塗装工に向いている人の特徴6選!塗装工になるメリット・デメリットについても解説

手に職を付けて長く働きたいと考えている方の中には、塗装工になることを検討している方もいらっしゃるかと思います。
塗装工は建物や自動車などの最後の仕上げに関わる仕事です。やりがいが感じられるだけでなく、将来性もあります。
しかし、塗装工の仕事が自分に向いているか不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、塗装工に向いている人の特徴、塗装工に就くメリット・デメリット、年収や将来性を解説します。
塗装工を目指すかどうか迷っている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

塗装工に向いている人の特徴

塗装工に向いている人の特徴をいくつかご紹介します。

特徴1:体力がある

塗装作業には体力が求められます。立ちっぱなしの作業だけでなく中腰での作業も多くあります。塗装作業そのものだけでなく、重い塗料や機材の運搬、塗装前の建物・自動車の洗浄、塗料が付着してはいけない箇所への養生、場合によっては足場の組み立てといった作業もしなければなりません。
真夏の炎天下や、真冬の寒空の下での仕事もあるでしょう。
長く続けていれば自然に体力は付いてきますが、塗装工の仕事は体力勝負であることを念頭に置いておきましょう。

特徴2:忍耐力がある

忍耐力がないと、長い下積みに耐えられないかもしれません。
未経験の場合、均一に美しく塗る技術を身に付けるためには多くの練習をしないといけません。
技術や実績が不足しているとなかなか仕事が増えないため、思い悩むこともあるでしょう。
辛い時期も下積みだと割り切って、コツコツと作業をやり遂げる忍耐力が必要です。
技術力を上げて実績を積み重ねれば、だんだんとやりがいのある仕事が増え、安定した収入を得られるでしょう。

特徴3:作業が丁寧

塗装工の仕事には、丁寧で繊細な作業が要求されます。
最終的な仕上がりを左右する重要な仕事なので、良い意味でも悪い意味でも目立ちます。
ムラや隙間があれば素人の目で見てもわかります。
また、塗装には金属の防さび、木材の保護といった役割もあるため、見た目だけ繕ってもいけません。手を抜いて施工すると、塗装の膜厚が不足することもあります。
塗装膜厚の厚みが足りないと、ほんの数年で塗装がボロボロと剥がれ落ちてしまいます。
機能性を保ちつつ、外観の美しさにも気を配れる方ならばやりがいを感じられるでしょう。

特徴4:潔癖症じゃない

手や衣服を全く汚さずに塗装するのはまず不可能です。建物や自動車の塗装に使われる塗料は耐久性が高く、乾燥すると洗ってもなかなか落ちません。
基本的に屋外で作業するため、塗料だけでなくほこりや土、汗で汚れることもあります。
慣れれば気にならなくなると同時に、技術が上がって塗料が衣服に付いてしまうことが減りますが、潔癖症の方はストレスを感じる場面が多くあるでしょう。
多少の汚れは気にしない方は塗装工に向いているといえます。

特徴5:薬剤の匂いが気にならない

塗料を薄めて塗りやすくするために、シンナーと呼ばれる有機溶剤が多く用いられます。
シンナーには防水性や速乾性を高める効果もあるため、塗料には欠かせません。しかしシンナーは揮発性が高く、独特な臭いがあり、長く吸い込み続けると頭痛やめまい、吐き気といった症状が出ることもあります。
防毒マスクをしたり十分に換気したりしても、どうしてもシンナー特有の臭いは多少残ります。シンナーの臭いが気にならない方ならば、塗装工に向いているでしょう。

特徴6:高いところが苦手じゃない

建物を塗装する場合、高所での作業があります。
高所作業の際には作業床や手すりの設置、安全帯の使用などが労働安全衛生法で定められており、徹底していれば危険はありませんが、高所恐怖症の方には辛い場面が多くあるでしょう。
高い所が苦手ではないならば、油断は禁物ですが、塗装工に向いています。
高い所に恐怖を感じているからこそ、安全対策を怠らずに細心の注意を払って作業できるという側面もありますが、極度の高所恐怖症の方は自動車や家具を専門とする塗装工を目指した方がいいでしょう。

