建設業界における作業員名簿とは?項目と書き方・注意点を解説

建設業界における作業員名簿は、建設現場で働く作業員の情報を一括管理するための重要書類です。労務安全書類の1つであり、新しい現場に入る際には必ず提出が求められるため作成機会が多い書類でもあります。

しかし、「具体的に何を書けばいいの?」「どの項目をどう記入すれば?」と悩む現場監督や事務担当者も少なくありません。

今回は、建設業界における作業員名簿の概要と目的、各項目の書き方や注意点について詳しく紹介します。

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建設業界における作業員名簿とは

作業員名簿とは、建設現場に従事する全ての作業員の氏名や資格、緊急連絡先などを一覧にした書類です。どの現場に誰が入場しているかを明確にする目的で作成され、安全衛生管理や労災発生時の対応にも欠かせません。

建設業法改正により「建設工事従事者に関する事項」が施工体制台帳に追加され、作業員名簿の作成が義務化されています。その結果、作業員名簿は工事完成後の引き渡し日から5年間の保存義務が発生しました。

作業員名簿の義務化は、建設業に携わる人材の適切な管理や待遇改善、安全な労働環境の確保を目的としています。

参照:施工体制台帳等の作成義務

作成目的

作業員名簿を作成する主な目的は、現場で働く人員を正確に把握することです。

建設業では現場ごとに多くの作業員が出入りするため、誰がどの現場で作業しているかを一覧化しておく必要があります。

万が一事故や災害が発生した際、的確な対応が可能となります。具体的には、緊急時に備えて各作業員の家族連絡先や健康情報を把握し、即座に連絡・救護体制を取れるようにするためです。

さらに、法改正によって義務化された背景には、建設業界の働き方改革があります。慢性的な人手不足や長時間労働の是正を図る中で、作業員名簿を活用して「いつ・どこで・誰が」働いているかを明確にし、人員配置の適正化や技能者の処遇改善につなげる狙いがあります。

作成業者・提出先

作業員名簿は、現場に作業員を送り出す全ての建設業者が自社ごとに作成します。一次下請けから二次・三次下請けまで、各社がそれぞれ自社の従事者について名簿を用意する必要があります。

作成した名簿は、一次請け業者に提出され、一次請けが各社分を取りまとめて元請け業者(現場の統括者)へ提出します。

なお、現場によっては一次請け業者が下位業者の作業員名簿作成を代行するケースもあります。その場合は、事前に書面で委任の意思確認を行い、代理で名簿を作成・提出します。

代理作成時は、下請け業者の捺印(会社印)なども必要となるため、進め方を関係者間で取り決めておくとよいでしょう。

また、元請けは提出された各社の作業員名簿を確認し、内容に問題がなければ「元請確認欄」に署名・押印します。元請確認欄によって、元請け側で全作業員の情報を把握・承認したことが示されます。

建設業界における作業員名簿の項目と書き方

作業員名簿には、欄外部分と欄内部分に分けて様々な項目を記載します。以下ではそれぞれの項目について、具体的な記入内容と書き方のポイントを解説します。

全建統一様式第5号に準拠した一般的な書式を例にしていますが、多くの現場で共通する内容です。元請けから独自の指示がある場合はそれに従いつつ、基本的には以下の書き方を押さえておけば問題ないでしょう。

欄外部分

欄外部分には、名簿全体に共通する工事現場や会社に関する情報を記入します。具体的には工事名や現場を管轄する責任者、名簿の作成日や提出日、関係企業名などです。

各社共通のフォーマットであるため漏れなく埋めましょう。以下に主な欄外項目の書き方を示します。

事業所の名称

事業所の名称とは、該当する工事現場の名称です。事業所という言葉で戸惑うかもしれませんが、工事を行う現場名や工事名を記載します。

一般的には、次のように工事の正式名称を書きます。

  • ​​○○作業所(現場名)
  • ○○新築工事(工事名)
  • ○○ビル改修工事(工事名)

