手書き

手書きパースとは、ペンや水彩などを使って手作業で描く透視図のこで、CGパースと違い、温かみのある独特な表現が可能です。

手書きならではのアーティスティックな表現が魅力で、デザインのコンセプトや雰囲気を直感的に伝えられます。コピックや色鉛筆、パステルなど多彩な画材を使い、味わい深い仕上がりにできるのも特徴です。

制作に時間がかかることや修正が難しくやり直しに手間がかかるなどのデメリットはありますが、あえて手書きを選ぶデザイナーも多くいます。また、CGで作ったものを手書き風に仕上げる手法も人気です。

CG

CGパースとは、3Dモデリングソフトを使ってデジタル環境で作成する透視図のことです。手書きパースと違い、コンピューター上で設計できるため、高精度でリアルな表現が可能になります。

リアルな質感と細部の表現が可能で、写真のような仕上がりが期待できます。また、修正が簡単で、最新のVRやARと組み合わせることもできるのがメリットです。

一方、アーティスティックな温かみは出しにくく、高品質なCG外観パースを作るには専門的な技術やソフトの習得が求められます。

現在、建築・不動産業界ではCGパースが主流となっており、プレゼンや販売促進の強力なツールとして活用されています。リアルな完成予想図を作りたいなら、CGパースは欠かせない手法と言えるでしょう。

外観パースを作るメリット

※H3見出しを踏まえて執筆してください。

顧客やクライアントへアピールできる

外観パースがあることで、専門的な図面では伝わりづらい建物のデザインやスケール感を、クライアントに魅力的かつ直感的に伝えられます。

また、外観パースは単に建物を描くだけでなく、そこに住むイメージや雰囲気を伝える力を持っています。例えば、昼間や夜のシーンを表現することで、感情に訴えかける効果もあります。

リアルなパースは信頼感を高め、また、競合と差別化し、広告効果の大きさもアピールできるでしょう。

イメージ共有をしやすい

外観パースは、建築プロジェクトにおけるイメージ共有を簡単にしてくれます。

図面や言葉だけでは伝わりにくいデザインの意図や雰囲気、素材感などを明確に伝えられます。これにより、プロジェクトに関わる全ての人が共通のイメージを基に話し合い、誤解を防げます。

特に、建築に詳しくないクライアントには、外観パースが完成後のイメージを視覚的に提供し、漠然としたイメージを具体化できます。

視覚的な情報共有は、誤解を減らし、効率的なコミュニケーションを実現します。外観パースがクライアントの不安を軽減するコミュニケーションツールとなります。

事前にデザインの検討・修正を行える

外観パースは、デザインの検討や修正を事前に行うためにも有効なツールです。

デザインシミュレーションを利用することで、プロジェクトチームは複数のデザイン案を迅速に比較し、最適な選択肢を見つけられます。例えば、外壁の材質や色、窓の配置などを変更して、建物の外観にどのような影響が出るかを事前に確認することが可能です。

これにより、デザイン意図に沿った選択ができ、期待外れの結果を防げます。さらに、外観パースを用いて昼と夜の照明条件をシミュレートし、建物の雰囲気や安全性を確保する照明計画を立てることも可能です。

外観パースの作り方

実際に外観パースを作る方法としては、自社で作るか、制作会社にアウトソーシングするかの2つに分けられます。

それぞれのメリット・デメリットについて、簡単に解説します。

自社で作る

外観パースを自社で作るメリットは、内製によりパース制作の各段階で直接的にコントロール可能になる点です。プロジェクトの変更や調整に迅速に対応でき、柔軟に対応できます。

また、内製を通じてチームは技術や知識を蓄積でき、将来のプロジェクトにおいて効率や品質向上に繋がります。さらに、初期投資を乗り越えれば、頻繁にパースを制作する場合には、長期的に外注よりコスト削減が可能となります。

一方、初期投資が必要となるのがデメリットです。ソフトウェアやハードウェアの購入、チームメンバーのトレーニングに時間とコストがかかります。また、制作に必要なリソースを確保するために、他の業務やプロジェクトに影響を与える可能性があり、特にリソースが限られている場合には大きな課題となります。さらに、技術の進歩に対応するため、継続的なスキルアップが求められ、定期的なトレーニングが必要です。

制作会社に依頼して作る

外観パースの制作を専門の制作会社に依頼するメリットは、専門のプロフェッショナルが手掛けるため、高品質な成果物が期待できることです。最新の技術やソフトウェアを駆使して、リアルで精緻なパースを作成できます。

また、外注することで社内リソースを他の重要な業務に回せ、制作にかかる時間を節約できます。さらに、高価なソフトウェアや機材を購入せずに、必要な時にのみサービスを利用できるため、コスト面でのメリットもあります。

一方、外注には費用がかかり、特に高品質なパースを求める場合、内製よりも高額になることがあります。また、プロジェクトの機密情報を外部に共有するため、情報セキュリティに関するリスクも考慮しなければなりません。外注先が適切なセキュリティ対策を講じているか確認することが重要です。

外観パースを作る手順

外観パースを作る手順は、大きく分けて以下の4ステップです。

  1. 設計図を作る
  2. 3Dモデリングを作る
  3. 照明やカメラを設定する
  4. レンダリングと仕上げを行う

それぞれの段階について、解説していきます。

1.設計図を作る

外観パースを作成する最初のステップは、プロジェクトの目的やコンセプトを明確にし、外観の基本的なアイデアを収集することです。

建築家やデザイナーが建物のスタイル、カラースキーム、素材、そして周囲の環境にどのように適応するかを考慮します。次に、そのアイデアをもとに、手描きのスケッチやデジタルツールを使って外観の概念図・設計図を作成します。

