一人親方はどの保険に入るべき?種類や選び方を解説!

会社員とは違い、怪我をしたら収入がなくなってしまうリスクがある一人親方。そのため、一人親方の保険加入はとても重要です。かといって、多くの保険に入りすぎると、費用がかかり、負担になってしまいます。そうならないために、どんな保険があるか、どれが必要なのかをしっかり把握することが大切です。そこで今回は、一人親方に適した保険の種類と、その選び方について解説していきます。「どの保険がいいのか分からない」、「保険料をなるべく抑えたい」、「今入っている保険で問題ないか」と悩んでいる方は必見です。

一人親方が加入するべき保険とは? 

一人親方が加入するべき保険は、「社会保険」と「民間保険」の2種類です。ぞれぞれの保障内容の違いも含めて、見ていきましょう。

社会保険

まず一つ目は、社会保険です。社会保険とは、社会保障制度の一つで、〝国民が生活する上で、万が一のリスクに備えるための公的保険制度〟のことです。生活していく上で、誰にでも起こりうるこのリスクには、以下のものがあります。

・病気、怪我

・失業

・労働災害

・加齢

・介護

これらを保障する社会保険は、相互扶助の理念に基づき、一人一人のリスクを加入者全員で支え合う、国の制度です。特別な審査はなく、条件をみたすと加入でき、基本的に社会保険の加入は義務となっています。

加入者によって支払われる保険料と、国と地方自治体が負担する国庫負担金により、社会保険は成り立っています。保険料は、所得に応じて決まります。

民間保険

二つ目は、民間保険です。民間保険とは、民間企業が運営するもので、加入の義務はありません。社会保険との違いは、保障内容を自由に選べることです。民間保険は、社会保険では足りない「入院時の食事代」や「ベッド代」、「保険適用外の治療費」、「通院費」などの内容を補い、保障を手厚くすることができます。

もし一人親方が長期入院になった場合、自己負担額が増えてしまい、生活が困窮するリスクがあります。こういったリスクに備え、民間保険で補うことも検討すべきでしょう。また、保険料は加入する保障内容によって変わります。

一人親方が加入する社会保険の種類とは? 

一人親方が加入する社会保険は、

「労災保険」、「介護保険」、「年金保険」、「健康保険」の4つです。このほかに、従業員を雇う場合に必要な「雇用保険」もあります。一人親方でも、従業員を雇う場合はこの雇用保険への加入が必要です。ただし、雇用期間は100日以内と定められているので、注意しましょう。

次は、4つの社会保険について詳しく見ていきましょう。

労災保険

労災保険とは、労働者が勤務中や通勤中に怪我や病気、死亡した場合に、本人または遺族へ保障するものです。給付金には、以下の4つの種類があります。

・療養保障

・休業保障

・障害保障

・遺族保障

労災保険は、怪我をした労働者が社会復帰できるように設けられているため、個人事業主である一人親方は加入ができません。そのため、一人親方の労災保険は、特別加入というものになります。労働者と同じく、仕事中に怪我をする可能性がある一人親方。労災保険は義務ではないですが、万が一のために、特別加入することをおすすめします。

介護保険

介護保険とは、介護が必要な人に対して、費用を給付しサポートしてくれる制度です。介護保険の目的は、介護による家族の身体的、時間的、経済的な負担を減らすことです。所得に応じて、1〜3割の自己負担額ですみます。これにより、要介護認定を受けた際に介護サービスが受けられるようになりました。

また、40歳以上の場合、介護保険への加入は義務になります。社会全体で介護問題を支えていく仕組みが、介護保険にはあるのです。基本的に、保険料の滞納などがなければ、65歳以上から適用されます。

年金保険

年金保険とは、現役世代全員が保険料を払い、高齢者や保障が必要な人に年金を給付する仕組みのことです。老後の暮らしや、事故で障害を負った時など、暮らしを支えるために作られた制度です。

年金保険には、国民年金と、厚生年金の2種類があります。国民年金は日本に住む20歳〜60歳までの、すべての人に加入が義務付けられています。一方、厚生年金は会社に勤めている人が加入します。保険料は、国民年金は基本全員同じ額ですが、厚生年金は収入額によって変わります。

