残業代でない施工管理士がいる原因や残業の証明方法・注意点を解説

厚生労働省の調査では建設業には残業が多いことが明らかになっています。この建設業で特に残業が多いと言われる仕事が施工管理士です。これは施工管理士が建設現場での作業のほかにオフィスワークもこなすためです。

一方で、施工管理士に適切な残業代が支払われていないことが問題となっています。そこで今回は、残業代でない施工管理士がいる原因や残業の証明方法・注意点を詳しく解説します。施工管理士の方は、未払いの残業代を受け取れる可能性があるため、ぜひチェックしてみてください。

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建設業界における労働時間の特有な規定

建設業では労働時間の規定が他業種と異なります。下記で建設業界における労働時間の特有な規定を確認してみましょう。

労働時間は法律で規定されている

建設業の労働時間は厚生労働省の定める法律によって決められています。建設業における法定労働時間は、1日8時間、1週間40時間までです。

この上限を超えて従業員を労働させる場合は、36協定を締結する必要があります。また残業時間にも上限があるため、下記で詳しく解説します。

残業時間には上限がある

建設業で法定労働時間を超える残業には上限規制があります。残業時間の上限規制は、ワークライフバランスを重視した働き方改革の一環として2018年に設定されました。

また、上述の法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて残業をさせる場合、雇用者は従業員に残業代を支払う必要があります。

臨時的な残業時間にも上限がある

残業時間の上限は月45時間、年間360時間までですが、特別な事情がある場合は、36協定の特別条項を締結することで下記の残業が可能です。

  • 年間720時間まで
  • 休日労働を含めて複数月の月平均労働時間が80時間まで
  • 休日労働を含めて月100時間未満

また、720時間÷12ヶ月=月60時間の残業が毎月認められるわけではありません。特別条項の45時間以上の残業は年6回までという規定にも注意しましょう。

2024年まで残業時間の上限規制に猶予期間が設けられていた

厚生労働省は働き方改革の一環として、2018年に残業時間の上限を設定しました。一方で、建設業では2024年まで残業時間の上限規制に猶予が設けられていました。

建設業はこの上限規制の適用を5年間猶予されていましたが、2024年4月からこの規制が適用されています。2024年4月以前はこの上限を超えて労働させたとしても、行政指導のみで済みましたが、現在は罰則を科されます。

現在では働き方改革に沿って適切な労働時間を守る取り組みが進められていますが、規制の適用以前は残業時間に多くの影響が出ていました。

災害時の復旧・復興事業は規制が適用されない

建設業では、上記の残業時間の上限規制が一部適用されないケースがあります。災害時の復旧・復興事業は上限規制が適用されません。災害の復興事業については上記の上限規制を超えて下記の範囲内で残業が可能です。

  • 月100時間未満
  • 2~6カ月の平均が80時間以内

建設業界でも残業代は発生する

どの業種であっても、法定労働時間を超えて残業をさせた場合は労働基準法第37条に基いて残業代を支払わなくてはなりません。企業はこの残業時間分の割増賃金の支払い義務があり、これが残業代にあたります。

このルールは建設業界においても同様であり、法定労働時間外の労働には残業代が発生します。

残業代でない施工管理士がいる原因

労働基準法で残業代の支払い義務があるにもかかわらず、しばしば残業代がでない施工管理士がいます。下記でその原因を詳しく解説します。

労働時間がきちんと把握されていない

企業が従業員の労働時間をきちんと把握していない場合、残業代が支払われないことがあります。建設現場では、従業員が現場へ直接出勤し、現場から直帰するケースがしばしばあります。

この労働形態ではタイムカードや勤怠管理システムなどによって従業員の労働時間が適切に把握されていないケースがあります。この場合、残業時間がデータとして管理されないため、残業代も支払われません。

企業は従業員の労働時間を適切に把握する義務があります。これには法定労働時間外の労働である残業時間も含まれます。仮に企業が従業員の労働時間を把握していなかったとしても、残業代を支払わなくてもよいというわけではありません。企業が労働時間を把握していない場合は、自身の労働時間を立証する証拠をしっかりと保管しておきましょう。

移動時間などが労働時間に反映されていない

残業代がでない施工管理士がいる原因の1つに、施工管理士の移動時間が労働時間としてカウントされていないという問題があります。

建設業では、企業の事務所と建設現場の2つの仕事場があります。施工管理士は昼間は現場で工事を監督して、作業終了後にオフィスで事務仕事をこなします。この2つの仕事場間の移動時間が労働時間に数えられない場合は、残業代が支払われません。

もっともこの移動時間が労働時間に該当するかどうかは難しい問題です。この移動時間が雇用者の監督下にあるとみなされる場合は、労働時間にあたります。

管理監督者に該当していると考えられている

施工管理士が企業から管理監督者とみなされている場合は、残業代が支払われません。管理監督者とは、労働基準法によって定められている地位の1つで、事業者と一体的な監督者・管理者です。

管理監督者は、主に従業員をマネジメントする役割を担いますが、従業員と同じ休日・祝日・労働時間のルールが適用されません。これは管理監督者が労働基準法上経営者と同等の管理者に該当するとして、それに相応しい待遇を得ているとみなされるためです。

