施工管理技士が雨の日に行う仕事や現場が休みになる理由などを解説!

建設業は天候の影響を大きく受ける業種です。台風などの雨の日には作業が中断することもありますが、建設業のすべての職種が休みになるわけではありません。特に施工管理技士は雨の日も休みになるとは限りません。施工管理技士は現場の裏方として、雨の日だからこそできる仕事が多くあります。

そこで今回は、施工管理技士が雨の日に行う仕事や現場が休みになる理由などを詳しく解説します。

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施工管理技士が雨の日に行う仕事内容

まずは施工管理技士が雨の日に行う仕事内容をチェックしましょう。下記の8つの作業をチェックしてみましょう。

スケジュール調整

雨の日には施工のスケジュールを見直して、予定を調整しましょう。建設業の施工は天候の影響を大きく受けます。台風や大規模な自然災害が発生すると、作業ができないため施工スケジュールの大幅な見直しが必要です。

また、雨天に関係なく施工に遅れが生じている箇所をリストアップし、工事再開後の人員配置などの調整も可能です。

原価管理

雨で作業ができない日は、普段手の回らない事務仕事をするチャンスです。原価管理は施工管理技士の仕事のなかでもとりわけ重要な業務です。建設業における原価管理は、協力会社の外注費や材料費などを調整する作業です。施工管理技士は原価を適切に管理することで、施工完了後に企業が黒字になるように調整しなくてはいけません。

とりわけ施工スケジュールに遅れが生じると、外注費などのコストがかさむため予算の見直しが必要です。雨天時には、施工の遅延によってかかる追加コストを見積もって適切な原価管理をしましょう。

材料の確認・発注

施工管理技士は材料や資材の在庫を確認して、発注をかけることも大事な仕事です。資材の確認を怠ると、作業が遅延する原因になりかねません。雨天で施工ができない日には材料の確認・発注を実施しましょう。

確認すべき資材は、工事に必要な建材だけではありません。現場に出入りする人員やリースした建機の確認などもあわせて行いましょう。

図面作成

オフィス仕事のなかでもとくに時間を取られる仕事が図面作成です。連日のように遅くまで施工があるスケジュールでは、図面作成に時間を割けませんが、雨天で作業が中断しているときは、図面作成の仕事をこなすチャンスです。

施工の現状を整理して、図面のとおりに作業が進行しているかどうかを確認しましょう。作業が図面のとおりに進行していない場合は作業の差し戻しが発生します。雨天の日には、普段のスケジュールで確認できないような細かなポイントを精査することで、ミスがないかどうかを入念に確認しましょう。

特に雨の日は竣工図を仕上げる絶好の機会です。竣工図は建築物の完成図面です。建設は設計図をもとに進められますが、施工計画の修正などによって当初の図面からしばしば変更が加えられます。

竣工図にはそのような施工中の変更を反映させる必要がありますが、雨天で作業が中断している間は竣工図を修正するチャンスです。

工事写真の整理

雨の日には工事写真の整理も行いましょう。施工中は適宜工事写真を撮影します。これらの工事写真は工事完了報告書などに添付して使用します。

工事写真は施工中の細かな箇所のビフォーアフターを確認したり、資材が適切に使用されていることの証明に使われます。工事のなかで多くの写真を撮影するため、整理を怠っていると写真がどの箇所を写したものかがわからなくなってしまいます。雨天時には工事写真を、工事箇所ごとに分類して整理しましょう。

書類作成・整理

施工管理技士が作成すべき書類は数多くあります。普段は現場を回って安全の確認や、スケジュールが順調にすすむように現場のフォローをするため、書類仕事にまで手が回らないのが現実です。

雨で作業が中断している時には、普段手が回らない書類の作成・確認をしましょう。施工管理技士が作成すべき書類は下記のとおりです。

  • 契約内容や変更に関する書類
  • 施工計画書
  • 工程管理表
  • 予算管理表
  • 施工体制台帳
  • 安全点検表

関係者と打ち合わせ

台風などで施工が順延することが予めわかっている場合は、工事関係者との打ち合わせをセッティングしましょう。工事がない日は、時間に余裕が持てるため普段できないような綿密な打ち合わせができます。施工のスケジュールの再確認や現状の整理など、これからの作業をスムーズに行うために必要なことを話し合いましょう。

関係者との打ち合わせはオンラインミーティングを含めて様々な手段で行えます。また、技術上の疑問点がある場合は、設計者を招待して入念なヒアリングをしましょう。また、施主との打ち合わせを設定する場合は、早めにアポイントを取ることが大事です。

その他の作業

続いて雨の日に行うべきその他の作業を解説します。下記の3つの作業を確認してみましょう。

  • 雨漏り対策
  • 安全対策
  • 周辺状況の確認

雨漏り対策

雨天の日には、作業現場の雨漏り対策しましょう。作業現場に雨水が流れ込むと、作業効率が落ちるだけではなく、作業員の身に危険が及ぶおそれがあります。防水性のビニールシートを敷くなど、雨漏り対策をしっかり行いましょう。

また、建材が濡れることを心配する施主へのフォローも施工管理技士の仕事です。作業現場でどのような防水対策を実施しているかを説明して、施主を安心させましょう。

安全対策

雨天時には、改めて工事現場周辺の安全対策を確認してみましょう。施工管理技士の業務は、現場に常駐して作業がスムーズに進行しているかどうか、現場に危険がないかどうかを確認することです。雨で作業が中断している際には、今後のスケジュールのなかで、作業員に周知すべき安全対策の確認をしましょう

