一級建築施工管理技士の平均年収や収入を上げる方法・将来性を解説!

建築業では様々な資格者が現場で働いています。一級建築施工管理技士もその1つです。現場には必ず必要だとされている職種であり資格者でもある建築施工管理技士ですが、平均年収には開きがあります。

これは、この資格者が持つ要因や、建築業界の仕組みが関係しています。本記事は、そんな一級建築施工管理技士の平均年収や要因から分かる収入アップの手段についてまとめました。併せて将来性についても取り上げています。興味を持たれた方は、ぜひご覧ください。

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一級建築施工管理技士の仕事内容

まずは、一級建築施工管理技士の具体的な仕事内容について触れていきます。

一級建築施工管理技士に行える業務内容

一級建築施工管理技士は、現場の主任技術者として管理・監督するのが主な業務です。現場を全体的に管理しつつ的確な指示を行うことで、建築物を完成させていきます。

また、営業所の専任技術者になることも可能です。専任技術者になると、施工契約における以下のような業務も担当できます。

  • 契約の締結
  • 見積もりの作成
  • 入札やそれに関する業務

一級建築施工管理技士は17種類の工事で主任技術者や専任技術者に就任できることも業務上の特徴です。下請け総額5,000万円以上の大規模工事でも管理技士として働けることから、大きな建造物の施工に関わりたいなら持っておきたい資格といえます。

二級建築施工管理技士よりも多くの現場で活躍でき、大規模工事にも深い部分で関われます。高いスキルが求められる現場で活躍したい方に適している資格といえるでしょう。

1日の仕事の流れ

次はより具体的に仕事やその流れを見ていきましょう。以下の図は建築施工管理技士の出社から退勤までの仕事の流れをまとめたものです。

時刻業務内容
7:30出社
  • 作業着に着替えて当日作業する施工業者と工事の内容やその流れを確認する
8:00朝礼
  • 当日の業務内容や注意点を作業員に伝える
8:30現場の巡回
  • 現場を回って工事の進捗と現場全体の状態を把握する
11:30打ち合わせ
  • 作業員のリーダーと翌日の仕事の流れを確認する
12:00休憩
  • 施工業者とコミュニケーションを取りながら昼食や休憩を取る
13:00昼礼
  • 午後の業務や作業に関して変更があればその内容を作業員に伝える
13:30現場の巡回
  • 各作業の進捗確認や翌日の指示の確認を行う
  • 別の現場があればこのタイミングで移動する
17:00事務作業
  • 事務所にて発注書や計画書などの書類作成や、全現場の進捗管理・人員や重機手配などを行う
19:00退勤
  • 報告や翌日の業務を把握し退勤する

一級建築施工管理技士の仕事内容は、建築に関する専門的な知識や経験が求められるだけでなく、コミュニケーション能力や事務処理能力も求められます。

事務作業が終わらない限り退勤できないため、残業しがちな業務でもあります。特に繁忙期は連日夜遅くまで残業するケースも珍しくはありません。

一級建築施工管理技士の平均年収

次に一級建築施工管理技士の平均年収について解説します。

一級建築施工管理技士の平均年収は大体460〜571万円といわれています。なお、建築士の資格や土木施工管理技士の資格を持っている場合、任せられる現場もその分増えるため600万円以上になるケースも多いようです。

業務上、残業や土曜出勤も多いため残業手当や休日手当が出る場合はより多くなるとみていいでしょう。

現場管理を業務とする監理技術者は、建築業界では必須とされる一方、就業者の高齢化問題の影響を受けている業種でもあります。人手不足である分仕事や責任も多いですが、現場で必ず必要とされる点を考えると、キャリアアップも狙いやすいです。

一級建築施工管理技士の年収に差が出る要因

一級建築施工管理技士は現場に欠かせない資格者ですが、平均年収だけを見ると少々割に合わないように思えてしまう方もいるかもしれません。これは、この資格と業務が抱える複数の要因が関係しています。

