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消防法と建築基準法は、建物や人の命を火災から守るための大切な法律です。
- 消防法とは?
- 建築基準法とは?
- 内装制限とは?
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は消防法と建築基準法について詳しく紹介していきます。また、両方の違いや内装制限緩和対策についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
建築にかかわる二大法規
建築には消防法と建築基準法の2つの法律があります。
- 消防法とは
- 建築基準法とは
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
消防法とは
消防法とは火災を予防したり、発生したときの被害を軽減することを目的に作られた法律です。
- 消火活動
- 消防設備
- 救急業務
- 火災調査
消防法には上記のような項目について記載されています。消防法17条1項には火災が発生したときに必要な「消火設備や避難設備」を対象施設や建物に設置するようにと義務付けられています。
また、消防法第17条3項には、設置した設備がすぐに使えるように定期的なメンテナンスと報告が義務付けられています。
建築基準法とは
建築基準法とは、1950年に作られた法律で、建築物の構造や用途、設備などについて最低限の基準が記載されています。古くからある法律ですが、建築技術や災害の事例などに合わせて様々な改正が行われています。
建築基準法には建物の安全を守るための規程や火災から人を保護する目的などが定められています。安全性や火災についての項目は消防法と関わりがあるので、一緒に覚えましょう。
消防法と建築基準法の違い
消防法と建築基準法との違いを紹介します。
- 目的
- 対象物
- 消防設備
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
目的
消防法と建築基準法は目的が違います。消防法は火事を予防したり被害を最小限におさえてスムーズに消火活動を行い、人の命を守ることが目的です。建築基準法は、建物の構造や建築、用途などから人の命を守る目的です。そのため、建築基準法は火災だけではなく、耐震性や空間なども安全性の対象に含めています。
消防法は火災の予防や災害関連を重視した法律で、建築基準法は建築に関係すること全てに対して重要視している法律です。
対象物
- 消防法の対象物は防火に対してですが、建築基準法はすべての建物に対して明記されています。
- 病院
- 老人ホーム
- 幼稚園
- 学校
- デパート
- 映画館
- ホテル
- 旅館
- パチンコ店
- 飲食店
- 事務所
- 地下街
消防法では上記の建物が対象施設として扱われます。消防法の対象物は人が多く働く施設や数多くの人が出入りする場所などが対象にされています。
一方、建築基準法では、建物すべてが対象になるので、消防法の対象施設のほかにマンションやアパート、個人が建てる一戸建てなども含まれます。
内装制限
内装制限とは、火災が発生したときの被害を最小限に抑えて人の命を守るための規定です。内装制限は消防法と建築基準法に基づいて作られており、消防法では火災の消火や人命救助を、建築基準法には火災時の避難誘導を目的とした規定があります。
- 1年以下の懲役または100万円以下の罰金(個人)
- 3,000万円以下の罰金(法人)
上記が消防法で内装制限に違反した場合に課せられる罰則です。
消防設備
消防設備には「警報設備」「消火設備」「避難設備」があり、消防法では3種類の設備設置が法律で定められています。
- 警報設置(自動火災報知設備、非常警報設備など):火災が発生したときに室内や外に知らせて火災の旨を消防局に知らせるための設備です。
- 消火設備(スプリンクラー、消火栓設備など):消火剤や水を使って火を消火するための設備です。
- 避難設備(避難はしご、誘導灯など):火災が発生したときに外へ避難するための設備です。
消防法の内装制限の緩和策
内装制限の緩和対策を紹介します。
- 天井は6メートル以上の高さにする
- 天井に準不燃以上の防火素材を使用する
- スプリンクラーと排煙設備を設置する
上記内容をそれぞれ見ていきましょう。
天井は6メートル以上の高さにする
消防法の内装制限を緩和させるためには天井の高さを確認しましょう。建物内で火災が発生したとき、煙は下ではなく上に上がっていきます。天井が高ければ高いほど上から下に落ちてくるまでの時間が長くなるので、高さ6メートル以上の高さが望ましいです。
6メートル以上にすると避難する時間がしっかり確保できるので、内装制限が緩和されます。
天井に準不燃以上の防火素材を使用する
消防法の内装制限を緩和させるためには、準不燃以上の材料を使用しましょう。建築で使う材料を防火用の素材で作ると、火が燃え広がるのを遅くすることができます。火災が発生して燃え広がり始めるまでの時間は以下の通りです。
- 不燃材料を使用した場合:20分
- 準不燃材料を使用した場合:10分
- 難熱材料を使用した場合:5分
火災が発生したときに天井に燃え広がると消火に時間がかかったり、天井が崩れ落ちたりする恐れがあるため、準不燃素材や不燃素材を使用して少しでも広がりを抑えます。
準不燃材料や不燃材料を使用することで内装制限の緩和になるため、建築材料にも目を向けましょう。
スプリンクラーと排煙設備を設置する
消防法の内装制限を緩和させるためには消火設備を設置しましょう。スプリンクラーや排煙設備を設置すると、屋内に発生した火や煙を減らしてくれます。
しかし、排煙設備は建築基準法との関連もあるため、建築する際に業者と相談をする必要があります。
消防法に違反した場合の罰則
消防法には、建物が完成したあとも消防設備の点検や報告義務があります。報告や点検をしないまま、建物を利用していると、30万円以下の罰金などの罰則を受ける可能性があるので気をつけましょう。
また、行政機関が検査をしたときに消防法違反が発覚したら、是正や警告をもらう場合があります。多くの人が利用する施設や建物で消防法違反があったときは、建物の名前や違反内容、住所などが公表されてしまう場合もあるので、点検と報告はしっかり行いましょう。
火災が発生した場合は刑事事件になる可能性もある
消防法で定められている設備が設置されていないまま火災が発生し、死傷者がでた場合は刑事事件になる可能性があります。事例をいくつか紹介します。
2001年の新宿区歌舞伎町ビル火災では、避難器具の設置や避難訓練がされておらず火災が発生し、多くの死傷者がでました。業務上過失致死傷罪になり、禁錮2年〜3年、執行猶予4年〜5年の有罪判決となりました。
2007年のカラオケボックス火災では、消防設備の設置や避難訓練がされておらず火災が発生し、負傷者5名、死者3名がでてしまいました。業務上過失致死罪になり、禁錮4年の有罪判決がでました。
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【まとめ】消防法と建築基準法をしっかり守り建物を火災から予防しよう!
消防法と建築基準法は建物を火災から守るための大切な法律です。消防法は火災を予防したり被害を最小限にするための法律で、建築基準法は建物視点で火災を予防する法律です。どちらも見方は違いますが人の命や財産を守ることには変わりありません。
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