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高いお金を支払ってやっと家が建ったのに、施工不良で快適に生活できない、安全性が脅かされるようではがっかりしてしまいます。そこで施工不良が発覚した場合、どのような法律が適用されて、どう対策をしたらよいのかを解説します。絶対に発生させてはいけませんが、もし施工不良が発生した場合に備え、事前に勉強することをおすすめします。
施工不良とは
建築物の設備や仕様などに異常があることを施工不良と言います。施工不良には色々なパターンがありますが、メインとなるものを紹介します。
契約内容に達していない
建築物を建てる場合には、依頼者と業者の間で色々と話し合いを行い、仕様書に基づいて作業が行われます。その際に必ず契約書を取り交わしますが、契約で定められた通りに作られていなければ、たとえ品質の高い建物であっても施工不良とみなされます。契約書を交わしてお金のやり取りが発生している以上は、注文通りに作らなければいけません。
法令に違反している
建築物を建てるときは、建築基準法に則って作業を進め、安全性の高い建物を作らければいけません。建築基準法は建物の利用者の安全を守るために法令であるため、違反している場合は施工不良と位置付けられます。法令に違反している主な施工不良には、
- 耐震強度が十分ではない
- 耐火性に問題がある
- 階段の幅が足りていない
- 建ぺい率や容積率がオーバーしている
などがあります。建築基準法に違反していれば、当然処罰の対象になるので注意しましょう。
一定の施工水準を満たしていない
外壁の塗装が明らかに酷い状態だった場合や、柱や壁などが一目見ただけで変形しているのがわかるなど、一定の施工水準を満たしていない場合も施工不良です。建築関連の知識や仕事の経験がない人が見ても酷いことがわかる状態なら、施工不良に該当します。他にも建物の利用者の健康が悪化する危険性が高い状態、安全性が守れない状態も含まれます。
施工不良の事例
施工不良について詳しく知りたいのであれば、事例を参考にするのがよいでしょう。そこで施工不良の事例を紹介するので、参考にしてみてください。
作業漏れによる施工不良
最初に紹介するのは、作業漏れによる施工不良です。作業漏れとは、本来行わなければいけない作業が行われていない状態を指します。例えば、排水管の接続が正しく行われていないなどです。排水管の接続が正しく行われていないと、水を使ったときに水漏れが発生します。実際にユニットバスの排水管の接着漏れにより、床下が浸水した事例もあります。
建材の用途外使用による施工不良
建材にはたくさんの種類があり、きちんと使用方法が定められています。しかし、同じ目的で使用する物にも、複数種類が存在し、使用する建材や目的に合わせたものを選択しなければいけません。シーリング材を例に挙げてみると、シリコーン系やアクリル系などがあります。目的に合わせて使わなければ、ひび割れなどが発生しやすくなります。実際シーリング材の使用用途を誤り、すぐに劣化してひびが入った事例がありました。
施工不良が発生する原因
建設工事も人間が行うので、完全に施工不良を防ぐのは難しいです。しかし、施工不良は大きな事故にも繋がるため、必ず防ぐ必要があります。では、施工不良はなぜ発生するのかを確認してみましょう。施工不良の原因を知れば、防ぐための対策がしやすくなります。
工期に余裕がない
建設工事には、期限までに完成させなければいけない工期が存在しています。しかし、天候不良や作業員不足などで、工期に余裕がなくなる場合もあります。工期に余裕がなくなると、短い時間で完成させなければいけなくなり、見落としが発生しやすくなるのです。見落としによる施工不良を防ぐには、工期に余裕を持たせなければいけません。
原価を抑えるため低品質な材料を使用・手抜き
建設会社も利益を出さなければ会社が運営できません。そのため、少しでも原価を抑えて利益を大きくするために、安い材料を使った手抜き工事が行われることもあるのです。安い材料でも、十分な性能が備わっていれば問題ありません。しかし、安い材料はそれなりの性能しかない場合が一般的なので、低品質になりやすいです。高品質で利益を生み出せる工事を行わないと、会社経営自体が難しくなります。
作業員の知識・技術不足
建設業界は人材不足と言われているので、現在では積極的に人材確保に努める会社も多いでしょう。しかし、経験の浅い社員に重要な作業を任せると、知識不足や技術不足が原因で、施工不良になるケースもあります。新入社員を増やすことも重要ですが、きちんと指導して一人前の作業員が育つ環境を用意することも大切です。先輩や上司の指導力不足も、知識や技術不足で施工不良が発生する原因です。
施工不良が発生した場合の業者の責任内容
万が一施工不良が発生したら、業者側にはどのような責任が発生するのか解説します。もちろん施工不良を出さないことが最も大切ですが、発生した場合の対処法を知ることも重要です。
契約不適合責任
建物の建築を依頼されたとき、依頼通りに作業を行っていない、十分な品質が保たれていない場合などに発生するのが、契約不適合責任です。契約内容と異なる建築物が納品された場合に発生する責任で、債務不履行責任とも呼ばれます。工事の依頼者は
