施工管理士を新卒1年目で辞める理由や転職を成功させる方法を解説

新卒で施工管理の仕事に就いたものの、「もう辞めたい…」と悩んでいませんか。施工管理は体力的にも精神的にもハードな仕事です。

馴染めない環境や長時間労働に苦しみ、将来に不安を感じる新入社員も少なくありません。

今回は、新卒1年目で施工管理の仕事を辞めてもよいのか、その判断基準や理由、退職・転職のポイントについて詳しく紹介します。

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施工管理士は新卒1年目で辞めても問題ない?

施工管理の仕事が合わないと感じたら新卒1年目で辞めても間違いではありません。心身の健康は何より大切であり、無理をして働き続ける必要はないでしょう。

また、2025年現在の20代向けの転職市場は売り手市場で、若手であれば未経験職種でも採用されやすい状況です。

適性に合う仕事に転職した方が、将来的に見ても自分の成長につながるでしょう。以下では、新卒1年目で辞める判断が妥当となる理由について詳しく見ていきます。

体のことを考える

施工管理の仕事は心身ともに大きな負荷がかかります。厳しい現場環境に馴染めず、体調を崩してしまう社員も多くいます。仕事は自己実現や社会貢献の手段ですが、自分を追い込んで健康を損ねては本末転倒です。

心と体の健康を最優先すべきであり、辛い状況で我慢し続ける必要はないのです。施工管理の仕事が自分には合わないと感じているなら、新卒1年目であっても退職を決断することは間違った選択ではありません。

罪悪感を抱える必要はなく、自身の健康と将来を守るための前向きな判断だと言えるでしょう。

転職先は必ず見つかる

2025年現在の日本の転職市場は、20代にとって好調です。令和5年7月時点の新規求人倍率は2.27倍と高く、求職者1人に対して平均2社以上が求人を出している状況です。※厚生労働省 一般職業紹介状況(令和5年7月分)について

若手人材であれば売り手市場で、未経験でも採用してもらえる職種が多く存在します。さらに、施工管理の経験で培ったスキルは他業界でも十分に活かせるはずです。

施工管理では、他者とのコミュニケーション能力やプロジェクト管理能力など、ビジネスに必要なスキルが身につきます。

建設業界以外の仕事でも重宝されるため、新たな職場でスキルを磨き直すことも可能です。現在の転職市場を考えれば、新卒1年目であっても次の転職先を見つけることは十分可能だと言えるでしょう。

適性に合う仕事の方がよい

施工管理の仕事では、建設業界への強い興味とともに、体力・コミュニケーション能力・リスク管理能力・調整力など様々なスキルが求められます。

資質に恵まれていればやりがいも感じられますが、「現場の仕事に興味が持てない」「自分には向いていない」と感じる人もいるでしょう。適性がないまま仕事を続けると、必要なスキルを習得するのに人一倍時間がかかり、苦労が増えてしまう傾向があります。

施工管理に適性を感じられず、この先続けるのに不安があるなら、思い切って自分に合った仕事を探す方が賢明です。

適性がない仕事を無理に続けるよりも、自分の強みや興味を活かせる仕事に就いた方が、長期的なキャリア形成に有効だと言えるでしょう。

施工管理士が新卒1年目で辞める理由

施工管理士が新卒1年目で辞める理由としては次の5つが挙げられます。

  • 労働時間が長い
  • 人間関係に疲れてしまう
  • 新人サポート制度が整備されていない
  • 働き方がイメージと異なる
  • 給料に不満がある

施工管理士が新卒1年目で辞める理由を下記で詳しく解説します。

労働時間が長い

施工管理の現場は、長時間労働が当たり前の環境です。工事の進捗状況に合わせて働く必要があり、忙しい時期や工期末には月80時間超の残業に達することもあります。施工管理では残業や休日出勤が頻発し、新人離職の一因となっています。

日中は現場巡回や打ち合わせ・安全管理に追われ、夜に事務作業や翌日の準備をするという生活が常態化しやすいのです。さらに、大規模工事や遠方の現場では長期出張や現地宿泊が必要になる場合もあり、一部の現場は夜間・休日しか作業できないケースもあります。

施工管理は平日も週末も拘束時間が長くなりやすく、プライベートの時間が確保しづらい傾向にあります。ワークライフバランスを重視する人にとって、このような働き方は大きなストレスとなるでしょう。

