建設業許可で必要となる専任技術者とは?要件や資格を徹底解説!

「専任技術者ってどんな仕事をするんだろう?」
「専任技術者になるための要件って何?」
とお悩みではないでしょうか?
この記事では専任技術者の概要と、専任技術者になるために必要な要件を詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

専任技術者とは?

専任技術者は請負契約を結び、契約を適切に遂行するために必要不可欠な存在です。工事の見積書作成や発注、契約関連の手続きなどが仕事内容になり、建設業では各営業所に配置が義務づけられています。専任技術者がいなければ建設業許可が受けられないほど重要な役割を担っているため、各営業所に専属で従事することが基本です。
ここでは専任技術者の役割を紹介します。

契約の締結、履行を行う

請負契約の適切な締結とその履行が専任技術者の主な仕事内容です。専属で従事し、工事見積書や契約の締結、履行を行っていくため専門的な知識が必要です。営業所に配置されるため、基本的には工事現場に出ることはありません。

建設業許可の取得に必須

専任技術者の配置は義務であり、建設業の許可を取得するための要件の1つです。要件をしっかり確認しておきましょう。

  • 経営事務の管理責任者等の配置
  • 専任技術者の配置
  • 誠実性
  • 財産的基礎等
  • 欠格要件

上記のように、建設業許可を取得するためにはさまざまな要件があります。

建設業許可申請の流れと手順についてはこの記事でより詳しく解説しています。

建設業許可申請の流れとは?必要な理由や申請の手順を完全解説!

営業所ごとに設置される

専任技術者は営業所ごとに常駐する必要があります。仮に、退職など何かしらの理由で配置されていなければ建設業許可は維持できません。専任技術者の席が空いてしまいそうなときは、前もって代わりの専任技術者を配置する必要があります。

専任技術者に必要な要件3選

専任技術者になるためには下記の3つの要件を満たさなければなりません。

  • 一定の資格の保持と実務経験
  • 営業所で常駐できる
  • 営業所の専任になる

専任技術者として業務するにあたり、資格要件と実務経験が必要です。要件は一般建設業か特定建設業かで異なります。下記で解説するので参考にしてください。また、営業所の専任となり常駐できることが条件です。例えば他の工事現場と兼用で業務をしている場合や短期雇用の場合は、資格要件や実務経験を満たしていても専任技術者にはなれないので注意しましょう。

専任技術者にどんな資格や実務経験が必要?

上述したように、専任技術者になるためには一般建設業か特定建設業建設業かにより必要な資格要件や実務経験が異なります。
一般建設業と特定建設業の大きく違う点は下請契約の金額です。直接請け負う工事が4.500万円(建築工事は7.000万円)以上の契約を締結するのが特定建設業に該当し、それ以外の工事が一般建設業です。下記では、一般建設業と特定建設業それぞれの資格や実務経験の要件を解説するので参考にしてください。

一般建設業の場合

まずは一般建設業の要件を確認していきましょう。

10年以上の実務経験がある

許可を取得しようとしている建設業で10年以上の実務経験が必要です。指定学科を卒業していなくても問題ありません。

必要な国家資格がある

2つ目は、必要な国家資格があることです。一般建設業の種類によって必要な資格は異なります。特定建設業と合わせて下記で紹介するので、許可を受けたい建設業の資格を確認してください。

指定学科を卒業、あるいは学歴と実務経験がある

3つ目は指定学科を卒業、または学歴と実務経験があることです。高卒が5年以上、大卒が3年以上、専門学校卒が5年以上(専門士・高度専門士の場合は3年以上)の実務経験が必要です。なお、建設工事に携わっている期間をカウントするので、直接工事に関わりのない業務は対象期間には入りません。

特定建設業の場合

特定建設業の場合は下記のどちらかを満たしていれば専任技術者として取得可能です。詳しく解説するので参考にしてください。

一般建設業の要件+2年以上の指導監督的経験

一般建設業の要件を満たしたうえで、工事主任や主任技術者などの2年以上の指導監督的経験があれば特定建設業の専任技術者になれます。

必要な国家資格がある

上述した一般建設業に必要な資格と特定建設業に必要な資格を表にまとめたのでぜひ参考にしてください。

種類一般建設業特定建設業
建築一式1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士・2級建築士

1級建築施工管理技士

1級建築士

土木一式1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士

1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・農業部門・水産部門・森林部門)

1級建設機械施工管理技士

1級土木施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・農業部門・水産部門・森林部門)

大工1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士・2級建築士

木造建築士

建築代行

型枠施工

1級建築施工管理技士

1級建築士

とび・土木1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士

1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・農業部門・水産部門・森林部門)

型枠施工

とび・とび工

コンクリート圧送施工

ウェルポイント施工

地すべり防止工事

基礎ぐい工事

1級建設機械施工管理技士

1級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・農業部門・水産部門・森林部門)

左官1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

左官

1級建築施工管理技士
1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工

石工・石材施工・石積み

1級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士

屋根1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士・2級建築士

建築板金

板金・建築板金・板金工

かわらぶき・スレート施工

1級建築施工管理技士

1級建築士

1級管工事施工管理技士・2級管工事施工管理技士

技術士(機械部門・総合技術監理部門)

