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建設現場では、塗料や接着剤などの化学物質を含む建築材料を使用します。しかし、これらの材料に含まれる有害物質の取り扱いを誤ると、重大な事故につながる恐れがあるため注意が必要です。
この記事では、有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の具体的な書き方と記入例について解説します。有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の作成に不安を感じている方、正しい書き方を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届とは
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届とは、建設現場で使用する化学物質を適切に管理するための書類です。塗料や接着剤など、有害な化学物質を含む可能性のある建築材料を使用する際、事前にこの書類を提出することで、現場の安全管理体制を整えられます。
使用する書式
使用する書式は、A4サイズの用紙1枚に必要な情報を漏れなく記入できるようにデザインされています。ただし、使用する化学物質の種類が多い場合などは、別紙を追加することもあります。
主に記載対象となる建築材料の化学物質
以下のような建築材料には、有害な化学物質が含まれている可能性があります。
塗料 | 錆止め、クロム酸化合物など |
接着剤 | フェノール樹脂、合成ゴム、酢酸ビニール、ラメリン樹脂系接着剤など |
防水材 | アスファルト、シート、塗膜防水材など |
急結剤 | 硬質発泡ウレタンフォームに含まれる有機溶剤など |
これはあくまで一例です。この他にも、シーリング材、グラウト材、コンクリート混和剤など、さまざまな建築材料に有害な化学物質が含まれている可能性があります。
材料のメーカーや販売会社から提供されるSDS(安全データシート)を確認し、届出の対象となる化学物質が含まれていないかチェックすることが大切です。
有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の記入項目と書き方
届出の作成に当たっては、記入漏れや誤記入がないよう細心の注意を払う必要があります。特に数値の記入では、単位を間違えないことが大切です。例えば、材料の搬入量は「kg」で記入しますが、「g」と記入してしまうと、実際の量とは大きく異なってしまいます。
欄外部分の記入項目と書き方
欄外部分には、届出の基本情報を記入します。
日付
届出の提出日は、工事の着工前であることが原則です。ただし、工事の途中で新たな化学物質を使用する必要が出てきた場合は、その都度届出を提出する必要があります。この場合、届出の提出日は化学物質の使用開始日よりも前でなければなりません。
事業所の名称
工事を実施する作業所もしくは工事名称を記入します。一般的には、「○○作業所」「○○新築工事」のように表記します。事業所の名称は、届出の対象となる工事を特定するための重要な情報です。
所長名
一次下請けの会社ではなく、元請け会社の現場管理人を記入しなくてはいけません。所長名はフルネームで記入します。姓と名の間には、スペースを入れるのが一般的です。また、姓と名の順番を間違えないよう注意しましょう。
一次会社名
一次下請けの会社名を記入します。一次会社名は、正式な社名で記入しましょう。略称や屋号は避けるようにしてください。また、法人の種類(株式会社、有限会社など)も正確に記入する必要があります。
使用会社名
横にある、自社が何次請けかを記入する欄を忘れないようにしましょう。自社名も正式な社名で記入する必要があります。個人事業主の場合は、「○○工務店」などの屋号ではなく、「○○太郎」のように代表者名を記入します。
現場代理人(現場責任者)
現場代理人は、届出の対象となる工事に関する権限と責任を持つ者を指します。通常は、自社の従業員の中から選任します。現場代理人の氏名は、所長名と同様にフルネームで記入します。姓と名の間にスペースを入れ、姓と名の順番を間違えないようにしましょう。
欄内部分の記入項目と書き方
記入項目は以下の通りです。
- 使用材料
- 使用場所
- 保管場所
- 使用機械又は工具
- 使用期間
- 作業主任者等
- SDS
- 換気等対策
順に解説します。
使用材料
