空調設備設計士がフリーランスとして働く方法やメリットなどを解説!

「空調設備設計士としてフリーランスで働きたいけれど、仕事を貰うためにはどうすればいい?」「独立するメリットやリスクは?」このような疑問や不安を感じる人がいます。

空調設備設計の仕事は専門性が高く、フリーランスとしても十分に活躍の場がありますが、長期的に活躍し続けるのは簡単ではありません。

今回の記事では、空調設備設計士の仕事内容から、フリーランスとして働く方法、向き不向き、メリット・デメリット、そして独立前にやるべき準備までを詳しくご紹介します。自分に合った働き方を見つけるためのヒントを得たい方は、ぜひ最後までご覧ください。

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空調設備設計士の仕事内容

空調設備設計士の主な仕事内容は、建物内の快適な空気環境をつくるための空調や換気システムを設計することです。

機器を配置するだけでなく、空気の流れを計算し、給気・排気のバランスを整える設計が求められます。空調は断熱や遮光と一体となって機能するため、設計初期から他分野の専門家と連携するのが重要です。

より具体的には、発注者との打ち合わせから始まり、企画提案、基本設計、実施設計と段階的に進みます。

基本設計では予算や機器容量を決定し、実施設計で詳細な図面を作成します。

その中で、安全性や省エネ、機能性など多角的な観点を考慮する必要があります。

さらに、図面作成だけでなく、工事費の算出や機器・部材の見積もり作業も担当範囲に含まれます。空調設備設計士は、最適な室内環境を生み出す役割を担っています。

空調設備設計士がフリーランスとして働く方法

空調設備設計士がフリーランスとして独立する際には、仕事の獲得手段を複数確保することが鍵となります。

基本となるのは、自ら営業をかけることです。過去の勤務先や取引先など、これまで築いてきた人脈から仕事を紹介してもらうことが最重要で、積極的に顧客を開拓する精神が必要です。

また、近年はクラウドソーシングやSNSを活用した集客も有効です。実績をSNS等で発信すれば、営業なしでも案件につながる可能性があります。

建設業界に特化したマッチングサービスの整備も進んでおり、自分のスキルに合った案件を効率よく探せるうえ、発注者との交渉もスムーズです。

このように、営業、人脈、ITサービスといった集客の柱を駆使することで、フリーランスでも空調設備設計士として収益を得ることが可能です。

空調設備設計士がフリーランスとして働くメリット

フリーランスの空調設備設計士として働くメリットは、大きく分けて3つ挙げられます。

  • 自分の都合に合わせた働き方を実現できる
  • 収入アップを目指せる
  • 従業員を雇用すれば組織化できる

以下、3つのメリットについて解説します。

自分の都合に合わせた働き方を実現できる

フリーランスの空調設備設計士として働く最大の魅力は、自分のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方ができる点です。会社員のように勤務時間や勤務地に縛られることなく、案件やスケジュールを自分の裁量で調整できます。

ワークライフバランスの観点でもフリーランスは有利です。もちろん納期はあるものの、自由に予定を組めるため、家族との時間や趣味の時間を確保しやすくなります。

このように、空調設備設計士がフリーランスとして活動できれば、業務内容だけでなく働き方そのものを自分でデザインでき、より自分らしい生活を実現できます。

収入アップを目指せる

フリーランスの空調設備設計士として働く魅力の二つ目は、収入アップを目指せる点です。

会社員とは異なり、収入に上限がなく、自分の努力や工夫や成果が、収入に直結します。

特に空調設備設計士の場合、仕事量に応じて報酬が増えるほか、案件によっては単価の交渉も可能で、効率的に収入を伸ばせる場合もあります。実際、フリーランスとして独立した後の方が、会社員時代の年収よりも高い人もいるほどです。

スキルと努力次第で大幅な収入アップが可能なのがメリットですが、同時に自己管理や戦略も求められる働き方といえます。

従業員を雇用すれば組織化できる

フリーランスの空調設備設計士として独立した後、事業が軌道に乗れば、従業員を雇用して組織化を図ることも可能です。

収入や案件の受注が安定してきたタイミングで人材を増やすことで、自分一人では対応しきれない業務を分担でき、結果として大きな売上アップが期待できます。

個人事業主としての活動を始めたあとも、事業の成長に応じて組織化することで、さらなる収入増やビジネスの安定化につなげられることは魅力的です。

空調設備設計士がフリーランスとして働くデメリット

空調設備設計士がフリーランスとして働く際には、自由度の高さや収入アップといったメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。