人間関係に疲れてしまう

施工管理士は、発注者や元請けと下請けの職人との間に挟まれる立場になりやすく、両者の調整役を担う必要があります。元請けの要望を聞き、現場で働く職人たちとの信頼関係を壊さないよう立ち回る調整力が求められます。

職人に無理な要求をして反発され、プロジェクトから抜けられてしまうと工程管理が立ち行かなくなるため、現場では職人とのトラブルは絶対に避けなければなりません。

このように、常に気を遣う人間関係に疲れてしまい、「自分に調整役は向いていない」と感じる新人も多いです。対人折衝や調整業務に適性がない場合、施工管理の仕事を続けるのは厳しく感じられるでしょう。

新人サポート制度が整備されていない

施工管理の現場は常に工期との戦いで、緊張感が高まる中、新人を丁寧に育成する余裕がない企業は多くあります。現場の職人たちも、自分たちの仕事で手一杯のため、新卒の現場監督に一から手ほどきしてくれるケースは稀です。

その結果、新入社員は「分からないことがあっても誰にどう質問すればいいかわからない」という状況に陥り、周囲から放置され孤立するのです。

頼れる先輩や上司がおらず、不安や疑問を解消できないまま業務を続けるのは、精神的な負担が大きいでしょう。実際、教育制度が整っていない企業では、新人が自信を喪失したりメンタルを崩したりするリスクが高まります。

あなたが「相談できる人がいない」「放置されてつらい」と感じているなら、大きなサインです。適切なサポートを受けられない環境で無理を続けるより、環境を変えて成長できる場を探す方が賢明です。

働き方がイメージと異なる

建設業界の現場仕事は昔から「きつい・汚い・危険」の3Kと称される厳しい環境で、施工管理職にもそのイメージが強く根付いています。実際に働いてみると、安全管理が徹底されていても想像以上に過酷な場面に直面します。

施工管理の仕事は激務で、労働環境がハードになりがちです。若いうちは何とか乗り切れても、この先何十年も同じ働き方を続けられるのか、不安を覚える新人も多いでしょう。

さらに、現場に入って作業を管理する以上、常に事故や怪我など身体的な危険と隣り合わせです。どれだけ注意してもリスクをゼロにはできない仕事であることに怖さを感じ、「思っていたより大変だ」と落胆するケースもあります。

給料に不満がある

施工管理の仕事は一般的に高年収だと言われますが、新卒1年目の若手に限って見ると必ずしも待遇に満足できるわけではありません。

施工管理技士の平均年収は約632.8万円で、日本全体の平均年収443万円よりも100万円以上高い水準です。

しかし、あくまで経験者も含めた平均値であり、若手のうちは平均より給与が低い場合も多々あります。残業時間が長いため、時給換算すると他業種より低くなってしまいます。

長時間労働に見合った十分な対価が得られていないと感じる新人施工管理士も多く、「割に合わない」と不満を募らせてしまうのです。

参考:厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」 国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査

施工管理士を新卒1年目で辞める際の注意点

施工管理士を新卒1年目で辞める際の注意点としては次の3つが挙げられます。

  • スキルや経験が浅い
  • 転職に慣れる可能性がある
  • 継続力がないと判断されるリスクがある

施工管理士を新卒1年目で辞める際の注意点を下記で詳しく解説します。

スキルや経験が浅い

施工管理の仕事は、本来長年の実務を経験してプロジェクトのリスクを察知する力や、豊富な人脈、円滑に業務を進めるコミュニケーション術などが培われていくものです。

能力は施工管理以外の仕事でも役立つ汎用的なビジネススキルとなりますが、わずか1年程度では十分に習得できていない可能性が高いでしょう。

そのため、早期退職後に転職する際は、自分のスキルがまだ未熟であることを念頭に置き、新しい職場でスキルを一から伸ばしていく心構えが大切です。謙虚に学ぶ姿勢で臨めば、施工管理で得た基礎的な経験を土台にして成長も十分可能です。

転職に慣れる可能性がある

一度転職を経験すると「案外なんとかなるものだ」という気持ちになり、転職そのものに抵抗がなくなってしまう人もいます。もちろんキャリアの方向転換自体は悪くありませんが、困難に直面するたびに「とりあえず環境をリセットしよう」と転職で解決するクセがついてしまうのは危険です。

