建設業なら日報管理にエクセルを活用しよう!作成手順やメリット・デメリットについてもご紹介!

作業日報や工事日報は、工事現場で働く人がその日に行った作業や課題、反省点などを管理者に報告するための文書です。

建設業では、現場管理者が作業の進捗を把握し、工事計画からの逸脱を防ぐことが大切です。作業者からの日報提出により、管理者はその日の作業が計画通りに進んでいるかや問題が発生していないかを確認できます。

エクセルを使えば簡単に日報を作成できるので、管理者が必要とする項目を盛り込んだ日報を作成することで、業務管理がより効率的に行えるでしょう。

また、2024年4月からは時間外労働の上限規制が導入され、作業日報などに記録される残業時間を削減するなど、業務効率化がより求められるようになりました。

この記事では、エクセルを使った作業日報や工事日報の作成方法と活用法を解説しますので、業務効率化を図るためにもぜひ参考にしてください。

【建設業】作業日報とは?

建設業において、現場の効率的な管理は非常に重要です。そのために欠かせないツールの一つが「作業日報」です。

作業日報は、日々の作業内容や進捗、問題点などを記録し、現場管理者に報告するための文書です。

ここでは、作業日報の役割や目的を詳しく解説し、建設現場の管理にどのように役立つかを紹介します。作業日報の作成方法や記載すべき項目例についても触れているので、ぜひ参考にしてください。

作業日報の作成目的

建設現場における作業日報は、工事現場や建設現場でその日の活動内容を記録する日報です。作業員に日報を書いてもらう目的は、主に以下の3つです。

  1. 労働環境・勤務時間の把握
  2. 工事進捗の把握
  3. 現場の情報共有

建設業の現場では、作業員が会社に立ち寄らずに現場に直行、直帰することが多いため、労務管理が難しいことがあります。

そこで、作業日報に始業時間、終業時間、残業時間などを記録してもらうことで、労働実態を把握でき、適正な労働環境を整えられます。

作業内容に対して人員が多すぎたり、配置が偏っている場合には、人員配置を最適化できます。これにより、無駄な人件費を抑え、コスト削減にもつながります。

さらに、工事の進捗状況も確認でき、情報共有にも役立ちます。現場内でも作業状況を共有できるため、伝達ミスの防止にも効果的です。

作業日報に記載すべき項目例を解説

建設現場でよく使われる作業日報には、決まった書き方やフォーマットはありませんが、記載項目は大体決まっています。

建設業向けの作業日報に記載すべき項目例は、以下の通りです。

  • 工事名
  • 現場名
  • 記入者名
  • 日付
  • 天気/気温
  • 作業者氏名
  • 行動記録(始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働時間、作業内容)
  • メモ

建設業向けの作業日報では、複数の作業員の作業内容をまとめて1つの作業単位として作成するのが一般的です。「作業者氏名」には自社スタッフだけでなく、現場に関わった協力会社のスタッフ名も記載してください。

また、特に有効に活用できるのは「メモ」で、トラブルや問題など上司に相談したいことがあれば、記載してください。

例えば、作業の遅れを報告する際には、遅れている理由や現場の状況などを詳しく書きます。上司には早めに内容を確認してもらい、今後の対策を考えられるようになるでしょう。

日報管理におけるエクセルでの3つの活用方法

建設業の日報管理に使う作業日報をエクセルで作成する場合、次の3つの方法があります。

  1. 自社に合わせた作業日報を1から作成する
  2. インターネットからテンプレートをダウンロードする
  3. ダウンロードしたテンプレートに記載情報を追加する

ここでは、これら3つの方法について解説します。

日報のフォーマットを一度作成すれば、それを毎日コピーするだけで簡単に作業日報を作成できますので、ぜひ参考にしてください。

自社に合わせて1から作成

エクセル操作に慣れている場合は、テンプレートを使わずに、自社に合わせて1から作成できます。

自社で必要な項目を盛り込めば、使い勝手のよい独自のフォーマットを作成できるでしょう。

最初は難しく感じるかもしれませんが、まず必要な項目をリストアップしてから枠を作ると、意外と簡単に、独自の作業日報が作成できます。

テンプレートを活用する

すべてを1から作成するのが難しい場合は、インターネット上で公開されている無料テンプレートをダウンロードして使うことをおすすめします。

インターネット上には多様なテンプレートが提供されていますが、必要な項目が含まれたテンプレートを選べば、誰でも簡単に作業日報を作成できます

自社に最適なものを選ぶことで、自社でフォーマットを作成する手間が省けます。

無料テンプレートはこちら

テンプレートに記載情報を追加

作業日報のフォーマットを1から作成するのは手間がかかり、自社に合ったテンプレートが見つからない場合は、ダウンロードしたテンプレートをベースにして自社向けにカスタマイズする方法が良いでしょう。

