技能者が退職した場合に建設キャリアアップシステムですべき対応を解説

建設業界で横断的に使える建設キャリアアップシステム(CCUS)は、技能者が退職した場合でも、データを蓄積しておけます。しかし、実際に登録している技能者が退職した場合、どのように手続きを行えばよいか分からない方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、技能者が退職した場合に建設キャリアアップシステムではどのように対応すべきかを解説します。CCUSを使った正しい退職時の手続きの知識が身につくため、ぜひ最後までご覧ください。

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技能者が退職した場合に建設キャリアアップシステムですべき対応とは

建設キャリアアップシステムに登録されている会社から技能者が退職する場合、会社と技能者の紐づけを解除する必要があります。なぜなら、同じ人物が既に登録されている状況で、新規登録することはできないからです。

しかし、こうした仕組みを知らない技能者はもちろん、事業者も多くいます。そのため、技能者が退職する際に、多くの問い合わせが寄せられています。技能者の退職の都度、問い合わせをしなくても良いように、必要な手続きを正しく理解することが重要です。

技能者が退職した場合に事業者が建設キャリアアップシステムですべき対応

ここでは、技能者が退職した場合に事業者がとるべき対応を段階ごとに解説します。それぞれのステップでの具体的な手順を把握して、技能者が退職した際に、正しい手続きを行えるように知識を身につけてみてください。

  1. 事業者と技能者の関連付けを解除する
  2. 技能者登録メールアドレスの確認・変更を行う
  3. CCUSへのログイン情報を共有する
  4. CCUSカードを譲渡する

事業者と技能者の関連付けを解除する

技能者が退職したら、事業者がまずすべきことは、会社と退職者の関連付けの解除です。この手続きを行わないと、退職しても技能者はそのまま元の会社の所属として登録されたままです。

関連付けの解除は、システムにログインして行います。解除の際、間違って別の人物を選ばないように注意が必要です。誤って退職者ではない技能者の関連付けを解除すると、訂正に手間がかかるからです。正しい技能者を選び、事業者との関連付けを解除します。

技能者登録メールアドレスの確認・変更を行う

関連付けの解除とあわせて、技能者として登録したメールアドレスを確認します。必要があれば、変更も行わなければいけません。

なぜなら、事業者が技能者を一括して登録する際に、会社のメールアドレスでまとめてしまうことがあるからです。技能者の個人的なメールアドレスなどで登録されている場合は、こういった処理は必要ありません。事業者のメールアドレスの場合のみ、変更手続きが必要です。

建設キャリアアップシステムへのログイン情報を共有する

関連付けの解除とメールアドレスの確認及び変更の次は、建設キャリアアップシステムへのログイン情報を技能者に共有します。技能者がそのまま建設業界で働き続ける場合、CCUSをそのまま利用することもあります。その際、ログイン情報が分からなければ、利用できません。

ログイン情報がなくても、最終的には建設キャリアアップシステムを利用できます。しかし、ログイン情報がないと大変な手間がかかるため、ログイン情報を共有して送り出しましょう。

ログイン情報がわからない場合

技能者に建設キャリアアップシステムのログイン情報を共有したくても、事業者側が、把握していないケースもあります。その場合、事業者としても共有したくても情報を把握していないため、運営元に問い合わせる必要があります。

建設キャリアアップシステムにログイン情報を問い合わせる場合、建設キャリアップカードが必要です。カードの表面には技能者のIDが記載されているため、身元の照会が容易になります。

建設キャリアアップシステムカードを譲渡する

技能者が退職する際、事業者は建設キャリアアップシステムカードを譲渡する必要があります。キャリアアップカードは、技能者のパスポートのような存在です。そのため、手元になければ次の就業先で登録できません。

万が一、何らかの事情でキャリアアップカードを譲渡できない場合は、再発行となります。再発行には、手数料がかかるため、可能な限りスムーズに譲渡することが望まれます。

カードを紛失している場合

建設キャリアアップシステムのカードが何らかの事情で紛失や破損している場合、再発行が必要です。再発行には1,000円の手数料がかかります。再発行の手続きは、建設キャリアアップシステムからすることが可能です。

退職に伴い再発行をする際は、先に登録されている情報を変更し、技能者の自宅などにカードが届くようにする必要があります。また、送付は簡易書留で行われるため、確実に受け取れる状況にする必要があります。

