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建設業界の公共事業などによる需要は、東京オリンピックなどの大きなイベントに左右されます。建設事業は安定的な仕事量を確保するのが難しく、特に中小企業では生き残りに不安を抱えているのが実情です。この状況で事業を進めていくために、新しいビジネスモデルへの取り組みが必要になってきました。
この記事では、現状の建設事業が抱える課題を明確にし、今後長きにわたって勝ち続けるための新しいビジネスモデルについて、事例を挙げて解説します。
建設業における新しいビジネスモデルの成功事例
ここでは、建設事業者が実際に取り組んで成功した「新しいビジネスモデル」の成功例を紹介します。取り上げた事例は以下のつです。
- 建機教習所
- 先進技術への事業投資
- 農業分野の参入
- 環境関連の事業
- 福祉関連の事業
- その他
それぞれについて具体的にみていきましょう。
建機教習所
建設業界の人材不足はすでに慢性化しており、どの企業も頭を悩ませている課題です。また、さまざまな業種に対する資格の取得も必要になってきました。
建機教習所は、それらの課題に対応できるよう現場作業におけるスキルを学び、専門資格の取得もできるように学べる教習所です。
「有限会社水越建材」では、必要なタイミングで資格取得ができるように、新しいビジネスモデルとして開講しました。建設業ならではの「建機」がそろっていること、教育できる講師を自社で賄える特徴を生かすことで、イニシャルコストを抑え収益化に成功しています。
先進技術への事業投資
昨今のIT分野の成長には目を見張るものがあります。AIは活用の範囲が更に広がり、3Dプリンターも医療や自動車などを中心に世界出荷台数も40万台に迫る勢いです。
こうした先進技術の動向を見極めた事業投資は、大手ゼネコンなどでも盛んに行われています。例えば、3Dプリンターの技術力がある企業に投資すれば、将来、建設資材の設計などに3Dプリンターを活用することも可能です。
AI技術が活用できれば、今までと同等の業務を少人数でこなせるようになるでしょう。事業投資については、できるだけ早めに将来性の高い技術や企業への投資がおすすめです。
農業分野の参入
最近では、農業分野に参入して建設業と農業を兼務する事業者も増えています。建設事業は継続的に安定した受注案件は少なく、個別案件を受注しても3カ月スパンで終わるものが多いのが実情です。
農業も同様で、年間を通じて農繁期が続く訳ではありません。そこで、2つの事業に携わる時期を調整して両立させ、安定した事業収入を得るわけです。
北海道の事業者は、農業コントラクタとして重機を扱うオペレーターを充てて牧草の収穫などを請け負う事業を始めました。その結果、安定した事業収入だけでなく、農業高齢者の雇用して人材不足を賄うこともできています。
環境関連の事業
今や地球規模で対策が進められている環境やリサイクルに関する事業への参入も、新しいビジネスモデルとして建設事業者におすすめできます。
例えば、建設現場で必ず発生する廃材をリサイクルして活用する事業もその一つです。島根県の総合建設事業者では、スギやヒノキの樹皮を特殊加工して、土壌改良資材を製造する技術を開発しました。
この資材を活用した土壌改良事業は、日々発生する廃材をリサイクルして有効活用して環境保護に貢献するだけでなく、抗菌性や保水性に優れたスギ・ヒノキの樹皮を使うことで、グラウンドや屋上緑化事業にも重宝されています。
福祉関連の事業
少子高齢化が進む中、介護を中心とした福祉事業をビジネスモデルとして取り組む建設事業者も増えてきました。山口県の建設事業者は、高齢者や障害者が安心して快適に生活できる住環境の改善を取り入れました。
主な事業は、住宅改修や福祉用具のレンタルで、特に住宅改修については専門的な知識と経験が功を奏して、ケアマネージャーが介護保険を利用して住宅改修する場合などの需要にこたえています。
他にも、地域に貢献できる事業として一般的な介護サービスよりも踏み込んだ「庭の草取り」などのサービスも身近なビジネスモデルといえるでしょう。
その他
今まで紹介したビジネスモデル以外にも、自社の特長を生かした工夫や、ここ数年猛威を振るったコロナ感染症の影響から回復するために新規事業に展開した例も数多くあります。
リフォーム事業を営んでいたワケン株式会社は、コロナの影響で対面営業が困難になってきたことから、ECサイトを構築し、WEB上で建築資材を販売する新事業を展開しました。
また、電気工事事業から介護事業への参入をした事業者や、これまで培ったノウハウを生かして住居のあらゆるニーズに対応したワンストップサービスの提供を始めた事業者もいます。
この記事では、建設業とは何かについてや建設業での業種の種類について解説しています。
建設業とは?建築業との違いや29ある業種などもわかりやすく解説
建設業が新しいビジネスモデルに取り組む理由
ここまで、建設業事業者が新しいビジネスモデルを構築して今までとは異なる業界へ参入している事例を紹介してきました。なぜ、ある程度のリスクを覚悟してまでも、新しいビジネスに参入する必要があるのでしょうか。
ここからは、建設業事業者が今までとは異なるビジネスモデルに取り組む理由について、建設業が抱える3点の課題として、
- 慢性的な人材不足
- 建築技術者の高齢化
- 将来的な建築需要低下の不安
これらについて詳しく解説します。
人手不足
慢性的な人手不足は建設業全体の深刻な課題で、労働人口は1997年頃をピークに年々減少しています。特に若年層の労働者が減少していて、将来的には「後継者不足」「労働力不足」に悩む企業が増加するでしょう。
