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防水工事とは、住宅やビル、施設、工場などあらゆる構築物において雨水を遮断して漏水を防ぐことを目的とした工事のことをいいます。日本では、台風や豪雨といった自然災害があるため、建物の防水工事は需要がある工事といえるでしょう。
では、需要のある防水工事業者は、いったいどれくらいの年収があるか気になる方もいるのではないでしょうか。また、役職・年代別でも年収は違います。年収を上げるために独立を検討する方もいるでしょう。
今回は防水工事業者の年収や、独立には何が必要かなどを解説いたします。
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防水工事業者の平均年収は?
需要が多い防水工の平均年収について、興味のある方もいるでしょう。賃金構造基本統計調査ではさまざまな職種の平均年収がわかります。ここでは防水工の平均年収や、年代別、役職がある場合なども含めて解説します。
平均年収
厚生労働省の賃金構造基本統計調査において、防水工の平均年収は、433万円でした。全国平均が436万円となっているため、少し低い水準となっています。職業年収順位では203位という平均年収になっているため、決して高い水準だとはいえません。
給与の2か月分がボーナスであると予想して計算した場合、433万円÷15か月となり、平均月給は28万円から29万円くらいとなります。
役職別の平均年収
では役職がついた場合はどうでしょうか。役職別に平均年収をみてみると、係長クラスの平均年収は538万円、課長クラスの平均年収だと848万円になっています。平均年収が多くなったと思いがちですが、まだ全国平均よりは少し低い水準です。
年代別の平均年収
次に年代別の平均年収はどうでしょうか。
- 25歳から29歳は369万円程度
- 30歳から34歳は397万円程度
- 40歳から45歳は433万円程度
- 50歳から54歳は458万円程度
あくまでも厚生労働省の賃金構造基本統計調査を基に試算したものです。年齢が上がると平均年収も増える傾向にありますが、それにくわえて技術や資格を取得することでも年収を増やせます。
防水工事業者の人数
常に需要がある仕事ですが、全国的にみて防水工事業者はどれくらいの人数いるのでしょうか。平成27年の国勢調査によると防水工として就業している人数は59万8750人でした。
台風や大雨などの被害が起きた場合は、修理に時間がかかることがあります。防水工は普段から需要があるため、人手がたりない職業のひとつといえるでしょう。
防水工事業者の平均年齢
防水工事業で就労している防水工の平均年齢は、令和2年の厚生労働省が発表した賃金構成基本統計調査によれば、42.4歳でした。全職種全体では46.7歳が平均年齢となっています。他の業種と比較をすると少しだけ若い年齢になっているようです。
防水工事業者の学歴
防水工事業に従事している防水工の学歴として一番多いのが、高卒です。その次が高卒未満(中卒や高校中退など)、最後に大卒となっています。身体を使っての作業内容となるため、資格がなくても就業できます。
仕事をしながら作業を覚えていくことになるでしょう。実務経験をすることで、資格取得も可能になる場合があります。資格取得をすることで年収を上げることもできるでしょう。
防水工事業の主な業務
防水工事業とは、雨水を遮断して漏水を防ぐことを目的とした工事と解説しましたが、それだけではわかりにくいでしょう。実際の業務の主な内容についてご紹介します。
防水工の業務内容は、外壁のサッシと壁のすきまに防水材を打ち込む、外壁の防水工事をする、屋根などにアスファルトや合意樹脂材を塗ったり、貼り付けたりすることです。また、時には屋根などに防水フィルムや防水シートを敷いて固定することもあります。
防水工事業の年収を上げるためには独立が必要
年収を上げるために防水工事業の独立を考える方もいるのではないでしょうか。
防水工事業で独立した場合、一般的な平均年収は450万円から650万円といわれています。フリーランスとして得ている現在の年収を2016年中小企業庁が公開しましたが、建築技術者や土木・測量技術者部門で独立した人の年収にばらつきがありました。
多かった年収は100万円から300万円未満の43.6%、次が300万円から500万円の29.1%となっています。なかには防水工事業者として、1,000万円近く収入を得ているという方もいるようです。
防水工事業で独立する方法
防水工事業での独立は、防水工事の技術と仕事の請け負い金額が、500万円未満であれば独立は可能です。500万円以上だと建設業許可が必要となります。独立するためには会社に勤めて技術を身に着けるところから始めましょう。
一般的には2年から5年かければ技術を身に着けることができるといわれています。また、職業訓練校などでも防水工事の基本的な技術を学ぶことが可能です。自治体によっては職業訓練校の授業料がかからない場合もあるため確認してみてください。
防水工事業で独立するために必要な資格
防水工事業で必ず取らなければならないような資格はありません。しかし、独立となれば取っておきたい資格があります。資格があることで大きな受注がはいる技術として取りたいのが「防水施工技能士」です。
受験資格は2級が実務経験2年以上、1級が実務経験7年以上となっています。受験する前には有機溶剤作業主任者技能講習を受講し、修了試験に合格しなければなりません。
労働安全衛生法では、有機溶剤を取り扱う場合に有機溶剤作業主任者を設置する義務があります。有機溶剤作業主任者は講習を受けることで、満18歳以上であればだれでも取得できます。独立するために役に立つ資格としては危険物取扱者があり、危険な塗料まで取り扱うことが可能だと、仕事の幅が広がるでしょう。
「建設業許可」とは
請負金額が500万円以上の場合は防水工事業として建設業許可が必要になります。防水工事の建設業許可の申請には、建設業法第3条に基づき次のことが必要です。
国土交通省令で定める学科の高等学校卒業、または中等教育学校を卒業後して5年以上の実務経験者、又は大学卒業後3年以上の実務経験者、10年以上の実務経験者となっています。
また、1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士(仕上げ)、防水施工技能士(2級は実務経験3年以上)と同様の技能があると国土交通大臣が認定した者がいる場合に申請が可能です。
防水工事業の独立に必要なもの
防水工事業の独立にはどんなものが必要でしょうか。どんな仕事の種類でも独立には資金が必要です。一人親方で独立するならば、開業資金としては2〜3か月分の運転資金が必要となるでしょう。
事務所も自宅にすることで事務所を借りたりする手間や資金も必要ありません。しかし、建設業許可が必要な500万円以上を受注するとなれば、事務所を借りる必要があります。運転資金とあわせると、1,000万円近く必要になるでしょう。
独立となれば、道具も必要です。金づちやのこぎり、ドリルなどの工具、ヘルメット・ゴーグル・安全靴などの護身用品、軽トラックなどの移動用兼道具器具運搬車両が必要となってきます。
【まとめ】防水工事業で年収を上げるためには独立が有効!独立に必要なものも要チェック
今回は、防水工事業の年収、年代別、役職別の年収調査を解説しました。また、独立するとどのくらい年収が上がるのか、開業に必要なものなども解説しました。独立すると年収アップが見込めます。
しかし、独立するには取っておきたい資格などもあるため、実務経験を重ねることが大切になっています。また、仕事の幅がひろがる危険物取扱者の受講をすることも重要です。
防水工として年収を増やしたいのであれば、勤めているうちに資格取得などを目指し、実務経験を積むことをおすすめします。防水工事業で独立を検討している方はぜひ記事を参考にして下さい。
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