施工管理士は未経験でもなれる?基礎知識や適している人などを解説

「施工管理士」は、工事に関するプロジェクトの全体を管理し、指揮をとる重要な仕事です。四大管理と呼ばれる仕事を行い、現場だけでなくオフィスでも様々な業務を担当します。

工事現場の管理者ということで、専門的な資格が求められるイメージがあるかもしれませんが、施工管理士は未経験からでも挑戦できる職業です。まず現場で経験を積んでから、必要な資格を取得するのが施工管理士の一般的なキャリアパスになります。

本記事では施工管理士の特徴や仕事内容、未経験から働くためのポイントなどを解説します。施工管理士の仕事に興味があるのなら、ぜひこの機会に詳細を確認してみてください。

ツクノビワークは、建設業特化のフリーランス・副業案件マッチングサービスです。現場/CAD/BIM/積算/建設事務など、幅広い領域で希望に沿った案件をご紹介します。現場案件からリモート案件までさまざまな案件をご紹介可能です。案件を探している方はぜひお気軽にご登録ください。
\5項目だけで無料登録/ まずは登録してみる

施工管理士の基礎知識

施工管理士を目指すのなら、仕事内容などの基礎知識を身につけておくことが重要です。以下では、施工管理士に基本である仕事内容が昨今の現状について紹介します。

主な仕事内容

施工管理士とは、工事に関わるあらゆる業務を担当する管理職です。実際に工事現場に出向いて責任者と話し合ったり、クライアントの要望を聞いたり、デスクワークで資料作りを行ったりと、対応する仕事の幅は広いです。

施工管理士は「四大管理」と呼ばれる仕事がメインとなっていて、具体的には以下の4つの業務を担当します。

1.工程管理

工事全体のスケジュールを立てて、予定通りにプロジェクトを進行させる仕事を指します。スケジュールに間に合うように人員や機材を集め、現場で必要な指示を出します。

スケジュールに遅れが出そうな場合には、改めて調整しつつ、カバーするための方法を提案するのも施工管理士の役割です。

2.品質管理

品質の確認や現場での指示出しを行い、建物や設備を正しく施行することを目的とした仕事です。

品質を客観的に証明するために記録写真を残したり、発注者に対する報告書を作成したりする他、現場で働く職人に向けて説明用の図面を提供したりもします。

3.原価管理

いわゆるコスト管理のことを指し、会社の利益となるように工事にかかる費用のコントロールを行います。見積書を作成し、人件費や材料費などの項目ごとにいくらかかるのかを明確にします。

また、スケジュールの遅れなどによって、予定外のコストがかかることも考慮してコストを調整するのも施工管理士の役割です。

4.安全管理

工事現場の安全に関わる要素をチェックし、事故がないように備えるのも施工管理士の仕事になります。

例えば、工事時の落下防止のフェンス設置や周辺住民への注意喚起、悪天候時の作業判断、工事中の注意点の共有などを行って、事故のない工事を目指す必要があるでしょう。

広がりを見せている女性の活躍

施工管理士をはじめとした建築関係の仕事は、男社会で成り立っているイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、昨今は女性労働者の活躍も目立っていて、実際に施工管理として働いている人も珍しくなくなっています。

国土交通省が公開した「令和4年建設業活動実態調査の結果」を参考にすると、建設業で働く人は男性が約16万人、女性は約2万人という結果になっています。施工管理に限定すると、男性が約12万人、女性は約8,000人です。まだまだ男女比は偏っていると言えますが、女性の人数は前年比から6.3%増加しているため、相対的に人数は増加傾向にあります。

これは人手不足を補うために、女性でも活躍しやすい環境づくりや働き方改革を進めていることが理由だと考えられるため、今後はさらに女性の施工管理士が増えていくと予想できるでしょう。

施工管理士は未経験でもなれる

施工管理士は、未経験からでも挑戦できる職業となっています。そのため施工管理士の資格や関連する経験がなくても、就職・転職の実現が可能です。以下では、施工管理士に未経験からでもなれる理由・社会的な背景について解説します。