自社ならではの項目や情報を追加することで、必要な項目を網羅し、日報管理に役立ちます。
この方法なら、1からフォーマットを作成する手間を大幅に省けます。

エクセルで作業日報・工事日報を作成するための手順

日報管理のフォーマットをエクセルで作成する方法を確定したら、実際に作業日報や工事日報をエクセルで作成してみましょう。

以下では、エクセルでのフォーマット作成手順を一例として解説します。

建設業の日報管理には特定のフォーマットや項目がないため、自社に合った形式に調整してください。

手順1.セルを方眼紙設定する

まず、新規でエクセルを開き、セルを方眼紙に設定します。エクセルのシート全体を選択し、ホームタブから[書式]>[列の幅]を選択し、セルの幅を「2」に設定します。
こうすることで、セルが方眼紙のように正方形に近い形になります。

【シート全体のセルを選択するショートカットキー】

  • Windows:[Ctrl]+[a]
  • Mac:[⌘]+[a]

手順2.A4用紙表示する

次に、作業日報でよく使われるA4サイズに設定します。画面上のタブから「表示」を選び、[ページレイアウト]をクリックすると、A4サイズで1ページごとに表示されます。

この範囲に合わせて作成すると、A4サイズのテンプレートが作れます。A4用紙表示で設定することにより、作業日報の完成形がイメージしやすくなります。

手順③各種項目を記載

最後に、作業日報に必要な項目を記載します。建設業の作業日報において、一般的に必要とされる項目は以下の通りです。

  • 工事名
  • 現場名
  • 記入者名
  • 日付
  • 天気/気温
  • 作業者氏名
  • 行動記録(始業・終業時刻、休憩時間、時間外労働時間、作業内容)
  • メモ

自社に必要な情報を含めることで、使いやすい独自のテンプレートを作成できます。

エクセルで作業日報・工事日報を作成するメリット

日報管理には、アプリやソフトウェアを使うこともありますが、ここではエクセルを使った作業日報や工事日報の作成について、具体的なメリットを解説します。

簡単に作成できる

エクセルはほとんどのパソコンに標準装備されており、一般的に使われる表計算ソフトです。そのため、運用にコストがかからず、抵抗感なく導入できるでしょう。

パソコンに不慣れな作業者もいるかもしれませんが、エクセルでは文章を入力するだけなので、誰でも簡単に作業日報を作成できます。

使いやすいように編集できる

一度エクセルで日報管理のフォーマットを作成しておけば、記載項目の変更があった場合でも、簡単にカスタマイズできます。

日報管理を続けるうちに、作業者により詳しく記入してほしい項目が出てきたり、あまり使われない項目が分かることもあるでしょう。

エクセルなら、項目の追加や削除が簡単にできるため、運用に合わせて柔軟に作業日報を調整することができます。

エクセルで作業日報・工事日報を作成するデメリット

エクセルを使って作業日報や工事日報を作成することは多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。

ここでは、エクセルで日報を作成する際に考えられるデメリットについて、解説します。

日報の確認が遅れてしまう

作業日報を社内サーバーで管理している場合、社内のパソコンからしかアクセスできないことがあります。そのため、上司が出張中や直帰した場合、作業日報の確認が遅れることがあります。

