現場監督になるには?必要とされるスキルや有利な資格などを解説

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現場監督を目指したいけれど、必要とされる資格やキャリアが分からないという方は多いのではないでしょうか。工事をスムーズに進めるために指揮をとる現場監督は、建築の現場に欠かせない存在です。今回は現場監督を目指すために必要なスキルや、あると有利な資格について説明します。

現場監督とは

現場監督とはひと言で言うと「建築・土木などの工事現場で現場全体のマネジメントを担う役職」です。工事の請負代金が3,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建築・建設工事の現場には、必ず現場監督をおかないといけないと国土交通省によって定められています。現場監督について以下の2つの項目に分けて説明します。

  • 役割や仕事内容
  • 現場監督の資格はない

役割や仕事内容

現場監督の仕事内容は多岐にわたりますが、大きく以下の4つに分類できます。

  • 安全管理
    作業員や近隣に危険が及ばないように危険を予知する。5S運動などを通して安全を確保する。
  • 工程管理
    納期に間に合うように工事の進捗状況を確認し、作業員に指示を出す。
  • 原価管理
    赤字にならないように人件費や材料費を管理する。
  • 品質管理
    作業員の作業内容をチェックし、施主に
    引き渡しできる品質を確保する。

現場監督の資格はない

現場監督になるために必須の資格はなく、「現場監督」という資格も存在しません。しかし、資格を所有している方が活躍しやすいことも事実です。なぜなら、現場監督は現場や技術に関する知識がなければ務まらない職種であるため、資格があることは知識の証明になり、信頼にも繋がるからです。取得すると有利な資格に関しては後ほど説明しましょう。

現場監督になるには?

建築基準法で一定以上の規模の現場には「主任技術者」「監理技術者」のいずれかの役職者を配置すると定められています。そのためこれらの役職を得ることは、現場監督への近道になるのです。どうすれば主任技術者や監理技術者になれるのかを、以下で説明します。

主任技術者になる

主任技術者とは現場で施工の技術上の管理を行う役職名です。主任技術者になるためには以下の要件を全て満たす必要があります。

  1. 大学の指定学科卒業者と高等専門学校の指定学科は3年以上、高校の指定学科卒業者は5年以上、それ以外の学歴の者は10年以上の実務経験
  2. 2級建築施工管理技士(建築)、2級土木施工管理技士(土木)など、必要資格の国家資格の取得

監理技術者になる

監理技術者は工事現場の施工計画の作成から工程や品質の管理、下請け業者の指導などあらゆるマネジメントを行う監督のような役職です。主任技術者よりも責任が重く、より厳しい条件が求められます。監理技術者に就くために満たすべき要件は以下の通りです。

  1. 指定建設業においては1級建築士、1級施工管理技士、技術士の国家資格
  2. 指定建設業以外では3年以上あるいは10年以上の実務経験(学歴による)、2年以上の指導的実務経験
  3. 監理技術者講習の受講

現場監督に必要とされるスキル

現場監督に必要なのは資格と実務経験だけではありません。施主や下請け業者や協力業者などと適切な関係を築き、工事をスムーズにトラブルなく進行する現場監督には、以下の能力も求められます。

  • マネジメント能力
  • コミュニケーション能力
  • トラブルへの対応力

マネジメント能力

マネジメント能力とは、目標達成のためチームに働きかけ、人を動かす管理能力のことを指します。リーダーや監督業には必須の能力で、現場監督も例外ではありません。マネジメント能力を高めるためには、チームの目標をしっかり把握し、現状を把握したうえで目標に向けて必要なタスクを設定し、共有していく必要があります。日々の鍛錬や経験によって養われていく能力です。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力と聞くと、明るく人当たりがいい人という印象を持つ人が多いかもしれません。しかし、ビジネスにおけるコミュニケーション力とは「相手の立場に立って物事を考え伝えたいことを把握し、相手に伝わるように要点を話せる」ことを指します。下請け業者や施主に状況を共有しながら、納期に向けて現場を仕切る現場監督にとって必須とされる能力の1つです。

トラブルへの対応力

工事の現場では様々なトラブルが発生します。例えば、悪天候で工事が思うように進まないことは日常茶飯事であり、発注ミスや現場の事故などで工期が伸びる可能性もあります。さらには、近隣の住民からのクレームが起きることもあるのです。そのような事態になっても冷静に適切な対処ができる人は、現場監督に適性があると言えるでしょう。

現場監督になるために有利な資格

現場監督になるために必須の資格はありませんが、以下の資格を所有していると有利です。

  • 建設機械施工技士
  • 土木施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 建築施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 建築士