毎回スキルが未熟なまま環境を変えて一からやり直していては、いつまで経っても能力が積み上がらず、キャリアが停滞します。

20代のうちはスキルが多少不足していても転職市場が売り手優位なため、給与を維持・向上させながら転職できてしまうケースも少なくありません。

しかし、30代に突入すると、スキルの有無でキャリアの選択肢や年収に大きな差がついてしまいます。20代のうちは目先の1〜2年だけでなく、5年後10年後を見越したキャリアプランを考えておくとよいです。

「転職すれば何とかなる」と短期的な解決策に頼り続けるのではなく、中長期的に見て自分が成長できる道を選ぶようにしましょう。

継続力がないと判断されるリスクがある

企業としては、すぐに辞めてしまう人より長く貢献してくれる人を求めるのが普通です。そのため、履歴書に短期間での転職歴があると、「なぜ前職をそんなに早く辞めたのか」を面接で詳しく尋ねられるでしょう。

その際に自分なりの納得できる理由や、前向きなキャリア計画を説明できないと、忍耐力や向上心が欠けており、長期的な戦力にはならないと判断されます。

そのため、面接では早期退職の理由を前向きかつ論理的に語る準備をしておくことが大切です。例えば、「御社の○○の分野で自身の△△のスキルを活かし成長したいと考え、転職を決意しました」のように、ネガティブな理由ではなくポジティブな動機づけを伝えるよう心がけましょう。

短期間で辞めた経緯は事実として変えられませんが、その捉え方と今後の展望次第で評価は大きく変わります。

施工管理士を新卒1年目で辞めた場合の転職先

施工管理士を新卒1年目で辞めた場合の転職先としては次の2つが挙げられます。

  • 同業種
  • 異業種

施工管理士を新卒1年目で辞めた場合の転職先を下記で詳しく紹介します。

同業種

業界そのものへの不満ではなく、現職の労働環境や特定の人間関係に問題があるなら、会社を変えると改善を図ることが可能です。例えば、労働環境の良さを重視するのであれば、修繕工事を専門とする会社は魅力的です。

修繕工事とは、新築ではなく既存建物の老朽化や不具合に対してメンテナンスする施工業務のことで、マンションやビルの大規模修繕などが該当します。

居住者の生活時間(朝晩や土日)には工事ができないため、平日の日中に限定して作業を進めます。また、新築工事に比べて納期がタイトになりにくい傾向があり、激務になりにくいです。

無理な残業や休日出勤が少なく労働環境が比較的よい会社が多いと言われています。

修繕分野には新築に比べ技術の幅が広がりにくい、居住者対応のスキルが求められる等もあります。しかし、業務に適性があるなら、今までの施工管理の経験を活かしつつより働きやすい環境でキャリアアップが可能です。

異業種

建設業界を離れて別分野で活躍している元施工管理士も多くいます。例えば、不動産業界の営業職は建築や土地に関する知識を活かせる仕事の1つです。

施工管理で培ったコミュニケーション力や調整力は、顧客対応や提案営業にも役立つでしょう。成果次第では年収アップも期待できる分野であり、現に「施工管理から不動産営業に転職して収入が上がった」という例もあります。

また、思い切ってITエンジニアやWebデザイナーといったIT業界へ飛び込む人もいます。未経験から専門スキルを身につける努力は必要ですが、建設現場とは違うデスクワーク中心の環境で働けるため、残業の少ない企業を選べばワークライフバランスが大幅に改善する可能性があるのです。

さらに、一般事務や経理・総務など様々な分野がありますが、いずれも現場業務とは異なり安定したオフィスワークが中心になります。人と接することが好きなら営業事務、数字が得意なら経理、といったように自分の強みを活かせる事務職を選べば、やりがいも見つけやすいでしょう。

また、各自治体では土木・建築系の公務員募集が行われており、施工管理の経験や資格を活かして転職する人も少なくありません。

公務員は民間企業とは異なり年功序列色が強いですが、雇用の安定性や完全週休二日制など働きやすさの面で魅力があります。実際に、施工管理からインフラ関連の公務員へ転職し、社会貢献度の高い仕事にやりがいを見出している人もいます。

