防水工事業の独立に必要なものとは?独立しやすい理由や注意点も解説

建物建設の最終工程には「防水工事」というものがあります。
漏水リスクに対抗する上で、住居や工場などの建築物からトンネルのようなインフラ設備まで全ての建築物に対して必要不可欠な仕上げの工程です。
近年増加傾向にあるゲリラ豪雨や台風国である日本において、需要が拡大している点からも独立に向けて計画をしているビジネスマンも少なくないはずです。
そこで今回は防水工事の内容や独立に関するテーマでまとめてみました。
防水工事屋で独立を検討している方はぜひご参考ください。

防水工事業は独立すると稼げる?

「賃金構造基本統計調査」において、防水工事屋の平均年収は433万円と 発表されています。このことから防水工事職人や日給契約でも、個人事業規模で職人として独立して日本の平均年収は稼げることがわかります。また、防水業界の市場規模(施工面積ベース)は2022年度において8,159万㎡と、前年度比の101.8%の期待が予測されています。
防水工事は老朽化した建物のメンテナンスが主な仕事内容ですが、新築設備の中長期的なプロジェクトを受注できれば、継続的に大きな収入を得ることも可能です。
独立後は、個人事業か法人になるため、雇用契約ではなく業務委託契約が主流の働き方となります。

防水工事業が独立しやすい理由

防水工事業が独立しやすい状況にあるのは、以下の3つの理由があります。

  • 受注が取りやすい
  • 独立を支援している職場が多い
  • 都市緑地法による後押し

上記を順番に解説しましょう。

理由1:受注が取りやすい

そもそも防水工事業界では人材の国外流出や人口減少といった背景から人手不足という問題を抱えています。また、建物の数だけ防水工事やメンテナンスが必要になるため、工事数は増加する一方で人は減り続けるといった状況もあります。
防水工事業にも同じことが言え、令和2年度に厚生労働省は防水工事業の有効求人倍率8.88と公表しています。
つまり、一人に対して8.8件の求人があるため、事業者に対しての発注件数が増加傾向にあることも同様に伺えます。

理由2:独立を支援している職場が多い

防水工事は建築業界の中でも若者の就業率が多く、実績を積みやすいため、早期に独立をする傾向があります。
このような背景から業界全体で、企業からの独立希望者に対する資格支援や独立サポートは一般的な視点とも言えるのです。
独立する前に、企業からの支援を得て技術面を研鑽しながら実績を積む方法は、リスクを考慮する上でもおすすめです。

理由3:都市緑地法による後押し

良質な生活環境の維持および都市の緑地帯を保全する目的として定められた都市緑地法は、防水工事の独立を後押ししています。
緑地の維持には多くの水分が不可欠であるため、土台となる部分の防水強化のために様々な支援や助成金を受けることが可能です。
ただし、敷地面積や緑化重点地域などの条件がありますが、新規建築物でも再整備でも対象となっており受け口は広くなっています。

防水工事業が独立するために必要なもの

需要の増加と環境や技術面の多様化から、防水工事は稼げる事業であることがわかりました。
ではこれから防水工事業で独立するにあたって、必要なものを紹介していきましょう。

1:建設業許可

将来的に事業規模や売上を拡大していきたい方は、建設業許可が必要となります。
というのも、一件の請負代金が500〜1500万円を超える場合に、建設業許可がないと施工ができないからです。以下は建設業許可が必要な場合の防水工事です。

〈建築一式工事の場合〉
工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事

〈建築一式工事以外の場合〉
工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

引用元:国土交通省ホームページ

小規模で事業を行う方には必要ありませんが、大型建築物の工事や高額予算が降りる工事を請け負う場合には、建設業許可が必要不可欠となります。

2:開業資金

防水工事業の開業において、必要な資金は1,000万円以上が理想です。
これは将来的に法人化して事業規模を拡大したい場合の最低資金と考えてください。
まず、建設業許可を取得して開業するまでに500万円以上の資本金が必要となります。建設業許可の所在地を自宅にすることができないため、新たに事業所を契約しなければならないからです。
さらに、当面の運転資金が必要となるため1,000万円以上を見積もっておくとよいでしょう。
小規模で運転していく際には、建設業許可を取得する必要もないため最低500万円程度の予算感で問題ないでしょう。ただし、必ず仕事を受注できるとは限らないためできるだけ多くの自己資金を用意することが望ましいです。
自己資金が足りない方は、最初に創業融資を申請するか、独立後2〜3年事業を継続させて小口融資を申請する方法もあります。
ただし、どちらもある程度の自己資金や、綿密に作られた事業計画書が必要となります。