一人親方の場合は、国民年金の加入が必須です。また、年金は65歳から受け取ることができます。

健康保険

健康保険とは、病気やケガ、それによる休業、出産や死亡の事態の際に、給付を受けることができる医療保険制度です。主な財源は、加入者の保険料です。生活保護などを受けている場合を除き、国民全員が加入するものです。医療費の自己負担が3割ですむのは、この健康保険のおかげなのです。健康保険では勤務外でのケガなどに対して保障される点が、労災保険との違いです。

健康保険には、健康保険と、国民健康保険の2種類があります。健康保険は、企業で働いている人が加入する保険で、国民健康保険は個人事業主や年金受給者が加入する保険です。一人親方の場合は、国民健康保険への加入が必要です。

一人親方が加入するべき民間保険の種類

民間保険には多くの種類があります。一人親方が加入するべき保険は、以下の4つです。

生命保険

生命保険とは、死亡や、生きている間に病気にかかった場合に、保険金や給付金として受け取れる制度です。生命保険は、保険金の支払い方法により、「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」「それ以外の保険」があります。建設現場などで、大きな事故のリスクがある一人親方の場合は、いづれかに加入すると良いでしょう。特に家族がいる場合は、自分の収入がなくなると、生活が困窮するおそれがあります。「もしも」の事態に備える生命保険は、家族にとっても自分にとっても安心材料になると言えます。

医療保険

医療保険とは、健康保険だけではまかなえない費用を補助してくれる保険です。医療保険の特徴は、「通院特約」「三大疾病特約」「先進医療特約」など保障の範囲が広いことです。自分に合った種類のものをカスタマイズできます。

医療保険は必要ないと思う方もいるかもしれません。ですが、大きなケガや病気の場合、健康保険の3割負担の額が大きくなります。これに加えて、入院費用も必要となると、さらに自己負担額が膨れ上がってしまう可能性があります。医療保険は、こうした事態に備えることができるのです。

任意労災保険

任意労災保険とは、民間の保険会社が扱う保険のことです。従業員が1人でもいる場合、加

入が必須となる労災保険に対し、任意労災保険の加入は任意です。労災保険に上乗せする保

障内容が多いため、単独での加入はおすすめできません。

一人親方の場合は、労災保険の特別加入ができていれば十分でしょう。ただし、一時的に従業員が必要になった場合には、加入の必要があります。従業員が勤務中にケガした場合、その本人や、家族から訴えられることもあるためです。

訴訟となると、示談金や損害賠償といった費用は、労災保険では保障できません。このような事態を想定して、加入が必要か検討しましょう。

賠償責任保険

賠償責任保険とは、他人にケガを負わせてしまったり、他人の物を破損してしまったりした場合に、給付される保険です。一人親方の場合は、建設や工事中に、器具を落として歩行者にケガをさせてしまったり、あらゆる事故の可能性があります。

このような事故が起きた場合、一人で個人への賠償をするのは負担が大きいです。仕事中の不安をなくすためにも、賠償責任保険の加入は必要になるでしょう。

また、賠償責任保険には、保障対象外の項目があります。加入する際には保障内容をしっかり確認することが大切です。

一人親方が保険に加入するメリットは? 

一人親方が保険に加入するメリットは、以下の3つです。それぞれ項目ごとに解説していきます。

災害時に医療費がかからない

労災保険に特別加入していると、災害時に医療費はかかりません。この災害時とは、業務災害や通勤災害を指します。業務災害は、業務と直接関わる作業をしているときに起きた災害のことです。例えば、建設現場での運搬作業中の事故や、火災でのケガなどです。