労働人口減少の原因の一つに、働き方改革への対応が遅れている点が挙げられます。建設業界はいわゆる3K(きつい、汚い、危険)職場のイメージがあり、実際に長時間労働が通例になっている企業も少なくありません。
これからの建設業界には若い世代を軸とした組織形成が必要です。そのためには「3K」というイメージを払拭し、若年層が「働きたい」と思えるような新しいビジネスモデルへの転換が求められます。
建設の需要低下
2021年に開催された東京オリンピックは建設業界に特需といえるほどの収益をもたらしました。今までの他国の状況を見ても、オリンピック開催の2,3年前から数年間は建設需要が活発に推移する傾向にあります。
しかし、オリンピック後は徐々に建設需要が減り始めました。次の大規模なプロジェクトとして2027年のリニアモーターカー開業がありますが、中小企業は大手企業の下請けとして参入することが多く利益率もそこまで望めません。
中小企業で安定した経営を継続するためには、新たなビジネスモデルで収入源を増やすことが求められます。
技術者の高齢化
建設業界には、その長い歴史の中で伝承されてきた高い技術力を持つ職人さんや技術者が多くいます。しかし、彼らの高齢化が進み活躍の場が年々少なくなっているのが実情です。
また、建設業はその技術が属人的になりやすい特徴があります。そのため、いかに熟練した技術を若年層に伝承するかが、今後の会社の成長に対しても重要なポイントです。
長年培ったノウハウを属人的にせず、マニュアル化した新しいビジネスモデルを構築することが今後の市場で生き残る鍵になります。
建設業が新しいビジネスモデルを始めるときの流れ
新しいビジネスモデルへの参入が必要であることは分かるけれど、どんな手順で進めれば良いかわからない事業者の方も多いでしょう。
新規のビジネスを始めるとなると、リスクや不安が生じて迷ってしまうこともあります。
この項目では新しいビジネスモデルを始めるまでの流れを
- 事業方針の決定
- 市場調査分析
- 計画の立案
- 計画の実行
これら4つのステップを順を追って解説します。新しいビジネスモデルへの実現に参考にしていただければ幸いです。
1.事業方針を決める
まず最初は、事業方針の決定です。最も重要な部分で新しいビジネスとして「何をするのか」を顧客や市場の状況を考えながら決めていきます。
ビジネスの本質は、顧客や社会に何がしかの付加価値を提供することです。そのための施策として「顧客や社会のどのような悩みが解決できるのか」「その事業を行うことでどのような経済効果が生まれるのか」の2つのポイントを軸に考えると自然な流れで事業方針が決められます。
事業方針がぶれずに軸がしっかりしていると、競合他社との比較になっても自社の強みをしっかり強調することが可能です。
2.市場調査や自社分析
どんなに良いアイデアで事業方針が決定しても、市場や顧客からのニーズが無ければひとりよがりのビジネスになってしまいます。
事業方針が決まったら、市場のニーズを調査して今から始めるビジネスが市場からどのように求められるのか自主分析しましょう。具体的には、インタビューやアンケートで直接顧客の意見を聞くことや、WEB上の口コミ、SNSも参考になります。
既存の顧客に質問してみても良いです。できるだけ多くの声を聞いて、自社で決めた事業方針のニーズを確認しましょう。
3.事業計画を立てる
次に事業計画の立案ですが、フレームワークを活用することをおすすめします。フレームワークは事業方針を論理的・多角的に分析できるので「やるべきこと」が明確になるのがメリットです。
無駄な情報を省き、重要な項目に絞って考えることができます。ここでおすすめするフレームワークは、SWOT分析、PEST分析、5フォース分析、4C分析、4P分析の5つ。どのフレームワークを活用しても、多角的な市場分析にも役立つので積極的に活用してください。
4.実行する
事業計画の立案が終了したら、計画に沿って実行していきましょう。実行段階で新しい人材の雇用や採用、協力会社の募集などが必要になってくることもあります。
適切にすすめられるように、短期・中期・長期の視点で実行項目を捉え、余裕を持って取り組むことが重要です。特に、人材の採用や雇用などは中々必要な人材が揃わずに時間だけが経過してしまうことがあります。
そのため各フェーズごとに期限を決めて取り組み、当初の計画どおりに進めることがビジネスを成功させる鍵となります。
建設業界の今後の動向は?
2023年現在、建設業界は人材不足や労働環境、建材価格の高騰など数多くの課題を抱えています。
これらの問題を解決するためには、生産性の向上や安定的な事業経営などを行う必要があります。詳しくは下記の記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
【2024】建設業界の今後の動向は?建設業界の現状や今後の将来性などを徹底解説!
【まとめ】新しいビジネスモデルを取り入れて建設業界を活性化させよう!
建設業界を取り巻く環境は今後とも厳しい状況が続くと思われます。特に東京オリンピックなどの特需が見込めない状況下では、将来的に建設需要が低下する不安は拭えません。
本記事では、建設需要低下にともなう経営の不安を解消するために、新しいビジネスへの参入を推奨しました。
将来的に安定した経営環境を実現するために、新規ビジネスモデルへ積極的に参入して、収入の変動を抑えた安定感のある経営環境を目指しましょう。実現すれば建設業の課題である慢性的な人材不足も良い方向に転換できます。
建設業と建築業の違いについてはこちらの記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
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