建築施工管理技士試験の合格率は?難易度や勉強方法などを解説

建築施工管理技士の資格を取得すると、本人だけでなく所属している企業にも様々なメリットがあります。ただし、建築施工管理技士試験は1級・2級どちらも、十分に勉強しないと合格できません。

試験の内容や難易度を把握して、適切な方法で勉強することが大切です。

本記事では、建築施工管理技士試験の合格率、難易度、勉強方法などを解説します。建築施工管理技士の資格の取得を目指している人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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建築施工管理技士試験の合格率

建築施工管理技士には1級と2級があります。1級と2級の建築施工管理技士試験それぞれの合格率を解説します。

  • 1級建築施工管理技士試験の合格率
  • 2級建築施工管理技士試験の合格率

1級建築施工管理技士試験の合格率

令和6年度(2024年度)の1級建築施工管理技士試験の合格率は、第一次検定で36.2%、第二次検定で40.8%でした。例年の合格率は、第一次検定でおよそ35~50%、第二次検定でおよそ40~50%です。

ただし、第一次・第二次検定の両方の合格率は、決して高くありません。以下で実質的な合格率とストレート合格率について解説します。

  • 実質的な合格率は10~20%
  • ストレート合格率は低い

実質的な合格率は10~20%

第一次検定に合格した人のみが全員第二次検定を受検したと仮定すると、2024年度の第一次・第二次両方の合格率は36.2% × 14.8% = 14.8%と算出されます。

実際には、第一次検定合格後に第二次検定を受検しなかった人や第二次検定のみを受験した人も含まれているので、2024年度の第一次・第二次両方の合格率はおおよそ10~20%前後だと予想されます。

1級建築施工管理技士試験は、受検者の5~10人に1人しか合格できない、高難度の試験です。

ストレート合格率は低い

データは公表されていませんが、第一次・第二次両方をストレートで合格した人の割合は、実質的な合格率10~20%よりも低いと考えられます。

ストレートに合格するためには、適切な方法で十分に勉強しなければなりません。

2級建築施工管理技士試験の合格率

令和6年度(2024年度)の2級建築施工管理技士試験の合格率は、第一次検定(前期)で48.2%、第一次検定(後期)で50.5%、第二次検定で40.7%でした。

例年、第一次検定と第二次検定どちらも合格率はおよそ30~50%です。1級建築施工管理技士試験と同様に、ストレートでの合格率はさらに下がります。

1級建築施工管理技士試験ほどではありませんが、十分に勉強しないと2級建築施工管理技士試験には合格できません。

参照元:総合資格学院

建築施工管理技士試験の難易度

建築施工管理技士試験の難易度を以下の項目ごとに解説します。

  • 受検資格から見る難易度
  • 試験内容から見る難易度
  • 受検者層から見る難易度
  • 関連する資格から見る難易度

それぞれの内容を解説します。

受検資格から見る難易度

建築施工管理技士試験の受験資格に関する難易度を1級と2級それぞれについて解説します。

  • 1級建築施工管理技士試験
  • 2級建築施工管理技士試験

1級建築施工管理技士試験

1級建築施工管理技士試験の場合、第一次検定に合格した後、一定の実務経験を積まないと第二次検定を受検できません。

必要な実務経験は以下のとおりです。どのケースでも数年の実務経験が必要です。

  • 1級第一次検定合格者

・1級建築第一次検定合格後、実務経験5年以上
・1級建築第一次検定合格後、特定実務経験 1年以上を含む実務経験3年以上
・1級建築第一次検定合格後、監理技術者補佐としての実務経験1年以上

  • 1級第一次検定、および2級第二次検定合格者

・2級建築第二次検定合格後、実務経験5年以上
・2級建築第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

  • 1級第一次検定受検予定、および2級第二次検定合格者

・2級建築第二次検定合格後、実務経験5年以上
・2級建築第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