建物の形や配置、周囲の要素を視覚的に表現するための初期アイデアとなり、3Dモデリングなどの次の制作段階へと進むための基盤を築きます。

2.3Dモデリングを作る

概念図が確定した後、3Dモデリングソフトウェアを使用して建物の精密なモデルを作成します。この3Dモデリングのステップでは、建物の形状、サイズ、窓、ドア、屋根などの細部が具体的に設計されます。

照明や材質の設定、レンダリングといった、今後の制作ステップの基盤となります。

3.照明やカメラを設定する

3Dモデルが完成した後は、照明、材質、カメラ設定が重要なステップとなります。まず、照明と材質の設定により、建物のリアリティを高めます。太陽光の角度や強さ、影の表現、建材の質感や色を調整することで、建物が周囲と調和し、どのように光を反射するかがわかりやすくなります。

次に、カメラの配置とアングルの選定です。アイレベルは建物のスケール感やディテールを強調し、鳥瞰は全体像や周囲との関係性を把握するのに適しています。伝えたいメッセージに合ったアングルを選ぶことで、効果的に建物の魅力を表現できます。

4.レンダリングと仕上げを行う

外観パース制作の最終段階では、レンダリングと仕上げを行い、プロジェクトのビジョンをリアルに反映させます。

まず、レンダリングでは、3Dモデルと照明、材質などの情報を基に高品質な静止画やアニメーションを作成します。建物の外観や質感がより具体的に表現され、視覚的なインパクトが生まれます。その後、フォトリアルな仕上げが施され、色やコントラスト、シャープネスを調整します。さらに、必要に応じて樹木や人物を追加して、より現実的で魅力的なビジュアルに仕上げます。

外観パースを作る際におすすめソフト5選

外観パースを作成する際に役立つおすすめのソフトを5つ紹介します。

  • 3ds Max
  • SketchUp
  • Blender
  • Cinema 4D
  • Lumion

それぞれの特徴を見ていきましょう。

3ds Max

引用元:https://www.autodesk.com/jp/products/3ds-max/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
3ds Maxは、Autodeskが提供する3Dモデリングおよびレンダリングソフトで、特に建築、ゲーム、映画業界で広く使用されています。

高精度なモデリング機能と豊富なアニメーションツールで、ユーザーは複雑な建築物の外観や内装を、細かいディテールまで精密に表現できます。
効率よくプロフェッショナルな外観パースを作成できます。

SketchUp

引用元:https://www.sketchup.com/ja-jp
SketchUpは、直感的に操作できる3Dモデリングソフトで、特に建築やインテリアデザインの分野で人気があります。シンプルで分かりやすいインターフェースを持ち、初心者でも短期間で扱えるのが特徴です。

基本的な図形を組み合わせることで、簡単に3Dモデルを作成でき、リアルタイムで視覚的に確認しながら作業を進められます。無償版と有償版があり、用途に応じて選べる柔軟性も魅力です。

Blender

引用元:https://www.blender.org/
Blenderは、無料でオープンソースの3D作成ソフトウェアで、建築やアニメーション、ゲームデザインなど幅広い分野で使用されています。直感的なインターフェースと豊富な機能を備えており、3Dモデリング、レンダリング、アニメーション作成、テクスチャリングなど、全ての工程を一貫して行えます。

また、Blenderは無料プランが充実しており、予算を抑えながら高機能なツールを使用したい初心者や個人にも非常に人気があります。ユーザーコミュニティも活発で、チュートリアルやプラグインも豊富に提供されています。

Cinema 4D

引用元:https://www.maxon.net/ja/cinema-4d?srsltid=AfmBOoqqMSx-bvTcYnTLCRBksf-eBNQLfMue08qCBEnkhBZgh6MAzMez
Cinema 4Dは、3Dモデリング、アニメーション、レンダリングに特化した強力なソフトウェアです。高度なグラフィックデザインやモーショングラフィックス、ビジュアルエフェクトの制作に適しており、映画や広告などの業界でも広く使用されています。

柔軟なアニメーション機能や、リアルタイムのプレビュー機能が、制作の効率を高めます。また、他のソフトウェア(After EffectsやAdobe製品など)との連携が得意で、ワークフローをスムーズに進められます。

Lumion

引用元:https://lumion3d.jp/

Lumionは、建築ビジュアライゼーションのためのリアルタイム3Dレンダリングソフトで、迅速かつ高品質な外観パースを作成できる点が特徴です。

リアルタイムでレンダリング結果を確認できるため、作業効率が高く、即座に修正や調整を加えられます。光の反射や影の描写、風景の動きなど、フォトリアルな表現を得意とし、完成度の高いビジュアルを短時間で作成可能です。

また、豊富なライブラリには、樹木や人物、車両などのリアルな素材が揃っており、シーンをリアルに仕上げるのに役立ちます。

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【まとめ】外観パースを上手に活用し関係者とスムーズなコミュニケーションを実現しよう

今回の記事では、外観パースについての情報を網羅的に解説してきました。

外観パースは、建物の完成イメージを視覚的に表現し、設計の意図を正確に伝えるための重要なツールです。現在は高精度でリアルなCGパースが主流で、使いやすいソフトも多数登場しています。

メリットやデメリットを理解しながら、プロジェクトに最適な方法を選ぶことが大切です。あなたのプロジェクトを円滑に進めるため、魅力的な外観パースの作成を検討してみてください。

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