建設業の三大災害とは?原因や対策方法についても解説!

建設業は、高所作業や大型建設機械を扱う危険な作業が多い現場です。毎年労働災害によって、死亡事故に繋がるケースも少なくありません。

建設現場で起こる事故は、「三大災害」といわれる事故が約半数を占めています。「未然に対策していれば…」というような事故も多く、環境の整備不足や不注意等が原因で起きています。

そのような事故を防ぐためにも、三大災害の原因分析や防止策を徹底し、安全に作業できる環境に整えることが大切です。本記事では建設業で起きやすい三大災害についてや原因、防止策について詳しく説明します。

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建設業の三大災害とは?

建設業における三大災害は、以下の3つの事故に分けられます。

  • 建設機械の事故
  • 墜落・転落の事故
  • 崩壊・倒壊の事故

建設業は高所や重機等が出入りする危険な環境で作業することが多いため、死亡災害発生率がほかの産業と比べて高くなっています。中でも三大災害による事故が約半数を占めているため、細心の注意を払って作業をする必要があります。

危険な事故を未然に防ぐためにも、まずは三大災害の災害内容や事故事例について見ていきましょう。

1:建設機械

三大災害の一つ目は、建設機械による事故です。建設機械による死亡事故は、全体の1割程度で決して少ない数ではありません。建設現場は、クレーン・ショベル・ブルドーザー等の大型の建設機械が頻繁に出入りします。

具体的な災害事例は、以下のようなケースが挙げられます。

・建設機械が接触する
・建設機械に巻き込まれる
・クレーンで運ぶ機材が落下して下敷きになる
・クレーンが転倒して一般車両を巻き込む

建設機械を扱う際は点検や安全確保を徹底して行い、作業員同士の意思疎通を図ることが大切です。

2:墜落・転落

三大災害の二つ目は、墜落・転落による事故です。三大災害の中でも最も死亡率が高い事故で、死亡事故の全体の3~4割を占めています。近年建設業の従事者の高齢化によって、転倒事故や交通労働災害が増加傾向にあるのが現実です。

具体的な災害事例は、以下のようなケースが挙げられます。

・足場や屋根の上で足を滑らせる
・手すりが外れて転落する
・荷重超過が原因で作業床の梁が折れる
・マンホールの穴に落ちる

建設現場は、高所等で作業することが多いため、万が一の落下に備えた安全対策の徹底が必要不可欠です。

3:崩壊・倒壊

三大災害の三つ目は、崩落・倒壊事故です。建物の土台となる部分の補強が不十分な場合、倒壊・崩落する危険があります。また、台風・大雨・竜巻等の自然災害が関係することも多いです。

具体的な災害事例は、以下のようなケースが挙げられます。

・自然災害で足場が倒壊する
・荷崩れした機材の下敷きになる
・下水配管の建設現場で堀削法面が崩落し土砂が直撃する

台風・大雨等の自然災害が起きた場合は早めに作業を切り上げ、作業員の安全を確保することが第一です。

建設業の三大災害が起こりやすい時期

建設業の三大災害が起こりやすい時期は、8月・10月・12月・2月です。事故が起きやすい原因については、以下の通りです。

・8月・・・暑さ
・10月・・・激しい寒暖差
・12月・・・寒さと年末の繁忙期
・2月・・・年度末の繁忙期

建設業は野外での作業になるため、気温や天候等に左右されやすいです。また、年末や年度末等、納期に間に合わせるために急いで作業することも事故が起こりやすい原因だと推測されます。

事故が起きやすい時間帯は、午前11時頃です。作業開始の7時頃から右肩上がりで、お昼前の11時頃がピークとなっています。作業の疲れやお昼休憩前の気の緩みによって、事故の発生に繋がっていると推測されています。