資格の取得が必要ない

施工管理士として働く際に、必須となる資格はありません。そのため無資格・未経験でも、問題なく施工管理士として採用される可能性があります。

建設業法によると、「建設工事現場の各営業所には、2級以上の施工管理技士の有資格者を1名以上置くこと」と定められています。そのため、将来的には実務経験を積んで国家資格である施工管理技士などの資格を取得し、有資格者として活躍することが目標となるでしょう。

人手を求めている企業が多い

施工管理士はニーズの高い職業であり、多くの企業が必要としている社会的な背景も、未経験から就職・転職できる理由の1つです。2024年に公開された株式会社リクルートの調査によると、施工管理の求人数は2016年から5.04倍にまで増えています。

人手不足が顕著となる「2024年問題」を前に、多くの企業が施工管理士を求めた結果がこの数値だと言えるでしょう。今後も再開発やインフラ整備など、施工管理士が活躍する工事現場は増えると考えられるため、ニーズの高さは継続していくと予想できます。

また、働き方改革によって時間外労働に上限規制が適用されたため、これまでの業務量を担うために新たな施工管理士を求めている企業も多いです。

施工管理士を未経験から始めた際のキャリアパス

施工管理士に必須の資格はありませんが、社内でのキャリアを考慮して国家資格を取得するケースが多いです。「施工管理技師」と呼ばれる資格の取得を目指すのが基本で、最初は2級施工管理技士の資格取得を目指します。

令和6年度より受験条件が変わり、2級施工管理技士資格の一次検定は、17歳以上であれば誰でも受験が可能です。二次検定を受けるには実務経験が必要となり、一次検定の合格後から3年以上(建設機械種目は2年以上)の経験が求められます。1級施工管理技士資格の一次検定に合格している場合には、合格後に実務経験1年以上で二次検定を受験できます。

また、制度の変更に伴って経過措置として、令和6年度から令和10年度までは学歴ごとに必要な実務年数が異なる従来の方式と選んで受験が可能です。

参考:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707687.pdf

施工管理士に適している人

施工管理士を目指す際には、向き不向きを考慮して自分が仕事に適しているのかチェックしておくのもポイントです。以下では、施工管理士の仕事に適している人の特徴について解説します。

コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人ほど、施工管理士の仕事に適していると言えます。施工管理士は業務中に、多くの人と会話をしたり指示を出したりします。

現場で働く職人からクライアントまで、多くの人と接する機会が日常的にあるため、スムーズにコミュニケーション取れる人材が向いているでしょう。

新しい知識を蓄えられる人

施工管理士が担当する仕事領域は幅広く、入社してからも多くのことを学ぶ必要があります。そのため勉強が嫌いではなく、積極的に新しい専門知識を蓄えていける人が施工管理士に適していると言えます。

資格試験のための勉強も必要になるため、あらかじめ学びの習慣を身につけておくのがおすすめです。

臨機応変に対応できる人

施工管理士の業務中には、思いもよらないことが発生することもあります。工事現場で災害などの問題が発生したり、作業ミスで仕事が遅れたりなど、あらゆるトラブルに見舞われることが予想されるでしょう。

施工管理士は慌てず冷静に、柔軟で臨機応変な対応をしなければなりません。予測できない事態になっても分析と判断を行い、その状況において最適な対策を講じることができる人が、施工管理士として求められています。

リーダーシップをとれる人

施工管理士は、現場を管理してまとめるリーダーとしての役割も担います。そのためリーダーシップをとることができ、マネジメント能力に自信がある人ほど、施工管理士として活躍を目指せます。チームワークを発揮する方法や周囲を巻き込んでいくスキルを学ぶことが、施工管理士を目指すうえで1つのポイントになるでしょう。

体を動かすことが好きな人

施工管理士の業務では、体力が求められます。工事現場にいる間は基本的に立ったままなので、それだけでも相当量の体力を消費します。服装も安全のために暑い季節でも長袖のケースが多く、心理的な負担も大きくなる可能性があるでしょう。

そのため、普段から運動をして体力をつけている人や、ストレスに強い人ほど施工管理士の仕事で活躍が目指せます。

施工管理士として働く魅力

施工管理士として働く際には、仕事に対するやりがいや魅力を把握し、モチベーションを高めておくことも大切です。以下では、施工管理士として働く際の魅力について解説します。