特に「収入の不安定さ」と「独立に失敗するリスク」が大きな課題です。

フリーランスになると、会社員のように毎月決まった給与が保証されず、仕事を受注できなければ収入がゼロになる不安があります。

また、独立には常にリスクがつきもので、十分な準備や判断力が欠けていると、事業が立ち行かなくなることもあります。

さらに、フリーランスは空調設備設計以外にも、営業や契約管理、経理、マーケティングなど、あらゆる業務を一人でこなす必要があります。これらに不慣れな場合、設計以外の業務に時間を取られて本業に集中できなくなるのもデメリットです。

空調設備設計士でフリーランスに向いている人・向いていない人の特徴

空調設備設計士がフリーランスとして独立するにあたっては、向いてる人と向いてない人がいます。

それぞれの代表的な特徴を紹介するので、自分が当てはまっているかどうか確認してみましょう。

フリーランスに向いている人

空調設備設計士がフリーランスとして成功するには、一定の適性が求められます。

向いている人の特徴として「高いスキルと知識」「顧客との信頼関係を築く力」「リスクを恐れない姿勢」の3点が挙げられます。

まず、豊富な知識と経験とスキルがあれば、トラブルにも自力で対応でき、信頼される空調設備設計士として、安定的に仕事を獲得しやすくなります。

また、フリーランスは顧客との直接的なやり取りが多いため、要望を正確に汲み取り、丁寧に対応できるコミュニケーション力も重要です。

さらに、独立後は収入の不安定さや失敗のリスクがつきものですが、それらを受け入れ前向きかつ柔軟に行動できる人こそ、フリーランスに向いているといえます。

自分の長所を活かし、不足しているスキルを補いながら挑戦する姿勢が、自由な働き方を実現するための鍵となります。

フリーランスに向いていない人

空調設備設計士としてフリーランスを目指す場合、誰でも向いているとは限りません。

独立に向いてない人の特徴として「スキル・知識の不足」と「コミュニケーション力の欠如」が挙げられます。
特に、空調設備は専門性が高いため、経験や知識が不十分なまま独立すると、トラブル時に自力で対応できず、早々に行き詰まる可能性があります。

また、フリーランスは顧客との信頼関係が仕事の継続に直結します。単に人当たりが良いだけではなく、要望を正しく汲み取り、成果物を明確に説明できる力が求められます。

もし自分にまだ不足があると感じたら、焦らず会社員として経験を積むことが賢明です。真の実力が備わるまでは、独立を焦らない方が無難といえます。

空調設備設計士がフリーランスになる前に行うこと

どんなに優秀な空調設備設計士でも、いきなりフリーランスとして独立することはリスクがあります。

独立前には、以下3つの準備や積み上げが必要です。

  • 実績を積む
  • 人脈を築く
  • 資格を取得する

それぞれ解説していきます。

実績を積む

フリーランスの空調設備設計士として成功するには、独立前に実務経験を積むことが非常に重要です。

空調設備設計士として必要な技術力を高めるため、まずは空調設備の会社で働き、下積みを積むことは必須でしょう。現場での経験を通じて、トラブル対応や設計・施工のスキルが養われるほか、顧客対応や営業ノウハウも実践的に学べます。

また、会社員時代には上司や先輩からのアドバイスを受けながら成長できる環境がありますが、独立後はすべてを一人で判断し、対応しなければなりません。

スキルや知識や経験値が不十分なまま独立すると、問題発生時に行き詰まりやすく、失敗のリスクが高まってしまいます。
独立を成功させるためには、焦らず経験を積み、万全の準備を整えることがカギとなります。

人脈を築く

フリーランスとして空調設備の仕事で独立する際、人脈の有無が仕事の成否を大きく左右します。当然のことですが、顧客がいなければビジネスは成り立ちません。

特に実績のない独立初期段階では営業活動も成功しづらいため、会社員時代から顧客や関係者と信頼関係を築き、独立後に仕事を依頼してもらえる関係性を作っておくことが重要です。

いくら空調設備設計士として実務経験や資格があっても、依頼主がいなくては事業として成り立ちません。

人脈こそが仕事の入り口であり、フリーランスとしての成功の土台になります。在職中に取引先や協力業者とのつながりを育てるだけでなく、独立後も交流会や勉強会に積極的に参加し、新たなチャンスをつかむ覚悟が必要です。