通勤災害とは、家から仕事先に向かう途中で起きた災害のことです。いつもと違うルートの場合は保障対象外となります。通勤途中の事故などが当てはまります。

これらの災害により病気やケガをした場合、「療養給付」が支給されます。支給期間は、症状が治癒するまでです。給付対象は以下のとおりです。

・診察、処置、手術

・薬剤、治療材料

・病院や診療所への入院・看護

・住居における療養上の管理、看護

・移動費

これが、医療費がかからない仕組みです。

災害後の自分や家族の生活が保障される

労災保険の特別加入をすると、ケガなどで仕事ができない期間の給与を補うことができます。もしも働けなくなった場合、給与はゼロになり生活ができません。そのため、治療費以外に給付があることは、大きなメリットと言えます。自分や家族の生活を維持することができるでしょう。一人親方にとっても、家族にとっても有難い仕組みです。一家の大黒柱であればなおさら、加入した方がいいでしょう。

仕事の受注がしやすくなる

一人親方は、さまざまな仕事場に行くことが多く、事故やケガのリスクがある現場では、労災保険の特別加入を条件とする場合があります。大手企業が工事を依頼する際、書類に労災保険加入番号の記載をしなければ、現場に入れないこともあるのです。

労災保険の特別加入をしていれば、このような事態を防ぐことができます。また、加入していることで、企業側も安心して仕事の依頼ができるので、受注しやすくなり、仕事の幅が広がるでしょう。これは、一人親方にとって、嬉しいメリットではないでしょうか。

一人親方が保険を安く抑える方法は? 

ここからは、一人親方の保険料を安く抑える方法について解説していきます。保険のメリットは理解できたけれど、高い保険料で困っているという方に、おすすめの方法を3つお伝えしていきます。

加入する保険の種類を減らす

一つ目は、保険の種類を減らすことです。一人親方は、いくつもの保険に入っている場合があります。そのため、今加入している保険について、一度見直してみるとよいでしょう。保障内容が似たような場合や、労災保険で十分、ということもあり得るからです。あまり必要のない保険は、切り替えることをおすすめします。たくさんの保険に入り、日々の生活が苦しくなってはいけません。必要な保険だけ加入することで、保険料を抑えることができます。また、保険は加入したから大丈夫とそのままにせず、ライフステージが変わるごとに見直しましょう。

法人加入する

二つ目は、個人ではなく法人で保険加入することです。法人での保険加入の場合、保険料は経費として計上できるのです。これは、とても大きなメリットでしょう。

また、法人にすると節税効果もあります。個人の所得にかかる所得税と、法人の所得にかかる法人税には、差があります。利益が同じでも支払う税金が変わります。

この場合、かかる税金は法人の方が低いです。そのため、一人親方は法人で保険加入する方がメリットといえます。また、法人化するには3つのタイミングがあります。

一つ目は、年間所得が1000万を超えた時です。この目安は、個人の所得税が法人税より、高くなったタイミングです。

二つ目は、年間売上が1000万を超えた時です。一人親方や事業主には、免税制度があります。「前々年の売上が1000万円以下の事業主」は免税になります。売上が1000万を超え、法人化すると、それまでの個人事業主での売上はカウントされません。そのため、法人化してから2年は、消費税を支払う必要がないので節税できるのです。

三つ目は、事業を拡大する時です。これは、節税効果のためではありません。個人よりも法人の方が信頼度が高いため、大規模な仕事を引き受けたり、融資をうけることもできます。

オンラインで加入する

三つ目は、オンラインで加入することです。保険は、営業さんから加入するパターンが多いですが、オンラインの方が人件費がかかりません。これは一人親方なら、お分かりいただけるでしょう。その分、手数料がかからず、お得に保険に加入することができます。また、オンラインで申し込む時は、どの保険がいいのか、自分で調べることが必要です。

【まとめ】一人親方が入るべき保険の種類とは? 

一人親方にとって、保険加入は必要です。さまざまな種類があり、自分に適した保険を選ぶことも大事です。今は元気に働いているからと、安心せず、誰にでも起こり得る、万が一の事態に備えましょう。加入が義務付けられている社会保険は必須です。また、休業保障のある労災保険も、一人親方は加入すべきでしょう。これだけでは賄えない部分は、民間保険の加入を検討する必要があります。保険は、事故やケガで仕事ができなくなった時、治療費や入院費などの支払いを助けてくれます。自分だけでなく、家族の生活を守るためにも、保険の加入をしましょう。