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皆さんの中には電気通信工事業で建設業許可の取得を考えられている方もいらっしゃるでしょう。しかし建設業許可は取得の要件も複雑で、必要な資格や書類についてお悩みの方も多いでしょう。そこで今回は電気通信工事業での建設業許可を取得するための必要資格や要件について詳しくご紹介していきます。
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電気通信工事の主な仕事内容とは
まず初めに電気通信工事業の業務内容からご紹介していきます。電気通信工事業の主な事業内容は情報通信設備の設置です。
- LAN工事
- 電話工事
- 光ケーブル敷設工事
主に上記の情報通信設備の設置や敷設が業務内容ですが、設備の保守は業務内容には含まれません。
電気通信工事の建設業許可取得の要件
続いて電気通信工事業の建設業許可取得要件について詳しくご紹介していきます。建設業許可の取得には全部で6つの要件を満たす必要があります。
- 経営業務の管理責任者が常勤していること
- 専任技術者の常勤
- 誠実性があること
- 一定以上の財産的基礎があること
- 欠格要件に該当しないこと
- 社会保険への加入
続いてこの6つの要件についてご紹介していきます。
1.経営業務の管理責任者
電気通信工事業の建設業許可を取得するための一つ目の要件は経営業務の管理責任者の常勤です。建設業は業態の特殊性のため、建設業許可を受けるために一定以上の経験を有した経営業務の管理責任者の常勤が要件に課されています。経営業務の管理責任者の条件は以下の通りです。
- 建設業に関して5年以上、経営業務の管理責任者としての経験を有していること。
- 建設業に関して5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験を有していること。
- 建設業に関して6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として、経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有していること。
また常勤役員の建設業における経営経験が5年に満たない場合でも、この役員を補佐者と合わせて経営業務の管理責任者の要件を満たすことができます。
- 建設業に関し二年以上役員等としての経験が有り、五年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の経験が有る者+財務管理の業務経験、労務管理の業務経験、運営業務の業務経験について5年以上の経験を有する補佐者
参考: https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000082.html
2.専任技術者
続いて建設業許可の取得に必要な二つ目の要件である専任技術者の常勤についてご紹介していきます。建設業許可の取得には、各営業所への専任技術者の配置が必須の要件となっています。専任技術者とは請負契約を適正な価格で締結し、契約を履行するための専門知識を持ち合わせている技術者のことです。建設業の請負契約は他の業種と異なり特殊であるため、専任技術者の配置が必須となるのです。また、専任技術者の条件は、申請を行う許可が一般建設業か特定建設業かに応じて異なります。この詳細に関しては後述いたします。
3.誠実性
国土交通省が定めるところによれば、建設業許可の取得には「誠実性」も必要とされています。いささか抽象的な要件に思われますが、この誠実性は請負契約に基づいて長期間に渡る工事を受注する建設業事業者にとって欠かせないものです。適正な価格での請負や契約内容の遵守などに関して誠実性は必須の要件なのです。
4.財産的基礎
電気通信工事業の建設業許可を取得するためには一定以上の財産的基礎も必要です。この財産的基礎に関しても一般建設業か特定建設業かによって条件が異なります。続いてそれぞれの場合について詳しくご紹介していきます。
一般建設業の場合
一般建設業許可に必要な財産的基礎は以下の二つです。
- 500万円以上の自己資本を有していること
- 500万円以上の資金調達能力があると認められること
建設業許可に必要な500万円がない場合の対処法
「建設業許可を取得したいけど500万円も手元にない・・・」このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような場合には以下のような対処法で解決できます。
- 複数の口座に入っているお金を1つにまとめる
- 入金のタイミングで残高証明書を取得する
- 資金を調達する
詳しい内容や、資金調達に関する注意点などは以下の記事で分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可に必要な500万円がない場合はどうする?資本金が足りない場合の対処方法をご紹介!
