測量士試験の難易度は?取得するメリットや勉強法などを解説

測量 士 難易 度

「測量士の資格を取得を考えているけど、難易度ってどのぐらい?」このような疑問を持っている方も多いでしょう。
この記事では、測量士の難易度・測量士試験の概要・難易度が高い4つの理由・必要な勉強時間・試験を受けずに資格を取得する方法などについて紹介します
。測量士を受験する際に役立つ情報が多数あるので、ぜひ参考にしてみてください。

測量士の難易度は高い

測量士の難易度として、令和5年(2023年)の合格率は10.3%です。この数値から見ると、測量士の試験の難易度は高いと言えます。下記の表をご覧ください。

受験者数(人)合格者数(人)合格率
令和5年3,66737910.3%
令和4年3,19446014.4%
令和3年2,77349717.9%
令和2年2,2761767.7%

上記の表を見ると、測量士の合格率は低い年で7%前後、高い年で17%前後となっています。こんなにも数字に差が出る理由として、測量士の試験は集団での順位に関わらず、個人の能力に応じて評価する「絶対評価」ということが挙げられます。

測量士試験の概要

ここからは、測量士試験の概要を紹介します。具体的には、下記の通りです。

  • 受験資格
  • 試験内容

測量士試験のスケジュールや受験資格が自分にはあるのか疑問を持っている方は、ぜひ下記を参考にしてみてください。

受験資格

“測量士の受験資格は、性別・年齢・実務経験など一切関係なく、誰でも受験することができます。また測量士としての仕事をしたいことがない未経験の方でも受験可能です。

測量士の試験は、専門性の高い知識が問われる試験です。ある程度業界の知識や測量に対する関心がない方には、受験は難しいでしょう。独学で受験するのではなく、講座を受けるなどして受験対策することが重要です。

試験内容

測量士の試験内容は、午前と午後に分かれています。具体的には、下記の通りです。

  • 午前:択一式(5択) 全28問
  • 午後:必須1題と選択4題の中で2題選択 各設問数4問

また午前の測量士の試験科目は、下記の通りです。

  • 多角測量
  • 水準測量
  • 地形測量
  • 写真測量
  • 地図編集
  • 応用測量
  • 地理情報システム
  • 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
  • 汎地球測位システム測量

午後の測量士の試験科目は、下記の通りです。

  1. (必須問題)測量法、水準測量など
  2. (選択科目の問題)
    選択1 基準点測量
    選択2 地形・写真測量
    選択3 地図編集
    選択4 応用測量

測量士と関連資格の難易度を比較

「測量士のほかにも、資格を受けようと思っている」このような方も多いでしょう。ここからは、測量士を受験しようと思っている方が、受験を検討している資格の難易度をそれぞれ紹介します。

  • 測量士補との比較
  • 土地家屋調査士との比較

測量士補との比較

測量士補とは、測量士と同じように土地の位置や形状を測定できる資格です。基本的には、測量士の補助をするのが仕事です。

測量士補の合格率は、過去5年間で約35.7%となっています。下記の表をご覧ください。

受験者数(人)合格者数(人)合格率
令和5年13,4804,34232.2%
令和4年12,5565,54044.10%
令和3年12,9054,49034.8%
令和2年10,3613,13830.3%

測量士と比較すると、測量士補は択一式問題のみが出題される傾向があります。本屋などにいくと、過去問題集やテキストなどが出版されているので、合格率は比較的高い傾向にあります。

土地家屋調査士との比較

土地家屋調査士とは、不動産の専門家として、売買や申請の手続きをする仕事です。土地家屋調査士の合格率は、例年10%前後と言われています。下記の表をご覧ください。

受験者数(人)合格者数(人)合格率
令和4年4,4044249.62%
令和3年3,85940410.47%
令和2年3,78539210.36%

土地家屋調査士は、測量士よりも難易度が高く、合格率が低くなっています。ですが、土地家屋調査士と測量士両方の資格を取得しておくと、不動産の売買時に土地の測量計画書の作成や実際の測量などを行うことが可能です。