施工場所や内容がわかる名称を記入し、どの工事に関する名簿か一目で分かるようにしましょう。

現場ID

現場IDは、現場に紐づけられた識別番号です。建設キャリアアップシステム(CCUS)に現場登録をしている場合にのみ発行されるIDで、登録していない場合は記入不要です。

元請けから現場IDが通知されている場合や、自社がCCUSを利用している場合には、IDをここに記載します。未登録の場合や現場IDがない場合は、欄自体を空欄にしても問題ありません。

所長名

所長名は、その現場を統括する所長(現場代理人)の氏名を指します。

注意点は、元請け企業の現場代理人の名前を書くことです。自社の所長ではなく、元請け側で現場管理責任を負う所長の氏名を確認して記入しましょう。

元請けに問い合わせれば教えてもらえますが、誤って自社の上司名を書かないよう注意が必要です。

作成日

作成日は、その作業員名簿を実際に作成(または更新)した日付を記入します。西暦でも和暦でも構いませんが、他の書類と形式を揃えるとよいでしょう。

名簿を提出する際に提出日と混同しないよう注意してください。

基本的には、作成日=名簿を印刷した日付を記載し、提出日とは区別します。

一次会社名・事業者ID

一次会社名は、名簿を提出する一次請け業者の名称です。例えば、二次下請けの会社が自社の作業員名簿を作成する場合、一次会社名欄には自社が属する一次請け企業名を記入します。

場合によっては、会社名の代わりに一次請け会社の現場代理人名の記載でも認められています。

一次請け企業が建設キャリアアップシステムに登録している場合は、その事業者IDも記入しましょう。CCUS未登録であればID欄は空欄で構いません。

二次会社名・事業者ID

二次会社名は、名簿を作成している自社の名称を指します。

一次請けが作成する場合は自社の社名、二次請けが作成する場合は自社の社名をここに書き、自社が一次から数えて第何次かも記載します。

記入漏れしやすい欄なので、注意しましょう。

会社名の代わりに自社の現場代理人の氏名を書いても差し支えありません。

また、自社がCCUSに登録済みで事業者IDが割り当てられている場合は、併せてそのID番号も記載します。未登録の場合は空欄で問題ありません。

元請確認欄

元請確認欄は、名簿を受け取った元請け側が内容を確認した印を残すための欄です。

通常、この欄には元請け会社の担当者(現場代理人や監督員)が名簿内容をチェックした上で署名または押印します。提出する下請け側で特に記入する項目はありません。

元請けの承認印をもらう欄として空けておき、名簿提出後に元請けに記名・押印してもらいましょう。元請確認欄が設けられていると、元請けが現場の全作業員情報を把握し、適正に管理する責任を果たしていることを証明する役割があります。

提出日

提出日は、作成した作業員名簿を元請けに提出した日付です。提出日があらかじめ決まっている場合はその日付を記入します。

提出日が未定の場合や、名簿作成時点で提出していない場合は、この欄は空欄にしておきましょう。

実際に提出する際に、手書きで提出日を書き加えるか、再度印刷して追記すれば問題ありません。提出日を事前に書いてしまってずれるよりも、分からなければ空欄にしておく方が適切です。

欄内部分

欄内部分には、各作業員ごとの詳細情報を記載します。現場に入る全ての作業員について、一人一行の形式で氏名や資格等を漏れなく書き込みましょう。

新たに追加で作業員が現場入りする場合でも、名簿全体を作り直す必要はありません。一度作成した名簿の末尾にその作業員の情報を追記していけば対応できます。

以下では、欄内部分の各項目について具体的な書き方を解説します。

フリガナ・氏名・技能者ID

作業員の氏名とフリガナを正確に記入します。

技能者IDは、個々の作業員が建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録されている場合に記載するID番号です。