次は、年収差が出てしまう要因について解説します。

実務経験の年数・役職

一般的に、年収は実務経験年数や役職手当に左右される傾向にあります。一級建築施工管理技士も例外ではありません。無資格者と比べれば当然資格取得者の方が年収は高くなります。

また、資格と経験を活かして管理職へ昇進できれば、その年収はさらに高額になります。とはいえ、大幅な上昇が見込まれるのは次長までで、その後は上昇する額も緩やかになるようです。

働いている地域

収入は働いている地域によっても異なります。大手企業は全国に支店があるなどの関係から地域ごとの変動はほとんどありませんが、そうではない場合、首都圏や地震による復興作業が必要な地域は、案件が多い分年収も高めの傾向にあります。

できるだけ高い給与を得たい場合は、今いる企業でのキャリアアップだけでなく都市部をはじめとした給与の高い地域への転職も視野に入れるといいでしょう。

工事の種類

規模が大きい仕事程、報酬や給与は高めになる傾向にあります。一級建築施工管理技士が担当する現場も同様です。

扱っている工事が大規模なものが多ければ多いほど、その分給与も大きくなります。これも平均給与に影響を与えている要因です。

勤務会社の大きさ

また、有名企業ほど入社希望数が多い関係から転職のハードルは高めですが、一級建築施工管理技士は規模の大きい企業ほど需要が高まります。無資格者に比べて規模の大きい企業に就職・転職しやすいのも平均年収に差が出る要因といえるでしょう。

一級建築施工管理技士とほかの職種との年収比較

年収の平均を見ても、ほかの業種や資格保有者との違いにピンとこない方もいるでしょう。次はほかの職種との年収比較を解説します。一級建築施工管理技士の年収的な立ち位置を知りたい方は、以下の内容を参考にしてください。

現場代理人

一級建築施工管理技士と似たような業務をこなす職種に、現場代理人があります。この職種の平均年収は大体488万円です。一級建築施工管理技士の平均を見ると、平均内でも高い額と比べるとこちらの方が約80万円分高い年収を得られることが分かります。

現場代理人は技術者でなくてもなれますが、一級建築施工管理技士は資格を取得していなければなれません。そのため、資格手当が発生します。より高い収入を得たいなら、資格取得を目指すのも選択肢の1つといえるでしょう。

現場の作業員

では、無資格の作業員とはどれだけの差がつくのでしょうか。

建設作業員の平均年収は410万円です。これは二級建築施工管理技士の平均よりも110万円ほど低い額に当たります。一級になると160万円もの差が開きます。

建築施工管理技士は一般作業員よりも業務も責務も重いことを考えると、この差はそれが反映された結果といえるでしょう。

建築士

最後に、建築士と比べてみましょう。建築士の平均月収は37万1,000円、これにボーナスが年2か月分ついたとすると、年収は519万4,000円と計算できます。二級建築施工管理技士の平均年収とほぼ同額です。一級建築施工管理技士は二級取得者よりも高い給与をもらえる傾向にあるため、建築士よりも高い給与がもらえることが分かります。

とはいえ、建築士には1級と2級があり、等級によっても給料に差が出ます。この点を加味して考慮すると、建築士と一級建築施工管理技士の平均年収はほぼ変わらない額だと考えていいでしょう。

なお、どちらも業務内容が大きく異なるため、完全に比較して上下を決めることはできません。あくまでも参考程度にとらえておきましょう。

建設コンサルタント

建設に関わる仕事には、建設コンサルタントがあります。コンサルタントと聞くと高い年収をイメージする方もいるかもしれませんが、実際の平均年収は498万円と、あまり高いとは言えない額です。一級建築施工管理技士の方がより高い年収を狙いやすいでしょう。

この事から残業などが気にならず、高い収入を得たいと考えているなら、建設コンサルタントよりも一級建築施工管理技士を狙った方が希望をかなえやすいということが分かります。

一級建築施工管理技士が年収アップを目指す方法

他の職業よりも高い年収を狙いやすい一級建築施工管理技士ですが、その金額は様々な要因に左右されています。高い収入を狙いたい、今よりも年収をアップさせたいと考えているなら、そのための手段を知っておかなくてはなりません。次は、一級建築施工管理技士が年収アップを狙う際の方法について解説します。