塗装工のメリット

塗装工のメリットをいくつかご紹介します。

メリット1:仕事が形に残る

自身が施工した塗装の仕事は、形になって残ります。
多くの場合、最後の仕上げの工程なので、第一印象への影響が大きいといえるでしょう。
建築物の塗装は特に多くの一般人の目に留まります。
塗装の仕上がりが美しければ、誰が見ても好感を抱くでしょう。
他にも、自動車や家具の塗装の場合、こだわりのある方ならば出来の違いがわかります。
塗装のクオリティが高ければ、顧客に感謝されたり多くの仕事が舞い込んできたりするでしょう。

メリット2:自分の成長を実感できる

自身の成長を実感しやすいことがやりがいのひとつです。
初心者の頃は、ムラや隙間のないように塗ることは、たっぷり時間をかけても難しいでしょう。スピーディにしようとすればなおさらです。
また、塗装工にも様々な仕事があり、高所での作業や複雑な塗り分けなどは、新人には任せてもらえないでしょう。
技術と知識を身に付けるには何年もかかるかもしれませんが、難易度の高い仕事を任せられるまでスキルアップすれば、成長を実感できます。

塗装工のデメリット

塗装工のメリットをいくつかご紹介します。

デメリット1:体力的に負担が大きい

塗装作業には体力が必要なため、体に負担がかかります。
立ちっぱなし、または中腰の作業が多く、腰痛に悩まされている職人も少なくありません。
日頃からマッサージやストレッチで体をほぐすことが大切です。
また、塗料に含まれる有機溶剤の扱い方を間違えると、健康被害につながります。
有機溶剤中毒予防規則や特定化学物質障害予防規則に従って、正しく取り扱いましょう。
規則に該当する物質を扱う場合、定期的な環境測定や健康診断が義務付けられているため、怠らないようにしましょう。

デメリット2:下積み年数が必要

塗装工として一人前になるには、下積みが必要です。木材や金属、コンクリートなど多岐にわたる素材に対して、適切に塗料を選び均一にきれいに塗装するためには、多くの経験や知識、高い技術力が求められます。特に未経験から始めると、技術や知識を習得するのに数年かかるでしょう。
辛い下積み期間の中でも、新しい経験や学びを楽しむことが大切です。
長い下積みを経験して一度技術を習得すれば、多くの人から頼られる存在になるでしょう。

デメリット3:上下関係

塗装工に限らず職人の世界は上下関係が厳しい傾向にあります。
スパルタな指導に驚いたり、突然怒鳴られて理不尽だと感じたりすることも多いかもしれません。しかし、厳格な職人ほど自分の仕事に誇りを持って真剣に取り組んでいるという面もあります。
面倒見のいい兄貴肌の上司であれば、普段は厳しくても、頼れる場面が多くあります。体育会系の環境で上下関係の厳しさに慣れている方ならば、あまりストレスを感じずに馴染めるでしょう。

塗装工の平均年収

塗装工の年収は、平均すると約400万円です。
キャリアによって大きな差があり、新人の頃は300万円前後、実績を積んで技術力が認められれば500万円以上になることもあります。他の建築業に比べると、年収の水準は高めです。
近年はインターネットで直接依頼されるケースも多いため、ホームページやSNSを活用して上手く営業・宣伝活動をすれば、単価の良い仕事を受注できます。季節を問わず一定の需要が常にあるので、安定した収入を得られるでしょう。

塗装工の将来性

どんなものでも年数が経過すると傷、色褪せ、塗装剥がれが目立ってきます。
たとえ新築物件が少なくなっても、既存の建物の塗り直し需要は今後も一定数あるでしょう。
また、塗装工に限らず建設業界は人手不足が深刻です。特に建築物の塗装は自動化が難しい業務であるため、技術力がある職人は重宝されるでしょう。
自動車業界では塗装作業のロボット化が進んでいますが、細かい箇所の塗装はまだまだ職人の腕が必要です。塗装工の仕事が無くなる可能性は低いといえます。

【まとめ】塗装工はきついけど向いている人にはメリットもたくさん!デメリットや就職方法についても要チェック

塗装工に向いている人の特徴や塗装工に就くメリット・デメリットを解説しました。
体力や忍耐力があり、丁寧で繊細な仕事ができる方は塗装工に向いています。
下積みが長く一人前になるまで苦労するかもしれませんが、高い技術を身に付ければ多くの仕事が舞い込んできて、顧客に感謝される場面も増えるでしょう。
人材不足が深刻であるため、学歴・年齢不問の募集も多くあります。
この記事をぜひ参考にして、塗装工を目指すことを検討してみてください。