使用材料の欄には、現場で使用する材料の詳細情報を記載します。具体的には、製造メーカー名、搬入する量(kg単位)、材料の種類、含有する化学成分、材料の商品名などを記入する必要があります。これらの情報は、材料に付属しているラベルや成分表を参考にすると良いでしょう。
使用場所
使用材料を使用する場所を記入します。使用場所は、できる限り具体的に記入します。「1階」「2階」などの表記ではなく、「1階の居室A」「2階の廊下」のように、部屋番号や部位を指定するようにしましょう。
使用場所が複数ある場合は、「1階の居室A、2階の廊下」のようにカンマで区切って記入します。別紙を使用する場合は「別紙参照」と記入し、別紙に詳細を記入します。
保管場所
使用材料を保管する場所を記入します。保管場所もできる限り具体的に記入します。「資材置き場」などの表記ではなく、「1階倉庫の北側」のように、場所を特定できるような表記にしましょう。
屋外に保管する場合は、「屋外の資材置き場」のように記入します。ただし、雨水などによる材料の劣化や流出を防ぐため、屋根やシートで覆うなどの対策を講じる必要があります。保管場所が複数ある場合は、使用場所と同様にカンマで区切って記入するか、別紙を使用します。
使用機械又は工具
使用材料を使う際に付属で使用する機械や工具を記入します。例えば、「ハケ塗り」「ローラー塗り」などです。使用機械や工具は、材料の使用方法に応じて記入します。
使用期間
使用期間は、「自」と「至」の2つの欄に分かれています。「自」には使用開始日を、「至」には使用終了日を記入します。使用期間が複数ある場合は、「自」と「至」を複数設けるか、別紙を使用します。
作業主任者等
使用材料の使用会社の作業責任者の名前を記入します。元請けから作業手順書の提出を指定された場合は、「有」を○で囲み、添付して提出します。
作業主任者は、使用材料の安全な取り扱いについて、専門的な知識と経験を持つ者を選任します。必要に応じて、有機溶剤作業主任者技能講習や特定化学物質作業主任者技能講習などの資格を取得している者が望ましいでしょう。
SDS
SDSとは、Safety Data Sheetの略で、日本語では安全データシートと呼ばれています。これは、建設現場で使用する化学物質の情報を記載した重要な書類です。SDSは、使用材料を製造または販売しているメーカーや販売会社から入手できます。有機溶剤・特定化学物質等持込使用届を提出する際は、SDSを添付したかどうかを記入する必要があります。
SDSを添付する場合は、「有」の欄に○印を付けます。一方、添付しない場合は「無」の欄に○印を付けます。SDSを添付する場合は、必ず使用届に同封して提出するようにしましょう。
SDSには、使用する化学物質の名前、危険性や有害性、取り扱う際の注意点、事故が起きた際の応急処置、保管方法など、重要な情報が記載されています。これらの情報を事前に確認し、適切な対策を立てることが非常に大切です。
また、使用する材料が変更になった場合や新しい情報が入手できた場合は、速やかにSDSを更新しなければなりません。常に最新のSDSを使用し、適切な管理を行うことが求められます。
換気等対策
換気等の対策は、使用材料の種類や使用場所に応じて適切に実施する必要があります。具体的には、以下のような対策が考えられます。
- 十分な換気の実施(全体換気、局所換気など)
- 適切な保護具の着用(マスク、手袋、保護メガネなど)
- 使用場所の隔離(シートによる養生、立入禁止の表示など)
- 火気の使用制限(喫煙の禁止、防爆型の電気機器の使用など)
- 緊急時の対応方法の周知(SDSに記載された応急措置など)
これらの対策は、できる限り具体的に記入します。例えば、「マスクを着用する」ではなく、「有機ガス用防毒マスクを着用する」のように、使用する保護具の種類や性能を明記しましょう。
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有機溶剤・特定化学物質等持込使用届は、建設現場で有害な化学物質を含む材料を使用する際に提出する重要な書類です。この届出を適切に作成して提出することで、現場の安全管理体制を整え、不測の事故を防げます。
届出書の作成に当たっては、使用する材料に含まれる化学物質を正しく把握し、必要な情報を漏れなく記入することが大切です。有機溶剤・特定化学物質等持込使用届の作成を通じて、化学物質の適切な管理の重要性を再認識し、安全で快適な職場環境の実現に努めましょう。
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