3:工具備品類

防水工事業で独立する際に必要な工具備品は、これまでに利用してきた物でも問題ありません。具体的には以下のものがあげられます。

  • 金づち
  • ノコギリ
  • ドリル
  • ヘルメット
  • ゴーグル
  • グローブ
  • 安全靴
  • 移動用の車両
  • 防腐薬剤
  • 救急医療品
  • その他消耗品

車両を除けば20万円以内で用意することができます。
事業規模の拡大を考えている方は、将来的には工具備品を増やす必要があります。現場での労働災害に備えて、応急処置のために衣料品はかならず揃えておきましょう。

防水工事業として独立する際の注意点

防水工事業で独立するに当たって注意すべき点が3つあります。

  • 資格・実績を先に取得する
  • 開業資金を正確に把握する
  • 支払い方法に関して知っておく

上記を順番に解説しましょう。

注意点1:資格・実績を先に取得する

防水工事業に資格は必要ではないものの、若年層の業界定着や評価に応じた処遇の是正などといった目的が存在します。
国土交通省によると、資格と就業日数を基準に、防水施工に関する能力評価基準を設けています。
以下、レベル1〜4の能力評価基準をご紹介します。

レベル1:見習い
建設キャリアアップシステムに技能登録され、レベル2〜4の判定を受けていない者。

レベル2:中堅技能者
①就業日数645日(3年)以上
②保有資格
2級防水施工技能士
玉掛け技能講習
有機溶剤作業主任者技能講習

レベル3:職長
①就業日数1505日(7年)以上
②レベル2の基準を満たす
③班長・班長としての就業日数が215日(1年)以上
④保有資格
1級防水施工技能士

レベル4:高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)
①就業に数2150日(10年)以上
②レベル2〜3の基準を満たす
③職長としての就業に数が645日(3年)以上
④保有資格
登録防水基幹技能者
優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)

参照元:国土交通省「防水施工技能者能力評価基準

注意点2:開業資金を正確に把握する

防水工事業の独立には、事務所の初期費用や賃料に加え工具備品などの購入が必要です。
また、法人設立の際には、株式会社の場合に定款認証費用と登録免許税で20万弱、合同会社の場合で登録免許税の6万円が必要となります。
さらに運転資金と人件費と、赤字でも6ヶ月は会社を維持できるほどの資金があれば望ましいです。独立前に必要な開業資金の見積もりを必ず把握しておきましょう。

注意点3:支払い方法に関して知っておく

防水工事業の独立後は、支払いや経費精算を全て自分で管理しなければなりません。他事業で独立経験がある方は、経理の面倒さが身に染みているはずです。
防水工事業の経費精算に特別な決まりはありませんが、曖昧な方が作業は複雑になります。
税務署には工事に係る入札書や注文書のサンプルがあるので、独立を検討されている方は一度目を通しておくと良いでしょう。

【まとめ】防水工事業は独立しやすい!必要なものや注意点についても要チェック

防水工事業は需要が高く独立後も稼ぐチャンスは多いです。
ただし、独立後に活躍するためには資格の取得が確実に有利である他、事業拡大に向けて資金調達の必要性もあります。
防水工事に関わらず独立や起業は苦労するものです。
しっかりとした事業計画を立て、自分にできることとできないことの棲み分けを行い、着実に売上を立てていきましょう。
これだけの作業を一人でできるのか?独立後すぐにアポイントを獲得できるのか?と不安に感じる方は、建設業に特化した営業代行を提供する「ツクノビ」までお気軽にご相談ください。

※弊社の営業代行サービスツクノビセールスは、
【効果が出なければ全額返金プラン】を新たにスタートさせました!
ツクノビ_建築建設業界特化の営業代行
詳しくは👆👆👆のバナーをクリック!!