  • 一級建築士試験合格者

・一級建築士試験合格後、実務経験5年以上
・一級建築士試験合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

2級建築施工管理技士試験

2級建築施工管理技士試験でも1級と同様に、第一次検定に合格した後、第二次検定を受検するために一定の実務経験を積む必要があります。

必要な実務経験は以下のとおりです。1~3年の実務経験が必要です。第一次検定合格前の実務経験は含まれないことに注意しましょう。

  • 2級建築施工管理技術検定第一次検定合格後、実務経験3年以上
  • 1級建築施工管理技術検定第一次検定合格後、実務経験1年以上
  • 一級建築士試験合格後、実務経験1年以上

試験内容から見る難易度

以下の項目ごとに、試験内容から見る難易度を解説します。

  • 1級建築施工管理技士試験の第一次検定
  • 1級建築施工管理技士試験の第二次検定
  • 2級建築施工管理技士試験の第一次検定
  • 2級建築施工管理技士試験の第二次検定

1級建築施工管理技士試験の第一次検定

1級建築施工管理技士試験の第一次検定では、マークシートで四肢択一式または五肢択一式の問題が出題されます。試験により、建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学、機械工学、施工管理法、法規の分野に関する知識や能力が問われます。

第一次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上、かつ施工管理法(応用能力)の得点が60%以上です。

似た用語を見分けて、混同しやすい選択肢を間違えずに解答できるよう勉強しましょう。

1級建築施工管理技士試験の第二次検定

1級建築施工管理技士試験の第二次検定では、3時間かけて、施工管理法の知識が五肢択一マークシート方式、施工管理法の能力が記述方式で問われます。

第一次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上です。

第二次検定の中では特に、自分の経験について記述する問題が難関です。経験記述では、品質管理、作業の軽減、施工の合理化といったテーマに沿って、自分が担当した工事の詳細、実施したことを記述します。

記述試験で利用できそうな経験を事前にまとめておくことが大切です。

2級建築施工管理技士試験の第一次検定

2級建築施工管理技士試験の第一次検定では、1級と同様に、四肢択一または五肢択一のマークシート方式の問題が出題されます。建築学、土木工学、電気工学、電気通信工学、機械工学、施工管理法、法規の分野に関する知識や能力が問われます。

第一次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上です。

施工管理に関係する幅広い知識が求められます。勉強時間を確保し、知識を十分に身に付けて第一次検定に臨みましょう。

2級建築施工管理技士試験の第二次検定

2級建築施工管理技士試験の第二次検定では、施工管理法、躯体施工管理法、仕上施工管理法に関する知識と能力が問われます。四肢択一マークシート方式と記述方式の問題が出題されます。

第二次検定の合格基準は、全体の得点が60%以上です。

1級の第二次検定と同様に、自分の経験について記述する問題が難しいといわれています。

品実管理、工程管理、建設副産物対策といった観点で、事前に自分の経験をまとめておきましょう。

受検者層から見る難易度

2級建築施工管理技士試験の第一次検定の受検者には、高校生の実務未経験者も多く含まれます。未経験者が含まれながらも合格率はおおよそ40~50%もあるので、決して難しい試験とはいえません。

一方で、2級建築施工管理技士試験の第二次検定、1級建築施工管理技士試験の第一次・第二次検定の受検者には、施工管理の実務経験者ばかりです。各試験の合格率は40%前後なので、十分な実務経験があっても合格は難しいでしょう。

関連する資格から見る難易度

建築施工管理技士以外に、監理技術者や主任技術者になれる資格として一級建築士や技術士が挙げられます。1級施工管理技士は監理技術者または主任技術者、2級施工管理技士は主任技術者になれます。

1級建築施工管理技士の資格取得難易度は高いといえますが、一級建築士や技術士に比べると低めです。

一方で、2級施工管理技士の資格取得難易度は、二級建築士と同程度だといわれています。ただし、人によっては実務経験なしで二級建築士試験を受検できるため、2級施工管理技士のほうが難しいと感じる人もいるでしょう。

