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建設業における、現場の入退場を「出面(でづら)」と呼びます。この出面管理をエクセルや紙で手作業で行っているという企業も多くあるのではないでしょうか。
今回は、そんな出面管理をデジタル化し、さらに報告書の作成やチャット機能まで備えた「現場ポケット」さんにインタビューしてお話を伺いました!
本日は株式会社アステックペイントの猪口(いのくち)さんにお越しいただきました。よろしくお願いします!自己紹介をお願いできますでしょうか。
アステックペイントのDX本部の猪口と申します。
現場ポケットの企画責任者をしております。よろしくお願い致します。
運営会社の株式会社アステックペイントについて
まず、会社のご説明をお願いできますでしょうか。
弊社はアステックペイントといいまして、2000年設立の塗料メーカーでございます。
2000年の設立当初はオーストラリアから塗料を輸入して販売する商社でした。現在は福岡と茨城の2拠点に生産工場を持っており、生産と販売を行っている塗料メーカーになります。
現場ポケットのサービス概要
御社のサービスである現場ポケットの概要や特徴についておうかがいできますか。
現場ポケットは、我々の加盟店さんでもある塗装業の皆様をはじめ、建築専門工事業の業種の方に使っていただける現場管理アプリになっています。
大きな機能としては、手軽にコミュニケーションが取れるチャット機能や、現場の情報が共有できる掲示板の機能、現場の写真管理ができるアルバム機能、他には報告書の作成ができる報告書機能などがあります。
サービスの開発経緯
このサービスを作るに至った背景についておうかがいできますか?
私たちのビジネスの特徴的なところは直販という点です。直販体制でやってますので、弊社の営業のメンバーは、直接塗装会社の方と日々やり取りをしております。
その中で、現場に関する課題やお悩みを直接ヒアリングでたくさん聞いてきました。課題としては、やはり生産性の低さや、アナログに依存している面がありました。
そのような背景から、弊社でITの力を使ってプロダクトを開発してその課題解決できないかというところが最初のスタートですね。
そうなると、お客様がどういう機能が欲しいのかというベースで作っているので、かなりお客様目線なプロダクトになっているという形ですか?
そういった自負はありますね。
最初に作った機能はチャット機能などがメインだったのでしょうか?
出面(でづら)と呼ばれる現場の出退勤の管理がもともとはベースです。
現場に直行直帰の職人さんが多いので、出面の管理をできるアプリをまず目指して作りました。
一番最初の大きな課題は、出退勤をもっと楽にやりたいというものだったのですか?
さらに具体的にいうと、出退勤や集計作業などの人工の計算ですね。そういった業務を手書きやExcelでされていた場合には、やはり月末の締め作業ですごく時間がかかるという課題がありました。まずはそこを解決しようと思いました。
最初はミニマムな機能からスタートして、お客様の声を聞きながらどんどん大きくしていった形なんですね。
現場ポケットの具体的な機能について
現場ポケットには具体的にどのような機能があるのかについてご説明いただいてもよろしいですか。
まず、LINEのような簡単な操作でコミュニケーションを行うチャット機能があります。他には地図や注意事項などその現場の情報や、誰が入ってるかということを共有できる機能、何時何分に現場に入ってどんな作業をしたかを報告できる日報機能があります。あとは、写真管理のアルバム機能ですね。そしてもう一つ、報告書の作成機能という機能もあります。
細かい機能はまだあるのですが、特に利用される大きな機能はいま言ったものになりますね。
機能を使うことでの業務改善について
アプリを導入したことによって様々な業務改善につながると思うのですが、どのような業務改善につながるケースが多いかをおうかがいしてもよろしいですか?
業務改善に関しては、よくお話を聞くものが5つほどあります。
まず1つ目が、現場の出退勤状況の把握、確認作業の手間の削減というところです。多くの職長さんや管理者の方は現場に入ってる職人さんに電話を使って確認されている方が多いです。また逆に、電話がかかってくるというケースも多いです。
それはすごく大変ですね。
そこでなかなか出なかったりもして、電話にずっと時間をとられてしまうという課題が多かったです。
アプリを使用すると、現場に入っているか入っていないかを、職人さんはアプリ上で報告できます。そして、管理者の方もリアルタイムで誰がどこに入ったかがわかります。
現場ポケットを使うことで、まずこのような手間がかなり削減されます。
アプリで出勤の報告をできることは便利ですね。
2つ目は、診断報告書や完了報告書といった施主さんに提出する報告書の作成です。これは、管理者や営業の方が作成するのですが、これもかなりの時間がかかっていました。
だいたい1時間とかかかってしまうものが、弊社の現場ポケットの機能を使えばテンプレート等もありますし、よく使う文章をフォーマットにしてクリックで挿入できます。早い会社さんだと、10分で報告書を作れるようになりました。
報告書によく書く項目にはどのようなものが多いのですか?