測量士試験の難易度が高い4つの理由

測量士試験の合格率を見ても、難易度の高さが伺えます。その理由としては、下記の理由が挙げられます。

  • 最新の測量技術が必要
  • 実務に即した問題が出題される
  • 地理や数学の知識応用が必要

下記で詳しく見ていきましょう。

最新の測量技術が必要

測量士試験が難しい1つ目として、測量士は測量技術に対する最新の知見が必要です。測量作業をイメージしながら、学習を進めていく必要があります。また本屋さんなどでは、測量士の過去問が販売されており、解説書の解答例も記載されている場合もあります。

解答例のみで満足するのではなく、ほかの方法も考えてみることで応用力が身につくでしょう。測量士は、日々学習することが大切です。

実務に即した問題が出題される

測量士試験が難しい2つ目として、測量士の試験は測量の実務を経験している方が有利です。そのため、実務経験がない方は実際に測量するイメージをしながら、学習を進めていくことが重要となります。

また過去問などでは、解答例が記載されている場合も多いですが、解答例だけで満足せず、ほかの方法も考えながら勉強を進めていくといいでしょう。

地理や数学の知識応用が必要

測量士試験が難しい3つ目として、測量士は地理情報システムや地図の投影など、レベルが高い問題が出題されます。そのため、地理や数学の知識や応用が必要になるケースが多いです。数学といっても足し算や割り算のようなレベルの問題ではありません。

具体的には、三角関数に関連する問題や地心直交座標系のグラフを読みとっていく力が必要となります。専門性を要する知識が問われるので、こういった問題は解けるようにしておく必要があります。

幅広い知識が必要

測量士試験が難しい理由の4つ目として、幅広い知識が必要だからだと考えられます。具体的には下記のようなことが挙げられます。

  • 測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
  • 多角測量
  • 汎地球測位システム測量
  • 水準測量
  • 地形測量
  • 写真測量
  • 地図編集
  • 応用測量
  • 地理情報システム

上記のような項目の試験は、暗記だけでは難しいでしょう。測量方法や計算方法をしっかりと把握しておく必要があります。

測量士資格を取得するメリット

測量士資格を取得するメリットは、主に下記の内容が挙げられます。

  • 転職や就職で有利
  • 仕事がすぐになくなることがない

測量士の資格を持っておくと、転職や就職で有利にはたらく場合が多くあります。たとえば、転職先の面接で高評価を得られる場合もあります。ほかにも待遇をよくしてもらえる場合もあるでしょう。

また、測量士の資格を取得しておけば、仕事がすぐになくなることは少ないでしょう。理由として測量業者の場合、測量士を配置しておく義務があります。そのため、長期的に働ける場合が多いです。

測量士試験の勉強方法

「測量士試験の勉強方法を具体的に知りたい」このような疑問を持っている方も多いでしょう。具体的な勉強方法は、下記の通りです。

  • 新しい測量技術をよく知る
  • 実際の測量作業をイメージしながら勉強する
  • 出題範囲全体の知識を身につける
  • 過去問を解く
  • 通信講座を利用する

下記でそれぞれ詳しく解説します。

新しい測量技術をよく知る

測量士に求められる専門知識は常に更新されていくため、新しい測量技術の理解が試験対策には必須です。近年ではドローンや3Dスキャナー、GIS(地理情報システム)といった技術の進化が著しく、測量業務もそれに伴い変化しています。

試験で問われる知識は、古典的な手法だけでなく、こうした最新の技術動向にも精通している必要があります。そのためには、専門書籍の読解やオンラインのセミナー・コースを受講するとともに、実務での知識の応用にも意識を向けることが大切です。

実際の測量作業をイメージしながら勉強する

測量士の業務は図面や地図の作成、土地の測量など多岐にわたるため、ただ理論を学ぶだけでなく、実際の作業を想定して学習を進めることが有効です。

例えば、測量機器の扱い方や現地でのデータ取得方法を想像しながら、測量に関する法規や測量学の原理を学ぶことです。また、図面の読み取り方や測量データの解析方法を実例に即して習得するとより実践的なスキルが身に付きます。