給水装置工事主任技術者

冷凍空気調和機器施工・空気調和設備配管

給排水衛生設備配管

配管・配管工

建築板金

建築設備士

計装

1級管工事施工管理技士

技術士(機械部門・総合技術監理部門)

電気1級電気工事施工管理技士・2級電気工事施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・電気電子部門)

1級電気工事施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・電気電子部門)

タイル・れんが・ブロック1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士・2級建築士

タイル張り・タイル張り工

築炉・築炉工・れんが積み

ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工

1級建築施工管理技士

1級建築士

鋼構造物1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

1級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士

1級建築士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

鉄筋1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

鉄筋組立て・鉄筋施工

1級建築施工管理技士
舗装1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

1級建設機械施工管理技士・2級建設機械施工管理技士

技術士(建設部門・総合監理部門)

1級土木施工管理技士

1級建設機械施工管理技士

技術士(建設部門・総合監理部門)

しゅんせつ1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

1級土木施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

板金1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

建築板金

工場板金

板金・建築板金・板金工

板金・板金工・打出し板金

1級建築施工管理技士
ガラス1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

ガラス施工

1級建築施工管理技士
塗装1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

塗装・木工塗装・木工塗装工

建築塗装・建築塗装工

金属塗装・金属塗装工

噴霧塗装

路面標示施工

1級建築施工管理技士

1級土木施工管理技士

防水1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

防水施工

1級建築施工管理技士
内装仕上1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

1級建築士・2級建築士

畳製作・畳工

内装仕上げ施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工・表装・表具・表具工

1級建築施工管理技士

1級建築士

機械器具設置技術士(機械部門・総合監理部門)技術士(機械部門・総合監理部門)
熱絶縁1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

熱絶縁施工

1級建築施工管理技士
電気通信1級電気通信工事施工管理技士・2級電気通信工事施工管理技士

技術士(電気電子部門・総合技術監理部門)

1級電気通信工事施工管理技士

技術士(電気電子部門・総合技術監理部門)

造園1級造園施工管理技士・2級造園施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・森林部門)

1級造園施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門・森林部門)

さく井技術士(上下水道部門・総合技術監理部門)技術士(上下水道部門・総合技術監理部門)
建具1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

建具製作・建具工・木工・カーテンウォール施工・サッシ施工

1級建築施工管理技士
水道施設1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

技術士(上下水道部門・総合監理技術部門・衛生工学部門)

1級土木施工管理技士

技術士(上下水道部門・総合監理技術部門・衛生工学部門)

清掃施設技術士(衛生工学部門・総合技術監理部門)技術士(衛生工学部門・総合技術監理部門)
解体1級土木施工管理技士・2級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士・2級建築施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

とび・とび工

解体工事

1級土木施工管理技士

1級建築施工管理技士

技術士(建設部門・総合技術監理部門)

専任技術者の専任性と技術要件を確認するためには?

ここからは専任技術者の専任性と技術要件について詳しく解説します。

専任性を確認するためには?

専任技術者は営業所に常駐しなければなりません。そのため、専任技術者の住所が営業所に問題なく通勤できる範囲なのかを確認されます。営業所までの通勤時間が2時間以上かかる場合は許可されない場合もあるので注意しましょう。
また、専任技術者は複数の営業所へ配置することはできませんので、専属で業務しているかどうか健康保険証を提示する必要があります。
個人事業主として国民健康保険に加入している場合は、保険証に会社名が記載されていないので住民税の通知書や確定申告書を提出して証明することになります。

技術者としての要件を確認するためには?

国家資格の取得で証明をする場合は、合格証や登録証などを用います。また、建設業許可がある方は建設業許可と変更届を提示しましょう。建設業許可がない状態で証明するためには実務経験に基づいた契約書や請求書を集める必要があります。
難しい場合は本人の印鑑証明、会社が廃業し現在実在しない場合は会社の登記簿謄本や当時の取締役の実印を押印して証明します。

現場代理人とは?必要な資格・主任技術者との違い

工事現場には様々な役職の人がいます。そのなかでも工事現場を統括しなければいけない人物に代わって管理を行う人のことを現場代理人と言います。似た言葉に主任技術者、監理技術者、現場監督といったものもあげられます。以下の記事ではそれぞれの違いや役割について紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
現場代理人とは?必要な資格・主任技術者との違いも解説!

解体工事 許可なし解体工事を許可なしで行うリスクや登録に必要な申請方法などを解説

【まとめ】専任技術者の確保は大切!要件を適切に理解しましょう

専任技術者の要件について解説しました。この記事をまとめると下記のとおりです。

  • 建設業は専任技術者の配置が必須
  • 一般建設業・特定建設業で要件が異なる
  • 専任技術者は常駐する必要がある

建設業許可を取得するにあたって専任技術者は必要不可欠な存在です。一般建設業と特定建設業それぞれの要件を理解して建設業許可の取得を目指しましょう。

建設業許可を持っており、専任技術者の変更が必要な場合については、こちらの記事で解説しています。ぜひこちらもご確認ください。
建設業で専任技術者を変更する時の手続きは?必要書類や注意点を解説

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