建設業なら日報管理にエクセルを活用しよう!作成手順やメリット・デメリットについてもご紹介!

作業日報や工事日報とは、工事現場で作業を行う人が、その日に行った作業や課題・反省点などを、管理者に対して報告するために作成する文書のことです。

建設業では、現場の管理者が業務の進捗具合を把握し、工事計画から乖離しないよう管理することが重要です。現場の作業者から、作業日報や工事日報を提出してもらうことで、現場の管理者はその日の作業が計画通り進んだのか、問題が起きていないか、業務が作業者へ適切に配分されているか、といったことを把握することができます。作業日報はエクセルで簡単に作成することができるので、管理者が把握したい項目を盛り込んだ作業日報を作成することで、より効率的に業務管理を行うことができるでしょう。
この記事では、エクセルを用いて作業日報や工事日報を作成し、活用する方法についてご紹介します。

日報管理におけるエクセルでの3つの活用方法

建設業の日報管理で使用する作業日報をエクセルで作成する場合、主に①自社に合わせた作業日報を1から作成する、②インターネットから作業日報のテンプレートをダウンロードする、③ダウンロードしたテンプレートに記載情報を追加する、という3つのパターンが考えられます。ここではその3つのパターンについて説明します。

自社に合わせて1から作成

日報管理のためのフォーマットを作成するにあたり、必要な項目が明確で、エクセル操作に慣れている場合、自社に合わせて1からすべて作成することができます。完全に自社向けの作業日報であり、無駄がなく、使いやすい形式に仕上げやすいでしょう。ただし、すべてを1から作成するため、作成にかかる手間は最も大きい方法です。

インターネットからテンプレートをダウンロード

すべてを1から作成するのは面倒だったり、作業日報に必要な項目が分からない場合は、インターネット上のテンプレートをダウンロードすることも可能です。必要な項目が記載されているテンプレートを選んでおけば、自社でフォーマットを作成する必要もなく、手軽に使用することができます。しかし、テンプレートの場合は汎用的な形式が多いため、自社にとって必要な項目を、完璧に網羅できていない可能性があるでしょう。

テンプレートに記載情報を追加

作業日報のフォーマットを1から作成するのは面倒だけれど、自社にぴったりなテンプレートが見つからない場合、ダウンロードしたテンプレートをもとに、自社向けへ改良するという方法が良いでしょう。自社ならではの項目や情報を、テンプレートに追加することで、日報管理するうえで必要な項目を網羅することができるうえ、1からフォーマットを作成するよりも、大きく手間が省けます。

エクセルで作業日報・工事日報を作成するための手順

日報管理のフォーマットを、エクセルでどのように作成するかが決まったら、実際に作業日報や工事日報をエクセルで作成してみましょう。下記に一例として、エクセルでのフォーマット作成手順を解説します。建設業の日報管理において、決められたフォーマットや項目は特にありませんので、必要に応じて自社に合わせた形式へアレンジしてください。

手順①セルを方眼紙設定する

エクセルのシート全体を選択し、ホームタブの[書式]>[列の幅]より、セルの幅を「2」に設定します。これにより、すべてのセルが正方形となります。

【シート全体のセルを選択するショートカットキー】
Windows:[Ctrl]+[a]  Mac:[⌘]+[a]

手順②A4用紙表示する

エクセル表示タブの[ページレイアウト]をクリックすると、A4で印刷する際のページが1枚ごとに表示されます。A4用紙表示で設定することにより、作業日報の完成形がイメージしやすくなります。

手順➂各種項目を記載

作業日報に必要な項目を記載します。建設業の日報管理において一般的に必要とされる項目は、以下のようなものが考えられます。
・日付
・氏名
・その日の作業内容、行動記録
・感想、振り返り
・明日の予定
・上司からのコメント など

エクセルで作業日報・工事日報を作成するメリット

日報管理には、アプリやソフトウェアなどを使用する場合もあるでしょう。しかしここでは、エクセルを使用して作業日報・工事日報を作成するメリットについて、具体的に解説します。

簡単に作成することができる

エクセルはほとんどのパソコンに備わっているソフトであり、最も使用されている表計算ソフトです。運用にコストがかからず、操作しやすいことから、誰もが簡単に作業日報を作成することができます。作業者によってはパソコンが苦手な方もいるかもしれませんが、エクセル上で文章を入力するだけなので、導入への心理的なハードルを下げられるでしょう。