退職した技能者自身が建設キャリアアップシステムですべき対応

技能者が所属先を退職する場合、事業者がすべきことがあります。しかし、技能者自身ですべき手続きもあります。ここでは、退職時に退職者自身がすべき、以下の手続きをケース別に見ていきましょう。

  • 新しい所属先が建設キャリアアップシステムに登録している場合
  • 新しい所属先が建設キャリアアップシステムに登録していない場合
  • 異業種に転職する場合
  • 新しい所属先が決まっていない場合
  • 独立する場合

新しい所属先が建設キャリアアップシステムに登録している場合

新たに所属する事業者が決まっていて、所属先がCCUSに登録している場合、変更の手続きが必要です。

所属事業者を、新たな勤務先となる建設業者へ登録します。新しい所属先に登録を変更する際は、次の2点が必要です。

  • 新たな所属先の住所や電話番号、メールアドレスなどの情報
  • 新たな所属先の社会保険などの添付資料

手続きはCCUSにログインすればできるため、必要な情報を用意して行いましょう。

新しい所属先が建設キャリアアップシステムに登録していない場合

新しい所属先が同じ建設業でも、CCUSに登録していないケースもあります。そういった場合でも、ログインして変更手続きを行わなければいけません。

ただし、CCUSに登録していない建設業者だと、情報の関連付けができません。今後のためにも、新しい所属先となる事業者がCCUSに登録することが望ましいですが、難しいこともあります。そのため、退職者個人としては情報を変更し、新しい所属先の登録を待つことになります。

異業種に転職する場合

技能者が建設業の事業者を退職した後、異業種へ転職するケースは珍しくありません。その場合、建設キャリアアップシステムが利用されることはないため、所属先を「なし」の状態に変更します。

所属先が「なし」の状態でも、CCUSには登録しておけます。建設業界に戻る可能性がゼロでないのであれば、有効期限が切れるまでは、そのまま登録情報を残しておくことをおすすめします。

新しい所属先が決まっていない場合

技能者が前の所属先を退職しても、何らかの事情で新しい所属先が未定のケースもあります。その際は、ログインして所属先を「なし」に変更しておきましょう。変更しないと、前の所属先のままです。

そして、新しく所属先が決まったら、ログインして再び情報を変更します。予定が決まっていないからと放置する方もいますが、前の所属先のままだと不都合が起きる可能性もあります。そのため、所属先を「なし」に変更することがおすすめです。

独立する場合

技能者が前所属先を退職した後、一人親方や会社として独立するケースも少なくありません。そういった際は、速やかに建設キャリアアップシステムに新しい事業者として登録する必要があります。登録ができたら、自分を会社と関連付けして、手続きが完了です。

新たな事業者として登録する場合、時期に左右されるものの、1ヶ月から2ヶ月ほど時間がかかります。そのため、退職が決まっているのであれば、早めに登録するなどの工夫が必要です。

事業者が建設キャリアアップシステムの手続きを代行する場合

技能者が退職した際、事業者が代行して手続きを行うことも可能です。所属先が代行して手続きをする場合、通常とは異なり、以下の手順で進める必要があります。

基本的には、ログインした後に画面に従って必要なボタンを選択して、クリックしていくだけです。しかし、途中で一度だけ退職する人が手続きする必要があります。そのため、すべての手続きを所属先が代行できるわけではないことを把握しておきましょう。

技能者が退職した場合の登録情報の注意点

技能者が退職した後、建設キャリアアップシステムを利用するのであれば、必ず以下の2点を事業者から受け取ることが重要です。

  • CCUSログイン情報
  • CCUSカード

会社側としても、上記2つをスムーズに受け渡すことで、後からトラブルになることなく退職手続きが行えます。円満に退職するためにも、ログイン情報とカードは必ず技能者に受け渡すことをおすすめします。

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【まとめ】技能者が退職した場合の建設キャリアアップシステムでの対応を把握しスムーズに手続きしよう

この記事では、建設業で技能者が退職した場合の建設キャリアアップシステムの手続きを解説しました。普及が進んだCCUSは、便利な反面、退職時などに若干の手間がかかります。しかし、技能者の情報を業界で横断的に把握できるため、多数の建設業者で導入が進んでいます。

技能者が退職する際は、今回解説した内容を参考に、それぞれのケースごとに適した手続きを行うことが重要です。円滑に必要な手続きを行い、円満に退職してお互いに気持ちよく次のステップに進みましょう。

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