出題範囲全体の知識を身につける

測量士試験への挑戦では、出題範囲全体を広く深く学ぶことが重要です。たとえ部分的に知識が豊富だとしても、試験全体を通じた総合的な理解がなければ合格は難しいでしょう。

出題範囲は、法規・測量実務・土地台帳法・応用測量学など多岐にわたります。それぞれのセクションに対し、基本書や過去問の綿密な分析を行い、知識の習得と理解を深めることが必須です。

過去問を解く

測量士試験の勉強には、過去問を解くことが非常に重要です。過去問は、過去の試験で出題された問題が含まれており、実際の試験に近い形式で問題を解答できるでしょう。過去問を解くことにより、問題の傾向や出題範囲を把握し、実戦的な問題解決力を身につけられます。

過去問を解く際には、時間を制限して解くことも大切です。試験時間内に正確に解答するためには、時間配分の訓練もしましょう。過去問を解くことで、試験の雰囲気に慣れ、解答スピードを向上させられます。

通信講座を利用する

通信講座は、忙しい人や遠隔地に住んでいる人にとっては非常に便利な勉強方法です。測量士試験のための通信講座を利用することで、自分のペースで勉強を進めることができます。また、講師からの質問や相談もオンラインでできるため、不安な点や疑問を解消することもできます。

通信講座を選ぶ際には、信頼性のある講座を選ぶことが重要です。評判や口コミを確認したり、無料で試しに受講することができる講座を選ぶこともおすすめです。自分に合った通信講座を選び、効果的な学習を行いましょう。

測量士試験の合格に必要な勉強時間

測量士の試験合格に必要な勉強時間の目安として、最低でも500時間は必要でしょう。もちろん実務経験がある方や勉強した経験がある方などは、もっと少ない時間でも合格は可能です。

自分の得意・苦手な分野を研究し、合格に向けてスケジュール管理することが大切です。具体的には「1日3時間は勉強する」「休日は最低5時間」など、細かくスケジュールを決めておくことで、合格に近づけます。

測量士資格を試験を受けず取得する方法

「測量士試験を受けずに資格を取得できる方法ってあるの?」このような疑問を持っている方も多いでしょう。結論から言うと、指定の学校を卒業して実務経験を積めば資格試験を受けずに資格を取得できます。具体的には、下記の通りです。

  • 指定の大学を卒業の場合・・・実務経験は1年以上
  • 指定の短大や高等専門学校卒業の場合・・・実務経験は3年以上
  • 測量の養成施設卒業の場合・・・実務経験は2年以上

測量士試験に関するよくある質問

ここからは、測量士試験についてよくある質問を2つ紹介します。具体的には、下記の通りです。

  • 測量士試験は独学でも合格できる?
  • 測量士試験は文系の方が難易度は高い?

この2つを詳しく紹介します。

測量士試験は独学でも合格できる?

「測量士試験は独学でも合格できるの?」このような疑問を持っている方もいるでしょう。結論から言うと、独学でも時間をかけることで、合格できる可能性はあります。

ただし、測量士は計算問題が多く専門性が高い試験です。専門の学校や通信講座などを利用せずに合格を目指そうとすると、時間がかかってしまう場合が多いです。

測量士試験は文系の方が難易度は高い?

「計算問題などが多く出題される測量士の試験は、文系の方が難易度が高い?」このような疑問を持っている方も多いでしょう。結論から言うと、文系でも測量士の試験に挑戦できます。

ただし、学校では学んでいない数学の知識を身につけなければならないこともあります。また数学の知識がない方は、過去問とは別に参考書などを利用して勉強していく必要があります。

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【まとめ】測量士試験の難易度は高いが独学でもしっかり勉強すれば取得できる

いかがでしたか?測量士試験は、合格率が10%前後と比較的難易度が高い傾向があります。その理由として、最新の測量技術が必要だったり、実務に即した問題が出題される傾向があるからだと考えられます。

「数学に自信がないから、測量士試験の合格は難しいかも」

このように感じる方も多いでしょう。しかし文系の方であっても、数学の知識を身に付けることで、合格を目指せます。これから測量士試験を受験しようと考えている方は、ぜひ上記で紹介した内容を参考にしながら、受験勉強してみてください。

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