CCUS登録済みの技能者であれば、そのカードに記載の10桁のIDをここに書き込みます。未登録の作業員については、技能者ID欄は空欄のままで問題ありません。

氏名は正式な本人確認書類(運転免許証や技能講習の修了証など)と同じ表記で記載しましょう。漢字の誤りやフリガナの抜け漏れがあると、現場入場時の身分証チェックでトラブルになる可能性があります。

書類を見比べて正確に転記し、ミスを防ぎましょう。

職種

作業員が従事する職種を記入します。職種名は会社や地域により多少表現が異なる場合もありますが、一般的には「型枠大工」「オペレーター」「電気工事士」「とび職」など、工事現場での役割が分かる名称で書けば問題ありません。

社内で使っている呼称が特殊な場合でも、できるだけ業界標準的な表現に合わせると元請けにも伝わりやすいでしょう。「土工」「配管工」「鉄筋工」など、該当する職種を正確に記載してください。

複数の職能を持つ人でも、その現場で主に担う役割に合わせて1つ選びます。

※印(注意事項)

職種欄の横にある「※」印の欄には、特記事項を略号で記入します。これは作業員の属性や資格上の注意点を示すもので、用紙下部に対応する解説が載っています。

主な略号と意味は次のとおりです。

  • 現:現場代理人(その作業員が元請け等から選任された現場代理人の場合)
  • 作:作業主任者(法令で選任が必要な作業主任者に該当する場合)
  • 女:女性作業員
  • 未:18歳未満の作業員
  • 主:主任技術者(その作業員が主任技術者の職務を担う場合)
  • 職:職長(職長・安全衛生責任者教育修了者で現場で職長の役割を担う場合)
  • 安:安全衛生責任者(統括安全衛生責任者等、安全管理上の責任者の場合)
  • 能:能力向上教育修了者
  • 再:危険有害業務等の再発防止教育修了者
  • 習:外国人技能実習生
  • 就:特定活動の在留資格による外国人建設就労者
  • 1特:在留資格「特定技能1号」の外国人労働者

該当する略号があれば記入し、なければ空欄にします。例えば、18歳未満であれば「未」、現場での職長であれば「職」です。

作業主任者は一人の者が複数の現場を兼任できないため、現場ごとに必ず専任しなければいけません。

雇入年月日・経験年数

雇入年月日は、作業員を会社が雇用し始めた日付です。つまり、入社日(もしくは入職日)を年/月で記入します。

経験年数は、現在従事している職種の経験年数を記入します。経験年数は、自社での勤続年数ではないという点です。入社して1年目でも、以前から同種の仕事に携わっていればその合計経験年数を記載しま
す。

社歴が長くても、その職種に就いたのが最近であれば経験年数は短くなります。

ブランク期間や複数社での経験を合計する際に誤りが生じやすいので、本人の履歴をよく確認して正確な年数を記入しましょう。

生年月日・年齢

生年月日は、作業員の生年月日を記入します。和暦・西暦のどちらでも構いませんが、他の書類と統一するとわかりやすいでしょう。

年齢は、生年月日時点から算出される現在の満年齢を記入します。18歳以上の作業員であれば、年齢を数字で書くだけで問題ありません。

しかし、18歳未満の労働者を現場に就かせる場合、年齢証明書(住民票記載事項証明書など)を元請けに提出する必要があります。

また、労働基準法により、18歳未満の者は時間外労働や危険有害業務への従事が禁止されています。さらに、満15歳になってから最初の3月31日を迎えるまで(中学校卒業前)の者は土木建築作業に従事できないと定められているのです。

このように、未成年者の就労には厳しい制限があるため、該当者がいる場合は必ず元請けと相談のうえ適切な対応を取りましょう。

現住所・TEL

作業員の現住所(最新の住所)と電話番号を記入します。

引越し等で住民票住所と異なっている場合もあるため、現在連絡の取れる住所を確認して記載してください。住所は都道府県名から番地、マンション名・部屋番号まで正確に書き、電話番号は携帯でも自宅でも確実に連絡がつく番号を記載します。