例えばこういう劣化がありますとか、こういう症状があります、とかですね。
このような症状は基本的には同じ説明を入れますので、ワンクリックで入れられるようにしています。
どんな工事をしたかという写真なども追加できるのですか?
写真の追加もできます。
従来は会社さんごとにExcelでフォーマットを持っていらっしゃって、そのExcel上で作ったりされていたのですが、Excelだとやはり写真の挿入とかがしづらかったりします。
現場ポケットでは画面上でドラッグ&ドロップで挿入できますし、その写真は当然現場ポケット内で職人さんがアップロードした写真やアルバムと連動しています。
そこから写真を選択してこの写真を入れようという流れで、直感的にどんどん報告書を作り上げられます。
すごく使いやすそうですね!
作成者の方はパソコンで作成される方が多いのでしょうか?
そうですね。パソコンで作成される方が多いです。
ただ、スマホでやりたいというご要望も多いので、今後はスマホで報告書が作れる機能も開発予定です。
スマホから作れたらとても簡単になりますね!
では次に、3つ目はどんなケースがありますか?
3つ目は人工集計で、これは職人さんの人工の計算です。
従来だと、手書きで記帳されてたり、口頭での報告を受けて事務の方が集計したりということがあるのですが、その作業も現場ポケットで出勤退勤記録をして頂けます。また、その記録は自動で集計されます。
4つめはどのようなものですか?
4つ目が、職人さん側の便利な機能として日報機能というものがありまして、どんな作業をしましたよ、という報告を簡単にアプリでできます。日報を手書きで書いている会社さんはまだおそらく多くいらっしゃいます。
日報って手書きで書くんですね。
そうですね。かつ、日報を事務所で書かれるというケースもあるので、そうすると事務所に戻らないといけません。
それが現場でアプリからできると、場合によっては直帰できたりなど、職人さんにとっても非常に時短化できる機能かなというふうに思っています。
では次に5つ目をお願いします。
これは一番ご要望も多いんですが、写真の管理機能ですね。
やはりひとつの現場で数百枚の写真を撮影されますので、その整理業務に忙殺される管理者の方が多いです。残業して現場から帰ってきて、事務所で写真の整理作業をする方もいらっしゃいます。そういった作業を軽減する機能になっています。
タグ付けで写真を整理できたり、現場ごとにも当然分けられるので、目的の写真をすぐ見つけやすいです。
あとは、写真の撮り忘れというものも結構あります。職人さんがこの工程の写真を撮らないといけないというのを忘れてしまったりと。それもこのアルバム機能の中で撮り忘れを防止するような機能もあります。
特に現場の方に好評な機能
機能がたくさん用意されているなかで、現場の方に特に好評な機能などはありますか?
そうですね、現場の方に好評な機能としては、掲示板という機能があります。やはり現場はその時々で変わります。掲示板は、住所や地図などの現場の情報などがアプリからすぐにわかるという機能です。職人さんはそこのコミュニケーションのやり取りを削減できるという点が非常に好評ですね。
しかも写真もアプリ内にあるので、「これだよ」とすぐ連絡ができるという点も楽ですよね。
そうですね。あとは書類関係ですね。
FAXで送ったりしてたものがアプリ上でPDFでダウンロードできるというところで、そういった点も職人さんにとって非常に便利な機能になっていますね。
現場ポケットの利用料金
現場ポケットの料金はどの程度ですか?
年間契約だと、月額で11,880円(税込)ですね。
それは安いですね!
よくあるシステムでは、ユーザー数無制限だと平気で10万円ほどかかってしまうサービスもあると思うのですが、その料金に抑えられてる要因はどういったところになるのですか?
元々弊社は塗料メーカーがメインの事業であって、この現場ポケットというのは業界の発展というビジョンのもとで開発していたので、大きく利益を取るという思想ではないという点があります。
広く使って頂くことが大きな目的なので、できるだけ低価格で提供して多くの方に使って頂くことを重要視しています。
現場ポケットの他社サービスとの違い・強み
現場ポケットには様々な機能があるかと思うのですが、他の現場管理ツールや現場管理系のアプリとの主な違いは、どういった点ですか?
まず、機能をかなり絞ってシンプルにしているので使いやすいという点と、価格がかなり低価格という点があります。
月額11,880円(税込)でユーザー数もデータも無制限で、かなり導入しやすい価格帯で提供しているというところは強みだと思っています。
やはりどの工事も多くの協力会社さんが一緒に入るケースが多いだろうなと思っているのですが、協力会社さんの分のユーザー数も無制限に確保できるということですか?