建築施工管理技士の資格を取得するメリット

建築施工管理技士の資格を取得するメリットを以下の項目ごとに解説します。

  • 企業が得られるメリット
  • 資格を取得した本人が得られるメリット

企業が得られるメリット

企業が得られるメリットに、建築施工管理技士の資格を取得した社員を監理技術者や主任技術者として配置できることが挙げられます。1級施工管理技士は監理技術者または主任技術者、2級施工管理技士は主任技術者として配置可能です。

5,000万円(建築一式は8,000万円)以上の金額で発注者から直接工事を請け負う場合は、現場に監理技術者を配置しなければなりません。建設業許可を受けて工事をする場合は、主任技術者の配置が必要です。

社員が建築施工管理技士の資格を取得することで、請け負える工事の範囲が広がるでしょう。

資格を取得した本人が得られるメリット

建築施工管理技士の資格を取得することで、スキルや経験を客観的に示せます。転職活動をする際に、建築施工管理技士の資格をアピールすることで、高い評価を得られます。

監理技術者や主任技術者といった責任のある職に就けるため、年収や待遇が向上するでしょう。

また、1級建築施工管理技士の場合、第一次検定に合格すれば1級建築施工管理技士補になれます。監理技術者補佐として様々な現場で活躍できるでしょう。

建築施工管理技士試験に合格するための勉強方法

建築施工管理技士試験に合格するために、以下の方法で勉強することをおすすめします。

  • 無理のない学習スケジュールを立てる
  • 空いた時間を有効的に活用する
  • 通信講座などを利用する

無理のない学習スケジュールを立てる

建築施工管理技士試験に合格するために、無理のない学習スケジュールを立てることが重要です。

働きながら勉強を続けることには、多大な労力がかかります。だからといって、試験直前になって知識を詰め込むことは難しいでしょう。

無理のない学習スケジュールを立ててコツコツと勉強を続けることで、着実に知識を身に付けられます。仕事のスケジュールから逆算してどのくらいの勉強時間を確保できるかを把握して、余裕のある学習スケジュールを立てましょう。

空いた時間を有効的に活用する

建築施工管理技士試験に合格するために、空いた時間を無駄なく活用しましょう。

忙しい社会人は、計画的に勉強時間を確保しようと思っても難しいかもしれません。

なかなか勉強時間を確保できない場合は、通勤時間や休憩時間といったすきま時間を活用して、効率よく勉強しましょう。近年は、参考書アプリや動画教材といった、スマートフォンで簡単に勉強できるコンテンツが充実しています。すきま時間でも無理なく勉強を続けられるでしょう。

通信講座などを利用する

独学ではなかなか勉強を続けられない人には、建築施工管理技士試験の通信講座の受講をおすすめします。

独学には自分のペースで進められるというメリットがある一方で、スケジュールどおりに進めることが難しいというデメリットもあります。わからないことがあったときに解決が難しいことも欠点です。

通信講座であれば、スケジュールどおりに講座を受けるだけで勉強を進められます。サポートが充実している通信講座であれば、わからないことも迅速に解決できるでしょう。記述問題の添削をしてもらえることも、独学では得られない大きなメリットです。

近年、多くの通信講座があるので、自分に合った講座を見つけましょう。

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【まとめ】建築施工管理技士試験の合格率は高くない!しっかり対策して合格を目指そう

建築施工管理技士試験の合格率、難易度、勉強方法などを解説しました。

1級・2級どちらも、建築施工管理技士試験の合格率は決して高くありません。十分に対策して試験に臨む必要があります。

忙しい社会人が建築施工管理技士試験に合格するためには、無理のない学習スケジュールを立てて、すきま時間を活用しながら勉強することが大切です。必要に応じて、通信講座も活用しましょう。

ぜひ本記事を参考に、十分に対策して建築施工管理技士試験の合格を目指しましょう。