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施工管理技士が派遣での働き方を検討する際、正社員とは異なる雇用形態であるため、収入の安定性やキャリア形成について不安を感じる方も少なくありません。
特に、長期的に続けたい場合には、メリットだけでなく派遣特有のリスクも理解した上で、自分に合った働き方を選ぶことが不可欠です。
この記事では、施工管理技士が派遣として働く際のメリット・デメリットやキャリアアップの可能性、派遣で活躍できる人の特徴について詳しく解説します。
建設業界の派遣事情
建設現場では、直接作業に従事する多くの業務の派遣が認められていません。
建設業界において派遣禁止とされる具体的な業務を紹介します。
派遣禁止業務
建設現場で派遣が禁止されている業務は、労働者派遣法第4条に基づきます。
■建設現場で派遣が禁止されている業務一覧
分類 | 作業内容 |
土木工事 | 掘削、埋戻し・整地、道路舗装 |
建築工事 | 基礎工事、組み立て、木造・鉄筋コンクリート造の作業 |
改造工事 | 壁や天井の改修・補修、建具の固定・撤去 |
保存工事 | 定期メンテナンス、施設・インフラの維持管理作業 |
修理工事 | 建築物の補修、破損箇所の修復 |
変更工事 | 壁の撤去・新しい部屋の追加 |
解体工事 | 建築物・構造物の解体 |
準備作業 | 足場組立・解体、型枠設置・撤去、機材・工具の準備、資材運搬 |
配電・配管工事 | 電気配線・配管の設置、機器の取り付け |
現場整理・清掃 | 工事後の整理・清掃 |
このように、道路や橋梁、家屋などの掘削、基礎工事、構造体の組み立てから、準備作業や間取り変更、工事後の整理や清掃まで、全般的に「直接的な作業」に該当するものが派遣禁止とされています。
出典:厚生労働省「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」
派遣禁止されていない業務
以下の業務は、直接的な建設作業に該当しない業務や支援業務であるため、労働者派遣法の適用外です。
■派遣禁止に該当しない業務
分類 | 作業内容 | 説明 |
施工管理業務 | 安全管理、工程管理、品質管理 | 建設現場での工事の進捗管理や安全確保を行う監督業務を担当。資格保有者であれば派遣社員として従事可能 |
CADオペレーター | 図面作成、修正 | 建築設計や土木設計に関わるCADを使用した設計・製図業務 |
BIM/CIMオペレーター | 3Dモデリング、設計支援 | BIM(Building Information Modeling)やCIM(Construction Information Modeling)を使用し、設計データの作成や管理を行う業務 |
事務作業 | 電話応対、書類作成、データ入力 | 建設会社のオフィスや工事現場の仮設事務所での事務作業全般 |
派遣禁止に違反した場合の罰則
建設業界での労働者派遣禁止業務に違反した場合、以下の罰則が適用されます。
- 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 事業停止命令
- 労働契約申込みみなし制度
労働者派遣法第59条に基づき、派遣元事業者に対して1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。
違反が発覚した場合は、派遣元事業者に対して労働者派遣事業の停止命令が出されることがあります。派遣先企業が禁止業務に派遣労働者を従事させた場合も、派遣労働者との間で労働契約が成立したとみなされることがあります。
これらの罰則は、建設業界における労働者の保護と雇用の安定を図るために設けられています。
施工管理技士は派遣として働ける
施工管理技士は、建設現場に赴いて工程管理、品質管理、安全管理などの管理業務を行いますが、労働者派遣法が定める「建設現場での直接的な作業」に該当しません。そのため、施工管理技士は、派遣社員として建設会社や工事現場で働くことが可能です。
ただし、監理技術者や主任技術者など、建設業法で直接雇用が義務付けられている職務は派遣では従事できません。
施工管理技士が派遣として働くメリット