連絡手段としてメールアドレス等は不要です。住所・TEL欄は緊急時の所在確認や連絡のために重要のため、漏れや誤りのないよう最新情報を記載しましょう。

家族連絡先・TEL

万一の事故や急病の際に備え、作業員の家族の緊急連絡先と電話番号を記入します。通常は近親者(両親や配偶者など)の氏名と連絡先を記載します。続柄(父・妻など)が分かれば併記すると親切です。

ここに書かれた家族連絡先は、作業員に労災事故等が発生した場合の第一報の宛先となります。

日中に連絡が取れる電話番号を確認し、正確に記入しましょう。独身で緊急連絡先に迷う場合は、親族や同居の家族などあらかじめ本人に確認しておきます。

最近の健康診断日・血圧

直近で受けた定期健康診断の実施日と、その際の血圧を記入します。

労働安全衛生法により、事業者は労働者に対して雇入れ時および少なくとも年1回の定期健康診断を実施する義務があります。

健康診断日は最新のものを記載し、古いままになっていないか確認しましょう。

定期健診を毎年受けていないと現場に入れないケースもあるため、必ず最新の受診日を書きます。

血圧はその健康診断時の最高血圧と最低血圧を記入します。

「120/80」のようにスラッシュで区切ってもよいでしょう。

健康診断の結果や血圧などの情報は個人情報に該当します。名簿作成後も含め、取扱には十分注意し、必要以上に第三者に開示しないよう徹底してください。

参照:厚生労働省

血液型

作業員の血液型を記入します。

万が一の救急時には、血液型情報が輸血等に役立つ可能性があるため、A・B・O・AB型のいずれかを正確に書きます。

血液型も個人の健康情報であり取扱注意ですが、秘匿すべき情報ではないため、本人に確認して必ず記載しましょう。「不明」の場合は空欄または不明と記して提出し、後日判明したら追記します。

特殊健康診断日・種類

特殊健康診断は、有害業務に従事する労働者に対して法令で義務付けられた
健康診断です。

該当者は6ヶ月ごとに特殊健診を受ける必要があるため、最新の受診日
を記入します。同時に、どの種類の特殊健診かも併記しましょう。

特殊健康診断の種類には、次のようなものがあります。

  • じん肺(粉じん作業に従事する労働者の健診)
  • 有機溶剤(有機溶剤等を取り扱う業務)
  • 鉛(鉛業務従事者)
  • 電離放射線(放射線業務従事者)
  • 特定化学物質(特定化学物質作業従事者)
  • 高気圧(高気圧作業従事者)
  • 四アルキル鉛(四アルキル鉛中毒予防の健診)
  • 石綿(石綿(アスベスト)取り扱い作業者)

該当する作業員がいない場合は、この欄は「該当なし」または空欄で構いま
せん。

該当者については最新の特殊健診受診日と、その健診種別(上記のような名
称)を正確に記載します。

参照:厚生労働省

健康保険・年金保険・雇用保険

社会保険の加入状況を記載する欄です。各作業員ごとに、以下の項目を埋めます。

健康保険現在加入している健康保険の種類を記入

【例】協会けんぽ、健康保険組合、建設国保、国民健康保険、適用除外(後期高齢者医療の該当者等)など

該当するものを1つ選ぶ(健康保険証の記号番号自体は記載不要)

