所要数量とは?設計数量や計画数量との違い・求め方などを解説

所要数量とは

工事現場で働いていると、所要数量という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。所要数量とは、工事にかかる材料費を計算するために使う数値を指します。しかし他にも設計数量や計画数量など、似たような用語が多く混乱しがちです。

そこで今回の記事では、所要数量について詳しく解説します。所要数量の定義や求め方なども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

所要数量とは

所要数量は、工事現場では欠かせない数値のひとつです。しかし定義や他の数量との違いがわかりづらいと感じる方も多いと思います。はじめに所要数量の定義や設計数量・計算数量との違いを確認しましょう。

所要数量の定義

所要数量は、積算において材料費を算出するために必要な数値です。工事現場の費用を計算するとき、積算という業務を行います。建設工事を行うときの費用をすべて積み上げて工事費全額を計算する業務です。

材料費は「単価×数量」で求められます。しかし、実際に工事を進めると作業ミスや切り無駄など材料のロスが発生してしまい、ぴったりの数量の用意だけでは足りなくなってしまう場合があります。

部材によってロスや施工の失敗を踏まえ、実際の工事で必要な数量よりも多めに算出します。これを所要数量といいます。

設計数量との違い

設計数量とは、切り無駄や施工ミスを一切考慮しないで算出した数量です。設計図に表記されている寸法や個数の数字のみを使って数量を計算しています。

鉄骨や木材などは所要数量を用います。一方で基礎工事に使うコンクリートや塗装工事の部材などは、あらかじめ面積量がわかるため、設計数量を算出して費用を算出します。

計画数量との違い

計画数量とは、設計図には記載されていない仮建物・土木工事などの数量です。設計図には詳細がないため、施工者の工事の内容によって数量が変化します。

工事の際に建てる仮囲いや工事専用道路・安全管理員など、実際に工事を進めた上でわかる数量が含まれています。

所要数量の求め方

所要数量は「設計数量×割増係数=所要数量」で求められます。

割増係数とは、国土交通省が設定する「公共建設数量積算基準」で定められた標準数値です。部材ごとに数値が決められています。例えば、

  • 山留め壁の鉄骨・・・3%
  • 杭に用いる鉄骨・・・3%
  • 鉄筋・・・4%
  • ボルト類・・・4%

など、それぞれ数値が決まっており、設計数量にかけることで所要数量を求められます。

数量拾いのコツ

所要数量を正しく計算するには、数量の拾い出しを的確に行わなければなりません。数量拾いのコツは主に3つあります。

  • マーカーでチェックする
  • 数量算出基準を確認する
  • ソフトを活用する

です。それぞれ詳しく解説します。

マーカーでチェックする

数量拾いをする際は、図面にマーカーを引いてチェックすることがおすすめです。ほとんどの図面は黒・青を用いて書かれていますので、色が被らず目立つピンクやイエローを使用すると、さらにわかりやすくなります。

実際にマーカーを引いて見やすい色を見つけることはもちろん、印刷時に邪魔にならないかなども確認しておきましょう。

数量積算基準を確認する

数量拾いには、「建築数量積算基準」で定められた基本的なルールがあります。数量の表示基準や表し方などが細かく決められています。特に数量の小数点第3位を四捨五入する点は重要です。

他にも、数量拾いではいくつかルールが決まっています。数量拾いをする前に建築数量積算基準を必ず読み、正しい数値を用いて所要数量を求めましょう。

ソフトを活用する

数量拾いは手作業でできるものですが、建物の面積が広かったり、複雑な構造になっていたりすると時間も労力もかかってしまいます。その場合は数量拾いで使える拾い出しソフトを活用することがおすすめです。

ソフトの中には、PDFから面積や個数を拾い出してくれるものや、図面をスキャンしたあとに自動計算してくれるものもあります。うまく活用して効率的に作業を行いましょう。

数量拾いするときの注意点

数量拾いするときの注意点は主に3つあります。

・数量の拾い落としをしない
・四捨五入ミスや計算間違いをしない
・設計図からの転記ミスをしない

数量の拾い落としや転記ミスがあると、実際に工事を進めていって部材が足りなくなってしまったり、現場に必要な材料が届かないなど、トラブルの原因になってしまいます。数量拾いのコツをしっかり掴んで、ミスなく所要数量を計算しましょう。

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【まとめ】所要数量についてよく知って工事費用を正確に算出しよう!

所要数量の計算方法や、計算する際の注意点についてご紹介してきました。所要数量の算出は、工事費用を最低限のコストで抑えるために欠かせないものです。コツを掴んで正確に所要数量を算出し、ミスなく円滑に工事を進めてください。

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