特定建設業の場合
特定建設業許可における財産的基礎は以下の4つの要件を満たす必要があります。特定建設業の財産的基礎要件は一般建設業の要件に比べて複雑です。
欠損比率20%以下であること | 欠損比率とは以下の式で求められます。 繰越利益剰余金のマイナス額-(資本剰余金+利益剰余金+繰越利益剰余金を除外した利益剰余金)÷資本金×100 この割合が20%以下であることが条件です。 |
流動比率75%以上 | 流動比率は賃借対照表を参照して計算することができます。賃借対照表の流動資産を流動負債で割ったものが流動比率です |
資本金2,000万円以上 | 資本金は申請直前の確定申告を元に判断します。 |
純資産額4,000万円以上 | 貸借対照表を参照して純資産の部の合計額が4000万円以上あることが条件です。 |
5.欠格要件
申請者並びに役員が欠格要件に該当する場合は建設業許可を受けることができません。欠格要件とは建設業法に定められている14の要件を指します。欠格要件の内容は破産者や建設業許可を取り消された者といった要件から、暴力団と関わりがある者など様々です。
6.社会保険への加入
建設業許可の申請のためには社会保険の加入も必須です。以前は必須の要件ではありませんでしたが、2020年から加入が必須となっています。加入が義務付けられている社会保険とは以下の三つです。加入が義務化される前に建設業許可を取得された事業者の方は、許可の更新前に加入が必要です。
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
【一般建設業】電気通信工事業の専任技術者の要件
先程もお伝えしたように専任技術者の要件は一般建設業と特定建設業とで異なります。まず初めに一般建設業許可の要件からご紹介していきます。専任技術者になるためには以下の三つの要件のいずれかを満たす必要があります。
- 所定の国家資格を有している
- 指定学科卒業+電気通信工事の実務経験がある
- 電気通信工事の実務経験が10年以上ある
所定の国家資格を有している
専任技術者の一般建設業における要件の一つ目は指定の国家資格の所持です。
- 一級電気通信工事施工管理技士
- 二級電気通信工事施工管理技士
- 技術士法における電気電子・総合技術監理(電気電子)
- 電気通信事業法の電気通信主任技術者
指定学科卒業+電気通信工事の実務経験がある
資格の取得以外にも、指定の学科の卒業に加えて一定期間以上の電気通信工事業経験があれば専任技術者の要件を満たすことができます。
- 高専・大学で電気工学または電気通信工学に関する学科の卒業に加えて、3年以上の電気通信工事業の実務経験
- 高校で電気工学または電気通信工学に関する学科の卒業に加えて、5年以上の電気通信工事業の実務経験
電気通信工事の実務経験が10年以上ある
上記の資格を所持していない場合は10年以上の実務経験を証明することで専任技術者になることができます。実務経験の証明に必要な書類は申請を行う行政機関ごとに異なりますが、工事請負契約書や注文書、請求書、入金確認資料によって実務経験を証明できます。
【特定建設業】電気通信工事業の専任技術者の要件
続いて特定建設業における専任技術者の要件についてご紹介していきます。特定建設業の専任技術者は以下の二つの要件のいずれかを満たす必要があります。
- 所定の国家資格の所持
- 2年以上指導監督的な実務経験
所定の国家資格を有している
特定建設業における専任技術者に必要な国家資格は以下の通りです。
- 一級電気通信工事施工管理技士
- 技術士法における電気電子・総合技術監理(電気電子)
2年以上指導監督的な実務経験
資格ではなく実務経験で申請する際には一般建設業許可の要件である以下いずれかに加えて
- 指定学科卒業+電気通信工事の実務経験がある
- 電気通信工事の実務経験が10年以上ある
元請の指導監督的立場として4500万円以上の工事を2年以上の経験が必要です。
建設業許可申請の手順
建設業許可取得の要件を全て満たしており、実際に申請してみたいと思う方はこちらの記事で申請手順や必要書類、申請にかかる費用などを詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可申請の流れとは?必要な理由や申請の手順を完全解説!
建設業許可なしで工事を行ったときの罰則や罰金
建設業法で定められた、建設業許可が必要な工事を、許可なしで行った場合は法律違反となるため、罰則や罰金が科されます。
建設業法の違反に対しては、その犯した違反の程度に応じて様々な罰則が課されます。そのなかでも無許可で工事を受注した際には「300万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役」という最も重い罰則が科されますので注意が必要です。
以下の記事では、実際に無許可で工事を請け負い、逮捕された事例なども詳しく紹介していますので、必ず目をとおしておきましょう。
建設業許可なしで請負うとバレる?建設業許可なしで行ったときの罰則や罰金などを解説
【まとめ】電気通信工事業の必要資格を正しく理解して建設業許可を取得しよう
今回は電気通信工事業における建設業許可の取得方法についてご紹介してきました。建設業許可の取得には全部で6つの要件を満たす必要があります。また財産的基礎や専任技術者の要件は申請が一般建設業か特定建設業かによって異なるためしっかりとした準備が必要です。是非今回の記事を参考にして許可取得の準備をしてみてください。
建設業の実務経験証明書の書き方と記入例や必要書類はこちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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