建設業許可の更新期限はいつまで?更新をするときの必要書類や注意点について解説!

建設業を営む多くの方は、建設業許可を取得しています。しかし中には建設業許可の更新についての知識があまりないという方もいます。更新期限や具体的な手続きなど、慣れてないと難しいことも少なくありません。

今回は、そういった方の助けになるような建設業許可の更新について解説します。解説する内容をご覧いただけば、更新のタイミングや必要な書類、注意点について学べます。建設業許可について知識を深め、滞りなく業務を進められるように取り組みましょう。

建設業許可の更新はいつ?建設業許可の有効期間

建設業許可は、一度取得したら永遠に有効というわけではありません。定められた期限内に更新しなければ、失効してしまいます。それでは建設業許可は取得からどのくらいの期間有効かと言えば、5年間です。

例えば令和2年の4月1日に建設業許可を取得した場合は、令和7年の3月31日が有効期間です。いつ建設業許可を取得したか分からないという場合は、建設業許可の通知書や業者票を確認しましょう。有効期間はよく覚えてないけどそろそろかもしれないという方は、早めに確認し、更新手続きを行ってください。

いつから更新の申請ができる?

建設業許可の有効期間が近付いてきたからといって、更新の申請はいつ行っても良いわけではありません。都道府県ごとに、いつから建設業許可の更新申請が可能かは異なります。しかし多くの都道府県では、有効期間の3カ月前からです。

例えば埼玉県の場合は県知事許可の場合は2カ月前から、大臣許可の場合は4か月前から申請が可能です。申請可能時期は、許可を出した都道府県ごとに異なります。有効期間が近づいてきたら、自治体の窓口に確認しましょう。

例えば、東京都や埼玉県などで更新申請が可能な時期は次の通りです。

都道府県 期間
東京都 知事許可:有効期限の2か月前から30日前まで
大臣許可:有効期限の3か月前から30日前まで
神奈川県 知事許可:有効期限の3か月前から30日前まで
大臣許可:有効期限の3か月前から30日前まで
埼玉県 知事許可:有効期限の2か月前から30日前まで
大臣許可:有効期限の4か月前から30日前まで
千葉県 知事許可:有効期限の3か月前から30日前まで
大臣許可:有効期限の3か月前から30日前まで

建設業許可を更新するときの必要書類

建設業許可の更新は、各自治体に申し出れば良いわけではありません。必要な書類を揃えて提出することで、各自治体が更新の手続きを行います。必要な書類が欠けていては更新できない場合もあるため、確実に揃えて提出しましょう。

建設業許可の更新に必要な書類は次の通りです。

  • 建設業許可申請書
  • 役員等の一覧表
  • 営業所一覧表
  • 専任技術者一覧表
  • 使用人数
  • 誓約書
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人一覧表
  • 営業の沿革
  • 所属建設業者団体
  • 健康保険等の加入状況
  • 主要取引金融機関名
  • 別綴じ用表紙
  • 常勤役員等証明書
  • 常勤役員等の略歴書
  • 卒用証明書許可申請者の調書
  • 建設業法施行令第3条に規定する使用人の調書
  • 株主調書
  • 氏名一覧表

自治体によって若干異なることはありますが、基本的には上記書類の提出が必要です。そして、以下の書類も添付書類として提出が必要な場合があります。

  • 定款の写し
  • 卒業証明書・資格証明書等
  • 実務経験証明書
  • 指導監督的実務経験証明書
  • 監理技術者資格者証
  • 登記事項証明書
  • 登記されていないことの証明書
  • 身分証明書
  • 常勤役員等の常勤資料
  • 専任技術者の常勤資料
  • 営業所資料
  • 令3条使用人の常勤資料
  • 健康保険等の資料
  • 法人番号資料

場合によっては提出の必要がない添付書類もあるため、確認した上で準備しましょう。

建設業許可を更新するときの注意点

建設業許可の有効期間と申請開始日、必要書類を学んだところで、注意点を把握しておきましょう。有効期間までに必要書類を揃えても、ここから解説する注意点で躓いては、スムーズに更新できない場合もあります。建設業許可の更新手続きを行う際は、以下の5つの注意点を意識してください。

  • 期間満了日の30日前までに必ず申請する
  • 変更届の提出
  • 決算変更届の提出
  • 管理責任者・専任技術者のが在籍しているか
  • 社会保険の加入

それぞれについて詳しく解説していきます。

期間満了日の30日前までに必ず申請する

建設業許可の更新申請は、有効期間の30日前までに行わなければなりません。これは建設業法施行規則の第5条で定められていることです。そのため、有効期間の数日前に更新申請をしても受け付けてもらえません。

有効期間の30日前が閉庁日の場合は、直前の開庁日か直後の開庁日までに申請を行う必要があります。有効期間の30日前が閉庁日の場合の扱いは、各自治体によって異なります。しかし、余裕をもって申請を行った方が無難です。

変更届の提出

建設業許可を受けた後に、特定の申請事項に変更があった場合、速やかに変更届を提出しなければいけません。許可なく変更届の提出を怠った場合、6ヵ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。そして変更届が提出されていなければ、更新申請もできません。

変更届の提出が必要な申請事項としては、商号の変更や所在地の移転などが挙げられます。また資本金の変更や役員の変更などがあった際も、変更届の提出が必要です。ここまで記載したような変更があった場合は速やかに変更届を提出し、建設業許可の更新に備えましょう。

決算変更届の提出

建設業許可の更新申請を行う前に、決算変更届(事業年度終了届)を提出していなければいけません。決算変更届は、建設業許可を取得している事業者が毎年監督官庁に提出を義務づけられている書類です。決算変更届は、毎年の決算日から4か月以内に提出しなければいけません。

