職場環境改善計画助成金とは?2つのコースや申請手順などを解説

職場環境改善計画 助成金

職場環境改善計画助成金は、1事業所につき1回しか受け取れません。そのため、最初で最後の申請になるため、慣れることはまずないでしょう。不安なことや不明な点も出てくると思いますが、そんな不明な点や不安な点を払拭するため、環境改善計画助成金を受け取るまでの流れを紹介します。また、2つあるコースについても解説していきます。

職場環境改善計画助成金とは

近年は職場の環境を改め、従業員が働きやすく改善する企業も増えています。中でもストレスを軽減するためのメンタルケアが注目されています。メンタルケアにはコストがかかってしまいますが、職場環境改善計画助成金を利用することでコスト削減が可能です。職場環境改善計画助成金というのは、ストレスチェック集団分析を行い、労働環境を改善しようという取り組みを行った会社を対象にした助成金です。産業保健関係助成金に含まれる制度なので、こちらについても詳しく見ていきましょう。

産業保健関係助成金の1つ

厚生労働省では、産業保健関係助成金という制度を導入しています。産業保健関係助成金は7種類に分類されていて、職場環境改善計画助成金も含まれています。

  • 事業所で働く人の健康診断支援
  • 副業や兼業で働く人の健康診断支援
  • 仕事と治療を両立している人の支援
  • ストレスチェックを行うための支援
  • 心の健康に関する計画の支援
  • 産業保健活動を行う小規模事業者の支援
  • 職場環境改善計画の支援

以上が産業保健関係助成金です。

職場環境改善計画助成金の2つのコース

環境改善計画助成金には、事業場コースと建設現場コースが設けられています。それぞれのコースについて詳しく紹介します。

事業場コース

最初は事業場コースについて紹介します。事業場コースで環境改善計画助成金を受け取るには、まず専門家による指導が必要です。専門家とは

  • 看護師
  • 保健師
  • 産業医
  • 産業カウンセラー
  • 精神保健福祉士
  • 社会保険労務士
  • 労働衛生コンサルタント
  • 臨床心理士

これらの職業についている人を指します。指導を受けた内容に基づいて、職場環境改善計画を作成すれば助成金の対象として認められます。詳しくは下記で紹介するので、参考にしてみてください。

受給要件

職場環境改善計画助成金を受け取るには、受給要件を満たしていなければなりません。前項で紹介した専門家による指導を受けるのも条件の1つです。他にも事前にストレスチェックを受け、分析する必要があります。ストレスチェックをしたら、従業員からの意見聴取や職場の巡視も行います。その上で職場環境改善計画を作成し、改善が行われて初めて受給要件を満たします。また、労働保険の適用事業者であることも条件です。

受給金額

事業場コースの場合は、1つの事業場に対して、最大で10万円の支給となっています。必要な書類を提出したらすぐにお金が受け取れるわけではありません。労働者健康安全機構へ必要な書類を提出し、問題がなければ労働者健康安全機構から支給決定通知書が届きます。そのあと助成金が振り込まれます。

建設現場コース

職場環境改善計画には、建設現場コースも存在しています。建設現場コースと事業場コースとでは、必要になる書類の種類が異なるので注意しましょう。指導を行う専門家に関しては、統括安全衛生責任者か労働安全コンサルタントで、厚生労働省が認定している研修を修了している必要があります。それでは建設現場コースで助成金を受け取るための受給要件や金額について見ていきます。

受給要件

職場環境改善計画の建設現場コースの受給要件は、基本的に事業場コースと同じです。異なっている点は、雇っている従業員の数です。事業場コースは人数に関係なく、従業員を採用している法人や個人事業主が対象です。それに対して建設現場コースの場合は、常時50人以上採用していることが要件に盛り込まれています。さらに労災保険の適用事業でなければいけません。

受給金額

建設現場コースの場合の受給金額は事業場コースと同じでストレスチェックの集団分析を行った事業者に対して、最大で10万円まで支給されます。受給金額が受け取れるのは、1つの事業者に対して1回のみです。複数回受け取ることはできません。さらに取り組みを行う期間や、申請を行う期間も定められているので、事前に確認しておきましょう。

職場環境改善計画助成金のメリット

職場環境改善計画助成金には、様々なメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのかを確認してみましょう。

費用を気にせず職場環境改善の推進ができる

職場の環境を本格的に改善するには、専門家に頼る必要があります。そのため、職場環境改善計画助成金を受け取る条件にも、専門家に指導してもらうことが前提とされています。専門家に依頼をすると、当然お金がかかりますが、職場環境改善計画助成金を受け取ることで、出費の負担を抑えながら専門家に依頼できることは大きなメリットです。

従業員の離職リスクなどを減少できる

ストレスや会社への不満が溜まると、退職届を提出することを考える人もいるでしょう。中には我慢しすぎて体調を壊し、休職する人もいます。職場環境改善計画助成金を受け取る条件には、ストレスチェックも含まれています。ストレスチェックを行うことで、助成金が得られるだけではなく、職場の環境を変えることにもつながります。環境がよくなれば、離職する人や休職する人も減るでしょう。