使いやすいように編集ができる

一度エクセルで日報管理のフォーマットを作成しておけば、作業日報に記載する項目へ変更があった場合でも、使いやすい形へいつでもカスタマイズすることが可能です。日報管理を運用していると、作業者により詳しく記入してほしい項目が発生したり、ほとんど使用されない項目に気づく場合があるでしょう。エクセルであれば項目の追加や削除は簡単に編集できるため、運用に合わせて柔軟に作業日報を対応させ、業務効率化を図ることができます。

エクセルで作業日報・工事日報を作成するデメリット

一方で、エクセルを使用して作業日報・工事日報を作成するデメリットはあるのでしょうか?考えられるデメリット3つについて、解説します。

日報の確認が遅れてしまう

作業日報を社内サーバーで管理している場合、社内のパソコンからしか作業日報へアクセスできないかもしれません。そのため、場合によっては上司の確認が遅れてしまうことも考えられます。例えば、上司が出張に出かけたまま直帰した場合、作業日報を当日中に見てもらうことはできません。当日中に作業日報を確認してもらいたい場合であっても、上司の確認にタイムラグが発生してしまう点は、デメリットといえるでしょう。

日報を書くために事務所に戻らないといけない

作業日報を社内サーバーで管理している場合、社内サーバーと繋がっているパソコンでなければ作業日報を作成できない場合が多いでしょう。現場での作業を終えたあと、作業日報のためにわざわざ事務所まで戻って作成しなければならないとなると、移動時間が余分にかかり、作業者の業務効率を大幅に低下させてしまうかもしれません。作業日報は、業務効率化を図るツールであるにもかかわらず、それを作成する手間が大きいというのは、本末転倒な結果を生んでしまいます。

フォーマットに合わせる必要がある

作業日報に書くべき内容が多くある場合でも、エクセルで作成されたフォーマットであれば、記入スペースは限られてしまいます。そのため、フォーマットに合わせて内容を短縮したり、書くべき内容を取捨選択せざるをえない状況が発生してしまうかもしれません。フォーマットに合わせて書くことで、本来報告すべき内容を報告できない可能性がある点は、デメリットといえるでしょう。

作業日報・工事日報のテンプレートを使用する際の注意点

作業日報のテンプレートを使用すると、一から作業日報を作成するよりも大幅に手間を省くことができますが、いくつか注意点もあります。ここではその注意点について説明します。

建設業向けのテンプレートを活用する

作業日報のテンプレートは、必ず建設業向けのものを選ぶようにしましょう。インターネット上にある作業日報のテンプレートは、様々な業種で使用できる汎用性の高いものがあります。建設業以外の一般的なテンプレートを選択してしまうと、工事内容に関係する項目がないため、結果的に業務の進捗を把握しにくい作業日報になってしまいます。

事前に記入すべき項目を決定しておく

作業日報で記入すべき項目を決めることは、建設業の日報管理を行ううえで、最も重要なポイントです。作業日報を通じて作業者がどのような作業を行ったのかを具体的に把握することが大切ですが、なかには「問題なかった」「予定どおりだった」などと、具体的な作業内容を書かない人もいるかもしれません。そのようなことを防ぐため、作業を複数の項目に分けてコメントできるようにしたり、上司からのフィードバックの項目を作るなど、項目の設定に細かい工夫が必要です。

情報管理の工夫を行う

作業日報のテンプレートをそのまま使用するのではなく、自社に必要な形へアレンジすることで、作業の進捗具合や現場の課題などがより把握しやすくなるでしょう。例えば、日々の達成目標を設定する項目があれば、万が一その目標を達成できなかった場合でも、達成できなかった原因となる課題や問題を浮き彫りにすることができます。課題や問題が把握できれば、その対策を立てることができるので、結果として大幅な作業遅延などを未然に防ぐことができるでしょう。このように、日報管理を通じて現場を把握するために、作業日報において情報管理の方法を工夫することは、非常に重要です。

エクセルで日報管理するためにも自社に合ったテンプレートを活用しよう!

建設業の作業日報は、作業者にとっては形式的に記入するだけのものになりがちです。しかし管理者にとっては、上手く活用できれば現場の状況を把握するうえで非常に重要なツールとなります。作業者へ日報管理の重要性を理解してもらい、エクセルでの日報管理を上手に運用できれば、現場の課題や問題点を早い段階から把握し、作業遅延などの大きな問題を未然に防ぐことができるでしょう。そのためにも、まずは自社の作業日報にとって重要な項目を明確にし、もっとも適したテンプレートを活用していくことで、日報管理を通じた現場の把握や業務効率化を行うことができるでしょう。