年金保険厚生年金または国民年金を記入

会社員であれば通常「厚生年金」、自営業者等の場合は「国民年金」、既に年金受給資格がある高齢者の場合「受給者」となる

こちらも番号の記入は求められない

雇用保険雇用保険(失業保険)の加入区分を記入

通常の従業員で雇用保険に加入している場合は空欄

日雇い労働者として雇用保険に加入している場合は「日雇保険」、事業主の家族など雇用保険適用除外者の場合は「適用除外」と記載

あわせて、雇用保険被保険者番号の下4桁を下段に記入する。手元の雇用保険被保険者証などで確認し、該当する4桁を記入する

社会保険の加入状況については、公的証書類の添付も求められる場合があるため、書類上の区分どおり正しく記載しましょう。

建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度

いわゆる建退共(建設業退職金共済)と中退共(中小企業退職金共済)への加入状況を示す項目です。

各作業員が建退共の手帳を持っているか、中退共の手帳を持っているか、それ以外の共済か、あるいは未加入かを区分して記入します。

建退共に加入し手帳を所持している場合「建」、中退共手帳を所持している場合「中」、建退共・中退共以外の他の共済手帳を持っている場合「他」、どの共済手帳も持っていなければ「無」に○印を付けます。

建退共のみ加入なら「建」に○、両方加入なら両方に○でも構いません。

雇入/職長特別教育

この欄には、作業員に対する各種の安全教育の受講状況を記入します。

全ての作業員について、入社時に受けることが義務付けられている雇入時教育(安全衛生教育)の有無を記載します。通常は入職時に必ず受講しているはずなので、全員「済」の扱いで構いません。

次に、その作業員が職長・安全衛生責任者教育を修了している場合は「職長教育」修了の旨を記入します。

さらに、フォークリフト運転特別教育、高所作業車特別教育など特別教育を受講済みであれば、その種類を記載します。特別教育とは、労働安全衛生法にもとづき各企業が実施する教育で、一定の危険作業に従事させる際に必要です。

「フォークリフト」や「玉掛け」など該当する教育名を簡潔に書きます。

技能講習

作業員が修了している技能講習を記入します。技能講習とは、国や都道府県労働局長登録の教習機関で実施される法定講習で、特別教育より高度な内容のものです。

例えば、「足場の組立て等作業主任者技能講習」「小型移動式クレーン運転技能講習」などが該当します。該当するものがあれば講習名を記載し、何も修了していない場合は「なし」と明記するのが一般的です。

特別教育と混同しないよう注意が必要ですが、講習修了証を本人から預かったうえで確認して記入すると確実です。

免許

作業員が保有している国家資格の免許を記入します。免許とは、試験を受けて合格した資格のことで、技能講習や特別教育のように講習受講のみで得られるものは含まれません。

建設業に関連する主な免許の例としては、次のようなものがあります。

  • 移動式クレーン運転士免許
  • 発破技士免許
  • 一級建設機械施工技士 / 二級建設機械施工技士
  • 一級とび技能士 / 二級とび技能士
  • 電気工事士免許(第一種/第二種) など

免許欄には、作業員が現場で活かせる資格をすべて記載します。

特別教育→技能講習→免許の順で資格の効力範囲が広くなるため、上位資格を持つ場合は下位資格の受講有無に関わらず業務が可能です。

「移動式クレーン運転士免許」を持っていれば、「小型移動式クレーン技能講習」や「玉掛け特別教育」を受けていなくても対応できる作業があります。

このような場合でも、免許欄に上位資格を記入し、下位の講習欄には「なし」または記入不要とすれば問題ありません。

入場年月日・受入教育実施年月日

入場年月日は、その作業員が当該現場に初めて入場した日付です。現場ごとの初出勤日を記入します。

作業員名簿作成時点で未入場の場合も多いため、その際は空欄にしておき、実際に入場した日が確定したら手書きで追記する形で対応します。

また、新規入場者に対しては受入時の安全教育(安全衛生教育)を実施することが求められるのです。

「受入教育実施年月日」欄には、その安全教育を実施した日付を記入します。通常、受入教育実施日=入場年月日となるケースがほとんどです。

入場日欄に書いた日付と同じ日付を受入教育欄にも記載します。こちらも入場日が未定の場合は空欄で提出し、後日入場があった際に追記すれば問題ありません。

建設業界における作業員名簿の注意点

建設業界における作業員名簿の注意点は以下の5つです。

  • 不明な項目は空欄にしておき追記する
  • 添付書類を忘れず提出する
  • 個人情報だと理解する
  • 保存期間はきちんと把握する
  • 電子データでの取り扱い方を確認する