そのため、三大災害が起きやすい時期や時間を朝礼等で定期的に周知し、常に危機感を持って作業をすることが大切です。

建設業の三大災害が発生する原因

建設業の三大災害は、建設現場の整備不足、作業員の不注意、誘導員不足、天災、従事者の高齢化に伴う機能低下等が原因で発生します。

墜落・転落事故は、手すりや足場の固定が不十分、安全帯を不使用で作業すること等が原因で起きています。気の緩みが出やすい作業や繁忙期でも、徹底した安全管理が必要です。

建設機械や機材による事故は、点検や確認不足が原因で多く発生しています。建設機械・機材は、「急に動き出したり落下したりするかもしれない」という意識が大切です。

墜落・崩落事故は、強風・竜巻・大雨等の天災による原因の事故が多いです。ほかにも補強が不十分な場合や、設計上のミスが原因の場合もあります。天災の際には早めに作業を中止し、日頃の点検作業も怠らずに行うようにしましょう。

建設業の三大災害の防止策

建設業の三大災害を未然に防ぐためには、従業員が健康で安全に働ける環境を整える必要があります。そこで、建設業の三大災害防止のポイントを紹介します。

・安全対策の徹底
・転落や飛来物に備える
・従業員のストレスケア

建設現場では、少しの気の緩みによって大事故に繋がることも多いです。建設現場の管理者は、先を予測した作業計画を立て、従業員がミスをしにくい環境に整えることが大切です。

ここからは、建設業で取り組まれている三大災害の防止策について説明します。

防止策1:安全対策の徹底

建設現場では、以下のような安全対策が有効です。以下で実際に建設現場で行われている安全対策の事例を紹介します。

・作業前に足場や手すり等の設備の点検
・建設機械・機材の点検
・高所作業の安全帯の着用確認
・建設機械・機材等を使用用途外で使わない
・建設機械の運転のルール化
・自然災害発生時は早い段階で中止する
・人感センサー等の機械による安全確保
・監視カメラの設置
・「ヒヤリハット」と呼ばれる事故の事例の周知

三大災害の発生事例の中には、未然に防げる事故も多いです。繰り返しの作業でも確認を怠らないよう、点検作業は2人以上で行う等徹底した安全対策を実施しましょう。

防止策2:転落や飛来物に備える

建設現場では、転落や飛来物に備えることも大切です。高所で作業する際は、フルハーネス型の安全帯の着用が義務付けられています。万が一落下してしまっても、墜落後の負荷が分散されやすいので、怪我・痛みを軽減できます。

転落防止策としては、足場や手すり等の養生、墜落防止器具の設置、セーフティーレールを安全帯に設置、人感センサーによる注意喚起等が有効です。

また、飛来物の備えには、ヘルメット・安全靴の着用を周知徹底してください。これらのものは多様な業種で使われるものなので、「飛来・落下物用」に対応できるものを選びましょう。

防止策3:従業員のストレスケア

力仕事が多い建設業では、従業員のストレスケアも事故防止に繋がります。ストレスが原因で体調不良を起こしたり、意識がぼんやりして判断力が鈍ったりと思わぬ事故を起こす危険があります。

また、建設業はさまざまな会社から集まった下請工事業者が同じ現場で働くことが多いです。人員の入れ替えも激しい業種なので、ストレスが溜まりやすい環境であるといえます。
そのため、現場の管理者・経営者は、従業員の定期的なストレスチェックを行いましょう。
長時間労働、パワハラ等によるストレスがないかどうかを確認し、従業員がストレスフルな環境で働けるように努めましょう。

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【まとめ】建設業の三大災害には要注意!原因や対策方法について要チェック

危険の多い建設現場では、三大災害に注意が必要です。毎年何人もの人が建設現場の事故で亡くなっている現実を踏まえ、常に危険と隣り合わせな環境で働いているという自覚を持ちましょう。

事故を未然に防ぐためにも、三大災害の原因や防止策について熟知している必要があります。ミスが起きてしまった場合はその都度原因を調査し、改善に努めることも大切です。他社の取り組み等も参考にしながら、三大災害の防止策を徹底して行いましょう。

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