建設業の「許可票」とは?必要な理由と書き方についても解説!

工事現場に掲げられている、工事目的や施主名、工事時期などが書かれた大きな看板を誰でも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。この看板は、建設業許可票と名づけられています。建設業の許可票は、ただ形式だけで掲示されているものではなく、目的と意味を持っています。許可票はどのように準備するのか、また提示は義務なのか、どのような内容を載せるべきかなど、その詳細について以下で説明していきたいと思います。

建設業の許可票とは?

建設工事を行う際は、建築一式工事の場合は材料費を含む請負金額の合計が1,500万円以上、それ以外の工事で500万円になる場合には、建設業許可を受けなければならないことが、建設業法で定められています。施工会社は近隣住民に向けて、経験や技術があり、行政機関から建設業を行ってよいという許可を受けていることを証明しなければなりません。そのための建設業許可票なのです。金や銀のプレートに印字して作られるケースが多いため、「金看板」とも呼ばれています。

許可票の取得は義務?

建設業許可票の取得は、実質上義務となっています。なぜなら、許可票を提示しない場合は10万円以下の罰金が処される可能性があるからです。建設業許可を取得しても、行政機関からは保存を目的としたペーパー上の許可通知書が届くだけですので、工事の際に許可を受けていることを周知できるようにはなりません。そのため、許可票を企業自身で用意し、大衆から見えやすい場所に設置することで許可を得ている工事であることをアピールする必要があります。

許可票の書き方

許可票の取得と掲示は、建設工事を行う上では欠かせないものと言えます。先ほども述べたように、許可票は配布されるものではないので、企業自ら用意しなければなりません。許可表に記載する内容や、許可票のサイズまでもが建設業法で定められているので、そちらに準ずる形で書く必要があります。また許可票には大きく分けて企業に掲げる店舗用と、工事施工を行う現場に掲示する現場用の2種類が存在し、それぞれで記載すべき内容は異なります。詳しくは後程解説していきます。

許可票のサイズ

許可票のサイズは、「店舗用」と「現場用」で異なります。店舗用の許可証は、「縦35cm以上/横40cm以上」が基本です。営業所ごとに作成する必要があり、5年以上は掲示されることになりますが材質には特に指定はありません。現場用の許可証のサイズは「縦25cm以上/横35cm以上/長方形」と建設業法施行令で定められています。こちらも材質に解く指定はありません。Excelで作成した表をラミネート加工する例も近年では目立ってきています。

建設業の許可票が必要な理由とは

建設業許可は、発注者の保護と手抜き工事の防止という視点で行われています。工事完成前に元請け企業が倒産するリスクを防止するために、一定規模以上の工事には建設業許可申請を行うことを義務付けました。また、建設工事は受注生産になるだけではなく、専門的な技術と知識の元で行われるので、欠陥工事があったとしても発注者や消費者に気づかれないという問題があります。そこで建設業許可制度を設けることで、一定の基準を満たす技術者と責任者を確保し、不適切な業者を排除しているのです。

建設業の許可票が必要な場所

建設業許可票を掲示する場所は、どこでも良いという訳ではありません。設置する場所は建設業法で定められています。まず、建設業許可を取得したら、企業の本店・支店・営業所に掲示する必要があります。こちらがいわゆる「店舗用」と言われる建設票です。さらに、実際に工事を行っている現場でも、人目に付きやすい場所に建設業の許可票を掲示し、安全な工事であることを周知させる必要があるのです。こちらがいわゆる「現場用」と言われる許可票です。

建設業の許可票に記載する内容

許可票に記載すべき事項は法律で細かく決められているので、企業はそれに準ずる形で許可票を用意しなければなりません。先述したように許可票には企業の事務所や営業所用の店舗掲示と、工事現場に掲示する現場掲示の2種類が存在します。双方が建設業法による許可を受けた適切な業者であることを提示するという目的があります。しかし、それぞれ記載する目的が異なるために、内容も若干異なります。それぞれに記載すべきと定められている内容について以下で説明しましょう。

店舗に提示する内容

店舗掲示用の許可証に記載すべきと定められている内容は以下の5つです。
①一般建設業又は特定建設業の別
②許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
③商号又は名称
④代表者の名前
⑤この店舗で営業している建設業の業種
②の許可番号とは、建設業を行う業者として許可されていることを示す、事業者固有の番号です。こちらを確認することで事業者の信頼性が計れます。しかし建設業許可の有効期間は5年なので、新しく申請をしたら番号が変わるため、こちらの許可番号を書き換える必要があります。

工事現場に掲示する内容

工事現場に掲示する許可表に記載すべき内容は以下の5つです。
①一般建設業又は特定建設業の別
②許可年月日、許可番号及び許可を受けた建設業
③商号又は名称
④代表者の名前
⑤主任技術者又は監理技術者の氏名
①から④の項目は店舗用とまったく同じですが、⑤が店舗掲示用は建設業の業種を示すのに対して、現場用は主任技術者と監理技術者の氏名という点が異なります。主任技術者の氏名だけではなく、資格と資格者証取得番号を記載するフォーマットが一般的です。

【まとめ】建設業の許可票は義務!掲示していないと罰則があるので要注意

建設業の許可票は、法律で定められております。交付されるものではないので用意する必要がありますが、その際は店舗用、現場用それぞれの記載内容とサイズを用意しなくてはなりません。店舗用は建設業許可の有効期間である5年間同じ場所に掲示する必要がありますが、現場用は工事が終われば外して構いません。ただ形式に準ずるだけではなくそれぞれの目的と意味合いを理解したうえで適切な形で用意し、技術と経験がある業者であることを第三者へアピールしましょう。