また、雨の日でも作業を実施する場合は、事前に現場をまわって作業員の安全を確認することも大事な仕事です。雨の日は滑落事故が多発しやすいため、作業員の足場を確保する滑り止めなどが適切に敷設されているかを確認しましょう。

周辺状況の確認

周辺住民との折衝やトラブル対策も施工管理技士の仕事です。雨が降ると工事現場周辺の状況に変化が生じる可能性があります。掘削面から土砂が道路や近隣の建物に流れ込むとトラブルの原因になりかねません。ブルーシートや養生シートなどが適切に配置されているかをしっかりと確認しましょう。

建設現場が雨の日は休みになる理由

続いて建設現場が雨の日は休みになる理由を解説します。雨天に無理をして作業を強行すると安全面と品質面で問題が生じます。下記で2つのリスクを確認してみましょう。

事故のリスクが高まる

雨の日は作業現場での事故のリスクが高まる日です。足場を組んでの高所作業では、雨によって足場が滑りやすくなるため、作業員の身の安全を確保できません。また、雨天の屋外電気配線工事は感電のリスクがあります。

掘削を伴う作業では、せっかく掘り進んだ箇所に雨水が流れ込んでくるため、作業が進まないだけではなく作業員に危険が及ぶリスクがあります。また、斜面や山間部などの地盤を大きく掘削するような大規模な工事の場合、雨天の作業は土砂崩れなどの災害を引き起こすおそれがありがあります。

このような理由から雨の日には作業を中断するか、作業を実施する場合は安全に十分留意して進めましょう。

品質に影響が出る可能性がある

雨の日に作業を実施する場合は、成果物の品質に影響が出る可能性があります。建設業では水分によって品質に影響を受ける素材が数多くあります。

例えば、コンクリートの打設工事や左官工事など、水の比率が重要な素材を取り扱う工事を雨天に行う場合は、細心の注意を払いましょう。

雨の日に品質に影響が出る可能性がある工事の詳細は後述します。

建設現場で雨の日は休みになる仕事

続いて建設現場で雨の日は休みになる仕事を解説します。雨天で休みになる仕事は下記の4種です。

  • コンクリートの打設関連
  • 左官工事
  • 火を使う作業
  • 溶接作業

コンクリートの打設関連

雨天の作業によって特に顕著に影響を受けるのがコンクリートです。コンクリートは打設する前にセメントと水を混ぜ合わせて作られます。コンクリートの強度はこのセメントと水の適切な比率によって決まるため、雨によってこの比率が変わってしまうとコンクリートの強度に影響がでます。

コンクリート打設工事は、雨によって品質に影響が出るケース、出ないケースがあります。品質に影響が出るコンクリート打設は、土間コンクリートの仕上げの工程に雨が降る場合です。仕上げ工程は表面の出来栄えが重要ですが、雨は仕上がりに影響を及ぼします。仕上げ工程で雨が降ってしまった場合は、補修工事が必要です。浸透強化剤とモルタルを併用して表面の補修をしましょう。

一方で、雨によって品質に影響が出ないケースは、仕上げの工程以外で雨に晒される場合です。コンクリートは、打設後に水との水和反応によって固化しますが、この際に急激に水分が失われることでひび割れを起こすおそれがあります。

このタイミングでは、コンクリートは水分を必要とするため、雨が品質に影響を及ぼすことはありません。

左官工事

雨天での左官工事は仕上がりに影響がでる可能性があります。左官工事は、壁面にモルタル、漆喰を塗る工事です。これらの素材は塗布後の乾燥が重要であり、施工中や施工の後に雨が降ると、十分に壁面が固化しない可能性があります。

特に注意したいのがモルタルの塗布です。モルタルが十全に乾燥していない状態で水や湿気にさらされると、見た目だけではなく強度に影響がでます。表面のしみや変色だけではなく、内部がひび割れる可能性があるため、天気予報に注意してモルタル塗装を実施しましょう。

火を使う作業

参考:株式会社建設出版センター
雨天時には原則として、火を使用した鉄筋ガス圧接作業は行わないようにしましょう。鉄筋ガス圧接作業は、高温に熱し鉄筋を溶融させて、両側からの圧力によって接合させる作業です。

雨の日にガス圧接作業を中断すべき理由は2つあります。まず雨天時には、気温が下がるため、鉄筋を圧接できるほどに十分な加熱ができない可能性があります。

また、国土交通省大臣官房官庁営繕部が発行している建築工事監理指針では、降雨や降雪時にはガス圧接作業をするのに十分な集中力が維持できないため、作業中断が推奨されています。

溶接作業

また溶接工事も雨天の影響を受けやすい工事です。高温で溶接している素材に雨水が当たることで、素材がひしゃげたり、ひびが入ります。溶接工事で特に注意したいのが溶接棒の吸湿です。

溶接棒が水分に晒されると、割れ、ブローホールが発生しやすくなるほか、感電のリスクも高まります。また雨天での強風は、溶接中のシールドガスを吹き飛ばす可能性があります。

品質に影響が出る可能性があるだけではなく、作業員も危険であるため雨天の溶接工事は控えましょう。

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【まとめ】施工管理技士は雨の日も休みになるとは限らない!デスクワーク業務を行おう

今回は施工管理技士が雨の日に行う仕事や現場が休みになる理由などを詳しく解説しました。雨の日の建築作業は作業員の安全を確保できないだけではなく、成果物の品質も担保できないため、慎重に進める必要があります。一方で施工管理技士は雨の日も休みになるとは限りません。

施工管理技士には雨天だからこそこなせる仕事が多くあります。雨の日は普段手が回らない書類作成やデスクワーク業務をこなす絶好の機会です。施工管理技士の方は、是非今回の記事を参考にして業務効率化に取り組んでみてください。

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