決算変更届を提出していない場合、罰則を科せられることもあり、建設業許可の更新手続きができなくなります。毎年定められた期間内で提出していれば問題ありません。忘れずに提出を心がけましょう。

管理責任者・専任技術者のが在籍しているか

経理業務の管理責任者及び専任技術者が、退職などにより1日でも不在の期間がある場合、建設業許可の更新は不可能です。万が一、どちらかが不在のまま建設業の工事を行った場合、建設業許可を取り消されることもあります。

そのため、何らかの事情で経理業務の管理責任者と専任技術者が変更になる場合は、2週間以内に変更届の提出が必要です。建設業許可を維持するためにも、経理業務の管理責任者と専任技術者はしっかりと確保しておきましょう。

社会保険の加入

建設業許可を更新するためには、社会保険の加入も必要です。以前は社会保険の加入は必須ではありませんでしたが、令和2年の10月1日に行われた建設業法の改正で必須となりました。そのため、建設業許可の更新申請までに社会保険に加入しなければ、更新ができません。

社会保険への加入を免れるために請求書を分けるという建設業者もいますが、建設業法違反となります。社会保険への加入は近年定められた内容のため、必要事項を確認した上で建設業許可の更新を行いましょう。

建設業許可の更新を忘れたらどうなる?

建設業許可の更新について知っていても、業務の多忙などにより更新申請を忘れてしまうというケースは少なくありません。しかし建設業許可の更新を忘れても、対処法を知っていれば適切な対応が可能です。建設業許可の更新を忘れた場合、以下の状況で必要な対応は異なります。

  • 有効期間の30日前を過ぎた場合
  • 有効期間を過ぎた場合

それぞれの対応を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

有効期間の30日前を過ぎた場合

先ほど、建設業許可の更新申請は有効期間の30日前までに行わなければいけないと解説しました。また有効期間の30日前を過ぎた場合、更新申請を受け付けてもらえないとも解説しました。しかし場合によっては受け付けてもらえることがあります。

自治体によっては、始末書などを提出することで有効期間の30日前を過ぎても更新申請を受け付けてもらえることがあります。しかしこういった例外も、自治体によって対応は異なるため、万が一に備えて事前に確認しておきましょう。

有効期限を過ぎてしまった場合

建設業許可の更新申請が間に合わず、有効期限を過ぎてしまった場合は、残念ながら改めて取得しなければいけません。建設業許可が失効すると、多くの工事を受注できなくなるため、建設業者にとっては死活問題です。そのため、速やかに再取得をしなければいけません。

しかし、建設業許可の再取得には法定費用や行政書士などによる代行費用が必要です。また財産要件を満たす必要もあるため、再取得のハードルが高い場合もあります。建設業許可の再取得という事態に陥らないために、更新は定められた期間内に行いましょう。

建設業許可の更新でよくある失敗例

建設業許可の更新では、更新忘れや不許可などで更新できず、失敗する場合もあります。建設業許可の更新でよくある失敗例は、次の通りです。

  • 書類に不備があった
  • 郵便の配達で提出期限が間に合わなかった

ここでは、それぞれの項目について解説します。今後更新するときに失敗を防止できるよう、1つずつ確認しましょう。

書類に不備があった

建設業許可の更新期限内に申請したものの、書類の不備により更新できない場合もあります。申請書類の不備によくある失敗例は、次の通りです。

  • 決算変更届を毎年提出していない
  • 登記簿謄本に変更があったが、変更届を出していない

ただし、虚偽申請でなければ申請書類に不備があっても、建設業許可がすぐ失効することはありません。申請書類の不備の状況に合わせ、対処しましょう。

申請書類の不備の状況 建設業許可に必要な対応 備考
申請書の不備に審査前に気づいた 建設業許可の審査受け付けされるよう不備を訂正して再提出する 受け付け前なので手数料は受け付けされない
申請書の不備が審査受け付け後に判明。ミスを指摘される 有効期限までに指摘された不備を訂正し、建設業許可の審査を再度申請する 建設業許可の有効期限に間に合えば失効しない
申請書に不備があり、審査受け付け後に偽造申請と判定される ペナルティーで指定された期間を経て、建設業許可を新規で申請し直す 建設業許可が更新されず失効する。虚偽申請の場合は、手数料も戻らない。

郵便の配達で提出期限が間に合わなかった

更新手続きを始めたものの、郵便事情で申請書類が更新期日に間に合わない場合もあります。更新手続きは、1日前などぎりぎりでも間に合えば問題ないと考えがちですが、郵送で申請書類を提出するときは、配達日数なども考慮しなければいけません。

土日や祝日は郵便が動いていないため、ポストへ投函後も届くまでは数日かかります。郵便事情で遅れることも考慮し、できる限り余裕をもって手続きしましょう。

【まとめ】建設業許可は5年ごとに更新が必要!提出書類や注意点を確認してスムーズに更新しよう

今回解説したように、建設業許可は5年ごとに更新が必要です。更新申請を行う際も申請の期限や事前に提出すべき書類などがあるため、入念な確認と事前準備が重要です。特に提出書類は多岐にわたるため、全てを揃えるまでに時間がかかることもあります。そのため、早めに更新申請を準備しはじめることがおすすめです。

万が一、何らかの事情で更新申請が間に合わなかった場合は、タイミングによっては更新申請が可能な場合もあります。今回解説した内容を把握し、建設業許可の更新を無事に終わらせられるように、準備に取り組みましょう。

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