実績を積む

一級建築施工管理技士に限ったことではありませんが、資格さえあれば高収入を得られるとは限りません。実務経験に基づいて評価される部分もあります。年収アップを狙うには、実務経験を積みスキルアップすることが大切です。

実務経験で求められるのは業務である施工管理士としての能力だけではありません。現場の作業員や工事関係者と円滑にコミュニケーションを取れる力や、マネジメント能力も求められます。これらの力を磨き、1人でも現場を担当できるようになれば、自然と年収もアップしているはずです。

転職する

年収が左右される要因として、所属している企業の規模や地域の平均年収があります。資格や経験を積んだら、これらを武器により高い年収がもらえる企業や地域に転職するのも1つの方法です。

より高い年収をもらえる企業を目指す際も、有利に転職活動できるのは一級建築施工管理技士だからこその選択といえます。

独立する

年収アップの方法は、転職だけではありません。建築施工管理技士として独立開業するのも手段の1つです。

独立すればフリーランスの現場監督として企業と直接契約を結べます。自分の興味ある仕事を選んで受注できるので、不得意な仕事を受けてストレスをためることもありません。

保険や年金・税金などを自分で処理するか税理士などに依頼する必要はありますが、1件あたりの給与は企業勤めよりも高くなります。企業にいた頃には事務や営業に任せていた仕事も自分でやらなくてはならなくなりますが、より高い年収を求めるなら、独立も視野に入れた方がいいでしょう。

一級建築施工管理技士の資格試験に合格するメリット

ここまで、一級建築施工管理技士として働く際の年収について触れてきました。次は、資格としての一級建築施工管理技士について触れていきます。資格試験に合格すると得られるメリットを解説するので、これからキャリアアップや資格取得を検討されている方は、参考にしてください。

現場の責任者になれる

一級建築施工管理技士を取得すると、現場の責任者として働けるようになります。具体的には、以下の役職を担当することになります。

  • 専任技術者:請負契約が適切に締結されているかを確認するための技術者
  • 監理技術者:大規模工事を実施する際設置と管理業務が義務付けられている技術者

これらの役職を担うことで仕事の幅を広げられるのは、大きなメリットといえるでしょう。また、経験を積んでスキルアップできれば、年収アップにもつなげられます。

転職するとき有利に働く

最初の方でも触れましたが、一級建築施工管理技士は大企業でも高い需要を誇る役職であり、資格です。常に募集をかけている企業も珍しくはありません。取得できれば転職活動を有利に進められます。

今よりもキャリアや年収を高めたい場合や、好待遇で転職したい場合は、一級建築施工管理技士合格を目指した方がいいでしょう。

会社から重宝される

一級建築施工管理技士を持った社員がいることは、その分営業所や任せられる現場を増やせることに直結しています。また、公共工事の受注の際、他社よりも有利に進めることも可能です。

一級建築施工管理技士を取得することで、今働いている会社に貢献することができます。そのまま経験を積めば、会社から重宝される人材になることも夢ではありません。企業に重宝される人材になることも、この資格取得で得られるメリットの1つです。

一級建築施工管理技士の将来性

一級建築施工管理技士は、建設業界全体の高齢化と人手不足を考えると、今後も高い需要を見込める資格・職種であるといえます。現在大都市圏を中心に様々な箇所で建て替えや大規模修繕等が行われていることを考えると、これらの需要が減ることは考えにくいといえるでしょう。

近年は女性の建設施工管理技士も増えてきました。このことからも、一級建築施工管理技士の将来性がかなり明るいことが分かります。

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【まとめ】一級建築施工管理技士の年収は高め!経験や実績を積み収入アップを目指そう

一級建築施工管理技士は無資格者に比べて高い年収が見込めるほか、将来性も明るくキャリアアップや年収アップを目的とした転職も成功しやすいです。より有利にキャリアアップや年収アップを狙う場合は、経験や実績を積む必要があります。収入アップを狙う場合は、まず自分にはどのような要素が足りないかを振り返るところから始めてみましょう。

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