一方で、施工管理士が実際に管理監督者と同等の権限や待遇を与えられているかどうかは別問題です。管理監督者であることを理由に残業代が支払われていない施工管理士の方は、残業代を支払ってもらえる可能性があります。

残業を施工管理士が証明する方法

建設業は天候などの影響を大きく受けます。時期によって労働時間が様々に変わるため、普段から意識して勤怠状況を残していないと、残業時間の証明が困難です。

下記では残業を施工管理士が証明する具体的な方法を解説します。3つのポイントを確認してみましょう。

タイムカードや日報は証拠になる

残業を証明するための代表的な証拠がタイムカードや日報などのデータです。とりわけタイムカードは出退勤が正確に打刻されるため、重要な証拠です。なかにはタイムカードの一斉打刻を行う企業もありますが、タイムカードの控えを残しておきましょう。

日報もまた証拠になりますが、出退勤ごとに手書きで記録を取っている場合は、証拠として認められないこともあります。

また、勤怠管理システムを導入している場合は、PCのログ上に出退勤時刻がデータとして残ります。残業時間の証拠の提出を求められた場合は勤怠管理システムのデータを提出しましょう。

メールや作業報告書を証拠にする

施工管理士のなかには、自身の出退勤の情報をデータとして記録していないという方もいるでしょう。そのような場合は、メールや作業報告書を証拠として活用しましょう。

残業時間の証拠として使えるものは下記のとおりです。

  • 施主に提出した作業報告書
  • 交通ICカード・社用車のETC走行記録
  • 会社のセキュリティ解除記録
  • 業務に関連したメール

なるべく証拠を集める

残業代の支払いを受けるためには、日頃からなるべく多くのデータを集めておくことが重要です。上記で挙げた書類やデータがない場合は、企業の就業規則や雇用契約書など、残業代の支払いに関する規定が書かれた書類も揃えておきましょう。

残業を証明するデータや書類は1つでは十分な証拠とはならないことがありますが、複数の証拠を集めることで残業を証明できるケースがあります。

このような証拠は退職後に集めることが困難です。できるだけ在職時から証拠を集めておきましょう。

施工管理の残業代の注意点

続いて施工管理の残業代の注意点を解説します。下記のポイントを参考にして残業代を請求してみましょう。

残業時間に上限があっても残業代は支給される

建設業では2024年4月から残業時間の上限規制が適用されましたが、この上限と残業代の支給は無関係です。この上限規制の適用は、1年間に従業員を残業させられる時間の規定です。

残業時間に関する上限規制の適用後であっても、支払われるべき残業代の額は変わりません。

管理監督者に該当しない場合は残業代は支給される

建設業では、施工管理士を管理監督者であるとして残業代を支給しないケースがあります。

管理監督者とは、経営者と一体であるとみなされる管理者とみなされ、出退勤の自由や人事の裁量権などが認められている人を指します。管理監督者はこのような経営に関する権利を有しているために、従業員と同じ労働時間・休日のルールが適用されません。

一方で、一般的な建設業においては、施工管理士が管理監督者と同様の自由と権利を有しているケースは稀です。他の従業員と同じ立場であるにも関わらず管理監督者に任命されている場合は、残業代が支給される可能性があります。

残業代の請求は退職後でも行える

建設業をすでに退職された方のなかには、本来受け取るべき残業代を受給できていない方が多くいます。残業代の請求はたとえ退職後であっても有効です。

従業員には雇用者に残業代を請求する権利が法的に保証されています。そしてこの権利は原則として、企業から残業代が支給されるまでは失効しません。

また、残業代の支払いが遅延している場合、遅延損害金を受け取れます。遅延損害金とは残業代などの支払いが遅れたことに対する損害賠償で、在職中・退職後に関わらず受け取れます。

遅延損害金は在職か退職後かによって利率が異なり、退職後の利率は、年14.6%です。すでに退職された施工管理士の方で、未払いの残業代がある方は証拠を揃えて請求してみましょう。

残業代の請求には時効がある

残業代の請求には時効がある点には注意が必要です。残業代は退職後数十年経っても請求できるわけではありません。

残業代の請求の有効期限は、未払いが生じてから3年です。残業代の支払いの有効期限は、令和2年4月1日以降のものに関しては3年間です。また残業代請求の起算日は、給料日の翌日である点に留意しましょう。

起算日とは、残業代請求の有効期限のカウントが開始される日付です。有効期限は3年と長いですが、万が一にも失効することのないようにできるだけ早めに請求しましょう。

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【まとめ】施工管理に残業代でない場合は違法!時効前に対応しよう

今回は残業代でない施工管理士がいる原因や残業の証明方法・注意点を詳しく解説しました。施工管理士はその仕事の大変さに見合った残業代が支払われていないケースが多々あります。

一方で出退勤時間が記録されたメールやデータを集めておくことで、退職後であっても残業代を受け取れます。残業代の支払いには有効期限があるため、データを揃えて早めに請求することが大事です。施工管理士で未払いの残業代がある方はぜひ今回の記事をチェックしてみてください。

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