解体業に将来性はある?解体業の今後の課題や求められるポイント

「解体業の需要ってどれくらいあるの?」「解体業を続ける対策法を知りたい」「求められる解体業になるにはどうしたらいい?」とお困りの方はいませんか。2016年に建設業法が改正され、解体工事には建設業の許可が必要になりました。解体業で働く方も日々変化を実感しているのではないでしょうか。今回は解体業の将来性と今後の課題について詳しく解説しました!求められるポイントについてもまとめましたので、ぜひ最後までお読みいただき参考にしてみてください。

解体業の将来性や見通し

解体業の将来性について見ていきましょう。解体業は近いうちに「解体ラッシュ」を迎えると言われています。なぜ今、解体業の需要が急増すると予想されているのでしょうか。この解体ラッシュには「高度経済成長」と「少子高齢化」が主に関係しています。具体的にどのような背景があるか詳しく解説しました。

高度経済成長期の建物が解体業への追い風に

高度経済成長は1955年から1973年までの19年間を指します。特に1960年代以降は高層ビルや分譲マンションなどが急増しました。この建設ラッシュは建物だけでなく、道路橋やトンネル、下水管なども含まれます。現在これらの建築物や工作物は建設から50年以上経過しています。あちこちで老朽化が進んでいるため、建て替えに伴い解体工事が必要です。

少子高齢化も解体業のニーズを高める

少子高齢化も大きな要因になっています。少子高齢化は若者層が減少する「少子化」と高齢者の割合が増加する「高齢化」が同時に進行することです。このまま世帯数が減少すると、余った家が放置されて空き家になるでしょう。現在の総住宅数の13.5%は空き家であり、今後は更に空き家が増えると予想されています。空き家は犯罪の温床になるため、解体して空き家を減らすことが望ましいです。そのため少子高齢化で解体業のニーズが高まると考えられています。

解体業界の課題とその対策

解体業界にはどのような課題があるでしょうか。まず挙げられるのは「将来的なマンパワー不足」や「コストの増加」、「受注件数の減少」です。解体業界の実態から解決方法を考えていきましょう。具体的な対策については次の段落で紹介します。

将来的なマンパワー不足

一番危惧されているのは解体業者の将来的なマンパワー不足です。現代は解体業に従事している人が減少しています。特に若年層の人手不足は深刻です。

最も不足している人材は「職人」

最も不足している人材は職人です。調査結果によると営業や経営幹部よりも圧倒的に職人が不足していることが分かります。それでも外国人実習生を活用している企業は2割ほどです。外国人実習生の雇用は進んでおらず、職人不足の解消には至っていません。

アスベスト対策のコスト増加

アスベスト対策のコスト増加も課題の一つです。2022年4月1日から解体工事の際はアスベスト使用の有無を調査する必要があります。調査結果は都道府県等に報告しなければなりません。また2023年10月1日からは建築物の解体・改修をする際に有資格者による事前調査が義務付けられます。現段階ではアスベスト調査にかかる費用の増加、対応が遅いといったデメリットがあります。

コロナウイルスによる受注件数の減少

コロナウイルスの影響で受注件数が減少しました。解体業界でも工事依頼の減少から集客が難しくなっています。またコロナウイルスの予防対策で人との接触を減らし、オンライン化がより一層進みました。このような状況で集客力を上げるにはインターネットの活用が不可欠です。自社で集客する方法を考えて、効果的なアプローチをしましょう。

それでも中・長期的な需要は高まり続ける

解体業界では人材不足、コスト増加、受注数の減少といった課題があります。しかし解体業は今後も高い需要が見込まれるでしょう。前述したように高度経済成長期に建てられた住宅物やインフラ設備などが解体の時期を迎えているからです。また人口減少に伴い、空き家の数も増加しています。空き家は解体が推奨されているため、解体業の需要は更に高まるでしょう。このような高い需要に応えるために、解体業界の課題を解決する必要があります。

今後の対策

解体業界は今後どのように対策すれば良いでしょうか。主に人材不足と集客難を解決する方法を三つ紹介します。ぜひ今後の参考にしてみてください。

解体業に対するイメージの払拭を図る

まず解体業のマイナスイメージを払拭しましょう。解体業というと「きつい・汚い・危険」の3Kを想像するかもしれません。このイメージを改善するには解体業の情報発信が鍵となります。たとえば作業風景の写真や動画を自社のSNSで公開するなど解体業のリアルを知ってもらうことが大切です。見た人が「働きたい!」と思うような情報を発信すれば、解体業に興味を持つ人も増えるでしょう。

自社のオリジナリティを打ち出す

次に自社のオリジナリティを打ち出しましょう。他社よりも選ばれる業者になるにはオリジナリティが必要です。顧客のニーズは様々な場面に存在しています。まずはどのような場面で自社の強みが活かせるか考えてみると良いでしょう。もし他社が参入していないところで、オリジナリティを発揮できれば顧客の獲得に繋がります。他社に負けない強みを把握することが大切です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応

解体業界もデジタルトランスフォーメーション(DX)を導入しましょう。DXとは「デジタル技術で社会や生活の形を変えること」です。ITは業務の効率化が目的ですが、DXは業務の効率化と変革化が求められます。最近では建築業界でもホームページの作成やSNSを利用している業者も増えてきました。主に集客目的で情報を発信していますが、SNSを新たな窓口にしている業者もあります。問い合わせから受注に繋がれば、SNSを活用して集客と営業を同時に行うことも可能です。またSNSのフォロワーから客層を分析して、顧客のニーズを考えるなどの活用もできます。このようにデジタル技術を活用して、業務に組み込むとDXを進められますね。解体業界でも積極的にDXを導入してみてはどうでしょうか。

【まとめ】解体業に求められるニーズに合わせた経営戦略を!

いかがだったでしょうか。今回は解体業の将来性と今後の課題について解説しました。解体業は今後も高い需要が見込まれます。高度経済成長期に建てられた建築物などが寿命を迎えている」ことや「少子高齢化に伴う空き家の増加」が主な原因です。どちらも解体が必要であり、今後はますます解体工事が増えるでしょう。しかし解体業界では人材不足やコストの増加、受注件数の減少に悩まされています。解体業の高い需要に応えるためにも、まずは課題の解決に取り組むことが大切です。人材の確保や効率の良い集客ができるよう、解体業のニーズに合わせた経営戦略を考えていくと良いでしょう。

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