建設業界における作業員名簿の注意点を、下記で詳しく解説します。

不明な項目は空欄にしておき追記する

名簿作成時点で情報が不明な項目は無理に埋めず空欄で提出しましょう。

作業員名簿は重要な書類であるため、推測で誤った情報を書くよりも正確性が最優先です。

例えば、「入場年月日」や「提出日」など、現時点で確定していない項目は空欄のまま提出し、後日判明し次第追記すれば問題ありません。提出後に追記する際は、手書きでも構いませんが、見栄えが気になる場合は再度印刷して差し替えてもよいでしょう。

不明箇所を一旦空欄にしておくと、慌てて確認不足のまま書き込んでしまうミスを防げます。全ての項目に正確な情報を記入し、判明していない情報は後追いで確実に埋めるようにしてください。

添付書類を忘れず提出する

作業員名簿を提出する際は、関連する証明書類のコピーを添付することを忘れないでください。

名簿の各項目(特に資格・免許欄や健康診断欄)で記入した内容の裏付けとして、以下のような写し(コピー)を提出書類一式に同封するのが一般的です。

  • 運転免許証や技能講習修了証、国家資格免許証のコピー(資格・免許欄の証明)​
  • 定期健康診断の結果表のコピー(健康診断日・血圧欄の証明)
  • 特殊健康診断個人票のコピー(該当者のみ)
  • 建退共手帳の写し(建退共加入状況の証明) など

元請けによって提出要領は異なりますが、一般には「名簿に記載した事項を証明する書類を添付する」と覚えておきましょう。

資格や免許は本人申告に頼らず証明書での確認が重視されます。多数の作業員を抱える企業では、添付書類を集めるだけでも時間がかかるため、事前に社員の資格証等をスキャンしてデータ化しておくのがおすすめです。

新しい現場の度にコピーを取る手間が省け、提出漏れも防止できます。提出直前には、名簿と添付書類がきちんと揃っているかチェックリスト等で確認しましょう。

個人情報だと理解する

作業員名簿に記載されている内容は、全て個人情報に該当するという認識をもちましょう。

氏名や生年月日はもちろん、住所・電話番号、健康診断結果や資格情報に至るまで、漏えいすれば本人のプライバシー侵害につながる情報ばかりです。そのため、名簿を作成・管理する際には個人情報保護法や社内規程に従い、取扱いに万全を期す必要があります。

具体的には、以下の点に注意しましょう。

  • 名簿データは社内でアクセス権を限定し、無関係の者が閲覧できないよう管理する
  • 紙で保管する場合は施錠できるキャビネットに入れ、持ち出し厳禁とする
  • 元請け提出用に電子データで送る場合は、暗号化やパスワード設定を行い、不正流出を防止する
  • 提出先から返却された名簿は適切に回収・保管し、不要になったらシュレッダー等で確実に廃棄する

また、建設キャリアアップシステム等のクラウドサービスを利用している場合でも、データの扱いは契約企業の責任です。CCUSに登録した技能者の情報を含む名簿を扱う際は、同システムの利用規約やガイドラインも遵守しましょう。

個人情報であると理解し、漏えいや目的外利用を絶対に起こさないという意識を持って名簿作成に臨んでください。

保存期間はきちんと把握する

作業員名簿は、一度提出して終わりではなく、法令で定められた期間保存しなければいけません。建設業法の施行により施工体制台帳の一部として作業員名簿作成が義務化されたため、工事完成後の引き渡し日から5年間は名簿を保存する義務があります。