職場環境改善計画助成金のデメリット

たくさんメリットが存在する職場環境改善計画助成金ですが、実はデメリットもいくつかあります。職場環境改善計画助成金を受け取るには、必要な書類を全て提出しなければいけません。書類の数が多いので、準備や作成に時間がかかり、職場の改善を行うのにも労力や時間が必要です。また、助成金は後払いのため、すぐにお金を受け取ることはできません。申請が通らないこともあり、1事業所に対して1回しか受け取れないこともデメリットといえます。

職場環境改善計画助成金のスケジュール

職場環境改善計画助成金は、いつでも申請できるわけではありません。令和3年のときを見てみると、令和3年5月18日から、令和4年6月30日までが申請期間でした。この期間内に申し込みをしないといけません。さらに取り組み期間も設けられており、令和3年4月1日から、令和4年3月31日まででした。令和3年度は申請数が多かったため、早めに申請期間が打ち切られています。その年によって申請期間が異なるため、申請前に期間は必ず確認しましょう。

職場環境改善計画助成金の申請手順

職場環境改善計画助成金の申請は、しっかりと手順に沿って行う必要があります。では、どのような手順で申請をしていくのかを順番に確認してみましょう。

1.ストレスチェック・集団分析の実施

最初に行うことはストレスチェックですが、ただ行うだけではいけません。集団分析を行って初めて実施したといえます。チェックだけでは職場の環境を改善することはできません。きちんと分析し、どこを改善すればストレスが軽減できるのか、従業員からの不満を軽減できるのかを検討しましょう。通常は質問票を作成し、当てはまる項目に丸印をつけていく方法で実施されます。

2.職場環境改善指導の契約を専門家と締結

ストレスチェックが終わったら、次は専門家から指導を受ける必要があります。専門家から指導を受けるためには、職場環境改善指導に係る契約を締結しないといけません。その上で契約書を作成し、

  • 専門家が行った指導内容
  • 契約を行う期間
  • 指導してもらうために使った費用
  • 依頼した専門家の名前
  • 依頼した専門家が保有している資格
  • 助成金を受け取る会社名

以上の項目を記載する必要があります。

3.職場環境改善計画を作成・実行

専門家による指導を受けたら、指導された内容に基づいて、職場環境改善計画の作成を行います。集団分析を行った結果や、従業員からの意見聴取の結果などをまとめて作成していきます。職場環境改善計画が作成できたら、実行に移さなければいけません。実行しても結果が出せなければ意味がないので、専門家の助けが必要なのです。

4.職場環境改善計画助成金を申請・受け取る

職場環境の改善を実行し、成果が得られたら必要な書類を揃えて申請をします。事業場コースと建設現場コースでは、一部様式が違う書類があるので注意しましょう。申請をすると審査が行われ、審査に通ると職場環境改善計画助成金が受け取れます。最初に審査通過の通知書が郵送され、その後受け取る側が指定した口座に助成金が振り込まれます。

職場環境改善計画助成金の注意点

職場環境改善計画助成金を受け取る際や、申請を行う際にはいくつか注意点があります。注意しなければいけない点を紹介するので、申請する際の参考にしてみてください。

職場環境改善計画助成金の申請書を記載するときの注意点

環境改善計画助成金を申請する際には、注意するべき点が3つあります。まずは書面の作成は、必ずA4サイズでなければいけません。必要な書類は複数ありますが、全てA4サイズにしましょう。記入する際には黒のボールペンを使用します。黒でも消せるタイプのボールペンは不可です。最後に記入した書面は全てコピーし、控えとして大切に保管しておきましょう。

申請に必要な領収書は事業場ごとに分ける

環境改善計画助成金を受け取れるのは、専門家に支払った金額のみです。他に使用したお金は受け取れません。そのため、専門家に支払ったことを証明するために、領収書も一緒に提出する必要があります。その際に領収書は事業場ごとに分けておきましょう。1つの会社に1つしか事業場がなければ、特に分ける必要はありません。ちなみに助成金の上限は10万円までです。10万円を超えるお金を使った場合は、領収書に10万円と記載しておきましょう。

手間をかけずに助成金申請するなら

「環境改善計画助成金」などの助成金の申請を行う場合は一度社労士に相談すると良いでしょう。社労士に相談するメリットは以下です。

社労士に依頼するメリット

  • 条件クリアするための助言がもらえる
  • 自社に適したそのほかの助成金を教えてもらえる
  • 書類作成から申請などの業務を丸ごと依頼できる

手間をかけずに助成金が利用できるようになります。社労士のなかでもおすすめなのは社会保険労務士法人TSCです。1年間無料で利用できるので、「お試しで社労士に依頼したい」という方にもおすすめです。

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【まとめ】職場環境改善計画助成金は費用を気にせず事務所のメンタルヘルスケアを強化できる

今回は職場環境改善計画助成金について解説してきました。助成金を受け取るためには色々な条件があります。ストレスチェックの実施や集団分析の実施、専門家への依頼も含まれています。助成金は最大でも10万円までと決められていますが、実行することで会社の環境改善、休職者や退職者を減らせる点がメリットです。専門家へ依頼をすればお金がかかりますが、その分のお金が負担金として得られるので、本気で職場の環境を変えたいなら利用してみるのもよいでしょう。

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