- 損害賠償の請求
- 契約の強制解除
- 代金の減額請求
- 是正工事の請求
これらの請求や行為が可能です。
不法行為責任
故意に施工不良を発生させた場合も、過失によって施工不良を発生させた場合も、不法行為責任を追及できます。ただし、追及方法は損害賠償のみで、契約不適合責任に比べると、追及できる方法が限られます。不法行為責任を追及するためには、消滅時効にも注意が必要です。時効は依頼者が施工不良だと知った日から3年ですが、生命の危険が及ぶ施工不良の場合は5年と定められています。
施工不良が発生した場合に業者側の免責特約
せっかく購入した家が施工不良であったら、新生活が楽しく遅れないだけではなく、安全面にも不安を抱えなければいけません。もし施工不良が発覚したら、免責特約が設けられる場合があります。そこで施工不良が発生したときの免責特約について紹介します。
10年間の瑕疵担保責任
快適な生活ができなくなる施工不良、建物の安全性が保てないような重要な施工不良が発生した場合、瑕疵担保責任が設けられます。瑕疵担保責任は建物の引き渡しを行った日から10年間有効です。免責や軽減は一切認められないと法律で定められているので、施工業者がどのように免責事項を定めていても、規定はすべて無効です。
消費者契約法により免責が無効になるケース
消費者契約法第8条には、免責事項が無効となるケースが定められています。
- 不法行為や不適合責任の全ての免責
- 全責任の有無を施工業者に決定する権限の付与
- 依頼者の解除権を放棄させる規定
- 解除権の権限を施工業者に付与
- 契約不適合責任を制限し、依頼者の利益を害する規定
これらの事例に当てはまる免責事項があったら、法律によって免責が無効になるので注意しましょう。
施工不良を発生させないための対策
施工不良は発生してから対策をするのではなく、発生させない対策が必要です。では、どうすれば施工不良を発生させずに済むのか確認してみましょう。
チェック表を活用する
施工不良を発生させないためには、作業を行っている本人だけではなく、監督者によるチェックも必要です。2人以上でチェックをすれば、ミスはより少なくて済みます。また、目視によるチェックだけではなく、表を活用することで見落としや効率アップにも繋がります。監督者はチェック表を作成し、現場での活用を徹底しましょう。
見えなくなる部分は写真を撮る
建物には外から見える部分だけではなく、見えない部分も存在しています。見えない部分の例としては、配線や配管などが挙げられます。見えない部分はチェックがおろそかになる場合もあるので、写真撮影をして掲示板など見やすい場所に貼っておきましょう。写真撮影をしておけば、見えない部分をいつでも簡単にチェックできます。
施工不良など建築トラブルの相談先
もし施工不良が発生したら、どこに相談するのか知っておくと安心です。主な相談先は4つあるので、個別に解説していきます。
消費生活センター
独立行政法人国民生活センターと連携し、暮らしに役立つ情報の提供や生活相談などを行っているのが消費生活センターです。建築関連の相談も受け付けていますが、建設関係の相談に特化しているわけではありません。そのため、一般的な内容のアドバイスに留まる場合が多いのですが、消費者ホットラインは、どこからでも無料で相談できることがメリットといえます。
建築士会の建築相談
公益社団法人日本建築士会連合会が運営する建築相談窓口であれば、建築関連専門の相談ができます。日本全国に窓口が設置されており、基本的には無料で利用可能です。しかし、窓口によって電話での対応なのか、対面での対応なのかが異なります。相談できる日時も窓口によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
住まいるダイヤル
建築のプロに相談したい場合には、住宅リフォーム紛争処理センターの住まいるダイヤルがおすすめです。電話で相談をした場合、一級建築士が相談に応じてくれます。電話だけではなく対面でも相談は可能で、無料で相談できるのもうれしい点です。施工不良は裁判に発展することもありますが、弁護士にも相談可能なので安心です。
建築トラブルの実績がある法律事務所
トラブルが発生した場合には、法律事務所に相談する人も多いでしょう。しかし、法律事務所の数はたくさんありますし、対応する弁護士にも得手不得手があります。施工不良で相談をする場合には、建築関連の相談件数が多い、もしくは、施工不良問題でトラブルを解決した実績のある法律事務所を選びましょう。インターネットを活用すれば、簡単に調べられます。
【まとめ】施工不良は工事中の影響で不良個所が発生すること!起こさないための事前対策が大切
今回は施工不良について紹介してきました。施工不良が発生したら、どのように対策するのかを知ることも大切です。施工不良に対してどういった法律が適用されるのか、相談先はどこがよいのかも事前に調べておきましょう。知識があれば、万が一のときもあわてずに対応できます。しかし、施工不良を発生させないことがより大切なのです。
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