そうですね。
元請の会社様が月額費をお支払い頂いて、そこに招待をされる形であれば協力会社さんにお金はかからないです。
そうなんですね!現場全体としても楽になるということですね!
ちなみに、こういった業務管理サービスだとよくあるのが、「実際に導入したけれども全然うまく使えなかったよ」とか、「いざやってみたけど使い方がわからなくて、社員の人に質問とかが発生して管理側の人の仕事が逆に増えてしまった」といったケースだと思うのですの、そういった点に対してのサポートはあったりされるのですか?
ご要望があれば、職人さん向けの研修も実施しています。また、動画でのマニュアルもありますし、各種Q&Aもありますね。
あとは、前提としてUIを意識していて、画面をわかりやすいように設計しています。そのため、あまり使い方での問い合わせというのは多くはないそうです。
利用企業数について
ちなみに現在利用企業数やユーザー数は、何社何名ほどの方がお使いなんですか?
2023年の10月現在で、契約いただいている会社さんが約1000社です。
また、協力会社さんも含めて使っていただいているので、協力会社さんの会社数も含めると6,000社になります。
そして、利用者数でいうと、現在約3万2000人です。
どの業種の企業が利用しているのか
サービスの企業数や利用者数がかなり多いと思うのですが、業者の割合や分布でいうと、特にどの業者さんが多いんですか?
一番多いのは、やはりもともとターゲットにしていた塗装業者さんが半数ぐらいで、次はリフォーム関係の会社さんで、最近増えてきているのが設備工事業、電気設備などの会社さんが増えてきているという状況ですね。
それこそ、使いやすさや現場で求められる機能ってところに絞った形で提供しているというのもあって、どの業者さんも使いやすいようなシステムになっているのでしょうか?
そうですね。どの業種でも必要な機能的な部分は揃っているアプリなので、そこは塗装業に関わらずお使い頂けますし、カスタマイズがある程度できたりもします。そのため、タグを自由に編集したり会社さんごとにご設定頂いて使っていただくというような形ですね。
現場ポケットを導入した際の効果
実際に導入した企業様で、導入してみてどれぐらいの効果があったかという点で、定量的な数値のようなものはありますか?
数値でいいますと、報告書を作るのに1つ1時間~1時間半ぐらいかけて作ってらっしゃった会社さんが、早いところでいうと10分から20分でできるようになったという事例があります。
月換算すると相当な時間ですよね。だいたい週で5時間ぐらいの短縮になると思うので、月当たりだと20時間程ですよね。
そうですね。現場が多い会社さんであればあるほど、かなり効率は上がっています。他には、今まで報告書を作れなかった方、例えば事務の方であってもお願いできるようになったという事例があります。
報告書は現場の知識がある人でないと作れないケースが多かったのですか?
多いですね。
専門知識も多少要りますが、その部分はしっかり教育した上で、現場ポケット上でテンプレートを使ってやれば、知識がない方でも作りやすくなっています。
今後追加していく予定の機能
機能としては今後も少しずつ増えていくのでしょうか?
そうですね、今は現場管理機能がメインですが、営業管理の機能を増やす予定です。
顧客管理や原価管理などの要望も多いので、そういった機能を今後拡充していきたいと思っております。
現場単位での売上額や原価についてもわかるような機能もできるのでしょうか?
そのような要望も頂いてますので、検討している状況です。
今のサービスに対しての課題
現状のサービスに対しての課題感というか、もっとここを強化していきたいみたいなものはありますか?
そうですね、もともと使いやすいアプリですが、もっと現場で使いやすいようなアプリの操作性という点ですね。
今の大きな課題でいうと、もっとレスポンスの速さやユーザー体験の便利さをもっと上げていきたいと考えていますね。
画面の読み込みなどを速くしたりスムーズに使えるようにするということですね。
結構そういうところが、気持ちよく使えるようになるという点で意外と大事だったりしますよね。
毎日使うアプリなので、すごく大事ですね。
動作が遅いとか読み込みが遅いというのはユーザーさんにとっては不利益なので、そこはかなり意識して改善をしています。
最後に
最後に全体を通してコメントなどあれば、ぜひおうかがいさせてください。
そうですね、いま建設関係のDXはかなり進んでいって、建設現場のプロダクトアプリはたくさん出てくると思うんですよね。そのなかで、現場ポケットを使っていただきたいというのは当然あります。
ただ、競合さんを含めて業界全体を盛り上げていきたいという思いもすごくあります。
本当に建設業界の生産性を上げていって職人さんに管理する方の時短化をし、ゆっくり余暇を過ごす時間を増やしたりとか、そういったやっぱり業界の改善に貢献していきたいと思っています。
そういった思いで開発してますというところをお伝えしたいです。
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