達成感を味わえる

施工管理士の仕事では、様々な達成感を味わえます。例えば、工事がスケジュール通りに進行し建築物が無事に完成したときには、「この仕事をやってよかった」と実感できるほどの達成感を得られるはずです。

商業用のビルやオフィスなど、大規模な工事に着手できるようになれば、自分の携わった建築物を遠くからでも見れるようになるため、より達成感を味わえる機会が増えるでしょう。

社会貢献を実感できる

インフラ設備や人々の役に立つ建物の工事をした場合、社会貢献に携わったことを誇りに感じられるでしょう。生活をする人たちにとって欠かせないものを建てたという事実が、自分に自信をつけるきっかけになることもあります。

長く世に残る建築物の工事に挑戦できることも、施工管理士の魅力といえます。

就職先を選べる

先の解説通り施工管理士は人手不足となっているため、様々な求人情報を比較して、自分に合った就職・転職先を選ぶことが可能です。

有効求人倍率も高く、派遣であれば未経験からでも大手建設会社の社員として働き始められる可能性もあります。

高収入を目指せる

施工管理士は平均給与が高く、将来的に高収入を目指せるのも魅力の1つです。例えば厚生労働省の職業情報サイト「job tag」の「建築施工管理技術者」を参考にすると、平均年収は632.8万円となっています。

国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、全体の平均給与が460万円となっているため、施工管理士の収入がいかに高いかがわかるでしょう。

キャリアアップを目指せる

施工管理士は資格取得や実務経験を通して、キャリアアップを目指せる職業です。施工管理に関する資格は多数あり、例えば、建築施工管理技士、土木施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士などがあります。

各領域で働けるように勉強して専門資格を取得することで、施工管理士としてのキャリアアップを実現でき、最終的には収入アップや昇格などにつながっていくでしょう。

働き方改革が普及し始めている

働き方改革が普及し、職場環境がよりよくなっている点も施工管理士の魅力です。年間休日数が増えたり、残業に上限が設けられたりしているため、ワークライフバランスを意識した働き方も実現できるでしょう。

AIやITツールなどのデジタル技術の導入も進み、職場全体がDX化している点も注目です。ペーパーレス化やオンラインを使った会議などによって、作業負担の軽減などのメリットも実現されています。

施工管理士として働く際の注意点

施工管理士として働く際には、人間関係において発生するストレスに注意が必要です。施工管理士は日々多くの人と交流し、相談を受けたり依頼をされたりします。ときには現場とクライアントの間で板挟みになり、要望に応えられずきついことを言われるケースもあるでしょう。

普段の仕事のなかでストレスを感じることが多いため、メンタル面の不調に注意することが大切です。自分なりのストレス発散方法を見つけたり、人間関係をよりよくする方法を考案したりと、対策を講じるのも施工管理士として働く際の1つのコツになるでしょう。

施工管理で年収を上げるならツクノビワークがおすすめ

ツクノビワーク

施工管理で年収を上げたい方には、建設業特化のフリーランス・副業案件マッチングサービス「ツクノビワーク」の活用がおすすめです。

様々な条件の案件を取り揃えているため、希望に合った案件を紹介可能です。週1~5日の施工管理案件の中から希望の案件をマッチングいたします。大手企業の案件から、即ご活躍いただける中小の企業まで、幅広い案件をご用意しています。

スキマ時間で稼ぎたい方や年収を上げたい方はぜひこちらから詳細をご確認ください。

\5項目だけで無料登録/ まずは確認してみる

【まとめ】施工管理士は未経験から始められる!働きやすい環境が整い始めている点も魅力

施工管理士は未経験からでも、就職・転職が可能な職業です。施工管理士になってから現場経験を重ねて、国家資格を取得できれば、キャリアアップによる高収入も実現できるでしょう。

まずは施工管理士の基本的な仕事や適している人の特徴、職業としての魅力などをチェックして、本格的に就職・転職を検討してみてはいかがでしょうか。

施工管理士におすすめの転職サイト10選施工管理士がホワイト企業と感じる特徴についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

施工管理士におすすめの転職サイト10選!選び方なども解説 施工管理士がホワイト企業と感じる特徴や見極める方法などを解説!