派遣には正社員にはないメリットがあります。キャリアプラン次第では、それが大きな強みになり、派遣の働き方を選ぶ価値が高められるでしょう。
ここでは、施工管理技士が派遣として働くことで得られるメリットを具体的に紹介します。
施工管理技士としての実績を積める
施工管理技士として経験を積むには、多くの現場をこなし、様々な工種や工程に携わることが必要です。派遣であれば、異なる現場を短期間で経験できるため、特定の企業に長く所属するよりも、効率よく実績を積むことが可能です。
また、多様な現場での業務を通じて実践的な知識や技術を身につけられるため、順応力や幅広い施工スキルが養われるのも大きなメリットです。特に、経験の幅を広げたい人には最適な働き方と言えるでしょう。
様々な工種を経験できる
施工管理の業務は、建築、土木、設備など、その種類が多岐にわたります。
正社員として働く場合、会社の業務内容によっては特定の分野に偏ってしまうこともありますが、派遣なら異なる工種の現場に携わる機会が増えます。例えば、鉄筋コンクリート造の建物を担当した後に、木造住宅や道路工事の現場を経験するといったキャリアパスも可能です。
幅広い経験を積むことでスキルを向上させ、将来的により多様な案件に対応できる施工管理技士としてキャリアアップを目指せる可能性が高まります。
様々なソフトに触れられる
施工管理では、CADやBIM/CIMなどの設計ソフトや、工程管理・原価管理などのシステムを使う機会が多くあります。しかし、企業によって導入しているソフトは異なり、同じ業界内でもツールの種類や使い方に違いがあります。
派遣として様々な企業で働くことで複数のソフトに触れる機会が増え、業界のトレンドに対応できるスキルが身につきます。その結果として、企業が求める即戦力としての価値が高まり、より幅広い案件に携われる可能性が広がります。
定時で帰宅できる
派遣の場合、契約で定められた勤務時間が守られるため、比較的安定した働き方が可能です。施工管理技士の仕事は現場によっては残業が発生することもありますが、正社員のように長時間労働を強いられるケースは少なく、メリハリをつけた働き方ができます。ワークライフバランスを重視したい人にとって、派遣の働き方は大きなメリットでしょう。
大きなメリットでしょう。
職場を短期間で変えても履歴書に傷がつかない
正社員の場合、短期間で転職を繰り返すと「定着性がない」と見なされ、キャリア形成に不利になる可能性があります。
しかし、プロジェクトごとに契約が終了する派遣の場合は、短期間で職場が変わることが前提です。そのため、様々な現場を経験しながらもキャリアの一貫性を保て、履歴書に悪影響を及ぼしにくいのが大きなメリットです。
施工管理技士が派遣として働くデメリット
派遣という働き方には、自由度の高さや多様な経験を積めるといったメリットがある一方で、デメリットも無視できません。
ここでは、施工管理技士が派遣として働く際に直面しやすいデメリットを紹介します。
契約の終了や現場が見つからない場合がある
派遣は、基本的にプロジェクト単位で契約が結ばれるため、1つの現場が終われば次の現場を探さなければなりません。繁忙期には仕事が豊富にあるものの、景気の変動や業界の状況によっては、次の現場がなかなか見つからないこともあります。
また、契約期間満了で終了することが前提のため、長期的な安定を求める人にとってはデメリットとなるでしょう。収入の不安定さに備えて、事前に貯蓄をしておくなどの対策も必要です。
実力が重視される
派遣の施工管理技士は、即戦力としての役割を求められることが多く、実力がなければ契約の継続や新たな現場での契約が難しくなります。正社員であれば、多少の習得期間が考慮されることもありますが、派遣では「すぐに現場を回せるかどうか」が評価の基準となるため、常に高いパフォーマンスを求められます。
技術や経験に自信がないうちは、仕事が安定しない可能性があるため、しっかりとスキルを磨くことが重要です。
仕事を教わる機会が少ない可能性がある
派遣社員は基本的に「即戦力」として扱われるため、現場で手厚い指導を受ける機会が少ない傾向にあります。
正社員であれば、上司や先輩から時間をかけて仕事を教わることもできますが、派遣では「知識や経験がある前提」で業務を任されることが多く、「分からないことを質問しづらい」と感じる場面もあるでしょう。
