水道施設工事とは?水道施設工事の建設業許可取得方法や注意点などをご紹介!

建設業許可の全29業種のなかで水道設備にまつわる工事を行うものが水道施設工事業です。しかし一口に水道施設工事といっても業種内容は多岐に渡り、建設業許可の取得に必要な要件も他の業種と異なります。
そこで今回は水道施設工事での建設業許可取得方法や、取得に際した注意点について詳しくご紹介していきます。

水道施設工事とは?

まずは水道施設工事の概要からご紹介していきます。先程もお伝えしたように水道施設工事は全29業種ある建設業許可のうちの専門工事です。水道施設工事とは主に

  • 上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事
  • 公共下水道、流域下水道の処理施設を設置する工事

を指します。
引用:国土交通省

管工事との違い

続いて水道施設工事との区別が難しい業種についてご紹介していきます。管工事業は金属製の管等を用いて空気や水の配管整備を行う業種です。同じく水道設備に関する工事ではありますが工事を担当する分野が異なります。管工事が主に一般家庭における水道の配管工事を行うのに対して、水道施設工事は公共の上下水道や浄水設備の設置を行います。

水道施設工事の建設業許可取得の要件

続いて、水道施設工事業の建設業許可取得に必要な要件についてご紹介していきます。建設業許可の取得に必要な要件は全部で6つあります。要件は以下の通りです。

  1. 経営業務の管理責任者の常勤
  2. 専任技術者の配置
  3. 誠実性
  4. 財産的基礎
  5. 欠格要件に該当しないこと
  6. 社会保険への加入

1.経営業務の管理責任者

水道施設工事業で建設業許可を取得するための一つ目の要件は経営業務の管理責任者の常勤です。建設業は他業種と大きくその性質が異なるため、一定期間以上の経営業務の経験を持つ管理責任者が常勤していることが要件となります。経営業務の管理責任者の要件は以下の通りです。

  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること。
  • 建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る。)として経営業務を管理した経験を有する者であること。
  • 建設業に関し6年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者であること。

また経営業務の管理責任者に関する要件が改正されて、常勤役員が建設業における経営経験が5年未満の場合であっても、これを補佐する者を配置すれば経営業務の管理責任者の要件を満たすことが可能となりました。補佐者の要件は以下の通りです。

  • 「財務管理の業務経験」、「労務管理の業務経験」、「運営業務の業務経験」について、5年以上の経験を有する者

補佐者は財務管理の業務経験、労務管理の業務経験、運営業務の業務経験が必要ですが、一人で満たす必要はありません。複数人で分担してこれらの要件を満たすことも可能です。

2.専任技術者

建設業許可を取得するためには専任技術者を各営業所ごとに配置することも必要です。建設業は専門性が高い業種です。契約の締結は各事業所ごとに行われるため、請負契約に関する知識を有した専任技術者が必須となるのです。専任技術者の要件に関しては後述します。

3.誠実性

建設業許可の取得の要件には「誠実性」も含まれています。一見すると理解しにくい要件ですが、請負契約にもとづいて長期に渡る工事を遂行する建設業においては、しっかりと契約を最後まで履行する誠実性もまた求められるのです。請負契約履行の際の詐欺や契約の違反は誠実性がないと見なされるので注意しましょう。

4.財産的基礎

建設業許可の取得にあたっては、一定以上の財産的基礎も要件の一つです。この際に申請する許可が一般建設業許可か特定建設業許可に応じて、求められる財産的基礎の要件が異なります。続いてそれぞれの財産的基礎の要件をご紹介していきます。

一般建設業の場合

一般建設業許可における財産的基礎の要件は以下の通りです。

  • 500万円以上の自己資本
  • 500万円以上の資金調達能力を有していること

自己資本とは返済不要の資産を意味します。建設業許可申請を行う直前の決算において500万円以上の資本があると証明できればこの要件を満たすことができます。

建設業許可に必要な500万円がない場合の対処法

「建設業許可を取得したいけど500万円も手元にない・・・」このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。そのような場合には以下のような対処法で解決できます。

  • 複数の口座に入っているお金を1つにまとめる
  • 入金のタイミングで残高証明書を取得する
  • 資金を調達する

詳しい内容や、資金調達に関する注意点などは以下の記事で分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可に必要な500万円がない場合はどうする?資本金が足りない場合の対処方法をご紹介!