元請けの義務として規定されていますが、下請け業者としても自社で作成した名簿の控えを同様に保管しておくことが望ましいです。

保存期間中に監督行政庁から提出を求められる場合も考えられますし、万一工事後に問題(労災の後遺症や賃金未払い等)が生じた場合に証拠資料ともなります。

5年間のカウントは工事ごと(引き渡し日基準)なので、複数現場の名簿を扱う際は現場ごとに廃棄時期を管理しましょう。

例えば、工事引き渡しが2025年3月なら2030年3月までは保管といった感じです。

保存期間を過ぎ不要になった名簿は、個人情報なので、適切に廃棄します。期間内は厳重に保管し、紛失や破損がないよう注意しましょう。

参照:厚生労働省

電子データでの取り扱い方を確認する

近年では、作業員名簿をはじめとした安全書類を電子データでやり取りするケースも増えています。建設キャリアアップシステムから名簿情報を出力したり、クラウド上でグリーンファイルを管理するサービスを導入したりして、ペーパーレス化を進めている企業も多いでしょう。

電子データで名簿を取り扱う際には、以下の点を事前に確認・対応しましょう。

  • 元請けの受領方法:元請けが電子提出を許可しているか確認する。専用システムへのアップロード指定やメール提出許可など、現場ごとのルールに従い、紙での提出が必要な場合は印刷して持参する
  • データ形式:一般的にはPDF形式で提出する場合は多いが、エクセル様式のまま送るよう指示されることもある。提出先の指定するファイル形式で用意する
  • セキュリティ:個人情報ファイルをメール送付する際は、パスワード付きZIPに圧縮するなど情報漏えい防止策を講じる。クラウドシステムを使う場合も、アクセス権限の管理や通信の暗号化をしておく
  • 電子保存:自社内で名簿を電子保存する場合、バックアップを取るとともに、改ざん防止のためPDF化して社内保管用とする方法がある。保存期間満了時に確実に削除できるよう、保管場所と期限を記録しておく

このように、デジタルで名簿を扱う場合は便利な反面、新たな注意点もあります。紙と同等に扱うことを基本に、提出先のルールに従って正しく運用してください。

社内外でシステム導入が進んでいる場合は、担当者同士で操作方法や注意事項を共有し、安全な名簿管理を目指しましょう。

建設業の書類作成はアウトソーシングもおすすめ

建設業で作成な書類の作成は、アウトソーシングサービスの利用もおすすめです。

従業員のリソースがひっ迫している場合や、書類作成に対応できる人材が不足している場合などは、アウトソーシングサービスを活用すると、少ない工数で書類を作成できます。専門的な知識を持っているスタッフが対応するため、作成の難易度が高い書類も正確に作成できます。

弊社では、建設工事に必要な業務書類の作成に対応している建設業特化の事務代行サービス「ツクノビ事務」を提供しています。建設業に必要な書類の作成はもちろん、図面の作成、写真データ整理など、幅広い業務を代行できます。ツクノビ事務では、倍率200倍の選りすぐりの専任スタッフが対応いたします。

建設業に必要な事務を効率化したい方は、ぜひこちらからお問い合わせください。

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【まとめ】作業員名簿は工事の効率化や透明性を高める書類!適切に作成しよう

作業員名簿は工事現場の安全管理と情報共有に欠かせない書類です。建設業法施行規則で作成が義務づけられており、誰がどの現場で働いているのかを把握するために必要となっています。

適切に作成された名簿は、現場での緊急時対応や労務管理を円滑にし、工事全体の効率化と透明性の向上につながります。

今回解説したように、各項目の正しい書き方や注意点を押さえておけば、初めて名簿を作成する場合でも戸惑うことはありません。

ぜひ、最新の様式とルールに沿って丁寧に作業員名簿を作成し、現場運営に役立ててください。適切に整備された作業員名簿を活用して、安全で円滑な工事遂行を目指しましょう。

作業員名簿の概要安全書類作成代行サービスおすすめ5選!についてはこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。

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