特に、未経験の業務に挑戦する際には、自ら積極的に学ぶ姿勢が必要です。
キャリアアップを望めない
正社員であれば、経験を積むことで主任や課長などのポジションを目指せますが、派遣では契約が終了すれば次の現場に移るため、特定の企業内での昇進は期待できません。
施工管理技士がキャリアアップを目指す場合、現場代理人や監理技術者などのポジションが一般的な目標になります。しかし、派遣社員がこれらのポジションになることは法的に認められていません。そのため、スキルアップや収入アップを目指す場合は、正社員を経験するか、資格を取得するなどの自己投資が必要です。
社会的地位が低く見られる可能性がある
施工管理技士としての仕事自体は正社員と同じでも、「派遣」という雇用形態のために、正社員と比べて社会的評価が低くなることがあります。
現場によっては、正社員と派遣社員の間に見えない壁があり、意思決定に関与しづらいこともあります。また、住宅ローンの審査やクレジットカードの発行などにおいて、正社員と比べて不利になるケースもあるため、長期的なライフプランを考える際には注意が必要です。
派遣先で活躍できる施工管理技士の特徴
施工管理技士として派遣で働く場合、即戦力としての能力や現場ごとの異なる環境に順応する力が必要です。
そこで、派遣先で評価されかつ長く活躍できる施工管理技士には、どのような特徴があるのかを紹介します。
コミュニケーション能力が高い人
施工管理の仕事では、職人・現場監督・設計担当者・クライアントなど、様々な立場の人と連携を取りながらプロジェクトを進めていきます。
派遣社員の場合、現場ごとに異なる人間関係の中で仕事を進めるため、円滑なコミュニケーションが欠かせません。指示を的確に伝える力だけでなく、相手の意図を汲み取る傾聴力や、トラブルが発生した際に冷静に対応する調整力も求められます。
初めての現場でも早く馴染み、関係者と信頼関係を築ける人は、派遣先で重宝されるでしょう。
危機管理能力が高い人
施工現場は、安全第一が鉄則です。ちょっとした判断ミスや確認不足が、大きな事故につながる可能性もあります。そのため、危険を未然に防ぐ意識が高く、リスクを察知する能力が求められます。
例えば、足場の設置に問題がないか、作業員が適切な保護具を使用しているか、機材の取り扱いに不備がないかなど、細かい点に気を配れる人は、派遣先でも信頼を得やすいです。また、万が一トラブルが発生した際にも、冷静に対応できる判断力があると、現場の安全性をさらに高められます。
学び続けられる人
建設業界は技術や工法が日々進化しており、施工管理の仕事も常にアップデートが必要です。特に派遣の施工管理技士は、現場ごとに異なるやり方に対応しなければならないため、柔軟に学び続ける姿勢が重要です。
例えば、新しい建設資材の特性を理解する、最新の施工管理ソフトを使いこなす、法改正に対応するなど、自ら情報を収集し、スキルを向上させる意識が必要です。
「今までのやり方にこだわらず、常に新しい知識を吸収しようとする人」は、どの派遣先でも評価され、活躍の幅が広がる可能性が高いと言えるでしょう。
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【まとめ】施工管理技士は派遣として働ける!自分に向いている働き方を見つけよう
派遣施工管理技士としての働き方は、様々な現場を経験しながらスキルを磨ける一方で、契約の終了やキャリア形成の難しさといった課題もあります。そのため、派遣のメリット・デメリットを理解し、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
さらに、コミュニケーション能力や危機管理能力が高く、常に学び続ける姿勢を持ち、変化に適応できる人ほど、派遣の現場でも重宝されやすい傾向があります。これらの自己能力を高めることも不可欠です。
施工管理技士としてのキャリアを考える上で、派遣という選択肢をどのように活かすかを慎重に検討することが大切です。
施工管理を依頼できる派遣会社おすすめ10選や施工管理のフリーランスとして働く方法についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