それぞれの資格について説明しましょう。

建設機械施工技士

建設機械施工技士は施工現場の管理、建設機械の取り扱いや検査を行う国家資格です。建設機械施工技士を取得すれば、ブルドーザーや油圧ショベルのような建設機械の専門家として現場で活躍できます。1級と2級がありますが、現場監督を目指すのであればまずは2級を目指しましょう。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、土木工事の進行をスムーズにするために、現場の施工管理に指示を出し管理する国家資格です。建築施工管理技士がビルやマンションなどの住居を多投するのに対し、道路工事やダム工事などのインフラを中心に管理を行います。災害復興やバブル時のインフラの建て替えラッシュの今、需要が高い資格の1つです。

電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士とは、建設物の建築または増設の際に行う電気工事の施工計画や品質や安全の管理、工事の監理を行う国家資格です。取得することで電気工事に関する知識と技術が証明されます。1級と2級の間に1級電気工事施工管理技士補という資格があり、電気工事施工管理技士の1次検定に合格すれば取得できます。

電気通信工事施工管理技士

電気通信工事施工管理技士は、無線工事やネットワーク工事を行うための国家資格で、2019年度より制度が始まりました。第一次検定の受験資格が年齢制限のみで実務経験が問われないのが特徴です。2次試験も実務経験は必要ですが学歴は問われないので、他の施工管理技士よりも受験しやすい資格と言えるでしょう。

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、空調や配水、ガスなどの配管工事の知識と技術を認められた国家資格です。生活に欠かせない設備の計画から、品質の管理までを担う専任技術者であるため、建築現場では重要な資格です。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、施工計画、工程管理、安全管理、品質管理を軸に建設現場の進行、監督を担う国家資格です。1級と2級では扱える工事の規模が異なり、1級は施工管理技士の中でも最も難易度の高い資格として知られています。範囲が広いため学習のハードルは高いですが、現場の本質を理解でき、収入アップにも繋がるので目指して損はない資格です。

造園施工管理技士

造園施工管理技士は、造園工事だけではなく街の緑化工事などの現場の士気や管理を行う国家資格です。施工計画や品質や安全の管理、資材の調達などの管理業務などを中心に工事の進行を担います。ビルの屋上や壁面などの緑化事業が注目されていることから、需要が高まっている資格の1つです。

建築士

建築士は建物の設計や管理を行う国家資格で、1級、2級、木造建築士の3つの資格があります。建築士の資格があれば設計の知識を活かし職人に的確な指示を出せるため、現場監督としての信頼度もアップします。給与にも影響するので、難易度が高い資格ですがチャレンジする価値はある資格です。

その他おすすめの資格

以下の資格も現場監督の仕事の幅を広げられます。

  • 宅地建物取引士
  • マンション管理士
  • コンクリート診断士
  • 不動産鑑定士

主任技術者や監理技術者に必要な資格ではありませんが、建物への知識が深まるので将来的なキャリアアップに繋がります。

現場監督になるために有利な資格の取得を目指す方法

現場監督になるために有利な国家資格を取得するのは簡単ではありません。実務をこなしながら資格取得するために、効果的な方法は以下の3つです。

  • 独学
  • 専門スクール
  • 通信講座

独学

テキストや過去問を使い、独学で合格する人もいます。仕事と両立するためにスケジュールを立て、合格に向けて強い意志を持つことが大切です。必要な費用は書籍の購入費だけなので経済的な負担は少なくて済みますが、不明点があっても質問できない、勉強のスケジュールが狂いやすいなどのデメリットがあります。

専門スクール

目指す資格の合格に向けた専門スクールに通うという方法もあります。プロによる資格取得のための講義が受けられ効率的に勉強できること、不明点は講義中に質問できることがスクールに通う大きなメリットです。しかし、費用が高額になることや、講義の曜日や時間が決まっているため仕事との折り合いがつけづらいこと、通う時間や交通費が負担になることがデメリットとして挙げられます。

通信講座

近年では通信講座で資格取得する人が増えました。通信講座のメリットは、自分の都合よ良い時間にプロによる授業を受講できること、通学の時間や交通費が不要なことです。しかし、スクール同様に費用が高額になることや、自分でスケジュールを立てその通りに学習しなければプログラムを完了できないことは、デメリットと言えるでしょう。

現場監督になるために有利な資格を選ぶときの注意点

現場監督になりたいからといって、難易度が低い資格を選ぼうとしていませんか。資格は取得するためにあるのではなく、キャリアを向上させるためにあるものです。難易度が高くてもキャリアの幅を広げてくれる資格を目指しましょう。そして、難易度が低い資格も、計画的に勉強しなければ合格につながりません。少なくとも1日1時間の勉強時間を数か月毎日行う覚悟で、資格にチャレンジしましょう。

【まとめ】現場監督になるには資格があると有利!キャリアも考慮して取得しよう

現場監督になるために必須な資格はありませんが、一定の規模以上の現場に必須な主任技術者や監理技術者に必要な国家資格を取ることで、現場監督になりやすくなります。また、現場監督には実務経験や資格だけでなく、コミュニケーション力やマネジメントスキルも必要です。日々の現場での人との関わりや対話を大切にしながら、キャリアを磨いていきましょう。

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