資格を取得する

フリーランスの空調設備設計士として独立する際、資格取得も大事な要素になってきます。

資格がなければスキルを裏付ける証拠がなく、顧客獲得が難しくなります。また、資格がないと、できる仕事の範囲が狭まり、顧客の要望に最大限応えられないリスクがあります。

空調設備設計士の業務に関連する資格としては、以下の4つがあります。

  1. 冷凍機械責任者:エアコンを扱うために役立つ
  2. 冷媒フロン類取扱技術者:冷凍空調設備の取り扱いに役立つ
  3. 電気工事士:空調設備に関わる電気設備の設計・施工に役立つ
  4. ボイラー技士:空調とボイラーの連携で、トラブル対応やコスト削減に役立つ

これらの関連資格を取得することで、自分の知識やスキルを証明し、仕事の幅を広げ、顧客の信頼を得やすくなります。

空調設備設計士がフリーランスとして働く際に役立つ資格

上記の通り、空調設備設計士がフリーランスとして独立するためには資格取得も有効です。

この章では、先ほど触れた以外の、より汎用性が高く、難易度も高い関連資格4つについて見ていきましょう。

管工事施工管理技士

フリーランスの空調設備設計士として働く上で、管工事施工管理技士の資格は役立ちます。

この資格は配管設置に関する施工管理の技術や知識を証明する国家資格です。空調・衛生設備において配管は不可欠な要素であり、管工事施工管理技士を取得することで設計業務に直結する技術力を得られます。

管工事施工管理技士には1級と2級がありますが、特に1級を取得すると、建築設備士の受験資格も得られ、キャリアアップにつながります。

空気調和・衛生工学会設備士資格

続いて、空気調和・衛生工学会設備士資格(工学会設備士)も有効な資格のひとつです。

この資格は公益社団法人・空気調和衛生工学会が主催し、空調設備や給排水衛生設備に関する技術や知識を深めることを目的としています。試験は空調部門と衛生部門に分かれており、主に設備の計画、設計、施工に関する基礎知識を問われます。

空気調和・衛生工学会設備士資格を取得することで、空調や衛生設備に関する実務知識が得られ、特に設備工事全般に対応できるスキルを身につけられます。特に建築設備分野では高く評価されている資格です。

この資格が空調、給水、排水などの設備工事全般に関する知識やスキルを証明するため、フリーランスの空調設備設計士として幅広い活躍ができるようになります。

建築設備士

建築設備士も、空調設備設計士がフリーランスとして活躍する際に役立つ資格です。

この資格は空調、給排水、電気など、建築設備の設計や工事監理に関してアドバイスできる能力を証明してくれます。建築設備の高度化が進む中で、専門的なアドバイスを提供できるようになります。

建築設備士の資格を取得することで、顧客からの信頼を得やすくなり、また、空調設備だけでなく、給排水や電気設備の設計にも対応できるようになり、業務範囲が広がります。

さらに、建築士に対する専門的なアドバイスができるため、設計事務所や建設会社との連携も強化できます。

建築設備士を取得し、所定の実務経験を積むと、一級建築士の受験資格を得られ、キャリアアップにも繋がります。

設備設計一級建築士

フリーランスの空調設備設計士にとって、設備設計一級建築士の資格は、非常に価値のある資格です。

この資格は一級建築士のみが受験可能な設備設計の最高位資格で、特に大規模な建物において、設備設計に求められる高度な安全性と信頼性を保証します。

設備設計一級建築士の資格を持つことで、3階以上、床面積5,000平方メートルを超える建物の設備設計や、設備関係規定の適合性確認に関われます。大規模プロジェクトの設計に携わるチャンスが広がり、今後も重宝される人材となりそうです。

資格取得には、一級建築士の資格を持ち、5年以上の実務経験と講習課程の修了が求められます。そのため、簡単には取得できませんが、その分、プロフェッショナルとしての信頼性が高まります。

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【まとめ】空調設備設計士はフリーランスとして働ける!スキルや資格を取得し挑戦しよう

今回の記事では、空調設備設計士がフリーランスとして働く方法や、独立前にしておきたい準備やスキルアップについて解説してきました。

フリーランスとしての働き方には柔軟性や高収入といった魅力がある一方で、収入の不安定さやマルチスキルの必要性といった課題も存在します。

自分のスキルや性格が、フリーランスに適しているかを見極めた上で、着実に実績や人脈を築いておくことが重要です。

空調設備設計士として、より自由で充実したキャリアを築きたい方は、この記事を参考に準備を整えていきましょう。選ばれる空調設備設計士になるため、長期的な視座をもってスキルアップしていきましょう。

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