特定建設業の場合

特定建設業許可における財産的基礎は以下の4つの要件を満たす必要があります。

  • 欠損比率が20%以下であること
  • 流動比率が75%以上であること
  • 資本金が2,000万円以上あること
  • 純資産額が4,000万円以上あること

欠損比率とは繰越利益剰余金のマイナス額から資本剰余金と利益準備金、その他利益剰余金を差引いた額の資本金に対する割合を意味します。また流動比率とは、一年以内に回収できる流動資産と一年以内に返済する流動負債との割合を指します。賃借対照表を見て流動資産を流動負債で割ったものが流動比率です。このように特定建設業では一般建設業よりも厳しい基準となります。

5.欠格要件

建設業許可を取得するためには、許可を受けようとするものが欠格要件に該当しないことが必須の要件となります。欠格要件は全部で14つあり代表的なものとしては

  • 破産者で復権をえないもの
  • 禁固刑に処せられてから5年を経過しないもの
  • 暴力団に事業活動を支配されていないもの

などが挙げられます。また申請書類に記載漏れや虚偽の記載がある場合も建設業許可を受けることができないと明記されています。意図しない記載漏れには十分注意が必要です。

6.社会保険への加入

2020年から社会保険への加入もまた、建設業許可取得に必須の要件となりました。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険

法改正前に建設業許可を取得した事業者も許可の更新時に社会保険に加入出来ていない場合は、許可の更新が受け付けられません。

【一般建設業】水道施設工事の専任技術者の要件

続いて水道施設工事を一般建設業許可で申請する際の専任技術者の要件をご紹介していきます。専任技術者の要件は主に二通りあり、特定の資格を取得していること、または指定学科の卒業に加えて一定以上実務経験を有することがこれに該当します。

資格

一般建設業許可における水道施設工事の専任技術者に求められる資格は以下のいずれかです。

  • 1級土木施工管理技士
  • 2級土木施工管理技士(土木)
  • 技術士における
    上下水道(上水道及び工業用水道以外)
    総合技術監理「上下水道」(上水道及び工業用水道以外)
    衛生工学部門「水質管理」
    総合技術監理部門(衛生工学「水質管理」)
    衛生工学部門「廃棄物管理」
    総合技術監理部門(衛生工学「廃棄物管理」)

指定されている学科の卒業と実務経験

上記の資格を取得していない場合は、以下の指定学科の卒業と一定期間以上の実務経験をもって専任技術者の要件を満たすことができます。高校卒業であれば5年以上、高専または大学卒業であれば3年以上の水道施設工事業の実務経験を求められます。

  • 土木工学
  • 建築学
  • 機械工学
  • 都市工学
  • 衛生工学

水道施設工事に関する実務経験が10年以上ある

また、上記の資格を所持していない場合であっても10年以上の水道施設工事の実務経験を書類で証明できれば、専任技術者となることが可能です。また水道施設工事における実務経験が8年以上ある場合は、他の建設業での工事経験も合わせて計12年以上の実務経験を証明できれば専任技術者の要件を満たすことができます。

【特定建設業】水道施設工事の専任技術者の要件

続いて特定建設業許可における水道施設工事の専任技術者の要件をご紹介していきます。資格で申請する際に必要となるものは以下の通りです。

  • 1級土木施工管理技士
  • 技術士における
  • 上下水道(上水道及び工業用水道以外)
    総合技術監理「上下水道」(上水道及び工業用水道以外)
    衛生工学部門「水質管理」
    総合技術監理部門(衛生工学「水質管理」)
    衛生工学部門「廃棄物管理」
    総合技術監理部門(衛生工学「廃棄物管理」)

資格と指導監督的な実務経験が2年以上ある

一般建設業許可に必要な資格のみを取得している場合は、その資格に加えて4500万円以上の水道施設工事を元請けの指導監督的立場において2年以上経験していれば要件を満たすことができます。

建設業許可申請の手順

建設業許可取得の要件を全て満たしており、実際に申請してみたいと思う方はこちらの記事で申請手順や必要書類、申請にかかる費用などを詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
建設業許可申請の流れとは?申請の手順を解説!

建設業許可なしで工事を行ったときの罰則や罰金

建設業法で定められた、建設業許可が必要な工事を、許可なしで行った場合は法律違反となるため、罰則や罰金が科されます。
建設業法の違反に対しては、その犯した違反の程度に応じて様々な罰則が課されます。そのなかでも無許可で工事を受注した際には「300万円以下の罰金もしくは3年以下の懲役」という最も重い罰則が科されますので注意が必要です。
以下の記事では、実際に無許可で工事を請け負い、逮捕された事例なども詳しく紹介していますので、必ず目をとおしておきましょう。
建設業許可なしで請負うとバレる?建設業許可なしで行ったときの罰則や罰金などを解説

【まとめ】水道施設工事の建設業許可取得の際には6つの要件を満たすことが必須

今回は水道施設工事の概要と建設業許可を取得する際に必要な要件についてご紹介してきました。建設業許可の取得には今回ご紹介した6つの要件をすべて満たす必要があります。今回の記事を是非参考にして、建設業許可を取得の準備に取り組んでみて下さい。

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