このように、自分の興味や重視する条件に合わせて、新たな職場に挑戦してみるのも1つの手でしょう。

施工管理士が新卒1年目で辞めて転職を成功させる方法

施工管理士が新卒1年目で辞めて転職を成功させる方法としては次の3つが挙げられます。

  • 仕事選びの軸を明確にする
  • ポジティブな転職理由を伝える
  • 退職は転職先が決定してから伝える

施工管理士が新卒1年目で辞めて転職を成功させる方法について下記で詳しく解説します。

仕事選びの軸を明確にする

次の仕事を選ぶ際の軸をはっきりさせましょう。先ほどまでに「何が嫌だったか」を整理しましたが、今度は「自分はどんな働き方を望んでいるのか」を考えてみてください。

「給料は下がっても自由な時間が欲しい」のか、「若いうちに年収を上げることを最優先したい」のか、「人間関係のよい職場で安心して働きたい」のかなど、人によって譲れないポイントは様々です。

何を重視するかによって、選ぶべき業界や職種も変わってきます。自分の価値観やライフスタイルに照らして、次の仕事で実現したいこと、逆に避けたいことを書き出してみるとよいでしょう。頭の中で考えるだけでなく紙に書くと、自分の軸がよりクリアになります。

また、求人票には企業の内情までは書かれていない場合も多いため、転職エージェントなどプロの力を借りて情報収集するのも1つの方法です。

ポジティブな転職理由を伝える

会社を辞める意思を伝える際は、できるだけ穏便に進めましょう。本音では不満があったとしても、在職中の会社への悪口やネガティブな事情ばかりを強調するのは避けるのが無難です。

退職理由はなるべく前向きな表現で伝えることがポイントです。「体調を崩したため」「労働環境がきつかったため」ではなく、「○○の分野に挑戦して自己成長を図りたい」といったように、自分が次にやりたいことを軸に話すと印象が良くなります。

ネガティブな理由を全面に出さずポジティブな転職理由を伝えた方が、会社との関係も円満に保ちやすいです。退職時だけでなく、転職先の面接でも同様に重要になります。

前職を辞めた理由を問われた際にも、前向きな動機を中心に答えれば、採用担当者によい印象を与えられるでしょう。

退職は転職先が決定してから伝える

在職中の会社へ退職の意思を伝えるのは、基本的には「次の転職先から内定をもらった後」が望ましいです。

先に会社を辞めてしまってから転職活動を始めると、履歴書に空白期間ができてしまい、面接で「何か前職で問題を起こして辞めたのでは?」と思われるリスクがあります。

実際に問題がなくても、空白期間があるだけで採用側に余計な不安を与えてしまうかもしれません。また、先に退職を伝えると会社から強い引き止めにあい、退職交渉が長引いて身動きが取れなくなる恐れもあります。

そのため、次の就職先が決まっていれば「○月から新しい職場で勤務開始する予定ですので、△月末で退職させてください」のようにスムーズに話を進めやすくなります。引き止められて心が揺れる心配も減り、自分自身も安心して現職を送り出されるでしょう。

一般的に退職の意思は遅くとも1〜2ヶ月前までに伝える必要がありますが、伝える時期は現職の就業規則を確認しつつ計画しましょう。

現職を円満に退社しつつ空白期間を作らないことが大切で、そのためには「内定獲得→退職交渉→退職」という順序を守りましょう。

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【まとめ】施工管理が新卒1年目で辞めることは問題ないが後悔しない選択をしよう

新卒1年目で施工管理の仕事を辞めるのは、決して珍しいことではありません。実際、厚生労働省の調査では大卒新入社員の約3割が入社3年以内に離職しており、合わない仕事から早めに方向転換を図るのは現代では自然な選択肢になりつつあります。

施工管理は過酷な職場環境ゆえに心身の健康を損ねてまで続けるべきではなく、合わないと感じた時点で退職に踏み切るのは何ら恥じることではありません。

自身の適性や本当にやりたいことを見極め、次のキャリアの軸を明確にした上で行動すれば、新卒1年目で退職してもあなたのキャリアは十分に拓けていきます。早期退職は問題ありませんが、その後の道筋をしっかり描いておくと、後悔のないベストな選択ができます。

参考:新規学卒就職者の離職状況(令和3年3月卒業者)

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