上司が当日中に作業日報を確認する必要がある場合でも、確認が遅れてしまう点は、デメリットといえるでしょう。

日報を書くために事務所に戻らないといけない

作業日報を社内サーバーで管理している場合、社内サーバーと接続されたパソコンでしか作成できないことが多いです。

現場での作業を終えた後、作業日報を作成するために事務所まで戻らなければならないと、移動時間が余分にかかり、作業者の業務効率が大幅に低下する可能性があります。

作業日報は業務効率化を図るためのツールですが、逆に手間がかかりすぎるのは本末転倒です。

フォーマットに合わせる必要がある

作業日報に記載する内容が多い場合、エクセルで作成されたフォーマットでは記入スペースが限られます。そのため、内容を短縮したり、重要な情報を選んで書く必要が出てくるかもしれません。フォーマットに合わせて書くことで、本来報告すべき内容を十分に伝えられない可能性がある点がデメリットといえるでしょう。

作業日報・工事日報のテンプレートを使用する際の注意点

作業日報や工事日報のテンプレートを使用することで、一から作業日報を作成する手間を大幅に省けますが、いくつか注意点もあります。

ここでは、テンプレートを使用する際に押さえておきたい注意点について解説します。

建設業向けのテンプレートを活用する

作業日報のテンプレートは、必ず建設業向けのものを選ぶことが大切です。インターネット上には、様々な業種で使える汎用性の高いテンプレートが多くありますが、建設業以外のテンプレートを選ぶと、工事内容に関する項目が不足していることがあります。その結果、業務の進捗を把握しにくくなる可能性があります。

多種多様な作業日報テンプレートが豊富に公開されていますが、自社に適しているものを活用しましょう。

事前に記入すべき項目を決定しておく

事前に記入すべき項目を決めることは、建設業の日報管理で最も重要なポイントです。

作業日報を通じて作業者がどのような作業を行ったのかを具体的に把握することが大切ですが、場合によっては「問題なかった」「予定どおりだった」といった、具体的な作業内容を書かない人もいるかもしれません。

それを防ぐために、作業内容を複数の項目に分けてコメントできるようにしたり、上司からのフィードバック用の項目を作るなど、項目設定に細かい工夫が必要です。

情報管理の工夫を行う

作業日報のテンプレートをそのまま使うのではなく、自社に合った形にカスタマイズすることで、作業の進捗具合や現場の課題などをより明確に把握できます。

例えば、日々の目標を設定する項目があれば、目標を達成できなかった場合でも、その原因となる課題や問題を見つけることができるでしょう。

課題や問題が明らかになれば、それに対処する計画を立てることができるので、大幅な作業遅延やトラブルなどを未然に防げます。

現場状況を把握するために、作業日報での情報管理方法を工夫することも、非常に重要です

Excelよりもっと簡単に作成・管理するなら作業日報アプリがおすすめ

Excelを使用する場合、利用しやすいというメリットはあるものの、関数の誤りや入力ミスなど、人為的エラーが発生する可能性があります。パソコンがないと利用できないというデメリットもあります。

そこで、もっと手軽に日報を管理したい場合は、建設業向けの作業日報アプリを利用することをおすすめします。

カカナイは導入時に既存と同じ仕様にカスタマイズしてくれるオーダーメイドの作業日報システムです。そのため、初めて使う方でも既存のシステムと同じように使うことができます。またアカウント数の制限はないので、小規模~大規模などんな企業様でも安心して使えます

ソフトのダウンロードは不要で、インターネットにつながればどこでも使うことができます。また、導入時、導入後も手厚いサポートがあるのも特徴です。

主な機能検索機能、Excelや他システムとの連携、Excelデータ出力、閲覧制限など
※より詳しい機能についてはこちら
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おすすめの建設業向け作業日報アプリはこちらで紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
日報アプリ 建設建設業向け作業日報アプリおすすめ11選!無料アプリや選び方も紹介!

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IT導入補助金とは?建設・建築業で採択率を上げるコツも解説!

エクセルで日報管理するためにも自社に合ったテンプレートを活用しよう!

建設業の作業日報は、作業者にとっては形式的に記入するだけのものになりがちです。しかし管理者にとっては、上手く活用できれば現場の状況を把握するうえで非常に重要なツールとなります。

作業者へ日報管理の重要性を理解してもらい、エクセルでの日報管理を上手に運用できれば、現場の課題や問題点を早い段階から把握し、作業遅延などの大きな問題を未然に防ぐことができるでしょう。

そのためにも、まずは自社の作業日報にとって重要な項目を明確にし、もっとも適したテンプレートを活用していくことで、日報管理を通じた現場の把握や業務効率化を行うことができるでしょう。

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